受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

旅館業法 第3条の5

クイックジャンプ
  1. 営業者は、旅館業が国民生活において果たしている役割の重要性に鑑み、旅館業の施設及び宿泊に関するサービスについて安全及び衛生の水準の維持及び向上に努めるとともに、旅館業の分野における利用者の需要が高度化し、かつ、多様化している状況に対応できるよう、旅館業の施設の整備及び宿泊に関するサービスの向上に努めなければならない。
  2. 2.営業者は、旅館業の施設において特定感染症のまん延の防止に必要な対策を適切に講じ、及び高齢者、障害者その他の特に配慮を要する宿泊者に対してその特性に応じた適切な宿泊に関するサービスを提供するため、その従業者に対して必要な研修の機会を与えるよう努めなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 旅館業法第3条の5は、日本の旅館業法に含まれる条文です。
  2. 旅館業法第3条の5の条文原文は「営業者は、旅館業が国民生活において果たしている役割の重要性に鑑み、旅館業の施設及び宿泊に関するサービスについて安全及び衛生の水準の維持及び向上に努めるとともに、…」で始まります。
  3. 旅館業法の公布日は昭和23年7月12日です。
  4. 旅館業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  5. 旅館業法第3条の5の前の条は旅館業法第3条の4です。
  6. 旅館業法第3条の5の次の条は旅館業法第4条です。
  7. 旅館業法第3条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第3条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000138
  • 本サイト収録旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第3条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000138/3_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点旅館業法3条の5は、営業者に安全・衛生水準の向上とサービス改善、特定感染症対策と高齢者・障害者対応のための従業者研修に努めるよう求める努力義務規定で、直接の罰則はない。

Q · ホテルや旅館って、従業員に研修をする義務があるの?

努力義務としてある。ただし罰則はない

旅館業法3条の5第2項により、営業者は特定感染症のまん延防止対策と、高齢者・障害者など特に配慮を要する宿泊者への適切なサービス提供のため、従業者に必要な研修の機会を与えるよう努めなければなりません。「努めなければならない」という努力義務なので直接の罰則はありませんが、保健所の行政指導の根拠となり、宿泊拒否(5条)や合理的配慮をめぐる争いでは研修の有無が営業者側の事情として考慮されえます。

解説

罰則がひとつもない条文ほど、現場の空気を決めていることがある。旅館業法3条の5は、ホテル・旅館・簡易宿所の営業者に二つの「努力義務」を課している。1項は安全・衛生の水準を保って高めること、そして多様化する客の需要に合わせて施設とサービスを良くしていくこと。2項は、特定感染症(一類・二類感染症や新型インフルエンザ等感染症など、法律で指定された重い感染症)のまん延を防ぐ対策と、高齢者・障害者など特に配慮が必要な宿泊者への適切な対応のために、従業員に研修の機会を与えることである。「努めなければならない」なので、守らなくても直ちに罰金や営業停止になるわけではない。ただ、この条文は令和5年(2023年)改正で宿泊拒否のルールが見直された流れの中にあり、「研修もせずに現場判断で断った」という事実は、5条の宿泊拒否の適否や、障害者差別解消法の合理的配慮をめぐる争いで、営業者に不利な事情として持ち出される。客として泊まるあなたにとっては、フロントの対応に疑問を感じたとき「研修は受けていますか」と聞ける根拠になる。経営する側のあなたにとっては、研修記録は将来トラブルになったときの保険になる。

法的な位置づけ

旅館業法3条の5は、旅館業の営業者の努力義務を定める規定である。1項は施設及び宿泊サービスの安全・衛生水準の維持向上と、高度化・多様化する利用者需要に対応した施設整備・サービス向上への努力を求め、2項は特定感染症のまん延防止と特に配慮を要する宿泊者への適切なサービス提供のため、従業者に必要な研修の機会を与える努力を求める。

手順

  1. 1.研修テーマを2項の目的に合わせて決める 条文が挙げる二つの目的、①特定感染症のまん延防止対策、②高齢者・障害者など配慮を要する宿泊者への対応、を研修テーマの柱にする。自施設で起こりやすい場面(発熱した客、車いす利用者、聴覚障害のある客)を洗い出しておく
  2. 2.公的資料を使って研修資料を用意する 厚生労働省が公表している旅館業の研修用資料など公的な資料を土台に、自施設の手順(連絡先、代替案の出し方、宿泊拒否の判断は誰が行うか)を書き足す。最新の公表状況は厚生労働省のサイトで確認する
  3. 3.新人の配属前・繁忙期前に研修を実施する 新人アルバイトや外注スタッフを含め、現場で客と接する従業者に研修の機会を与える。小規模施設なら家族・スタッフでの読み合わせでもよい。トラブル発生後の実施は取り繕いに見えやすいため、時期が重要
  4. 4.実施記録を日付入りで保存する 実施日、内容、使用資料、参加者を記録して保存する。保健所からの照会や宿泊拒否をめぐる苦情への回答時に、研修の機会を与えていたことを示す資料になる

よくある質問 AI による整理

Q1旅館業法3条の5とは?

