要点労働者災害補償保険法8条は、労災給付の基礎となる給付基礎日額を労働基準法12条の平均賃金相当額と定める。賞与は除かれ、2020年9月以降は複数事業労働者の賃金が合算される。
Q · 労災の休業補償や年金って、結局いくらもらえるかはどう決まるの?
すべて「給付基礎日額」という一つの数字から逆算されます
労災保険の休業補償、障害年金、遺族年金などの給付額は、すべて労働者災害補償保険法8条の「給付基礎日額」を基準に計算されます。原則は労働基準法12条の平均賃金、つまり事故直前3か月の賃金総額をその期間の暦日数で割った額です。ただし3か月を超えるごとに支払われる賞与は含まれません。2020年9月以降は、副業・兼業をしている複数事業労働者は両方の勤め先の賃金を合算した額が基礎となります(3項)。
工場で機械に手を挟まれた、配送中にバイクで転倒した、過労で倒れた。労災で会社を休むことになったとき、あなたの口座に毎月いくら振り込まれるのか。その金額は、すべて「給付基礎日額」という一つの数字から逆算される。本条はその数字の決め方を定めている。原則は労働基準法12条の「平均賃金」、つまり事故が起きた直前3か月の賃金総額を、その期間の暦日数で割った額だ。ここに落とし穴がある。3か月を超えるごとに支払われる賞与は平均賃金に含まれない。だから年収の多くがボーナスの人は、実感する月収より給付基礎日額がかなり低く出る。さらに2020年9月の改正で、副業や兼業をしている人は、両方の勤め先の賃金を合算した額が基礎になった(3項)。本業だけで計算されて損をしないために、請求の時点で複数事業労働者であることを申告する必要がある。
給付基礎日額とは、労働者災害補償保険法に基づく各種保険給付の額を算定する際の基礎となる日額をいう。原則として労働基準法12条の平均賃金に相当する額であり、算定事由発生日を基準に決定される。平均賃金とすることが適当でない場合は政府が特例算定し、複数事業労働者については各事業の賃金を合算して算定される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
労災保険の休業補償や年金などの給付額を計算する基礎となる日額です。原則として労働基準法12条の平均賃金に相当する額で、算定事由発生日を基準に決まります。
原則、事故直前3か月の賃金総額をその期間の暦日数で割って算出します(労働基準法12条)。3か月を超えるごとに支払われる賞与は含めません。
二以上の事業に同時に使用される労働者を指します。本業と副業を掛け持ちする人などで、2020年9月以降は各事業の賃金を合算して給付基礎日額が算定されます(3項)。
あります。年齢階層別の最高・最低限度額が設けられ、スライド制で改定されます(8条の2以下)。著しく低い場合は最低保障日額で底上げされます。
計算されます。雇用形態を問わず、労災保険の適用労働者であれば平均賃金を基礎に給付基礎日額が算定されます。賃金が低い場合は特例算定や最低保障が働きます。
適用されます。本条3項は業務上の事由だけでなく、複数事業労働者の通勤による負傷・疾病等の場合も各事業の賃金を合算すると定めています。
負傷や死亡の原因となった事故が発生した日、または診断で疾病の発生が確定した日を指します(1項)。この日を基準に平均賃金を算定します。
休業補償給付、療養補償給付の一部、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料など、労災保険の金銭給付のほぼすべての算定基礎になります。
休業4日目から、給付基礎日額の60%が休業補償給付として支給される(労働者災害補償保険法14条)。これに加えて休業特別支給金が20%上乗せされるため、実質的には約80%が補償される。ただしこの基準はあなたの月給そのものではなく、本条8条の給付基礎日額である点に注意。業界裏話ヒント:特別支給金の20%は労災保険給付とは別建ての制度で、会社への損害賠償請求の際に控除されない扱いになることがある。本来の補償と特別支給金を分けて理解しておくと、追加請求の場面で取りこぼさない。
2020年9月1日以降に発生した災害なら、本条3項により本業と副業の賃金を合算した額が給付基礎日額になる。それ以前は被災した職場の賃金だけで計算されていた。業界裏話ヒント:合算は自動では行われない。労災請求書に複数事業労働者である旨を記載し、副業先にも賃金の証明を依頼する必要がある。申告し忘れると本業分だけで決定され、後から気付いても訂正に手間がかかる。副業がある人は最初の請求で必ず申告する。
原則入らない。給付基礎日額の基礎となる平均賃金は、3か月を超える期間ごとに支払われる賞与を除いて計算される(労働基準法12条4項)。だから年収に占めるボーナスの割合が高い人ほど、月収の実感より給付基礎日額は低く出る。業界裏話ヒント:ただし賞与分がまったく無視されるわけではない。賞与は別枠の「算定基礎日額」に反映され、障害特別年金や遺族特別年金などの特別支給金の計算に使われる。長期の年金給付では、この賞与分の有無が総額に大きく効いてくる。
争える。給付基礎日額を含む支給決定は行政処分なので、労働者災害補償保険審査官に審査請求できる。期限は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(最新の改正状況をご確認ください)。さらに不服があれば労働保険審査会へ再審査請求、その先は取消訴訟も可能。業界裏話ヒント:争点の多くは、平均賃金の算定基礎に含めるべき手当が漏れているケース。賃金台帳と支給決定の計算根拠を取り寄せて突き合わせると、通勤手当や精皆勤手当が抜けていることがある。まず計算根拠の開示を求めるのが第一手。
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| 根拠条文と用途 | 8条:給付基礎日額の基本(全給付の共通基礎) | — |
| 算定の基準 | 労働基準法12条の平均賃金相当額 | — |
| 賞与の扱い | 平均賃金から除外(賞与は別枠の算定基礎日額へ) | — |
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