医師法 第16条の11
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- 厚生労働大臣は、医師が、長時間にわたる労働により健康を損なうことなく、医療に関する最新の知見及び技能に関する研修を受ける機会を確保できるようにするため特に必要があると認めるときは、当該研修を行い、又は行おうとする医学医術に関する学術団体その他の厚生労働省令で定める団体に対し、当該研修の実施に関し、必要な措置の実施を要請することができる。
- 2.厚生労働大臣は、前項の厚生労働省令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、医道審議会の意見を聴かなければならない。
- 3.第一項の厚生労働省令で定める団体は、同項の規定により、厚生労働大臣から研修の実施に関し、必要な措置の実施を要請されたときは、当該要請に応じるよう努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第16条の11は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第16条の11の条文原文は「厚生労働大臣は、医師が、長時間にわたる労働により健康を損なうことなく、医療に関する最新の知見及び技能に関する研修を受ける機会を確保できるようにするため特に必要が…」で始まります。
- 医師法第16条の11は第二節に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第16条の11の前の条は医師法第16条の10です。
- 医師法第16条の11の次の条は医師法第17条です。
- 医師法第16条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第16条の11 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第16条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/16_11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法16条の11は、医師が長時間労働で健康を損なわず研修を受けられるよう、厚生労働大臣が学会等に研修実施上の措置を要請でき、団体は応じる努力義務を負うと定める。
Q · 研修の負担が重すぎるとき、国は学会に見直しを求められるの?
要請はできるが命令ではなく、学会側は努力義務にとどまる
医師法16条の11第1項により、厚生労働大臣は、医師が長時間労働で健康を損なうことなく研修を受ける機会を確保するため特に必要と認めるとき、学会など厚生労働省令で定める団体に対し、研修の実施に関する必要な措置を要請できます。要請を受けた団体は応じるよう努めなければなりません(同条3項)が、罰則はありません。対象団体を定める省令の制定・改廃には医道審議会の意見聴取が必要です(同条2項)。
解説
当直明けの医師が、日曜の朝に専門医の更新単位を取るため学会会場へ向かう。日本の医療現場ではありふれた光景だが、医師法16条の11はこの状況を国の課題として扱っている。厚生労働大臣は、医師が長時間労働で健康を損なうことなく最新の知見と技能を学べるようにするため、学会などの研修実施団体に「必要な措置」を要請できる。要請を受けた団体には、応じるよう努める義務(守らなくても罰則はないが、無視しにくい義務)が生じる。つまり研修のあり方は、学会だけで決めてよい内部ルールではなく、医師の働き方改革の一部になった。研修の負担が重すぎると感じている医師にとって、本条は単なる愚痴を国の政策課題として言い直すための根拠になる。
法的な位置づけ
医師法第16条の11は、医師の長時間労働による健康障害の防止と研修機会の確保を両立させるため、厚生労働大臣に、研修を行う医学医術に関する学術団体等への措置要請権限を付与する規定である。対象団体は厚生労働省令で定められ、その制定・改廃には医道審議会の意見聴取を要し、要請を受けた団体には応諾の努力義務が課される。
よくある質問 AI による整理
Q1医師法16条の11とは何ですか?
厚生労働大臣が、医師の健康を損なわずに研修機会を確保するため、学会など省令で定める団体に研修実施上の措置を要請できるとする規定です。
Q2医師法16条の11の要請に学会は従う義務がありますか?
応じるよう努める義務(努力義務)にとどまり、罰則はありません。ただし正式な要請を放置すれば、専門医制度を担う団体としての説明責任が問われます。
Q3医師法16条の11の対象団体はどこですか?
条文上は「医学医術に関する学術団体その他の厚生労働省令で定める団体」です。具体的な範囲は厚生労働省令で定められるため、最新の省令を確認する必要があります。
Q4医師 研修 長時間労働 法律で規制されている?
労働時間そのものは労働基準法141条と医療法の仕組みで上限管理され、研修の実施方法については医師法16条の11で国が団体に要請できる構造です。
Q5専門医の更新講習 負担 どこに相談できる?
制度の問題は学会の意見募集やパブリックコメントへ、職場で参加を事実上強制されている問題は医療勤務環境改善支援センターや労働基準監督署へ相談できます。
Q6医道審議会は医師法16条の11で何をする?
対象団体を定める厚生労働省令を制定・改廃する際、厚生労働大臣は医道審議会の意見を聴かなければなりません(同条2項)。対象の範囲を決める場面に関与します。
Q7医師法16条の11に違反したら罰則はある?
罰則はありません。大臣の権限は「要請」、団体の義務は「努力義務」として設計されており、法的強制ではなく制度上の説明責任で実効性を持たせています。
Q8医師の働き方改革と学会研修の関係は?
時間外労働の上限規制が始まり、研修の時間と方法が勤務管理に直結するようになりました。本条は研修の実施側である学会にも見直しを促す仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1学会の勉強会に出たら、それって残業になるんですか?
一律には決まりません。上司の明示または黙示の指示があり、参加しないと業務上の不利益がある研修は、労働時間に当たりうるというのが厚生労働省の考え方です。本条も、研修の機会と健康の両立を前提にしています。実務のポイント:「自己研鑽」という言葉が書類に出たら、指示の有無、参加しない場合の不利益、場所と時間の拘束を一つずつ確認すると、扱いの線引きが見えてきます
Q2国から学会に要請が来ても、学会が無視したら終わりですか?
