消防法 第11条
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- 製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。
- 一消防本部及び消防署を置く市町村(次号及び第三号において「消防本部等所在市町村」という。)の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(配管によつて危険物の移送の取扱いを行うもので政令で定めるもの(以下「移送取扱所」という。)を除く。)1当該市町村長2
- 二消防本部等所在市町村以外の市町村の区域に設置される製造所、貯蔵所又は取扱所(移送取扱所を除く。)1当該区域を管轄する都道府県知事2
- 三一の消防本部等所在市町村の区域のみに設置される移送取扱所1当該市町村長2
- 四前号の移送取扱所以外の移送取扱所1当該移送取扱所が設置される区域を管轄する都道府県知事(二以上の都道府県の区域にわたつて設置されるものについては、総務大臣)2
- 2.前項各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ当該各号に定める市町村長、都道府県知事又は総務大臣(以下この章及び次章において「市町村長等」という。)は、同項の規定による許可の申請があつた場合において、その製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造及び設備が前条第四項の技術上の基準に適合し、かつ、当該製造所、貯蔵所又は取扱所においてする危険物の貯蔵又は取扱いが公共の安全の維持又は災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがないものであるときは、許可を与えなければならない。
- 3.総務大臣は、移送取扱所について第一項第四号の規定による許可をしようとするときは、その旨を関係都道府県知事に通知しなければならない。この場合においては、関係都道府県知事は、当該許可に関し、総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
- 4.関係市町村長は、移送取扱所についての第一項第四号の規定による許可に関し、当該都道府県知事又は総務大臣に対し、意見を申し出ることができる。
- 5.第一項の規定による許可を受けた者は、製造所、貯蔵所若しくは取扱所を設置したとき又は製造所、貯蔵所若しくは取扱所の位置、構造若しくは設備を変更したときは、当該製造所、貯蔵所又は取扱所につき市町村長等が行う完成検査を受け、これらが前条第四項の技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはならない。ただし、製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更する場合において、当該製造所、貯蔵所又は取扱所のうち当該変更の工事に係る部分以外の部分の全部又は一部について市町村長等の承認を受けたときは、完成検査を受ける前においても、仮に、当該承認を受けた部分を使用することができる。
- 6.製造所、貯蔵所又は取扱所の譲渡又は引渡があつたときは、譲受人又は引渡を受けた者は、第一項の規定による許可を受けた者の地位を承継する。この場合において、同項の規定による許可を受けた者の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。
- 7.市町村長等は、政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所について第一項の規定による許可(同項後段の規定による許可で総務省令で定める軽易な事項に係るものを除く。)をしたときは、政令で定めるところにより、その旨を国家公安委員会若しくは都道府県公安委員会又は海上保安庁長官に通報しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第11条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第11条の条文原文は「製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、…」で始まります。
- 消防法第11条は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第11条の前の条は消防法第10条です。
- 消防法第11条の次の条は消防法第11条の2です。
- 消防法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法11条は、危険物の製造所・貯蔵所・取扱所の設置や変更に市町村長等の許可を義務づける。工事後も、完成検査に合格するまでは使用できない。
Q · ガソリンや軽油を大量に置く施設をつくるには、消防の許可が必要?
