医師法 第33条の3
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
- 一第六条第三項、第十八条、第二十条、第二十一条、第二十二条第一項又は第二十四条の規定に違反した者
- 二第七条の二第一項の規定による命令に違反して再教育研修を受けなかつた者
- 三第七条の三第一項の規定による陳述をせず、報告をせず、若しくは虚偽の陳述若しくは報告をし、物件を提出せず、又は検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医師法第33条の3は、日本の医師法に含まれる条文です。
- 医師法第33条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 医師法第33条の3は第八章に置かれています。
- 医師法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医師法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 医師法第33条の3の前の条は医師法第33条の2です。
- 医師法第33条の3の次の条は医師法第33条の4です。
- 医師法第33条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000201 - 本サイト収録
医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第33条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000201/33_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医師法33条の3は、医師届出、無診察治療の禁止、異状死体の届出、処方箋交付、カルテの記載・保存などの義務違反や再教育研修の不受講に、50万円以下の罰金を科す規定である。
Q · カルテを書かなかったり異状死を届け出なかったりした医師は、どんな罰を受けるの?
50万円以下の罰金だが、免許の行政処分につながりうる
医師法33条の3により、診療録の記載・5年保存(24条)、異状死体の24時間以内届出(21条)、無診察治療の禁止(20条)などに違反した者は50万円以下の罰金に処されます。罰金刑は医師法4条3号の「罰金以上の刑」に当たるため、厚生労働大臣は7条に基づき戒告、3年以内の医業停止、免許取消しを検討できます。刑罰そのものより、その後の行政処分の方が重い結果になりえます。
解説
医師法の罰則章で最も地味に見える一条が、実は最も多くの勤務医と開業医の日常業務を通っている。対象は六つの義務違反と、行政調査や再教育への非協力である。六つの義務は次のとおり。2年ごとの医師届出(6条3項)。医師でない者が医師やまぎらわしい名称を名乗ること(18条)。自分で診察せずに治療や処方箋・診断書を出すこと(20条)。異状死体を24時間以内に警察へ届けないこと(21条)。処方箋を交付しないこと(22条1項)。カルテを書かない、または5年間保存しないこと(24条)。刑は50万円以下の罰金で、数字だけ見れば軽い。しかし、あなたが医師なら知っておくべきことがある。罰金刑を受けると、医師法4条3号の「罰金以上の刑に処せられた者」に当たる。すると厚生労働大臣は7条に基づき、戒告、3年以内の医業停止、免許取消しの処分を検討できる。患者や遺族の側にとっても、この条文は医師に何が義務づけられているかを示す一覧表になる。カルテが残っていない、診察なしで薬が出た、不自然な死なのに届出がない。そうした違和感を法的な言葉で指摘できるかどうかで、病院との話し合いの重みが変わる。
法的な位置づけ
医師法33条の3は、医師法上の届出・名称・診察・異状死届出・処方箋交付・診療録に関する各義務の違反、再教育研修命令に従わない行為、および行政処分のための調査における陳述拒否・虚偽報告・検査妨害等を処罰対象とし、法定刑を50万円以下の罰金と定める罰則規定である。罰金刑の確定は医師法4条3号・7条の行政処分の契機となる。
よくある質問 AI による整理
Q1医師法違反の罰金はいくらですか?
医師法33条の3の対象となる義務違反は50万円以下の罰金です。無資格の医業(17条違反)などはより重い31条の刑罰が適用されます。
Q2無診察処方は違法ですか?
医師が自ら診察せずに治療や処方箋交付をすることは医師法20条で禁止され、違反すると33条の3により50万円以下の罰金の対象になります。
Q3異状死の届出はいつまでですか?
医師が死体を検案して異状を認めたときから24時間以内に、所轄警察署へ届け出る必要があります(医師法21条)。怠れば本条の罰金の対象です。
Q4カルテの保存期間は何年ですか?
