金融商品取引法 第59条(引受業務の一部の許可)
クイックジャンプ
- 外国証券業者は、第二十九条及び前条の規定にかかわらず、内閣総理大臣の許可を受けて、その行う有価証券の引受けの業務のうち、元引受契約(第二十一条第四項に規定する元引受契約をいう。次条第一項第六号ヘにおいて同じ。)への参加その他の行為で政令で定めるものを国内において行うこと(以下この節において「引受業務」という。)ができる。
- 2.内閣総理大臣は、前項の許可に条件を付することができる。
- 3.前項の条件は、公益又は投資者保護のため必要な最小限度のものでなければならない。
- 4.内閣総理大臣は、第二項の規定により条件を付することとしたときは、書面により、その旨を許可申請者に通知しなければならない。
この条文の基本情報
引受業務の一部の許可とは何ですか?
定義引受業務の一部の許可とは、金融商品取引法第59条に定められた規定で、「外国証券業者は、第二十九条及び前条の規定にかかわらず、内閣総理大臣の許可を受けて、その行う有価証券の引受けの業務のうち、元引受契約(第二十一条第四項に規定する元…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 金融商品取引法第59条(引受業務の一部の許可)は、日本の金融商品取引法に含まれる条文です。
- 金融商品取引法第59条の条文原文は「外国証券業者は、第二十九条及び前条の規定にかかわらず、内閣総理大臣の許可を受けて、その行う有価証券の引受けの業務のうち、元引受契約(第二十一条第四項に規定する元…」で始まります。
- 金融商品取引法第59条は第二款 引受業務の一部の許可に置かれています。
- 金融商品取引法の公布日は昭和23年4月13日です。
- 金融商品取引法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 金融商品取引法第59条の前の条は金融商品取引法第58条の2です。
- 金融商品取引法第59条の次の条は金融商品取引法第59条の2です。
- 金融商品取引法第59条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第59条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000025 - 本サイト収録
金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第59条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000025/59
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点金融商品取引法59条は、外国証券業者が内閣総理大臣の許可を受けて、元引受契約への参加など政令で定める引受業務を国内で行えると定める。許可条件は必要最小限度に限られる。
Q · 外国の証券会社は、日本に支店も登録もないまま日本国内で引受けの仕事ができるんですか?
59条の許可があれば引受業務に限り可能です
金融商品取引法59条1項により、外国証券業者は内閣総理大臣の許可を受けることで、29条の登録および58条の2の国内営業禁止にかかわらず、元引受契約への参加その他政令で定める行為を国内で行えます。ただし許可が開くのは「引受業務」という限定された範囲に限られ、ブローカー業務や自己売買は含まれません。許可には条件を付すことができますが(2項)、その条件は公益又は投資者保護のため必要な最小限度でなければならず(3項)、条件は書面で通知されます(4項)。
解説
外国の証券会社は、日本に支店を出して登録しなければ日本国内で証券業を営めない。それが金融商品取引法29条と58条の2が立てている原則の壁である。ところが59条は、その壁に一つだけ小さな扉を開けている。内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に権限委任)の許可を受ければ、外国証券業者は登録なしで「引受業務」、つまり企業が新株や社債を発行するときにそれを買い取って投資家に売りさばく仕事の一部を、日本国内で行える。あなたが勤める会社が海外で資金調達を計画し、外資系投資銀行が「日本の機関投資家にも売りたい」と言ってきたとき、その銀行が日本で何を合法的にできるのかは、この扉を通っているかどうかで決まる。しかも2項は、その許可に条件を付けられると定める。条件が付けば、それは書面で通知される(4項)。3項が効いてくるのはここだ。条件は「公益又は投資者保護のため必要な最小限度」でなければならない。役所の裁量に、条文自身が上限線を引いている。
法的な位置づけ
金融商品取引法59条は、外国証券業者に対する引受業務許可を定める規定である。同法29条の登録原則および58条の2の国内営業禁止原則の例外として、内閣総理大臣の許可により、元引受契約への参加その他政令で定める行為を国内で行うことを認める。許可には条件を付すことができるが、条件は公益又は投資者保護のため必要な最小限度に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.予定業務が政令の範囲に収まるか確定する 金融商品取引法施行令が定める引受業務の対象行為(元引受契約への参加等)と、自社が日本国内で予定している行為を一つずつ突き合わせる。収まらない行為があれば、支店設置と29条の登録を別ルートで検討する
- 2.許可申請書類を整えて金融庁へ提出する 59条の2が定める申請書記載事項と、金融商品取引業等に関する内閣府令の細目に従って申請書類を作成し、金融庁へ提出する。本国当局の監督状況や国内での業務執行体制の説明が審査の中心になる
- 3.条件案の事前折衝で最小限度性を主張する 審査過程で条件案の打診があった段階が最大の勝負どころ。3項の「公益又は投資者保護のため必要な最小限度」を正面から主張し、条件の目的を内部管理体制の整備など代替措置で達成できることを具体的に示して、条件そのものの縮小を図る
- 4.書面通知を受領し、条件を業務フローへ落とし込む 4項の書面通知を受領したら、条件の文言を社内の業務フローと取引審査チェックリストへ機械的に反映させる。許可範囲の逸脱が事後の最大リスクであるため、営業部門が単独で判断できない設計にする
- 5.条件に不服が残る場合は争訟の期限を管理する 書面通知の到達日を起算点として、行政不服審査法に基づく審査請求、または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟の期間を管理する。起算点を誤ると争う手段そのものを失う
よくある質問 AI による整理
Q1外国証券業者とは何ですか?
