受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

医師法 第33条の4

クイックジャンプ

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条第三号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の罰金刑を科する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 医師法第33条の4は、日本の医師法に含まれる条文です。
  2. 医師法第33条の4の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条第三号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人…」で始まります。
  3. 医師法第33条の4は第八章に置かれています。
  4. 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
  5. 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 医師法第33条の4の前の条は医師法第33条の3です。
  7. 医師法第33条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条の4
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201
  • 本サイト収録医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/33_4

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点医師法33条の4は、従業者が業務に関し医師処分のための調査を妨害した場合、行為者に加えて法人や個人開業医にも罰金刑を科す両罰規定である。

Q · スタッフが立入検査を断ったら、クリニックや院長も罰せられるの?

罰せられうる。法人や院長にも罰金刑が科される

医師法33条の4により、従業者が業務に関して33条の3第三号の違反行為(7条の3に基づく報告徴収・立入検査などの調査の妨害)をした場合、行為者本人に加えて医療法人や個人開業医にも同条の罰金刑が科されます。判例上、事業主には選任・監督上の過失が推定され、注意を尽くしたと立証しない限り免責されにくいと解されています。個人開業医の場合、罰金刑は医師法4条3号の相対的欠格事由にも関わります。

解説

罰せられるのは書類を隠した事務長だけ、と考えるのは早い。医師法33条の4は、医療法人の代表者や従業者、個人開業医に雇われたスタッフが仕事として「前条第三号の違反行為」をした場合、本人に加えて法人や雇い主にも同じ罰金刑を科すと定めている。前条第三号の違反行為とは、厚生労働省が医師の行政処分(戒告・医業停止・免許取消など、役所が医師に直接下す決定)を検討するために行う調査(7条の3)を妨げることだ。具体的には、報告をしない、うその報告をする、診療録を出さない、立入検査を拒んだり妨げたりする行為が当たる(最新の改正状況をご確認ください)。院長の目が届かないところで受付スタッフが「院長不在なので入れません」と検査官を追い返したり、事務長が気を回してカルテを一部抜いたりしても、法人や開業医は罰金の当事者になりうる。院内でこのルールを知っている人がいるかどうかで、検査当日の対応はまったく変わってくる。

法的な位置づけ

医師法第33条の4は、従業者等が法人又は人の業務に関して同法第33条の3第三号の違反行為をした場合に、行為者本人に加えて当該法人又は人(個人開業医等の事業主)にも同条の罰金刑を科す両罰規定である。対象は医師の行政処分に関する調査(第7条の3)の妨害に限られ、事業主には選任・監督上の過失が推定されると解されている。

よくある質問 AI による整理

Q1両罰規定とは何ですか?

従業者が業務に関して違反行為をしたとき、行為者本人だけでなく、雇い主である法人や個人事業主にも罰金刑を科す仕組みです。医師法では33条の4が定めています。

Q2医師法33条の4の対象になる違反行為は?

前条(33条の3)第三号の違反行為、すなわち7条の3に基づく報告徴収・診療録等の提出命令・立入検査などの調査を妨げる行為に限られます。

Q3医師法の立入検査は拒否できる?

正当な理由なく拒んだり妨げたりすると33条の3の罰則の対象になり、従業者の行為であれば33条の4により法人や開業医にも罰金刑が及びえます。

Q4医師法33条の4で科される刑罰は?

法人又は人には懲役等の自由刑はなく、33条の3に定める罰金刑のみが科されます。金額は最新の条文で確認してください。

Q5医療法人が罰金刑を受けたら院長の免許はどうなる?

罰金刑を受けるのは法人なので、院長個人の前科にはなりません。ただし院長自身が行為者として処罰されれば、医師法4条3号の問題が生じえます。

Q6厚生労働省の報告徴収にうその回答をしたら違法?