旅館・ホテル・簡易宿所の営業者に、安全衛生の向上、需要に応じたサービス改善、感染症対策と要配慮者対応のための従業者研修を努力義務として課す条文です。

Q2旅館業法 努力義務 違反したらどうなる?

3条の5違反そのものに罰則はありません。ただし保健所による行政指導の対象になりえ、宿泊拒否などの紛争では対応の適否を判断する事情になりえます。

Q3特定感染症とは何ですか?

旅館業法上、一類・二類感染症や新型インフルエンザ等感染症など、法律で指定された重い感染症を指します。具体的な範囲は旅館業法2条の定義と感染症法の分類で確認します。

Q4旅館業法の研修はいつから始まった?

従業者研修の努力義務は令和5年(2023年)の旅館業法改正で整備され、同年12月13日に施行されたとされます。宿泊拒否ルールの見直しと同時の改正です。

Q5民泊のホストも研修の対象?

旅館業法の許可(簡易宿所など)で営業している場合は「営業者」として対象です。住宅宿泊事業法の届出で営業する民泊は別の法律の規律になります。

Q6旅館業法の研修 内容は決まっている?

条文は形式や時間を定めていません。感染症対応の手順や高齢者・障害者への接し方など、目的に沿った内容であれば社内研修でも足りると考えられます。

Q7要配慮者とはどんな宿泊者?

条文は「高齢者、障害者その他の特に配慮を要する宿泊者」と定めます。高齢者・障害者に限らず、特性に応じた対応が必要な宿泊者が広く含まれうる表現です。

Q8旅館の対応に不満があるときの相談先は?

施設所在地を管轄する保健所が旅館業の監督窓口です。障害を理由とする対応であれば、自治体の障害者差別に関する相談窓口も利用できます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1研修してないホテルって、罰金とか営業停止になるんですか?

旅館業法3条の5は努力義務なので、研修をしていないことだけで罰金や営業停止になる規定はない。ただし保健所が行政指導として改善を求めることはありうる。実務のポイント:本当に効くのは罰則ではなく、宿泊拒否(5条)や障害者への合理的配慮をめぐる争いになったとき。研修の記録がない営業者は、対応が場当たり的だったと見られやすい

Q2うちは家族3人でやってる小さな簡易宿所です。研修って何をすればいいの?

条文は研修の形式を定めていないので、外部の講習でなければならないわけではない。感染症が疑われる客への対応手順や、高齢者・障害者への接し方を、公的な資料を使って家族で確認し、日付と内容を残すだけでも意味がある。実務のポイント:厚生労働省は令和5年改正にあわせて研修用の資料を公表している。それを使った記録があると、保健所の照会への回答がずっと楽になる(最新の公表状況をご確認ください)

Q3コロナのときみたいに、熱がある客は泊めなくていいの?

一律に断れるわけではない。令和5年改正で、特定感染症が国内で発生している期間に、営業者が宿泊者に感染防止への協力を求められる仕組みが設けられたが、宿泊拒否が許されるのは5条の要件を満たす場合に限られる。実務のポイント:3条の5で研修が求められているのは、まさにこの判断を現場が誤らないためである。「熱があるから帰って」と新人が独断で言えば、不当な宿泊拒否として苦情になりうる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「努力義務だから無視しても問題ない」と考える営業者は多い。たしかに3条の5違反に直接の罰則はない。だが問題は罰則ではなく証拠の構図にある。障害を理由とする宿泊拒否や不適切な対応で争いになったとき、従業員に何の研修もしていなかった事実は、対応が場当たり的だったことを示す事情として扱われうる。法的に責任が生じるかは個別判断だが、身を守る材料をひとつ失っていることは確かである
  • 客の側は「法律に書いてあるのだから、配慮が足りない旅館は処分される」と期待しがちだが、ここで問いの立て方を変えたい。本条は営業者を罰する道具ではなく、改善を求める根拠である。処分を求めて保健所に怒りをぶつけるより、「研修や対応方針の整備を求める」と具体的に伝えるほうが、行政指導(役所による法的拘束力のないお願い・助言)として動いてもらいやすい
  • 研修というと大がかりな外部講習を想像するが、条文が求めるのは「必要な研修の機会を与える」ことで、形式は決められていない。厚生労働省は研修用の資料を公表しており、それを使った短い社内研修でも、何も記録がない状態とはまったく違う。小規模な簡易宿所ほど、この差を軽く見て損をする
比較の観点この条文ほかの条文
義務の性質旅館業法3条の5:努力義務(「努めなければならない」)旅館業法4条:衛生措置を講じる義務
旅館業法5条:原則として宿泊を拒んではならない義務
規律の対象安全・衛生水準の向上、サービス改善、従業者研修の機会付与換気・採光・照明・防湿・清潔など施設の衛生管理
宿泊拒否の可否と拒否できる事由
違反した場合直接の罰則なし。行政指導や紛争時の事情として考慮されうる都道府県知事等による改善命令等の対象になりうる
不当な宿泊拒否として行政上の対応や紛争の対象になりうる

