消防法 第12条の4
クイックジャンプ
- 関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事又は総務大臣(以下この条において「知事等」という。)の許可に係る移送取扱所の設置若しくは維持又は当該移送取扱所における危険物の取扱いに関し災害が発生するおそれがあると認めるときは、当該知事等に対し、必要な措置を講ずべきことを要請することができる。
- 2.知事等は、前項の要請があつたときは、必要な調査を行い、その結果必要があると認めるときは、第十一条の五第一項、第十二条第二項又は前条第一項の規定による措置その他必要な措置を講じなければならない。
- 3.知事等は、前項の措置を講じたときは、速やかに、その旨を関係市町村長に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第12条の4は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第12条の4の条文原文は「関係市町村長は、第十一条第一項第四号の規定による都道府県知事又は総務大臣(以下この条において「知事等」という。」で始まります。
- 消防法第12条の4は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第12条の4の前の条は消防法第12条の3です。
- 消防法第12条の4の次の条は消防法第12条の5です。
- 消防法第12条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/12_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法第12条の4は、知事等が許可した移送取扱所に災害のおそれがあるとき、関係市町村長が措置を要請でき、知事等は調査し必要な措置を講じる義務を負うと定める。
Q · 県や国が許可したパイプラインが危なそうなとき、市町村は何もできないの?
要請できる。要請を受けた知事等には調査義務が生じる
消防法第12条の4第1項により、関係市町村長は、知事等が許可した移送取扱所に災害発生のおそれがあると認めるとき、知事等に必要な措置を要請できます。要請を受けた知事等は必要な調査を行い、必要があると認めれば第11条の5第1項・第12条第2項・第12条の3第1項などの措置を講じなければなりません(第2項)。措置を講じたときは、関係市町村長に速やかに通知する義務もあります(第3項)。
解説
都道府県をまたぐパイプラインの許可を出すのは総務大臣、同じ県内で複数の市町村をまたぐものは知事である。地元の市町村長は許可を出していない。それでも、あなたの町の地下を危険物が流れていることに変わりはない。第11条第1項第4号は、許可権者を地元から切り離した。その結果、地元はパイプラインの異変に一番早く気付く立場なのに、止める権限は持たないという分断が生まれる。本条はその分断をつなぐための回路である。市町村長は災害のおそれがあると判断すれば、知事や総務大臣に措置を「要請」できる。要請を受けた側は調査を行わなければならない。必要があれば、基準遵守命令(第11条の5第1項)、修理・改造などの命令(第12条第2項)、緊急の使用停止命令(第12条の3第1項)などを出す義務を負う。措置を講じたときは、地元への通知も義務である。住民の側から見れば、苦情を言う相手は大臣ではない。まず市役所の消防部局に、具体的な事実を持ち込めばよい。そこから国まで届く公式ルートが、法律に書かれている。
法的な位置づけ
消防法第12条の4は、都道府県知事または総務大臣の許可に係る移送取扱所について、関係市町村長に措置要請権を認める規定である。要請を受けた知事等は必要な調査を行い、その結果必要と認めるときは基準遵守命令、修理・改造等の命令、緊急使用停止命令その他の措置を講じる義務を負い、措置を講じた場合は関係市町村長への速やかな通知義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.異変を日時・位置付きで記録する 配管ルート沿いの異臭、地面の変色、地盤の亀裂などを、日時と位置情報付きで撮影する。埋設標識や標示杭の番号も控え、どの移送取扱所かを特定できるようにする
- 2.市町村の消防部局へ通報する 地元の消防本部・消防署に事実を伝える。緊急性が高ければ119番。単なる苦情ではなく、消防法第12条の4に基づく知事等への要請の検討を求めることを明確に伝える
- 3.要請の検討を書面で求める 口頭のやり取りに加え、異変の内容と本条に基づく要請を求める旨を書面で市町村長宛てに提出し、受付記録を残す
- 4.知事等の措置と通知を確認する 知事等は措置を講じたとき関係市町村長に速やかに通知する義務を負う。一定期間後に市町村へ経過を問い合わせ、必要に応じて情報公開請求で調査・措置の記録を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1移送取扱所とは何ですか?
配管およびポンプ等の設備によって危険物を移送する取扱所のことです。いわゆる危険物パイプラインがこれに当たり、区分は危険物の規制に関する政令で定められています。
Q2危険物パイプラインの許可は誰が出す?
消防法第11条第1項第4号により、複数の市町村にまたがるものは都道府県知事、複数の都道府県にまたがるものは総務大臣が許可します。地元市町村長ではない点に注意が必要です。
Q3パイプラインから油の臭いがするときの通報先は?
まず地元の消防本部・消防署へ通報します。緊急性が高ければ119番です。許可権者が県や国でも、市町村長には消防法第12条の4に基づき知事等へ措置を要請する権限があります。
Q4市町村長の要請に知事は従わなければならない?
要請内容にそのまま従う義務はありませんが、必要な調査を行う義務があります。調査の結果、必要と認めれば措置を講じなければならず、何もしないで放置することは許されません。
Q5消防法12条の4の要請に期限はある?
要請の申立期限や時効の定めはありません。知事等の調査・措置にも期限の明文はありませんが、措置を講じた後の関係市町村長への通知は「速やかに」行う義務があります。
Q6パイプラインの使用停止命令は出せる?
公共の安全の維持や災害発生防止のため緊急の必要があるときは、第12条の3第1項により使用の一時停止等を命じることができます。本条の要請後の措置の選択肢の一つです。
Q7住民が直接総務大臣に要請できる?
本条の要請権者は関係市町村長であり、住民に法定の要請権はありません。住民は市町村の消防部局に具体的な事実を伝え、市町村長による要請の検討を求めるのが法定ルートです。
Q8要請後の措置結果は確認できる?
