消防法 第11条の2
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- 政令で定める製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更について前条第一項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る工事で政令で定めるものについては、同条第五項の完成検査を受ける前において、政令で定める工事の工程ごとに、当該製造所、貯蔵所又は取扱所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるもの(以下この条及び次条において「特定事項」という。)が第十条第四項の技術上の基準に適合しているかどうかについて、市町村長等が行う検査を受けなければならない。
- 2.前項に規定する者は、同項の検査において特定事項が第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、当該特定事項に係る製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更の工事について、前条第五項の完成検査を受けることができない。
- 3.第一項に規定する者は、同項の検査において第十条第四項の技術上の基準に適合していると認められた特定事項に係る製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更の工事につき、前条第五項の完成検査を受けるときは、当該特定事項については、同項の完成検査を受けることを要しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第11条の2は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第11条の2の条文原文は「政令で定める製造所、貯蔵所若しくは取扱所の設置又はその位置、構造若しくは設備の変更について前条第一項の規定による許可を受けた者は、当該許可に係る工事で政令で定め…」で始まります。
- 消防法第11条の2は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第11条の2の前の条は消防法第11条です。
- 消防法第11条の2の次の条は消防法第11条の3です。
- 消防法第11条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/11_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法11条の2は、政令で定める危険物施設の工事について、完成検査の前に工程ごとの検査を受けることを義務付ける。この検査に合格するまで完成検査は受けられない。
Q · 危険物タンクの工事って、完成してからまとめて検査を受ければいいの?
政令対象工事なら途中検査が必須。合格前は完成検査不可
消防法11条の2により、政令で定める製造所・貯蔵所・取扱所の工事では、完成検査の前に工程ごとに「完成検査前検査」を受けなければなりません。液体危険物タンクの水張検査・水圧検査、特定屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤検査や溶接部検査などが代表例です。この検査に合格していない特定事項があると完成検査は受けられず(2項)、合格した事項は完成検査で重ねて検査されません(3項)。
解説
ガソリンスタンドの地下タンクは、いったん埋めてしまえば二度と外から見えない。巨大な石油タンクの溶接線も、底板の下の地盤も同じである。消防法11条の2は、この「完成後には見えなくなる部分」を、工事の途中で行政に検査させる仕組みだ。対象は、政令で定める製造所・貯蔵所・取扱所の設置や変更で、11条の許可を受けたものである。タンクの水張検査・水圧検査、大型屋外タンクの基礎・地盤検査、溶接部検査などが、政令で定める工程ごとに市町村長等(消防本部を置く市町村長、または都道府県知事・総務大臣)によって実施される。ここで合格しなければ、最後の完成検査は申請すらできない(2項)。逆に、合格した事項は完成検査で重ねて見られない(3項)。発注者や施工管理者が押さえるべき点は一つ。工程表に検査のタイミングを組み込まなかった現場では、埋め戻した土を掘り返すか、塗装をはがすことになる。工期も予算も、そこで崩れる
法的な位置づけ
完成検査前検査とは、消防法11条の2に基づき、政令で定める危険物製造所・貯蔵所・取扱所の設置または変更の工事について、完成検査の前に、政令で定める工事の工程ごとに、構造・設備の特定事項が同法10条4項の技術上の基準に適合するかを市町村長等が確認する検査をいう。合格は完成検査を受けるための前提要件となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.対象工事かどうかを設計段階で確認 工事内容が危険物の規制に関する政令で定める完成検査前検査の対象に当たるか、タンクの種類・容量・変更範囲を整理し、所轄消防本部の危険物担当に事前相談する
- 2.工程表に検査ホールドポイントを組み込む 水張・水圧検査、基礎・地盤検査、溶接部検査など各検査を、埋め戻し・塗装・据付けなど次工程の直前に配置し、消防側の日程調整期間も見込んで工程表に明記する
- 3.請負契約で申請者と費用負担を明記 完成検査前検査の申請担当者、申請時期、不合格時の再施工費・待機費用の負担を請負契約または覚書に書き込む
- 4.工程到達時に検査を申請・受検 政令で定める工程に達したら市町村長等へ完成検査前検査を申請し、立会いのもとで受検する。合格を確認してから次の工程に進む
- 5.合格記録を保管し完成検査を申請 タンク検査済証などの合格記録を保管し、全ての特定事項の合格後に消防法11条5項の完成検査を申請する。合格後に仕様を変更した場合は事前に消防へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1完成検査前検査とは何ですか?