指定数量以上なら許可と完成検査の両方が必要
消防法11条により、指定数量以上の危険物を扱う製造所・貯蔵所・取扱所を設置または変更するには、市町村長等の許可が必要です。指定数量は、たとえばガソリン200リットル、軽油1,000リットルです。工事が終わった後も、完成検査に合格するまでは使用できません(5項)。技術上の基準に適合し、公共の安全に支障がなければ、許可権者は許可を与えなければなりません(2項)。
解説
ガソリン200リットル、灯油と軽油1,000リットル、重油2,000リットル。危険物の「指定数量」と呼ばれる線である。これ以上の量を貯めたり扱ったりする場所は、消防法上の「製造所・貯蔵所・取扱所」になる。そして本条の許可がなければ、一日も動かせない。関所は二つある。着工前の設置許可(1項)と、工事が終わった後の完成検査(5項)だ。完成検査とは、許可どおりに造られたかを消防が現地で確かめる検査のことである。許可を取っただけでタンクに油を入れれば、それも違反になる。一方で、あなたの側に立つ条項もある。2項によれば、位置・構造・設備が技術基準に合い、公共の安全に支障がなければ、役所は「許可を与えなければならない」。担当者の好みで断れる裁量はない。さらに施設を買った人は、前の持ち主の許可者としての地位をそのまま引き継ぐ(6項)。工場や給油所の売買は、許可の売買でもある。
法的な位置づけ
消防法第11条は、危険物の製造所・貯蔵所・取扱所の設置および変更に関する許可制度を定める規定である。許可権者は、施設の所在区域と移送取扱所に当たるかどうかに応じて、市町村長・都道府県知事・総務大臣に区分される。内容は、技術上の基準への適合を要件とする羈束的な許可、使用前の完成検査、譲受人による許可者の地位の承継、および公安委員会等への通報である。
手順
- 1.指定数量の倍数を計算する 敷地内で扱う危険物の品名と数量を洗い出し、品名ごとに指定数量で割った値を合計する。合計が1以上なら、本条の許可対象となる製造所・貯蔵所・取扱所に当たる
- 2.土地契約と設計確定の前に消防本部へ事前相談する 配置図と構造図を持参し、保安距離・保有空地・技術上の基準への適合見込み、審査期間、完成検査前検査の要否を確認する
- 3.設置(変更)許可を申請する 政令の定めに従い、施設ごとに申請書と添付図書を市町村長等へ提出する。着工は許可を受けてから行う
- 4.タンクの完成検査前検査を受ける 液体危険物タンクがある場合は、据付け前に水張検査などの完成検査前検査を受ける。据付け後では受けられない検査があるため、工程表に組み込んでおく
- 5.完成検査を受け、合格後に使用を開始する 工事完了後に完成検査を申請し、合格して完成検査済証の交付を受けてから危険物を搬入して使用する。完成検査済証は施設の売買時にも必要になるため保管する
よくある質問 AI による整理
Q1危険物の指定数量とは?
消防法の許可制度の対象となる危険物の基準量です。ガソリン200リットル、灯油・軽油1,000リットル、重油2,000リットルなどと、品名ごとに政令で定められています。
Q2危険物施設の設置許可はどこに申請する?
消防本部・消防署を置く市町村では市町村長、それ以外の市町村では都道府県知事に申請します。2以上の都道府県にまたがる移送取扱所は総務大臣です(11条1項)。
Q3危険物施設の完成検査とは?
工事完了後に、許可どおり技術上の基準に適合しているかを市町村長等が現地で確認する検査です。合格するまで施設は使用できません(11条5項)。
Q4危険物施設の許可はどのくらいで下りる?
標準処理期間は消防本部ごとに定められており、全国一律ではありません。工期から逆算し、事前相談の段階で審査期間と検査日程を確認しておくのが確実です。
Q5無許可で危険物施設を設置したら違法?
違法です。11条1項違反として罰則の対象となり、法人にも両罰規定があります(消防法42条・45条)。具体的な刑罰の内容は、最新の条文で確認してください。
Q6変更工事中に施設の一部を使うことはできる?
できる場合があります。工事に関係しない部分について市町村長等の承認を受ければ、完成検査の前でも仮に使用できます(11条5項ただし書、いわゆる仮使用)。
Q7危険物施設の許可は取り消される?
取り消されることがあります。許可後に技術上の基準への適合を維持しない場合や、命令に違反した場合には、許可の取消しや使用停止命令を受ける可能性があります(消防法12条・12条の2)。
Q8移送取扱所とは何?
配管で危険物を移送する取扱所のうち、政令で定めるものです。パイプライン施設が典型例で、所在区域によっては都道府県知事や総務大臣が許可権者になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家の灯油タンクって、消防に何か届けなきゃいけないんですか?