医師法24条2項により診療録の保存期間は5年間です。記載しない、または5年以内に廃棄した場合は本条の罰金の対象となります。
Q5医師届出を忘れたらどうなりますか?
2年ごとの医師届出(6条3項)を怠ると、医師法33条の3により50万円以下の罰金の対象になります。臨床を離れた医師にも届出義務があります。
Q6医師でない人が「院長」と名乗るのは違法?
医師でない者が医師またはまぎらわしい名称を使うことは医師法18条違反で、本条の罰金の対象です。医療行為をすれば17条違反として31条で処罰されます。
Q7再教育研修を受けないと罰則はありますか?
厚生労働大臣の命令(7条の2第1項)に違反して再教育研修を受けなかった医師は、医師法33条の3第2号により50万円以下の罰金に処されます。
Q8処方箋を出さないのは医師法違反?
医師法22条1項は、薬剤を投与する場合に原則として処方箋の交付を義務づけています。例外に当たらず交付しない場合は本条の罰金の対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金50万円なら、払って終わりですよね?
刑事手続はそこで終わるが、医師としての手続はそこから始まりうる。罰金刑は医師法4条3号の「罰金以上の刑」に当たり、厚生労働大臣は7条により戒告、医業停止、免許取消しを検討できる。実務のポイント:本当の勝負どころは罰金の額ではなく、略式命令に同意するかどうかの判断である。確定した後では、刑事記録は行政処分の審議の土台として使われる
Q2異状死の「異状」って、どこからが異状なんですか?
医師法21条の「異状」の範囲は、実務上、解釈が分かれている。最高裁(最判平成16.4.13、都立広尾病院事件)は、自分が診療していた患者の死体でも、検案して異状を認めれば届出義務が生じると判断した。この義務は憲法38条1項(自己負罪拒否特権)に反しないとも述べている。実務のポイント:迷って届け出なかった場合のリスクの方が、届け出て捜査が入る負担より重く扱われやすい。判断の過程は必ずカルテに残す
Q3カルテって5年経ったら捨てても問題ないですか?
医師法24条2項の保存義務は5年なので、それを過ぎて廃棄しても本条の罰金の対象にはならない。ただし、医療過誤で人の生命や身体が害された場合の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から5年、権利を行使できる時から20年まで残る(民法724条の2、166条、167条)。実務のポイント:5年で廃棄した病院は、6年目に訴えられたときに自分を守る証拠を失っている。保存期間を長めに設定する医療機関が多いのはこのためである
間違えやすい点 AI による整理
- 上限50万円の罰金は駐車違反の延長くらいだと受け止められがちだが、本当の重さは刑事手続の後に来る。罰金刑も前科であり、医師法4条3号の相対的欠格事由(免許を与えないことがある事由)に当たる。そのため7条の行政処分(戒告から免許取消しまで)を審議する入口になる。刑罰より、その後の処分の方がはるかに重い
- 「医療事故調査・支援センターに報告したのだから、警察への届出は不要だ」と考える病院がある。医師の側から見れば同じ死亡事案の報告だが、法律上は目的も根拠も別の制度である。医療法6条の10の報告は医療安全のため、医師法21条の届出は犯罪捜査や死因究明とつながる。一方を済ませても、もう一方の義務は消えない
- 「オンライン診療は対面ではないから20条違反になるのでは」という問いの立て方自体がずれている。20条が見ているのは診察の手段ではなく、実質的に診察したかどうかである。厚生労働省の指針に沿ったビデオ通話の診療は診察と扱われうる。逆に、チャットで問診票に答えさせるだけで薬を出せば、画面越しかどうかに関係なく無診察の疑いが生じる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 医師法33条の3:刑事罰(50万円以下の罰金) | 医師法7条:行政処分(戒告・3年以内の医業停止・免許取消し) 医師法4条:免許を与えないことがある相対的欠格事由 |
| 判断主体 | 検察官・裁判所(略式命令を含む) | 厚生労働大臣(医道審議会の意見を聴く) 厚生労働大臣(免許付与の段階) |