知事等は措置を講じたとき関係市町村長に通知する義務を負います(第3項)。住民は市町村への問い合わせや情報公開請求により、通知の有無や経過を確認する道があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1パイプラインの異常、市に言っても県や国の担当なら意味ないんじゃないですか?
意味はある。消防法第12条の4第1項により、市町村長は許可権者である知事や総務大臣に措置を要請できる。要請を受けた側には調査義務がある(第2項)。実務のポイント:窓口で「苦情」として伝えるより、「本条に基づく要請の検討」を求める方がよい。消防部局の内部で法定手続として記録されやすく、たらい回しになりにくい
Q2要請があったら、パイプラインは必ず止められるんですか?
必ずではない。知事等が調査し、必要があると認めたときに、第11条の5第1項、第12条第2項、第12条の3第1項などの措置を講じる。止める判断は調査結果しだいである。実務のポイント:緊急の使用停止(第12条の3)は、公共の安全の維持や災害の発生防止のため緊急の必要がある場合に限られる。調査の場では、事業者の点検記録の厚みが命令の重さを左右することが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可を出していない市町村は口出しできない」と思われがちだが、本条は市町村長に要請権を与えている。しかも要請を受けた知事等の側には調査義務が生じる。単なる陳情とは法的な重みが違う
- 要請権があることは知っていても、その先の深刻さは見落とされやすい。知事等が調査して必要と判断すれば、措置を講じる義務を負う(第2項は「講じなければならない」と定める)。選択肢には緊急の使用停止命令(第12条の3)も含まれる。地元の一本の要請が、県境をまたぐ物流の動脈を止めることもありうる
- 「パイプライン事故は国の責任か事業者の責任か」と考える人がいる。しかし、その問いは本条の機能を捉えていない。本条が扱うのは事故後の責任追及ではない。事故が起きる前に、誰が誰に危険信号を送るかという情報の流れである。損害賠償は民法など別の規定が受け持つ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の主体 | 消防法12条の4:関係市町村長が要請、知事等が調査・措置 | 消防法12条の3:市町村長等が自ら使用停止等を命令 消防法11条の5:市町村長等が基準遵守を命令 |
| 法的性質 | 行政機関間の要請と調査・措置義務(情報伝達の回路) | 事業者に対する緊急の不利益処分 事業者に対する是正命令 |
| 発動要件 | 災害が発生するおそれがあると市町村長が認めるとき | 公共の安全の維持または災害の発生防止のため緊急の必要があるとき 危険物の貯蔵・取扱いが技術上の基準に違反しているとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公共危険物品は消防法、石油輸送管線は石油管理法などで規律される。2014年の高雄ガス爆発事故を契機に地下工業管線の管理が大きな政策課題となった
韓国も危険物の製造所・取扱所を許可制で管理する。地方自治体と中央の権限配分の具体的な仕組みは日本と異なる
ドイツでは危険物パイプラインを専用の命令で規律し、州当局が監督を担う
米国では連邦 PHMSA が州間パイプラインを監督し、州は州内パイプラインについて認証を受けて監督を担う二層構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自宅近くの道路下を通る配管の埋設表示付近で、数日前から油の臭いがする。市役所に電話したら「うちの許可じゃない」と言われた。本当にそこで終わりなのか? 市町村長には、知事等に措置を要請する権限が本条で与えられている。「許可権者でない」ことは、動かない理由にならない
- あなたは配管で危険物を移送する事業者の保安担当である。地元消防から県を通じて調査の連絡が来た。市町村長の要請を受けた知事等には調査義務がある。だから「形式的な問い合わせ」で済むとは限らない。点検記録を今週中にそろえられるかが、使用停止命令を避ける分かれ目になる
- 大雨で配管ルート沿いの斜面にひびが入った。台風の再接近まであと3日しかない。地元が要請し、知事等が調査し、命令が出るという流れを最短で回すには、写真と位置情報付きの通報が要る
- 市議会議員から、隣接市の工業地帯から延びるパイプラインの安全性を議会で質問したいと相談された。質問すべき相手は市長である。論点は、市が本条第1項の要請権を行使したことがあるか、という一点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 異臭、地面の変色、地盤の亀裂などを、日時と位置情報付きで撮影する2. 配管の埋設標識や標示杭の番号を控える3. 市町村の消防本部・消防署に通報する。そのうえで、第12条の4に基づく知事等への要請を書面で求める4. 対応経過は記録する。知事等が措置を講じれば、市町村長に通知されることになっている(第3項)。情報公開請求で経過を確認する道も検討する
訴えられた側:1. 移送取扱所の事業者として、定期点検(第14条の3の2)と保安記録を常に最新にしておく2. 知事等から調査の連絡が来たら、技術基準への適合を示す資料を速やかに出す3. 是正が必要なら、命令が出る前に自主的な補修計画を示す。そうすれば使用停止のリスクを下げられる4. 地元消防と平時から情報を共有し、要請に至る前の段階で懸念を解消する
時効(請求できる期限):本条自体に申立期限はなく、特定の時効の定めもない。知事等の調査・措置にも期限の明文はないが、措置を講じた後の市町村長への通知は「速やかに」行う義務がある(第3項)。被害が生じた場合の損害賠償請求権は、別途、民法第724条の時効(損害及び加害者を知った時から3年、人の生命・身体の侵害は5年)に服する
- 消防法 第11条移送取扱所の許可権者を知事等と定める
- 消防法 第11条の5基準遵守命令、要請後の措置の一つ
- 消防法 第12条技術基準適合のための修理・改造等の命令
- 消防法 第12条の3緊急時の使用停止命令
- 石油パイプライン事業法 第1条石油パイプライン事業の特別規律(適用関係は要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める