灯油の指定数量は1,000リットルなので、家庭のホームタンクが本条の許可対象になることはまずない。ただし指定数量未満の「少量危険物」は、市町村の火災予防条例で届出を義務づけられる(消防法9条の4)。多くの条例では、個人の住居の場合は指定数量の2分の1(灯油なら500リットル)以上が届出の対象である。実務のポイント:490リットルのホームタンクが多いのは偶然ではない。ただし物置のポリ缶も同じ場所の数量として合算される
Q2タンクの配管をちょっと付け替えるだけでも、変更許可が要るんですか?
位置・構造・設備を変える工事は、原則として変更許可が必要で(本条1項後段)、工事後には改めて完成検査を受ける。ただし保安上の影響が小さい工事は、消防庁の通知に基づき資料の提出などで足りる「軽微な変更」として扱われる運用がある。実務のポイント:どこからが軽微かの判断は、消防本部によって幅がある。工事業者に任せきりにせず、発注の前に図面を持って事前相談で確定させるのが確実である
Q3許可を待っていると工期に間に合わないので、先に工事を始めてもいいですか?
許可を受ける前の着工は、無許可での設置と評価されるおそれがあり、法人にも両罰規定(会社自体も罰する規定)がある(消防法42条・45条、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:液体危険物のタンクは、据え付ける前に水張検査などの完成検査前検査(11条の2)を受ける必要がある。据え付けた後では受けられない検査があるため、タンクの発注と検査日程を許可申請と同時に組み込んでおかないと、工程がまるごと止まる
Q4ガソリンスタンドを丸ごと買ったら、許可は取り直しになるんですか?
取り直しは不要である。譲受人は許可者の地位を引き継ぎ、遅滞なく市町村長等に届け出ればよい(本条6項)。ただし引き継ぐのは、許可を受けた内容のとおりの施設を前提とした地位である。実務のポイント:買収前に、消防本部で許可の台帳と現況が一致しているかを確認しておく。無許可の増設が見つかれば、その是正費用を価格交渉の材料にできる。買った後に見つかれば、費用はすべてあなたが負担することになる
間違えやすい点 AI による整理
- 危険物施設の許可は役所のさじ加減だと思われがちだが、2項の文言は「許可を与えなければならない」である。技術基準に適合し、公共の安全に支障を及ぼすおそれがなければ、許可権者は拒めない。不許可は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)にあたり、審査請求や取消訴訟で争える
- 設置許可を取れば手続は終わりだと考えている事業者は多い。実際には、許可は入口にすぎない。使い始める前の完成検査(5項)、位置・構造・設備を変えるたびの変更許可(1項後段)、基準に適合した状態を保つ義務(12条)が続き、違反すれば許可の取消しや使用停止命令(12条の2)まであり得る。許可は一度取れば終わる免許ではなく、継続的に監視される状態である
- 工場を買う側は「建物と設備を買っただけ」と考える。しかし法律から見ると、許可者の地位を引き継いだ新しい責任者である(6項)。前の持ち主が無許可で変更した部分も、承継した日からはあなたが使っている設備になる。売買契約書と消防の台帳の間にあるこの差が、承継後の改修命令や罰則の矢面にあなたを立たせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 消防法11条:製造所等の設置・変更の許可と完成検査 | 消防法10条:指定数量以上の貯蔵・取扱いの場所制限と技術上の基準 消防法11条の2:タンクの完成検査前検査 |
| 時期 | 着工前(許可)と使用前(完成検査) | 日常の貯蔵・取扱い全般 タンクの据付け前などの工事途中 |
| 違反した場合 | 無許可設置・検査前使用として罰則の対象(42条等、要確認) | 許可施設以外での貯蔵として罰則の対象 完成検査に進めず、工程が止まる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も「管制量」という基準量を超える危険物の製造・貯蔵・処理場所に、設置基準と安全管理義務を課す。日本の指定数量制度と構造が近い
韓国も指定数量以上の危険物施設の設置・変更に許可を求め、完成検査の制度を置く。日本の制度を参考にした体系とされる
ドイツでは、環境影響の大きい施設は連邦イミッシオン防止法の許可、可燃性液体の貯蔵設備は事業安全令の許可という二元構造をとる
