消防法 第12条の7
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- 同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、危険物保安統括管理者を定め、当該事業所における危険物の保安に関する業務を統括管理させなければならない。
- 2.製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者は、前項の規定により危険物保安統括管理者を定めたときは、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第12条の7は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第12条の7の条文原文は「同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定める…」で始まります。
- 消防法第12条の7は第三章 危険物に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第12条の7の前の条は消防法第12条の6です。
- 消防法第12条の7の次の条は消防法第13条です。
- 消防法第12条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第12条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/12_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法12条の7は、政令で定める量以上の危険物を扱う事業所に危険物保安統括管理者の選任を義務づけ、選任・解任時は遅滞なく市町村長等への届出を求める。
Q · 大量の危険物を扱う工場は、危険物保安統括管理者を必ず置かないといけないの?
必要。一定規模以上の事業所は選任と消防への届出が義務
消防法12条の7により、政令で定める製造所等を持ち、政令で定める数量以上の危険物を扱う事業所は、危険物保安統括管理者を定めて保安業務を統括管理させなければなりません。目安は第四類危険物で指定数量の3,000倍以上、移送取扱所は指定数量以上です(危険物の規制に関する政令30条の3)。選任・解任時は遅滞なく市町村長等へ届け出る必要があり、未選任の状態は使用停止命令(12条の2)の対象になりえます。
解説
危険物を大量に扱う工場で、消防が最初に確かめたいのは消火器の数ではない。誰が全体の責任者なのか、その名前である。消防法12条の7は、政令で定める製造所・移送取扱所・一般取扱所を持ち、政令で定める数量以上の危険物を扱う事業所に、危険物保安統括管理者を置くよう義務づけている。数量の目安は、第四類危険物(ガソリン、灯油、重油などの引火性液体)なら指定数量の3,000倍以上、移送取扱所なら指定数量以上である(危険物の規制に関する政令30条の3)。統括管理者の役目は、現場ごとに置かれた危険物保安監督者(13条)や危険物施設保安員(14条)の上に立ち、事業所全体の保安業務をまとめることだ。意外なことに、この役職には危険物取扱者の免状が要らない。問われるのは資格ではなく、事業所全体を動かせる立場にいるかどうかである。だから実務では工場長や事業所長が選ばれることが多い。さらに第2項によって、選んだときも解任したときも「遅滞なく」市町村長等に届け出る義務がある。人事異動で工場長が替わったのに届出を出し忘れる。条文が想定している違反は、まさにそういう形で起きる。
法的な位置づけ
危険物保安統括管理者とは、政令で定める製造所・貯蔵所・取扱所を有し、政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し又は取り扱う事業所において、当該事業所全体の危険物の保安に関する業務を統括管理する者をいう。消防法12条の7がその選任を義務づけ、選任・解任は市町村長等への届出を要する。危険物取扱者免状は選任要件とされていない。
手順
- 1.指定数量の倍数を計算して選任義務の有無を確認 事業所で貯蔵・取扱う危険物の品名ごとに数量を指定数量で割り、倍数を合計する。第四類危険物で3,000倍以上、または移送取扱所の有無を確認し、危険物の規制に関する政令30条の3の対象かを判断する
- 2.統括管理できる地位の者を選任 工場長・事業所長など、事業所全体の保安業務を実際に指揮できる者を選ぶ。現場に常駐せず指揮できない者を名目上選ぶことは避ける
- 3.市町村長等へ選任届を提出 所轄消防本部に様式と添付書類を事前確認し、選任後遅滞なく届け出る。前任者がいる場合は解任届を同時に提出して空白期間を作らない
- 4.統括の実態を記録として残す 危険物保安監督者・危険物施設保安員からの報告ルート、保安会議の議事録、緊急時の指揮系統図を整え、統括管理者が実際に統括していることを示す記録を保管する
- 5.人事異動のたびに届出一覧と照合 人事異動の内示段階で、統括管理者・保安監督者・保安員の届出状況と新しい組織図を照合し、発令日に後任選任届と前任解任届を出せるよう準備する
よくある質問 AI による整理
Q1危険物保安統括管理者とは何ですか?
大量の危険物を扱う事業所で、施設ごとの保安体制を束ねて事業所全体の保安業務を統括する責任者です。消防法12条の7が選任を義務づけています。
Q2危険物保安統括管理者が必要な事業所の基準は?
第四類危険物を扱う製造所・一般取扱所で指定数量の3,000倍以上、または指定数量以上を扱う移送取扱所が目安です(危険物の規制に関する政令30条の3)。
Q3危険物保安統括管理者に資格は必要?