危険物施設の工事で、完成後に見えなくなるタンクや基礎などを工事の途中で市町村長等が確認する検査です。根拠は消防法11条の2です。
Q2完成検査前検査にはどんな種類がありますか?
液体危険物タンクの水張検査・水圧検査のほか、特定屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤検査、溶接部検査などがあり、具体的な範囲は政令で定められています。
Q3完成検査前検査に合格しないとどうなりますか?
その特定事項に関する工事について完成検査を受けられません(消防法11条の2第2項)。是正して再検査に合格する必要があります。
Q4完成検査前検査の申請先はどこですか?
設置・変更許可を出した市町村長等が実施します。消防本部を置く市町村では市町村長(実務上は消防本部)、それ以外は都道府県知事などが窓口です。
Q5完成検査前検査を受けずに埋め戻したらどうなる?
特定事項の適合を証明できず、完成検査に進めません。実務上は掘り返して受検し直すことになり、工期と費用に大きく響きます。
Q6完成検査前検査に合格すれば完成検査は不要?
不要になるのは合格した特定事項の部分だけです(3項)。施設全体の完成検査は別途受ける必要があります。
Q7ガソリンスタンドの地下タンクも検査が必要?
地下貯蔵タンクは液体危険物タンクとして水圧検査の対象になるのが一般的です。対象かどうかは設計段階で所轄消防本部に確認しましょう。
Q8完成検査前検査の結果に不服がある場合は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を検討できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1完成検査前検査って、どの工事でも必要なんですか?
全部ではない。消防法11条の2で対象とされ、危険物の規制に関する政令で定める工事に限られる。主に液体危険物タンクの水張検査・水圧検査や、容量1,000kL以上の特定屋外タンク貯蔵所の基礎・地盤検査、溶接部検査などである。実務のポイント:タンクを含まない変更工事や軽微な変更では不要なこともある。自社の工事が該当するかは、設計段階で所轄消防本部の危険物担当に「完成検査前検査の対象になりますか」と一言確認するのが最も速い
Q2工場でタンクを作ってから現地に運ぶ場合、検査はどこで受けるんですか?
水張検査・水圧検査は、タンクに配管などを取り付ける前の段階で受けるもので、工場製作のタンクでは製作地側で受検するのが実務上一般的である(危険物の規制に関する政令で定める工程による)。合格すればタンク検査済証が交付される。実務のポイント:中古タンクや他現場からの転用品は、この済証の有無と記載内容で扱いが大きく変わる。購入前に済証の現物を確認しない取引は、後で検査をやり直す原因になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「完成検査に合格すれば全部OK、途中の検査は形式」と考えがちだが、順序が逆である。2項により、完成検査前検査に合格していない特定事項があれば、完成検査は受けることすらできない。最後の検査で挽回する道は、制度上用意されていない
- 検査の存在は知っていても、日程の重さまで知っている人は少ない。検査は政令で定める工程ごとに行われ、市町村長等の側の日程にも左右される。申請が遅れれば、作業員と重機の待機費用がそのまま発注者か施工者の損失になる。問題は「受けるか否か」ではない。「いつ申請するか」である
- 施工者から見れば溶接や基礎は自社の品質管理の範囲内だが、法律から見れば、そこは行政が工程の途中で直接確認する「特定事項」だ。社内検査記録がどれだけ完璧でも、法定検査の代わりにはならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の時期 | 消防法11条の2:工事途中、政令で定める工程ごと | 消防法11条5項:工事完了後の完成検査 消防法14条の3:完成後の使用中に行う保安検査 |
