受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 6 分6 分6 分

消防法 第12条の5

クイックジャンプ

政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について、あらかじめ、関係市町村長と協議しておかなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 消防法第12条の5は、日本の消防法に含まれる条文です。
  2. 消防法第12条の5の条文原文は「政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該取扱所について危険物の流出その他の事故が発生し、危険な状態となつた場合において講ずべき応急の措置について…」で始まります。
  3. 消防法第12条の5は第三章 危険物に置かれています。
  4. 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
  5. 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 消防法第12条の5の前の条は消防法第12条の4です。
  7. 消防法第12条の5の次の条は消防法第12条の6です。
  8. 消防法第12条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186
  • 本サイト収録消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/12_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点消防法12条の5は、政令で定める移送取扱所の所有者・管理者・占有者に、危険物流出などの事故時の応急措置を、あらかじめ関係市町村長と協議しておく義務を課す。

Q · パイプラインを運用する会社は、事故に備えて自治体と何をしておく必要があるの?

事故時の応急措置を関係市町村長と事前に協議する義務がある

消防法12条の5により、政令で定める移送取扱所の所有者・管理者・占有者は、危険物の流出などの事故で危険な状態になった場合の応急措置について、あらかじめ関係市町村長と協議しておかなければなりません。「関係」市町村長とは、配管が通過するなど事故の影響が及びうる自治体を指すと読むのが自然で、本社所在地だけでは足りません。条文が求めるのは協議であって許可ではありませんが、事故後は協議の中身が対応評価の出発点になります。

解説

地中や海底を走るパイプラインは、一本で複数の市町村をまたぐことが多い。ところが消防の権限は市町村ごとに分かれている。事故が起きてから「どの消防が、どこのバルブを、どの順で止めるのか」を電話で決めていたら、油はその間も流れ続ける。消防法12条の5は、政令で定める移送取扱所(配管とポンプで危険物を運ぶ施設)の所有者・管理者・占有者に対し、流出などの事故で危険な状態になったときの応急の措置(被害を広げないためにその場でとる初動)について、あらかじめ関係市町村長と協議しておくよう義務づけている。ポイントは「関係」市町村長と書かれていることだ。起点と終点の市町村だけで済むと考えるのは危ない。配管が通る自治体はすべて当事者になりうる。また求められているのは協議であって、許可をもらうことではない。それでも、協議の記録がない事業者は、事故後に行政からも住民からも「準備していなかった会社」として扱われる。紙一枚の差が、事故当日の初動と事故後の責任追及の両方を左右する

法的な位置づけ

消防法12条の5は、移送取扱所に関する事前協議義務を定める規定である。政令で定める移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、危険物の流出その他の事故により危険な状態となった場合に講ずべき応急の措置について、事故の発生前に関係市町村長と協議しておかなければならない。市町村単位の消防体制と、行政区域をまたぐ配管施設とのずれを事前に調整する趣旨の規定である。

手順

  1. 1.対象施設に当たるかを所轄消防に確認 自社の配管設備が政令で定める移送取扱所に当たるかを、危険物の規制に関する政令を踏まえて所轄消防に照会する。回答日と担当者を記録しておく
  2. 2.配管が通る全市町村を洗い出す 配管ルート図に行政区域の境界を重ね、通過する市町村と事故の影響が及びうる隣接自治体を一覧化する。各自治体の消防本部の担当窓口も特定する
  3. 3.応急措置の案を作り関係市町村長と協議 遮断手順、緊急連絡体制、資機材配置、進入路、住民広報の分担を、16条の3の事故時義務や14条の2の予防規程と整合させた案にまとめ、各市町村と協議する
  4. 4.協議記録を残し訓練で検証 協議の日付、出席者、自治体側の指摘と自社の回答を議事録に残す。合同訓練などで実際に機能するかを確認し、不具合があれば計画を修正する
  5. 5.変更のたびに再協議 配管の延伸・増設、運用会社や組織の変更、連絡先の変更が決まった計画段階で再協議を申し入れ、更新内容を記録する