米国では連邦の労働安全基準と、州・地方が採用する消防コード(NFPA 30等)を組み合わせて規制し、許可権限は主に地方の消防当局にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 建設会社の資材置場に、重機用の軽油が入ったドラム缶が6本並んでいる。合計1,200リットルだ。社長は「昔からこうだ」と言う。しかし指定数量の1,000リットルを超えた時点で、許可を受けた貯蔵所以外に置くことは消防法10条違反になる。置き場を正式な貯蔵所にするには、本条の許可と完成検査が必要だ。消防の立入検査の日、6本目のドラム缶が会社の信用を左右する
- 給油所を居抜きで買い取ったところ、前のオーナーが無許可で配管を増設していた。この場合、責任は誰が負うのか? 6項により、あなたは許可を受けた者の地位を引き継ぎ、遅滞なく届け出る義務を負う。消防から見れば、目の前でその設備を使っているのはあなたである
- データセンターの非常用発電機の燃料は、軽油2万リットル。電気設備に見えても、消防法上は立派な危険物施設である。許可も完成検査も必要になる
- 新工場の稼働開始まであと10日。工事は終わったが、完成検査はまだ受けていない。取引先との出荷スケジュールはすでに動いている。5項は、検査に合格する前の使用を禁じている。検査日は消防側の都合でも決まるため、本来は許可申請の段階で検査日から逆算しておくべきだった
- 技術基準を満たした申請を出したのに、担当者から「近隣の理解を得てからにしてほしい」と言われ、許可が出ない。2項の文言上、近隣の同意は許可要件ではない。要件ではない行政指導(強制力のないお願い)を、許可の条件のように扱われている可能性がある。あなたが従わない意思をはっきり示せば、指導を続けて申請を止めておくことは行政手続法33条が禁じている
取るべき行動
被害を受けた側:許可が下りない、または申請が止められている申請者の場合の動き方である。1. 不足を指摘された技術基準の条文番号を書面で示してもらう。2. 基準に適合しているなら、2項と行政手続法7条を引用して審査を促す書面を出す。3. 近隣同意など法定要件ではない行政指導には、従わない意思を書面で明示する(行政手続法33条)。4. 不許可処分が出たら、審査請求か取消訴訟を検討する。
訴えられた側:無許可の設置・変更、または完成検査前の使用を指摘された事業者の場合である。1. 直ちに使用を止め、危険物の量を指定数量未満に減らす。2. 現況の図面と許可書を照らし合わせ、違いを一覧にする。3. 消防本部に自分から相談し、変更許可や是正の計画を出す。4. 購入した施設であれば、売買契約の表明保証条項に基づき売主への請求を検討する。
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。施設を譲り受けた場合の承継の届出は「遅滞なく」行う(6項)。完成検査に合格するまでは使用できない(5項)。指定数量以上の仮貯蔵・仮取扱いは、消防長または消防署長の承認を受けて10日以内に限られる(10条1項ただし書)。不許可処分を争う場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)である。
学説
行政法の一般的理解(羈束行為説):本条2項は「許可を与えなければならない」と定めており、要件を満たす申請に対する許可は裁量の余地が狭い羈束的な行為と解される。不許可は処分として審査請求や取消訴訟の対象となる。
改正沿革 AI による整理
- 平成13年(2001年)中央省庁等改革(要検証) 省庁再編に伴い、複数の都道府県にまたがる移送取扱所の許可権者が自治大臣から総務大臣へ改められたとみられる。正確な改正年、改正回数、移送取扱所や公安委員会等への通報規定(7項)の追加時期は、人的検証が必要である
- 消防法 第10条指定数量以上の貯蔵制限と技術基準
- 消防法 第11条の2タンクの完成検査前検査
- 消防法 第12条許可後の技術基準適合の維持義務
- 消防法 第12条の2許可の取消しと使用停止命令
- 消防法 第42条無許可設置等の罰則(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第7条申請に対する遅滞ない審査の義務
- 行政手続法 第33条申請に関連する行政指導の限界
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