要点労働者災害補償保険法 13 条は、業務上の傷病の治療を療養の給付として政府が現物支給すると定める。労災指定病院では窓口負担はゼロで、移送費まで含まれる。
Q · 仕事中にケガをしたら、治療費は自己負担ありますか?
労災なら自己負担ゼロ。全額が現物給付される
労働者災害補償保険法 13 条により、業務上の傷病の治療は「療養の給付」として政府が現物で支給します。診察・薬剤・手術・入院・看護に加え、病院への移送費まで含まれ、労災指定病院にかかれば窓口負担は一円もありません。健康保険の三割負担という常識は通用しません。指定外の病院で立て替えた場合も、3 項により療養の費用として後から全額が戻ります。会社に「健康保険で」と促されても、業務上の傷病は本来そもそも健康保険の対象外です。
工場のプレス機で指を挟んだ。倉庫で荷崩れに巻き込まれて腰を痛めた。多くの人はとっさに保険証を出して病院にかかり、三割の窓口負担を払う。それが最初の損失だ。仕事が原因のケガや病気には、健康保険ではなく労災保険の療養補償給付が使われる。そして労災の療養給付には自己負担という概念がない。診察、薬、手術、入院、看護、さらには病院までの移送費用まで、政府がまるごと現物で支給する(労災保険法13条1項・2項)。労災指定病院にかかれば、あなたは窓口で一円も払わずに治療を受けられる。指定外の病院で立て替えた場合も、3項により療養の費用としてあとから全額が戻ってくる。健康保険の三割負担に慣れたあなたの常識が、ここでは通用しない。会社が「とりあえず健康保険で」と言ってきたとき、その一言があなたから治療費全額補償の権利を奪おうとしていることに、気付けるかどうかだ。
療養補償給付とは、業務上の負傷または疾病に対し、労働者災害補償保険法 13 条が定める医療給付である。原則として診察・薬剤・処置・手術・看護・入院・移送を内容とする現物給付(療養の給付)であり、被災労働者の自己負担は生じない。現物給付が困難な場合に限り、療養の費用が現金で支給される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
業務上のケガや病気の治療を、政府が現物で支給する労災の医療給付です。労災保険法 13 条が根拠で、診察・薬剤・手術・入院・看護・移送までを自己負担ゼロでカバーします。
労災指定病院にかかれば窓口負担はゼロです。療養の給付は現物給付のため、健康保険のような三割負担という概念がありません。指定外で立て替えても 3 項で全額戻ります。
厚生労働省や各都道府県労働局の労災指定医療機関検索で探せます。指定病院なら窓口で「労災です」と伝えるだけで負担なく受診できます。
立て替えた費用の請求権は、費用を支出した日の翌日から 2 年で時効消滅します(労災保険法 42 条)。領収書の日付ごとにカウントが始まるため早めの請求が安全です。
業務上の傷病は健康保険の対象外(健康保険法 1 条)で、労災の療養給付を使います。健康保険は三割負担ですが、労災は自己負担ゼロの現物給付です。
出る場合があります。13 条 2 項 6 号が「移送」を給付範囲に含めており、転院や遠方の専門病院への通院費が一定要件で支給されます。請求し忘れが多い給付です。
指定病院での現物給付は様式第 5 号、指定外で立て替えた費用の請求は様式第 7 号を使います。労働基準監督署またはオンラインで提出できます。
傷病が治癒(症状固定)するまで受けられます。期間の上限はなく、健康保険の高額療養費のような自己負担上限の概念もありません。
使えます。労災保険給付の請求権は被災労働者本人にあり、会社の同意は法律上の要件ではありません。請求書には事業主の証明欄がありますが、会社が証明を拒んでも、その旨を申し添えて労働基準監督署に直接提出できます。業界裏話ヒント:会社が労災を嫌がる本当の理由は、保険料率が上がる「メリット制」や、安全管理を問われるのを避けたいから。あなたの治療費とは無関係の事情です。監督署は会社の証明がなくても業務起因性を独自に調査して判断するので、会社の壁で諦める必要はない
切り替えられます。健康保険組合に立て替えた給付分を返還し、改めて労災として請求し直す手続が用意されています。業務上の傷病はそもそも健康保険の対象外(健康保険法1条)なので、本来は労災で処理すべきものです。業界裏話ヒント:切替を放置すると、後日健保組合から「業務災害分」として七割の返還を求められ、二度手間になります。気付いた時点で早めに病院と健保に申し出るほど手続が楽。そして労災に切り替われば、自分で払った三割も最終的に手元に戻ってくる
電車代も対象になりえます。13条2項6号が「移送」を療養の給付の範囲に含めており、通院や転院のための交通費が一定の要件で支給されます。業界裏話ヒント:移送費は被災労働者の多くが請求し忘れる「取りこぼし給付」の代表格。遠方の専門病院に通っている場合は特に大きな額になります。さらに療養補償給付とは別に、ケガで働けない期間には休業補償給付(労災保険法14条)が日額の約八割出る。治療費の話だけで終わらせず、休業分まで請求するのが本来の姿です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 自己負担 | 療養補償給付(13 条):自己負担ゼロの現物給付 | — |
| 対象 | 業務上の傷病の治療そのもの | — |
| 給付の形 | 現物給付(指定病院)+立替時は療養の費用(3 項) | — |
| 時効 | 療養の費用の請求権は 2 年(42 条) | — |
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