よくある質問 AI による整理

Q1移送取扱所とは

配管とポンプなどの設備によって危険物を移送する取扱所のことです。パイプラインが典型で、消防法上の製造所等の一類型として設置許可や技術基準の規制を受けます。

Q2消防法12条の5関係市町村長 どこまで

条文に列挙はありませんが、事故の影響が及びうる自治体、典型的には配管が通過する各市町村を含むと読むのが自然です。起点・終点だけでは不十分になるおそれがあります。

Q3移送取扱所 応急措置 協議 いつまで

条文は「あらかじめ」と定めるだけで期限日はありません。事故前に完了している必要があり、実務上は運用開始前、遅くとも試運転前に済ませるのが安全です。

Q4応急措置の事前協議をしないと違法?

条文は「協議しておかなければならない」と義務の形で定めており、怠れば同条違反となります。事故時には準備不足として行政上・民事上の評価にも響きます。

Q5パイプライン 事故 協議内容 何を決める

条文は項目を列挙していませんが、実務では遮断弁の位置と操作手順、緊急連絡体制、資機材の配置、進入路、住民への広報や避難の分担などを詰めるのが一般的です。

Q6移送取扱所の協議は更新が必要?

更新義務の明文はありません。ただし配管延伸、組織変更、連絡先変更を反映しない協議は事故時に機能しないため、変更のたびに再協議し記録を残すのが実務上の安全策です。

Q7会社を買収したら移送取扱所の協議は引き継がれる?

協議義務は所有者・管理者・占有者に課されるため、占有者が変われば新たな当事者として協議状況を確認し、必要に応じて再協議を申し入れるのが安全です。

Q8近所のパイプラインの事故対策を住民が知る方法は?

市町村や消防本部への情報公開請求で協議関係文書の開示を求める方法が考えられます。開示範囲は各自治体の条例と文書の内容によって判断されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1協議って、市の言うとおりにしないといけないんですか?

12条の5が義務づけているのは協議しておくことで、市町村長の同意や許可を条文上の要件にしているわけではない。ただし事故時に12条の3の緊急使用停止命令などを出すのは行政である。実務のポイント:協議で自治体の懸念を書面に残し、それへの回答も記録しておくと、事故後に「指摘を無視した」と言われるリスクを大きく減らせる。協議の議事録は、平時に作る事故後の弁明書でもある

Q2うちの配管が「政令で定める移送取扱所」に当たるか、どうやって分かりますか?

対象範囲は条文ではなく政令で定められているため、危険物の規制に関する政令を確認し、最終的には所轄消防に照会するのが確実である。実務のポイント:同じ会社の配管でも、区間や仕様の変更によって扱いが変わることがある。照会は口頭で済ませず、回答の日付と担当者を記録しておく。後で担当者が交代しても判断の根拠を示せる(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「協議を一度済ませれば終わり」と思われがちだが、条文が求めているのは、実際に事故が起きたとき機能する応急措置の取り決めである。配管ルートの延伸、組織変更、連絡先の変更があったのに協議内容を更新しなければ、形式上は協議済みでも中身は空になる。更新義務の範囲について明文はないため、実務では関係市町村の消防と見直しの時期を決めておくのが安全である
  • 協議は許可ではないから、市町村側が何を言っても従う必要はない。そう考える事業者は、見ている場面を取り違えている。平常時には確かに拘束力の弱い手続に見える。しかし事故の後、行政処分(12条の3の緊急使用停止命令などの、役所が直接下す具体的な決定)、民事の損害賠償、報道対応のすべてで「事前にどこまで準備していたか」が問われる。協議の中身は、事故後の評価の出発点になる
  • 「関係市町村長」とは本社所在地の市長のことだと受け取られがちだが、条文の構造からすれば、事故の影響が及ぶ自治体、典型的には配管が通過する各市町村を想定していると読むのが自然である。一つの自治体とだけ協議して安心するのは、防火扉を一枚だけ閉めて火災対策を終えたと考えるのと同じである
比較の観点この条文ほかの条文
求められる行為12条の5:事故時の応急措置を関係市町村長と事前協議14条の2:予防規程を定め市町村長等の認可を受ける
16条の3:事故発生時に直ちに応急措置を講じ通報する
タイミング事故の前(あらかじめ)事故の前(平常時の保安体制)
事故の発生後ただちに
行政の関与の強さ協議(同意・許可は条文上の要件ではない)認可(行政の判断を経る)
事業者自身の即時義務(行政への通報を含む)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
消防法第15條・公共危險物品及可燃性高壓氣體製造儲存處所設置標準暨安全管理辦法