危険物取扱者の免状は要件ではありません。事業所全体の保安業務を実際に統括できる地位にあることが求められ、工場長や事業所長が選ばれるのが一般的です。
Q4危険物保安統括管理者の届出先はどこ?
市町村長等です。消防本部を置く市町村では、通常その消防本部の予防課などが窓口になります。様式や添付書類は自治体ごとに確認が必要です。
Q5危険物保安統括管理者を選任しないとどうなる?
未選任の状態は製造所等の使用停止命令(消防法12条の2)の対象になりえます。届出を怠った場合には罰則規定もあり、最新の条文確認が必要です。
Q6危険物保安統括管理者の解任届は必要?
必要です。消防法12条の7第2項は、選任時だけでなく解任時も遅滞なく市町村長等へ届け出ることを求めています。後任の選任届と同時提出が実務上安全です。
Q7危険物保安統括管理者は兼任できる?
条文上、他の社内役職との兼務を直接禁じる規定はありません。ただし事業所の保安業務を実際に統括管理できることが前提で、名目だけの兼任は趣旨に反します。
Q8危険物保安統括管理者の解任命令とは?
統括管理者が消防法やそれに基づく命令に違反した場合などに、市町村長等が事業者へ解任を命じられる制度です(消防法12条の8)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1統括管理者って、危険物保安監督者と何が違うんですか?
保安監督者(13条)は製造所等ごとに置かれる現場の責任者で、甲種または乙種の危険物取扱者で実務経験6か月以上という資格要件がある。統括管理者(本条)はそれらの施設を束ねる事業所全体の責任者で、免状の要件はない。実務のポイント:消防が事故後に注目するのは、統括管理者と監督者のあいだで情報がどう流れていたかだ。報告ルートが文書になっていない事業所は、事故後の説明で苦しくなる
Q2工場長が替わったら、届出はいつまでに出せばいいですか?
本条2項は「遅滞なく」とだけ定め、日数は明記していない。選任届と解任届の両方が必要で、届出先は市町村長等(消防本部がある市町村では通常その消防本部が窓口)。実務のポイント:様式や添付書類は自治体ごとに少しずつ違う。異動の時期が決まったら、事前に窓口に電話して様式を確認しておくと、発令日にそのまま提出できる
Q3本社の安全担当役員を統括管理者にしておけば、各工場の負担が減りませんか?
本条が求めるのは、その事業所の保安業務を「統括管理」させることだ。現場に常駐せず実際に指揮できない者を名目上選んでも、実態を欠けば義務を果たしたとは評価されにくい(解任命令について12条の8参照)。実務のポイント:事故調査では、緊急時に誰が操業停止を判断したかが必ず問われる。その場にいない統括管理者は、事業者にとってむしろ不利な材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「統括管理者には危険物取扱者の甲種免状が必要」と思われがちだが、条文にも政令にも免状の要件はない。問われるのは、事業所全体の保安業務を統括できる地位にあることだ。逆に言えば、免状を持っているだけの若手社員を名目上の統括管理者にしても、条文の趣旨は満たせない
- 届出を出した時点で義務を果たしたと思っている会社は多い。だが第1項の義務は「統括管理させなければならない」であり、名前を届けるだけでは終わらない。事故が起きた後の調査では、統括管理者が保安の打合せに出ていたか、指示を出した記録があるかまで見られる。肩書きだけの選任は、民事でも行政でも事業者の防御力をほとんど生まない
- 経営側から見れば、統括管理者は数ある社内役職の一つにすぎない。しかし消防法から見れば、市町村長等に名前を届け出た「公的な窓口」である。だから人事異動は社内手続で完結しない。異動日と届出日のずれが、そのまま法令違反の期間になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 消防法12条の7:危険物保安統括管理者(事業所全体のトップ) | 消防法13条:危険物保安監督者(製造所等ごとの現場責任者) 消防法14条:危険物施設保安員(保安監督者を補佐する点検担当) |
| 免状要件 | 危険物取扱者免状の要件なし(統括できる地位が必要) | 甲種または乙種危険物取扱者で実務経験6か月以上 免状の要件なし |
| 届出義務 | 選任・解任とも遅滞なく市町村長等へ届出 | 選任・解任とも遅滞なく市町村長等へ届出 届出義務の規定なし(最新の条文確認を推奨) |
| 違反時の行政措置 | 未選任で使用停止命令の対象(12条の2)、解任命令あり(12条の8) | 未選任で使用停止命令の対象(12条の2)、解任命令あり(13条の24) 未選任で使用停止命令の対象(12条の2) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は一定量以上の公共危険物品を扱う場所に保安監督人の選任と届出を求めるが、日本のように事業所全体を束ねる統括管理者の階層は明確に分かれていない