外国の法令に基づき外国で証券業を行う者を指します。日本国内で業務を行うには29条の登録か、59条の引受業務許可が必要です。
Q2金融商品取引法59条の許可は誰が出すのですか?
条文上は内閣総理大臣ですが、実務上の権限は金融庁長官に委任されています。申請は金融庁を通じて行います。
Q359条の許可で日本国内の個人投資家に営業できますか?
できません。許可の対象は元引受契約への参加など政令で定める引受業務に限られ、一般投資家への勧誘や売買の取次ぎは範囲外です。
Q4引受業務の許可条件に不服がある場合はどうしますか?
条件は3項により必要最小限度に限られます。書面通知の到達後は審査請求または取消訴訟で争えますが、実務では通知前の折衝が有効です。
Q5許可の範囲を超えて業務を行うと違法ですか?
許可外の行為は29条違反の無登録営業となり、197条の2の刑事罰の射程に入りえます。許可の保有と業務範囲は別問題です。
Q6元引受契約とはどういう契約ですか?
金融商品取引法21条4項に定義される契約で、発行される有価証券を取得して投資家に売り出す、いわゆる引受けの中核となる契約です。
Q759条の許可は実務でよく使われていますか?
許可件数は極めて少なく、実務では日本に支店を設けて第一種金融商品取引業者として登録する経路が主流です。
Q8許可条件はいつ効力を持ちますか?
4項により書面で通知されます。口頭の打診は交渉段階にとどまり、書面が到達した時点で行政処分としての効力が固まります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本に支店を作らなくても、外国の証券会社が日本で仕事できるってことですか?
引受業務の一部に限れば可能である。59条の許可を受ければ、支店設置と29条の登録なしに、元引受契約への参加など政令で定める行為を国内で行える。ただし対象は法人向けの引受まわりに限られ、一般投資家への勧誘や売買の取次ぎは含まれない。実務のポイント:この許可は件数が極めて少なく、実務では支店を設けて第一種金融商品取引業者として登録する経路のほうが圧倒的に主流である。「59条で行きます」と言ってくる相手は、まずその実現可能性から疑ってかかる価値がある
Q2許可に変な条件を付けられたら、もう従うしかないんでしょうか?
従うしかないとは限らない。3項が「公益又は投資者保護のため必要な最小限度のもの」という縛りを行政側にかけており、これを超える条件は違法として争いうる。4項により条件は書面で通知されるので、その書面が争訟の対象を確定させる。実務のポイント:実務で効くのは訴訟ではなく事前折衝である。書面が出る前の段階で、条件の目的を内部管理体制の整備で代替できると示せれば、条件自体が落ちることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可が下りた=日本で証券業ができる」と読んでしまう人が多い。59条の許可が開けるのは引受業務、それも政令が定める元引受契約への参加等という限定された範囲だけである。ブローカー業務も自己売買も、この許可では一切カバーされない。許可証を根拠に業務範囲を広げると、無登録営業に転落する
- 行政の許可条件は「役所が決めたことだから従うしかない」と受け止められがちだが、3項はそう書いていない。条件は公益または投資者保護のため必要な最小限度でなければならないという法律上の縛りが、行政側にかかっている。つまり過剰な条件は違法になりうる。役所と申請者の力関係を、条文が一段だけ平らにしている
- 多くの人は「外国の金融機関は日本の規制と関係ない」という前提で問いを立てる。だが金融商品取引法が規制するのは主体の国籍ではなく、日本国内で行われる行為である。シンガポールに本社があろうとニューヨークに本社があろうと、国内で引受行為をすれば29条の射程に入る。問いは「どこの会社か」ではなく「どこで何をするか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 国内営業の根拠 | 59条:内閣総理大臣の許可(登録不要) | 29条:金融商品取引業の登録 58条の2:外国証券業者の国内営業を原則禁止 |
| できる業務の範囲 | 元引受契約への参加その他政令で定める引受業務のみ | 登録した業務区分の全範囲(第一種なら売買・取次ぎ・引受け等) 原則として国内での業務は不可(例外が本条等) |
| 国内拠点の要否 | 支店設置を前提としない | 国内に営業所・事務所を要する — |
| 逸脱した場合の帰結 | 許可範囲外の行為は29条違反として197条の2の刑事罰の射程 | 無登録営業は197条の2の刑事罰 禁止違反として同様に刑事罰の射程 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾も証券商を許可制とし業務種類ごとに範囲を画する。外国証券商の在台分公司(支店)設立許可を要する点で、日本の登録ルートに近い構造を採る
韓国は金融投資業を包括的な認可・登録制とし、外国金融投資業者には国内支店設置または限定的な越境業務の枠を設ける。日本同様、行為地基準で国内行為を捕捉する
中国は証券業務を業務許可制とし、外資参入は合弁・持株比率規制を含む個別の管理弁法で規律。許可の単位が「会社」寄りで、日本の行為単位の例外許可とは設計思想が異なる
ドイツは第三国institutionsに対し原則として支店設置とBaFinの許可を要求し、EU域内業者にはパスポート制で許可を免除する。EU 内外の二層構造が日本には存在しない