| 検査の対象 | 完成後に確認困難な特定事項(タンク・基礎・地盤・溶接部等) | 施設全体の位置・構造・設備 一定規模以上の屋外タンク貯蔵所等の状態 |
| 不合格・未受検の効果 | 当該特定事項について完成検査を受けられない | 施設の使用を開始できない 技術基準に適合しない場合、是正命令等の対象 |
| 違反時の行政処分 | 完成検査に進めず使用開始不可 | 完成検査前の使用は許可取消・使用停止の対象(12条の2) 保安検査未受検は許可取消・使用停止の対象(12条の2) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公共危険物品の製造・貯蔵・処理場所に設置基準と安全管理を課すが、日本ほど工程ごとの法定途中検査を条文で明示する構造ではない
韓国は完工検査の前にタンク安全性能検査を受けることを求める構造で、日本の完成検査前検査と近い
ドイツは監視対象設備の運転開始前検査を規定し、認定検査機関(ZÜS)が担う点で行政直営の日本と異なる
米国連邦規則は地下貯蔵タンクの設置・漏洩検知等の技術基準を定め、実施は州プログラムに委ねられることが多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは地方の燃料販売会社で、ガソリンスタンドの地下タンク入れ替え工事を管理している。施工業者は「来週には埋め戻せます」と言う。だが、タンクの水圧検査をまだ受けていないことに気付いた。埋め戻しまであと5日しかない。消防本部への申請と日程調整を今日中にしないと、重機を待機させたまま追加費用が日々かさんでいく
- 1,000kL級の屋外タンクを新設する工事で、基礎・地盤検査を受ける前に、元請がタンク本体の据付けを始めてしまったとしたら、どうなる? 地盤が技術基準に適合していると確認されない限り、完成検査には進めない。最悪の場合、据付けをやり直すことになる
- 工場の新任設備担当者が、前任者の引継書で「完成検査前検査済」の記録を見つけた。だが、検査後にタンクの仕様を変えていた形跡がある。合格した事項と、実際に造ったものは本当に同じなのか
- 施工業者側のあなたは、溶接部検査の前に溶接線へ塗装と保温材を施工してしまった。発注者から是正費用を請求されている
取るべき行動
被害を受けた側:(発注者として施工者の工程管理ミスで損害を受けた場合)1. 検査の申請記録、工程表、施工写真、消防とのやり取りを時系列で保全する2. 請負契約で検査申請の責任が誰にあったかを確認する3. 再施工費・待機費用・操業開始の遅延損害を項目別に積算し、書面で施工者に請求する4. 不合格の判断に納得できない場合は、所轄消防の指摘内容を書面で受け取り、技術基準のどこに抵触したかを特定する
訴えられた側:(施工者・設置者として検査漏れを指摘された場合)1. 未検査の特定事項を特定し、消防本部に速やかに相談する。隠して完成検査に進むことは制度上できない2. 是正方法(掘り返し、塗装除去など)と工期への影響を発注者に即報告する3. 完成検査前に施設を使用すれば、許可の取消しや使用停止命令(消防法12条の2)、罰則の対象になりうるため、絶対に先行使用しない(最新の改正状況をご確認ください) 4. 再発防止として、社内工程表に法定検査のホールドポイントを設定する
時効(請求できる期限):特定の時効はない。検査は政令で定める工程ごとに、次の工程(埋め戻し、塗装、据付け等)へ進む前に受ける必要がある。不合格などの処分に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 昭和51年(1976年)改正(要検証) 1974年の三菱石油水島製油所の重油流出事故を受けた消防法改正で、大型タンクの基礎・地盤、溶接部等を工事途中で検査する完成検査前検査の仕組みが整備されたとされる。その後の文言改正の回数と内容は要確認
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