韓国は製造所等ごとに危険物安全管理者の選任・届出を求め、日本の保安監督者に近い。資格要件が課される点で本条とは異なる
ドイツは重大事故の危険がある施設に事故防止担当者(Störfallbeauftragter)の選任を求め、事業者への助言・監視機能が中心
米国は特定の危険化学物質を閾値以上扱う事業所にプロセス安全管理を義務づけるが、単一責任者の届出制ではなく管理プログラム型
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 4月1日付けで工場長に昇格した。辞令には「危険物保安統括管理者」の文字はないが、前任者はその届出に名前が載っていた。後任の届出も前任者の解任届も、誰も出していない。前任者は今月、別の事業所へ異動した
- もし来週の消防の立入検査(消防法16条の5)で、届出上の統括管理者がすでに退職していると判明したら、どうなる? 指導で済むこともあるが、統括管理者を定めていない状態が続けば施設の使用停止命令(12条の2第2項)の対象になりうる。製造ラインが止まれば損失は1日単位で積み上がる
- 物流会社が新しい油槽所を立ち上げ、扱う量を増やしたところ指定数量の3,000倍を超えた。設備の変更許可(11条)には気づいたが、統括管理者が新たに必要になる点を誰も確認していなかった
- 地方の化学工場で漏えい事故。調べてみると、統括管理者は東京本社の役員で、現場には年に二回しか来ていなかった。「統括管理させなければならない」という条文が問うのは、名前を届け出たかではなく、実際に統括しているかである
- 転職してきた法務担当のあなたに、上司が「消防の届出一覧を見ておいて」と頼んだ。期限は監査前の金曜日。統括管理者・保安監督者・保安員の三層が、今の組織図と一致しているかを照らし合わせることになる
取るべき行動
被害を受けた側:近隣住民や従業員の立場で、危険物施設の保安体制に不安を感じた場合:1. 事業所を管轄する消防本部の予防課(危険物担当)に、具体的な事実(漏えいの臭い、立入禁止区域の管理不備など)を添えて相談する2. 消防には立入検査の権限がある(16条の5)。統括管理者の選任・届出状況も検査対象になる3. 実際に被害を受けた場合、損害賠償は民法709条・715条で請求する。保安体制の不備は過失の立証材料になりうるため、日時・写真・やり取りの記録を残しておく
訴えられた側:立入検査で未選任や届出漏れを指摘された事業者の場合:1. ただちに統括管理を任せられる地位の者(工場長など)を選任し、選任届と前任者の解任届を同時に出す2. 空白期間の経緯(異動日・発覚日・是正日)を時系列で書面にまとめ、是正報告として消防に出す3. 選任しただけで終わらせず、保安監督者からの報告体制、保安会議の記録、緊急時の指揮系統図を整え、実際に統括していることを示す証拠を残す4. 使用停止命令(12条の2)が出そうな場合は、弁明の機会を使って是正済みであることを示す
時効(請求できる期限):選任・解任の届出期限は「遅滞なく」で、日数の定めはない。起算点は選任または解任の日である。届出を怠った場合は罰金または拘留の対象になり(消防法44条、最新の改正状況をご確認ください)、刑事罰の公訴時効は罰金刑の罪で3年(刑事訴訟法250条2項6号)。民事上の損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、行為の時から20年(民法724条、724条の2)
改正沿革 AI による整理
- 昭和51年(1976年)改正(要検証) 昭和49年(1974年)の水島製油所重油流出事故を受けた法改正で、危険物保安統括管理者の制度が設けられたとされる。新設年と改正履歴は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和51年(1976年) 新設:昭和49年の水島製油所重油流出事故を受けた消防法改正で、危険物保安統括管理者の制度が設けられたとされる(改正法の番号・施行日は要検証)
- 消防法 第12条の8統括管理者の解任命令
- 消防法 第12条の2未選任時の使用停止命令の根拠
- 消防法 第13条下位の危険物保安監督者の選任
- 消防法 第14条の4同規模事業所の自衛消防組織設置
- 消防法 第44条届出懈怠の罰則(現行効力を要確認)
- 石油コンビナート等災害防止法 第17条特定事業所の防災管理者選任(現行効力を要確認)
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