台湾では危険物施設の安全管理が消防法の授権規定に基づく辦法で規律される。自治体との事前協議を独立の条文で義務づける構造かどうかは要確認

韓国
위험물안전관리법

韓国も「이송취급소」を危険物取扱所の一類型として規制しており、日本の消防法の制度構造と類似する

ドイツ
Rohrfernleitungsverordnung(RohrFLtgV)

ドイツはパイプラインの安全を連邦の命令で規律する。事業者と自治体の協議の具体的な形式は日本と同一ではない

アメリカ
49 CFR § 195.402

米国連邦規則は危険液体パイプライン事業者に緊急時手順の策定と、消防・警察など公的機関との連携体制の確立を求めており、機能面で本条に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 港の油槽所から内陸の工場まで、配管が三つの市をまたいでいる。協議を済ませていたのは起点の市だけだった。中間の市の住宅地で漏れたら、その市の消防は遮断弁の位置すら知らない
  • 新しく移送配管の運用を始める予定日まであと二週間。施設の許可関係は進んでいるのに、応急措置の協議は誰も手をつけていなかった。運用開始前に協議を終えられるかどうかで、社内の判断が分かれる
  • パイプラインを管理する会社の担当者になったばかりのあなたは、前任者から引き継いだ協議書類を開く。日付は十年前で、その後に増設した区間も緊急連絡網の変更も反映されていない。この書類を当てにして事故対応ができるだろうか?
  • 自宅の近くに「危険物配管埋設」の標識がある。漏洩事故のとき、自分の地域の避難や通行止めについて事業者と市が事前に何を決めているのか、住民として知る方法はあるのだろうか?
  • 工場の買収で移送取扱所の「占有者」になったのはあなたの会社だった。売り手側の協議がそのまま引き継がれるものと考えて、何もしないまま半年が過ぎた

取るべき行動

被害を受けた側:1. 近くで油の臭いや漏洩に気づいたら、まず119番で場所と状況を伝える。配管に沿って設置された標識の事業者名と連絡先も控えておく2. 消防や市の指示に従って避難し、自分で配管に近づかない3. 被害(農作物、井戸、建物、休業)は写真と日時で記録する4. 後日、事業者への賠償請求(民法709条など)を検討する際は、事前協議の内容と事故時の対応の差が論点になりうる。市町村や消防への情報公開請求で協議関係の文書を確認できるかどうかを検討する

訴えられた側:1. 自社の移送取扱所が政令で定める対象に当たるか、所轄の消防と確認する2. 配管が通る全市町村を洗い出し、協議の有無、日付、内容を一覧にする3. 遮断の手順、連絡体制、資機材の配置、住民への広報の分担を、16条の3の事故時の義務と整合させる4. ルート変更、組織変更、承継のたびに再協議し、議事録を残す5. 予防規程(14条の2)と内容を揃え、社内訓練で実際に機能するか検証する

時効(請求できる期限):特定の時効はない。協議は条文上「あらかじめ」、つまり事故が起きる前、実務上は運用開始前に完了させておく必要がある。事故が起きた場合は、16条の3により直ちに応急措置と通報を行う義務がある。損害賠償請求権には一般の消滅時効(民法166条、債権は5年または10年)と、不法行為の時効(民法724条、724条の2)が適用される

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

消防法の全文を見る所属する編章節を開く:第三章 危険物

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›