虚偽の報告は33条の3第三号の違反行為に当たりうる行為です。スタッフが作成した回答でも、業務に関するものなら法人・開業医が両罰の対象になりえます。

Q7両罰規定で法人が免責されるのはどんな場合?

判例・通説では、事業主が従業者の選任・監督に相当の注意を尽くしたことを立証した場合に免責されうるとされます。書面の指示や研修記録が重要な証拠になります。

Q8医師法33条の4の公訴時効はいつまで?

罰金刑のみの罪のため、刑事訴訟法250条2項6号により3年と解されます。起算点は違反行為が終わった時です。最新の改正状況を確認してください。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちは医療法人じゃなくて個人のクリニックなんですけど、それでも関係あるんですか?

関係ある。本条は「法人又は人」と定めており、「人」には個人事業主である開業医が含まれる。雇っているスタッフが業務として調査を妨害すれば、院長個人に前条(33条の3)の罰金刑が科されうる。実務のポイント:個人開業医にとって怖いのは罰金の額よりも前科そのものである。医師法4条3号の「罰金以上の刑」に当たり、医道審議会で審議される入口になりうる

Q2スタッフには日頃から注意していました。それでも法人は罰せられますか?

判例・通説では、事業主が従業者の選任・監督に相当の注意を尽くしたことを証明すれば責任を免れるとされている。ただし、口頭で注意していたというだけでは足りないことが多い。実務のポイント:免責が認められるかどうかは、検査対応に特化した書面の指示や研修記録が残っているかで決まりやすい。一般的なコンプライアンス研修だけでは、7条の3の調査を妨げないための監督としては弱いと評価されやすい

Q3調査って医師本人が対象ですよね。病院が拒んでも本人の問題じゃないんですか?

調査の目的は医師個人に対する処分の判断だが、7条の3は関係者や参考人からの報告徴収、物件の所有者に対する提出命令、病院への立入検査まで認めている。診療録の所有者は通常、病院やクリニックである。実務のポイント:医師個人をかばうつもりで病院が資料提出を渋ると、本人の処分は避けられないまま、法人の刑事責任だけが新たに加わるという最悪の結果になりやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「スタッフが勝手にやったことなら、法人は関係ない」と考えがちだが、両罰規定の趣旨は、従業者の選任や監督を怠った事業主の責任を問うことにある。判例・通説では、事業主側が選任・監督に相当の注意を尽くしたと立証しない限り、過失が推定されるとされている(最大判昭和32.11.27の考え方)。免責されたいなら、立証責任は実質的に事業主側が負う
  • 前提がずれている例もある。「医師法の両罰規定だから、病院が無資格者に医療行為をさせたら、それで法人が罰せられる」という理解である。本条が両罰の対象にしているのは前条第三号、つまり調査妨害だけだ。無資格医業(17条違反)について法人の責任を問うには、共犯や別の法律の規定が必要になる。適用範囲が狭いからこそ、どの規定が使われるのかを見誤ると防御の的を外す
  • 院長から見れば、罰金は法人が払えば済むお金の問題に見える。だが個人開業医の場合、両罰規定によって罰金刑を受けるのは院長本人である。医師法4条3号は「罰金以上の刑に処せられた者」を相対的欠格事由(免許を与えない、または処分の理由にできる事情)に挙げている。経営上の出費のつもりが、免許処分の審査対象という資格の問題に変わる。この落差が開業医を追い詰める
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割医師法33条の4:法人・事業主にも罰金刑を及ぼす両罰規定医師法33条の3:調査妨害等の行為者を罰する本体の罰則
医師法7条の3:報告徴収・立入検査等の調査権限の根拠
処罰・規律の対象業務に関して違反行為がされた法人又は人(医療法人・個人開業医等)調査を妨害した行為者本人
処分対象の医師、関係者、物件の所有者、病院等
効果33条の3の罰金刑(法人・事業主に自由刑はない)罰金刑
報告・提出・立入検査に応じる義務が生じる(違反は33条の3で処罰)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
醫療法第26條・醫師法第25條以下

