業務上負傷し、又は疾病にかかつた労働者が、当該負傷又は疾病に係る療養の開始後三年を経過した日において傷病補償年金を受けている場合又は同日後において傷病補償年金を受けることとなつた場合には、労働基準法第十九条第一項の規定の適用については、当該使用者は、それぞれ、当該三年を経過した日又は傷病補償年金を受けることとなつた日において、同法第八十一条の規定により打切補償を支払つたものとみなす。
要点労働者災害補償保険法 19 条は、療養開始後 3 年経過日に傷病補償年金を受けていれば、使用者は労基法 81 条の打切補償を支払ったとみなされ、労基法 19 条 1 項の解雇制限が外れると定める。
Q · 労災で 3 年以上療養していると、会社は補償なしで解雇できるって本当?
解雇制限は外れるが、解雇権濫用法理で無効になる余地は残る
労働者災害補償保険法 19 条により、療養開始後 3 年経過日に傷病補償年金を受けていると、会社は労働基準法 81 条の打切補償を支払ったとみなされ、労基法 19 条 1 項の解雇制限が外れます。会社が 1 円も払わなくても解除される点が要注意です。ただし解雇制限が外れても解雇が自由になるわけではなく、労働契約法 16 条の解雇権濫用法理という第二の関門が残ります。客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ、解雇は無効です。
労災で仕事中に大怪我をして長期療養に入った。会社は療養中のあなたをクビにできない。労働基準法19条1項がそう定めている。多くの人はここで安心する。だが、その盾には静かに作動するタイマーが仕込まれている。療養を始めて3年が経った日に、あなたが傷病補償年金を受けていると、労災保険法19条が発動する。会社が本来なら平均賃金の1200日分(労基法81条の打切補償)を実際に支払って初めて外れるはずだった解雇制限が、会社は1円も払わずに「打切補償を支払ったものとみなす」と扱われ、解雇制限が外れる。つまり、あなたが受け取っている年金そのものが、皮肉にもあなたの首を守る盾を内側から壊す引き金になる。療養3年目という、ほとんどの人が意識しない一日が、あなたの雇用の分水嶺だ。
労働者災害補償保険法 19 条は、みなし打切補償を定める規定である。業務上の負傷・疾病に係る療養の開始後 3 年を経過した日において労働者が傷病補償年金を受けている場合、または同日後に受けることとなった場合、使用者は労働基準法 81 条の打切補償を支払ったものとみなされ、同法 19 条 1 項の解雇制限の適用が解除される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労働者災害補償保険法 19 条に基づき、療養 3 年経過日に傷病補償年金を受けていると、会社が現実に打切補償を支払わなくても支払ったとみなされ、労基法 19 条 1 項の解雇制限が解除される制度です。
業務上の負傷・疾病で療養する期間とその後 30 日間が原則です(労基法 19 条 1 項)。ただし療養 3 年経過日に傷病補償年金を受けていると、労災保険法 19 条のみなし打切補償で解雇制限が外れます。
療養開始後 1 年 6 か月を経過しても治らず、障害の程度が傷病等級第 1 級から第 3 級に該当する場合に支給されます。労働基準監督署長が職権で決定し、休業補償給付から切り替わります。
労基法 81 条の打切補償は平均賃金の 1200 日分です。直近 3 か月の賃金総額をその期間の総日数で割った平均賃金に 1200 を乗じます。ただし労災保険法 19 条のみなし打切補償では現実の支払はありません。
労災で長期療養した私立大学教員の解雇が争われ、最高裁は労災保険給付を受ける労働者にも労基法 81 条の打切補償の趣旨が及び、みなし打切補償による解雇制限の解除を認めた重要判例です。
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない解雇は、権利を濫用したものとして無効になるという原則です。解雇制限が外れても、この第二の関門は残ります。
原則として労基法 19 条 1 項により解雇は禁止され違法です。例外は天災事変等で事業継続が不可能な場合や、打切補償・みなし打切補償が成立した場合に限られます。
障害の重さによる区分で、第 1 級が最も重く給付日数も多くなります。傷病等級は傷病補償年金の支給額を左右し、等級認定に不服があれば審査請求ができます。
解雇制限という一つ目の関門は外れますが、解雇が自由になるわけではありません。労働契約法16条の解雇権濫用法理が残り、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性がなければ解雇は無効です。業界裏話ヒント:会社側は『3年経過=解雇OK』と説明してくることがありますが、それは制度の半分しか語っていません。復職の可能性や配置転換の検討を尽くしたか、その手続記録の有無が勝負を分けます。会社が手続を飛ばしているなら、そこが反撃の急所です
労災保険法19条の発動条件は、3年経過日に傷病補償年金を『受けている』ことです。傷病補償年金は障害が重く一定の傷病等級(第1級から第3級)に該当する場合に支給され、休業補償給付から自動的に切り替わります。受給は労働基準監督署長が職権で決めるもので、あなたが任意に断れるものではありません(労災保険法12条の8、18条)。業界裏話ヒント:年金に切り替わるかどうかは傷病等級の認定次第。等級認定に不服があれば審査請求できます。等級が一つ違うだけで、解雇制限の運命まで変わることがあるのです
そこが労災保険法19条の核心です。本来、労基法81条の打切補償は会社が平均賃金1200日分を現実に支払って初めて成立します。しかし傷病補償年金を受けている場合、労災保険からの給付が打切補償に代わるものとみなされ、会社の現実の支払なしに『支払ったとみなす』扱いになります。業界裏話ヒント:つまりあなたの手元に1200日分の現金は入りません。労災保険が肩代わりした形で、会社だけが解雇制限解除という利益を得ます。この構造を知らないと『お金をもらえると思っていたのに』という致命的な勘違いに陥ります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 労災保険法 19 条:傷病補償年金受給で打切補償を支払ったとみなす | — |
| 現実の金銭支払 | 不要(労災保険の年金が肩代わり、会社は 1 円も払わない) | — |
| 解雇制限への効果 | みなし成立により解雇制限が解除される | — |
| 解除後に残る関門 | 労働契約法 16 条の解雇権濫用法理 | — |
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