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
發展觀光條例・旅館業管理規則

台湾は旅館業を観光行政(交通部観光署・地方政府)の下で登記・管理する。従業員研修の努力義務を条文単位で定める日本型の規定は確認できず、管理規則による営業上の遵守事項が中心

韓国
공중위생관리법

韓国では숙박업が公衆衛生管理法の対象となり、衛生教育の受講が営業者に求められる仕組みがある。観光ホテル業は観光振興法の規律も受ける

アメリカ
Americans with Disabilities Act Title III

米国はホテルを public accommodation として障害者への差別禁止とアクセシビリティを連邦法で義務づける。日本の努力義務より強い強制力を持つ

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 車いすで予約した旅館に到着したら、フロントが「段差があるのでお泊めできません」と言い出した。設備の限界はありうる。しかし代替案の検討もなく門前払いされたなら、問題はスタッフが配慮の仕方を学んでいなかったことにある。3条の5の研修努力義務と障害者差別解消法の合理的配慮義務、この二本を並べて保健所や相談窓口に申し立てる材料になる
  • 簡易宿所の許可を取り、一棟貸しを副業で回しているあなた。清掃は外注、チェックインはスマートロック、スタッフ研修という発想はなかった。宿泊客が発熱して「どうすればいいのか」と深夜に連絡してきたとき、手順書がない営業者は、慌てた対応がそのまま口コミと保健所への苦情に変わる
  • 繁忙期前、来月から新人アルバイトが10人入る。オリエンテーションは館内案内と配膳だけで、感染症対応や認知症のある高齢客への接し方は「先輩を見て覚えて」。もし新人の不用意な宿泊拒否がSNSで拡散されたら、研修の機会を与えていたと示せる書類は手元に何枚あるだろうか?
  • 聴覚障害のある友人が、ホテルの火災報知の案内が音声だけだったと憤っている。違反として罰することはできない。それでも、改善を求める正当な足場はある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 対応した日時、担当者の名前、言われた内容をその場でメモし、可能ならメールや予約サイトのメッセージなど記録が残る形で確認する2. 営業者に、従業員研修や対応方針をどうしているか書面で質問し、改善を求める3. 回答がなければ、施設所在地の保健所(旅館業の監督窓口)に相談する4. 障害を理由とする対応であれば、自治体の障害者差別に関する相談窓口も並行して使う

訴えられた側:1. 苦情を受けたら、事実経過を担当者から聞き取り、日付入りで記録する2. これまでの研修の実施日、内容、参加者を一覧にする。ない場合は厚生労働省の公表資料などを使って速やかに実施し、再発防止策として示す3. 宿泊拒否が絡む場合は、5条の拒否事由に該当したか、代替案を検討したかを整理する4. 保健所から照会があれば誠実に回答し、改善計画を出す

時効(請求できる期限):本条は努力義務で、特定の時効はない。ただし不適切な対応による損害賠償を求める場合は、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利を行使できる時から10年)や、不法行為の消滅時効(民法724条、知った時から3年)が問題になる

改正沿革 AI による整理

  • 令和5年(2023年)改正(同年12月13日施行) 宿泊拒否の制限の見直しや特定感染症への対応とあわせ、従業者への研修の機会付与などの努力義務が整備されたとされる。1項部分の制定経緯と条番号の変遷は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:旅館業法制定(昭和23年法律第138号)。本条の現行条番号・1項部分の制定経緯は人的検証が必要
  2. 2.令和5年(2023年) 改正:宿泊拒否事由の見直し、特定感染症発生時の感染防止協力の求めとあわせ、従業者への研修の機会付与の努力義務が整備されたとされる(同年12月13日施行)

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

旅館業法の全文を見る

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›