台湾では医療機関への検査協力義務違反は主に行政上の罰鍰で対応され、日本のような刑事罰の両罰規定とは構造が異なる

韓国
의료법 제91조

韓国医療法にも양벌규정が置かれ、法人・個人事業主が相当の注意と監督を怠らなかった場合は免責される旨が条文上明記されている

ドイツ
OWiG § 30・§ 130

ドイツでは法人に刑罰ではなく秩序違反金(Geldbuße)を科し、監督義務違反を独立の秩序違反とする構成をとる

アメリカ
New York Central & Hudson River R.R. v. United States, 212 U.S. 481 (1909)

米国は従業員の職務上の行為について法人の刑事責任を広く認める代位責任型で、日本の過失推定説より事業主に厳しい

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • ある勤務医の不適切な診療をめぐって厚生労働省の職員が立入検査に来た日、院長は学会で不在だった。受付主任が「院長の許可がないので」と入口で断ってしまう。善意から出た対応でも、検査拒否の構成要件に当たりうる。罰金の対象は受付主任だけでなく医療法人にも及ぶ
  • あなたが医療法人の事務長で、調査対象の医師に有利になるよう、提出する診療録から数ページを抜いたとしたら、どうなる? あなた個人が罰金に処されるほか、法人にも同じ上限の罰金が科されうる。さらに、改ざんが発覚すれば調査の焦点が医師個人から法人の管理体制に移る
  • 個人で開業している院長のもとに、報告徴収の書面が届いた。回答期限まであと10日。スタッフに作らせた回答に事実と違う記載があれば、院長自身も両罰規定で罰金刑の当事者になる
  • 看護師長がこっそり打ち明けてきた。「事務長に、検査の日はあのファイルを倉庫に移せと言われた」。この一言を聞いたあなたが何をするかで、法人の運命が決まる

取るべき行動

被害を受けた側:調査妨害の現場を見聞きしたスタッフや、調査を待つ患者の側に立った場合の手順。1. 記録の移動や改ざんの指示をいつ、誰から、どんな言葉で受けたかを、日時付きでメモする2. 指示に従わず、原本はその場所に置いたままにする3. 院内の通報窓口が機能しないなら、公益通報者保護法に基づく外部通報(行政機関)を検討する4. 患者であれば、自分の診療録の開示請求を並行して行い、写しを手元に確保しておく

訴えられた側:1. 違反行為が本当に「業務に関して」行われたのか、それとも従業者が個人的動機で勝手に行ったのかを切り分ける2. 選任・監督で注意を尽くしたことを示す資料(就業規則、研修記録、検査対応マニュアル、事前の指示書)を集める。過失推定を覆す材料になる3. 調査そのものには直ちに協力姿勢に切り替え、不足していた報告は弁護士を通じて補正する4. 個人開業医であれば、罰金刑が4条3号の欠格事由に当たることを踏まえ、略式手続に応じる前に弁護士と処分への影響を検討する

時効(請求できる期限):前条第三号の罪は罰金刑のみなので、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、起算点は違反行為が終わった時である。法人・事業主に対する両罰規定の公訴時効も、罰金刑を基準に3年と解されている(最新の改正状況をご確認ください)

学説

過失推定説(判例・通説):両罰規定の事業主処罰は従業者の選任・監督上の過失を推定するものであり、事業主は注意を尽くしたことを立証すれば免責される。責任主義との整合を図る解釈として定着している

無過失責任説(旧説):かつては事業主が従業者の行為について当然に責任を負う転嫁罰・代位責任と理解する見解もあったが、責任主義に反するとして現在は支持されていない

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)改正(要人的検証) 行政処分のための調査権限(7条の3)が導入されるのに合わせ、調査妨害に対する罰則と両罰規定が整備されたとみられる。その後の改正による条番号の移動の経緯は未確認

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

医師法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›