フランスも投資サービス業者を agrément(認可)制とし、EU パスポート制が適用される。第三国業者には ACPR/AMF の個別認可が必要で、ドイツと同様の二層構造をとる
米国は broker-dealer 登録を原則としつつ、Rule 15a-6により外国業者が米国の主要機関投資家に一定の条件下で接触できる免除枠を設ける。原則登録+限定的例外という構造は本条と機能的に類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が海外 IPO を検討し、主幹事候補の外資系証券会社が「日本の投資家にも配分する」と提案してきた。その会社が日本で引受業務をやるには、日本法人の登録があるか、59条の許可があるかのどちらかが必要。契約書にサインする前に、どちらの根拠で動いているのかを確認しないと、スキーム全体が無登録営業のリスクを背負う
- 許可は出た。しかし通知書に「国内における勧誘の相手方は適格機関投資家に限る」という条件が付いていた。ビジネスプランの半分が消える。ここで3項を読み込めるかどうかが分かれ目になる。その条件は本当に投資者保護のため必要な最小限度か。最小限度を超えていると考えるなら、条件それ自体を争う道がある
- 許可申請を出して4か月、金融庁から条件案の打診が口頭で来た。まだ書面は届いていない。ここであなたが押さえておくべきは、4項が書面通知を義務づけているという事実。口頭のやり取りは交渉の余地がある段階であり、書面が出た瞬間に行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)として法的効力が固まる
- 許可を受けた外国証券業者が、引受業務の枠を越えて日本の個人投資家に直接営業をかけていた。この行為は許可の範囲外であり、無登録営業として197条の2の刑事罰の射程に入りうる。「許可を持っている」ことと「何をやってもいい」ことはまったく別である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引相手の外国証券業者について、金融庁の免許・許可・登録等を受けている業者一覧で登録業者か59条許可業者かを確認する2. 許可業者であれば、許可に付された条件の内容を書面で開示するよう求める3. 実際に行われた行為が引受業務および許可条件の範囲内かを照合する4. 範囲外の行為により損害が生じた場合、無登録営業(29条違反)を前提とした民事責任の追及と、金融庁への情報提供を並行して検討する
訴えられた側:1. 許可申請の段階では、政令が定める行為の範囲に自社の予定業務が収まっているかを先に確定させる。収まらない部分は支店設置と登録を別途検討する2. 条件案の折衝では3項の最小限度性を正面から主張し、代替的な内部管理措置を提示して条件の縮小を図る3. 書面通知を受領した後も条件に不服がある場合は、行政不服審査法に基づく審査請求または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟の道が残る4. 許可後は業務範囲の逸脱が最大のリスクであり、社内で許可条件を業務フローに落とし込む
時効(請求できる期限):許可条件に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内かつ処分の日の翌日から1年以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。起算点は4項の書面通知の到達日である(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の許可は29条の登録原則および58条の2の国内営業禁止原則に対する限定的例外であり、許可により解禁される行為は政令が定める引受業務の範囲に厳格に限定されると解されている。許可の存在が包括的な業務適格を与えるものではない。
行政法上の附款論(比例原則):本条3項の「必要な最小限度」は、行政処分の附款に対する比例原則の実定法化と位置づけられる。目的達成に必要な限度を超える条件は裁量の逸脱・濫用として違法評価を受けうるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:証券取引法制定。占領期の米国1934年証券取引所法を母体とする規制枠組みの中で、外国証券業者の国内業務に関する規律が置かれた(条番号は当時と異なる)
- 2.平成18年(2006年) 改正:証券取引法が金融商品取引法へ改題・全面再編。外国証券業者の引受業務許可は現行59条として整理され、59条の2(申請手続)・59条の3(許可拒否事由)等と体系化された
- 金融商品取引法 第29条金融商品取引業の登録原則、本条はその例外
- 金融商品取引法 第58条の2外国証券業者の国内営業禁止原則
- 金融商品取引法 第59条の2引受業務許可の申請手続と記載事項
- 金融商品取引法 第59条の3許可拒否事由の法定
- 金融商品取引法 第21条元引受契約の定義、本条の対象範囲を画定
- 金融商品取引法 第197条の2無登録営業に対する刑事罰
- 行政手続法 第5条許可の審査基準の設定公表義務
- 行政事件訴訟法 第14条許可条件を争う取消訴訟の出訴期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める