法的には、団体側の義務は応じるよう努める義務(医師法16条の11第3項)にとどまり、罰則はありません。ただし、正式な要請に何の対応もしなければ、専門医制度を運営する学会としての公益性が問われます。実務のポイント:要請の効果は、文書そのものより、次の制度改定や関係機関との協議で持ち出される場面で強く出ます。会員の声が記録に残っているほど、学会は対応を避けにくくなります
Q3時間外労働の上限ができたら、若手医師は症例を積めなくなりませんか?
その懸念に対応するため、医療法には研修医や高度な技能を習得する医師向けの特例水準があり、年1,860時間まで認められる場合があります。本条は、研修そのものの実施方法にも国が関与できるようにするものです。実務のポイント:特例水準を使うには医療機関が都道府県知事の指定を受ける必要があります。所属病院がどの水準の指定を受けているかで、研修の組み方が大きく変わります(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が学会に命令して研修を楽にしてくれる」と期待するのは早い。本条は命令ではなく「要請」であり、団体側の義務も努力義務にとどまる。違反に対する罰則はない。ただし国から正式に要請を受けた後も放置すれば、学会の信用と専門医制度の正統性が問われる。圧力は法的強制ではなく、制度上の説明責任として働く
- 研修の負担が労働時間の上限に影響することは知っていても、その影響の大きさは見落とされがちである。2024年4月から医師の時間外・休日労働には原則年960時間の上限がかかり、研修目的の特例水準でも年1,860時間が上限となる。研修が労働時間に入るかどうかの判断一つで、勤務表全体が組み替わる
- 「研修は医師個人の自己責任」と考える人から見れば、研修の負担は本人の努力の問題に見える。しかし本条の前提は、研修の機会を確保することと医師の健康を守ることを、国が同時に担保すべき公益とみる点にある。視点を変えれば、過重な研修制度は個人の甘えではなく、医療提供体制のリスクになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 医師法16条の11:研修を行う学会等の団体 | 医師法16条の2:臨床研修を受ける医師本人 労働基準法141条:医業に従事する医師の労働時間 |
| 法的効果 | 大臣の要請権+団体の努力義務(罰則なし) | 診療に従事しようとする医師の臨床研修受講義務 時間外労働の上限に関する特例 |
| 守ろうとするもの | 研修機会の確保と医師の健康の両立 | 医師としての基本的な診療能力の習得 医師の健康と地域医療提供体制の両立 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は医師に継続教育を義務づけ、2019年から住院医師を労働基準法の適用対象とした。研修団体への国の要請権という形の規定は見当たらない
韓国は専攻医の研修時間を法律で直接上限規制する方式をとり、日本の要請・努力義務型より直接的である
ドイツは保険医に研修義務を課しつつ、労働時間法で医師にも一般的な労働時間規制を適用する
米国は法律ではなく研修認定機関の基準で研修医の勤務時間を規制する、民間自主規制型である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 専門医の更新に必要な講習が、毎年土日の対面開催ばかりで、地方病院の勤務医は移動だけで丸一日つぶれる。学会の事務局へ意見を出すとき、本条の趣旨を添えれば「不満」ではなく「法の目的に沿った改善提案」になる
- もし病院が「研修は自己研鑽だから労働時間ではない」と言い、夜間の院内勉強会への出席を事実上強制していたら、どうなる? 上司の指示がある研修は労働時間に当たりうる。本条と労働時間の考え方を並べると、問題の構図がはっきりする
- あなたが学会の理事として研修制度の改定を担当している。厚生労働省から研修の実施方法について要請文書が届いた。応じる努力義務があるため、次の理事会までに、オンライン化や開催時期の見直しを検討した記録を残す必要がある
- 後輩の専攻医が「時間外労働の上限を守ると症例数が足りず、専門医を取れない」と打ち明けてきた。三文で言えば、研修と健康の両立は個人の根性の問題ではない。国が学会に是正を求める仕組みがある。相談先は病院だけではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 研修や勉強会に参加した日時、上司の指示の有無、移動時間を記録する。2. 病院の勤務管理担当に、その研修を労働時間として扱うか自己研鑽として扱うかを書面で確認する。3. 学会の制度に問題がある場合は、会員意見の募集やパブリックコメントの機会に、オンライン化や開催日の分散などの具体策を出す。4. 職場での強制が続く場合は、医療勤務環境改善支援センターや労働基準監督署へ相談する
訴えられた側:学会や研修団体の側にいる場合は、厚生労働大臣から要請を受けた時点で、理事会での検討経過、会員アンケート、代替案の比較を記録に残す。努力義務に罰則はないが、検討の記録がなければ「応じる努力をしていない」とみられる。病院側は、上司の指示に基づく研修を自己研鑽として扱い、労働時間の管理から外していないか点検する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお、研修時間が労働時間に当たる場合の未払賃金請求権は、賃金支払日から当面3年(労働基準法115条、143条)である(最新の改正状況をご確認ください)
- 医師法 第16条の2臨床研修の義務、研修制度の基本
- 医師法 第16条の10研修に関する団体への要請の関連規定(現行効力を要確認)
- 医療法 第108条長時間労働医師への面接指導義務(現行効力を要確認)
- 医療法 第119条技能向上集中研修機関の指定(現行効力を要確認)
- 労働基準法 第141条医業に従事する医師の時間外労働特例
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