| 相互の関係 | 罰金刑の確定が出発点になる | 4条3号該当を理由に処分を検討できる 3号「罰金以上の刑に処せられた者」が本条の罰金を含む |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は診療録・処方等の義務違反を主に行政上の罰鍰で処理し、懲戒は医師懲戒委員会が担う。日本は刑事罰金と行政処分を連動させる点が異なる
韓国は医療法に医師の義務違反の罰則を置き、別途資格停止などの行政処分を定める二段構造で、日本と類似する
米国は州ごとの医事委員会が記録不備や無診察処方を懲戒対象とし、刑事罰より免許上の懲戒が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 当直中に入院患者が予期せず急変して死亡した。死因に心当たりがない場合、警察に届けるべきか? 21条の期限は「異状を認めたとき」から24時間である。上級医の判断を待って朝まで様子を見るうちに、その24時間が過ぎていく
- あなたはクリニックの院長である。高血圧で通っている高齢患者の娘が「母は足が悪いので、いつもの薬だけください」と窓口に来た。善意で処方箋を出せば、本人を診察していない以上、20条の無診察処方の問題になる。例外が認められる範囲は狭く、実務上も解釈が分かれる
- 白衣を着たエステサロンのオーナーが、医師免許なしで「院長」「医師」と名乗っていた。名乗っただけでも18条違反で、本条の罰金の対象になる。実際に注射などの医療行為をしていれば、17条違反として31条のさらに重い刑罰の問題になる
- あと2週間で1月15日になる。2年に一度の医師届出(6条3項)を、臨床を離れて研究職に就いている医師が「今は診療していないから関係ない」と放置していた。この届出は診療しているかどうかにかかわらず、医師免許を持つ全員に課されている
- 医道審議会の答申で戒告処分を受け、厚生労働大臣から再教育研修を命じられた。「処分を受けたのだから、もう終わりだろう」と研修を受けなかった。それだけで、新たな罰金刑の対象になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 診察なしで薬が出た、不自然な死なのに説明がないといった違和感を、日時と担当医の名前とともにメモする。2. 個人情報保護法33条に基づいてカルテの開示を請求し、記載の有無と内容を確認する。3. 死因に疑問があれば警察に相談し、解剖の可能性を早めに尋ねる。時間が経つほど検証は難しくなる。4. 健康被害が出ている場合は、民法709条による損害賠償の請求を医療紛争に詳しい弁護士と検討する。
訴えられた側:1. 違反とされる事実(届出の時刻、カルテの記載状況、診察の有無)を客観的な記録で時系列に整理する。2. 是正措置(届出の追完、院内マニュアルの改訂)をすぐに行い、その記録を残す。3. 略式命令に同意する前に、医事に詳しい弁護士へ相談し、4条と7条による行政処分の見通しを確認する。4. 行政処分の手続で意見を述べる機会があれば、再発防止策を具体的に示す。
時効(請求できる期限):本条の罪の公訴時効は3年で、犯罪行為が終わった時から数える(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。個々の義務の期限は次のとおり。異状死の届出は異状を認めてから24時間以内(21条)。医師届出は2年ごとの12月31日時点の内容を翌年1月15日までに(6条3項)。カルテの保存期間は5年間(24条2項)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:医療制度改革に伴う医師法改正で、行政処分を受けた医師に対する再教育研修命令(7条の2)と処分のための調査(7条の3)が創設され、これらへの違反が罰則の対象として整備された
- 医師法 第21条異状死体等の24時間以内届出義務
- 医師法 第20条無診察治療・無診察処方の禁止
- 医師法 第24条診療録の記載と5年保存義務
- 医師法 第4条罰金刑を相対的欠格事由とする規定
- 医師法 第7条戒告・医業停止・免許取消しの行政処分
- 医療法 第6条の10医療事故調査制度の報告、21条とは別制度
- 刑事訴訟法 第461条略式命令による罰金の簡易な科刑手続
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