要点独占禁止法2条の2は、課徴金算定のため子会社等・供給子会社等などを定義し、グループ会社の売上額を算定基礎に合算する範囲と、最長10年の遡及期間を画する定義規定である。
Q · 独占禁止法2条の2は、なぜ子会社を15項も使って執拗に定義しているの?
課徴金逃れの抜け穴を塞ぎ、グループ売上を合算するためです
独占禁止法2条の2は、課徴金の算定基礎となる「売上額・購入額」を、違反した本体だけでなくグループ会社にまで広げるための定義規定です。かつて本体は会議に出るだけで販売は子会社にやらせ、本体売上を小さく見せて課徴金を抑える手口がありました。2020年12月施行の改正で、供給子会社等・購入子会社等の売上や購入が算定基礎に合算され、さらに実行期間の遡及が従来の3年から最長10年に延長されました。定義条文に見えて、課徴金額を桁単位で左右する計算式の心臓部です。
談合やカルテルで公正取引委員会に摘発されたとき、会社が払う課徴金は「その商品の売上額×一定率」で決まる。かつて、ある手口が横行した。本体は価格調整の会議に出るだけ、実際の販売は子会社にやらせる。すると本体の「売上額」は小さく映り、課徴金も小さく抑えられた。第2条の2が15項にわたって「子会社等」「供給子会社等」「購入子会社等」を執拗に定義するのは、この抜け穴を塞ぐためだ。2020年12月施行の改正で、グループ会社の売上額・購入額が算定基礎に合算されるようになった。さらに第13項の「十年前の日」が示すとおり、遡及される期間は従来の3年から最長10年に延びた。退屈な定義条文に見えるこの一条が、あなたの会社の課徴金を数億円単位で動かす。読み飛ばしていい条文ではない。
独占禁止法2条の2は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の課徴金制度における算定基礎を画する定義規定である。市場占有率、子会社等、完全子会社等、供給子会社等、購入子会社等、実行期間、違反行為期間、調査開始日などを15項にわたり定め、課徴金納付命令の算定において、どのグループ会社の売上額・購入額を、いつまでの期間で合算するかの範囲を確定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
違反行為をした事業者の子会社等のうち、その違反に係る取引分野で当該商品・役務を供給したものを指します(2条の2第4項)。その売上額が本体の課徴金算定に合算されます。
違反類型・事業者規模で異なりますが、不当な取引制限(カルテル・談合)は原則として売上額の10%(中小企業は軽減)です。実際の率は業種・違反態様で確認が必要です。
調査開始日より前の自主申告なら全額免除や高い減算率を狙えます。申請は順位制で早い者勝ちのため、立入検査を受ける前の一刻を争う判断が金額を左右します。
違反事件について立入検査等の処分が最初に行われた日(処分がなければ事前通知を受けた日)を指します(2条の2第15項)。減免申請の期限や合算判定の基準になります。
違反していない供給子会社でも、本体と完全子会社等の関係にあり、本体の指示又は情報に基づき当該商品を供給した場合、その売上が合算されます(2条の2第7項)。
完全子会社化すると2条の2の完全子会社等の関係が生じ、買収先が過去に関与した違反が算定に巻き込まれうるため、デューデリで該当性の確認が不可欠です。
課徴金を命じうる除斥期間は違反行為がなくなった日から原則7年です(独占禁止法7条の8第6項、最新の改正状況をご確認ください)。実行期間の遡及とは別概念です。
事前通知とは課徴金納付命令に先立つ公取委からの通知で、意見申述・証拠提出の機会が与えられます。処分がなかった場合、実行期間や調査開始日の基準日にもなります。
2020年12月施行の改正以降、それは通用しない。違反に係る商品を供給した子会社は第2条の2第4項の供給子会社等に当たり、その売上額が本体の算定基礎に合算される。業界裏話ヒント:販売機能を子会社に切り出した会社ほど、改正後はむしろ重点的に合算を疑われる立場になった。安全だと思って組んだ設計が、課徴金減免を急いで申請すべき理由に変わっている
令和元年改正で算定期間が従来の3年から最長10年に延びた。第2条の2第13項が実行期間を「十年前の日」を基準に定義しており、対象売上額が大きく膨らみうる。業界裏話ヒント:遡及が長くなった分、自主申告で減免を取れるかどうかの金額インパクトが桁違いに大きくなった。調査開始日より前に動けるか、その一点に数億円が乗る(最新の改正状況をご確認ください)
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| 条文の役割 | 2条の2:課徴金算定の定義(合算範囲・遡及期間を画す) | — |
| 何を決めるか | どの子会社の売上を、いつまでの期間で数えるか | — |
| 実務上の争点 | 供給子会社等・特定非違反供給子会社等への該当性、遡及の起算点 | — |
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