消防法 第35条の2
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- 消防長又は消防署長は、警察官が放火又は失火の犯罪の被疑者を逮捕し又は証拠物を押収したときは、事件が検察官に送致されるまでは、前条第一項の調査をするため、その被疑者に対し質問をし又はその証拠物につき調査をすることができる。
- 2.前項の質問又は調査は、警察官の捜査に支障を来すこととなつてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第35条の2は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第35条の2の条文原文は「消防長又は消防署長は、警察官が放火又は失火の犯罪の被疑者を逮捕し又は証拠物を押収したときは、事件が検察官に送致されるまでは、前条第一項の調査をするため、その被疑…」で始まります。
- 消防法第35条の2は第七章に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第35条の2の前の条は消防法第35条です。
- 消防法第35条の2の次の条は消防法第35条の3です。
- 消防法第35条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第35条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第35条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/35_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法35条の2により、放火・失火の被疑者逮捕や証拠物押収があっても、消防は送致までの間、被疑者への質問と証拠物の調査ができる。警察の捜査を妨げない範囲に限る。
Q · 放火や失火で警察に逮捕されたら、消防からも質問されることはあるの?
送検までの間なら、消防も質問・証拠調査ができる
消防法35条の2により、警察官が放火・失火の被疑者を逮捕し又は証拠物を押収した場合、事件が検察官に送致されるまでの間、消防長・消防署長は火災原因調査(同法35条1項)のため被疑者に質問し、証拠物を調べることができます。目的は処罰ではなく原因究明と再発防止ですが、供述は火災調査書類に記録されます。また2項により、消防の質問・調査は警察の捜査に支障を来さない範囲に限られます。
解説
火事の原因を突き止める主役は、警察ではなく消防である。消防法35条1項は、放火・失火の疑いがある火災でも、原因調査の主たる責任と権限を消防長・消防署長に置いた。本条はその延長線上にある。警察が放火・失火の被疑者を逮捕したり、焼け残った配線やライターを押収したりしても、事件が検察官に送致されるまでの間、消防はその被疑者に質問し、その証拠物を調べることができる。ただし2項が歯止めをかける。警察の捜査に支障を来してはならない。押さえておくべきは、ここでの質問が刑事の取調べとは別系統の行政調査(犯人を罰するためではなく、同じ火災を二度と起こさないための原因究明)だという点である。それでも、ここで話した言葉は火災調査書類に残り、保険会社との交渉や損害賠償の場面で「出火原因」として後から読まれうる。身柄事件の送致は逮捕から48時間以内に行われる。その短い時間の中で、二つの役所があなたに同じ火事のことを尋ねてくる。
法的な位置づけ
消防法第35条の2は、放火・失火事件において警察官が被疑者を逮捕し又は証拠物を押収した場合に、検察官送致までの期間に限り、消防長又は消防署長が同法35条1項の火災原因調査として被疑者への質問及び証拠物の調査を行う権限を定める規定である。当該質問・調査は、警察官の捜査に支障を来さない範囲に限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逮捕直後に弁護人との接見を求める 放火・失火の疑いで逮捕されたら、まず当番弁護士(初回無料)または私選弁護人との接見を求める。警察の取調べだけでなく、消防の質問への対応方針もこの段階で相談しておく
- 2.質問者の所属と調査の目的を確認する 質問に来た人が警察官か消防職員か、刑事捜査なのか消防法に基づく火災原因調査なのかを確認する。所属と氏名を控えておくと、後で弁護人が記録を照合しやすい
- 3.弁護人と供述方針を一本化する 刑事の取調べと消防の質問で言い回しがずれると、供述の食い違いとして後から指摘されうる。覚えていない点は推測で答えないことも含め、話す範囲を弁護人と整理する
- 4.押収物の調査結果の確認を弁護人に依頼する 押収された家電や配線について、製品由来の出火の可能性が出ていないか、弁護人を通じて確認を求める。製品欠陥が疑われれば過失を否定する材料になりうる
- 5.火災調査結果の開示方法を確認する 釈放・送致後、保険請求や損害賠償に備えて、自治体の情報公開制度や訴訟での文書送付嘱託で火災調査結果を確認できるかを弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1消防法35条の2とは?
警察が放火・失火の被疑者を逮捕し、又は証拠物を押収した後も、検察官送致までは消防が被疑者に質問し、証拠物を調べられると定めた規定です。
Q2放火で逮捕されたら消防にも話を聞かれる?
聞かれることがあります。送致までの間、消防長・消防署長は火災原因調査のため被疑者に質問できます。刑事の取調べとは別系統の行政調査です。
Q3消防の火災調査の質問はいつまでできる?
事件が検察官に送致されるまでです。身柄事件では逮捕から48時間以内に送致される(刑事訴訟法203条)ため、実質は最長2日弱に限られます。
Q4警察が押収した証拠物を消防が調べられる?
できます。押収されたライター、配線、家電なども、送致までの間であれば消防が火災原因調査のために調べられます。ただし警察捜査に支障を来さないことが条件です。
Q5送検後も消防は被疑者に質問できる?
本条に基づく質問はできません。権限は送致までに限られます。送致後の原因調査は、関係者への質問(32条)など別の規定や検察との協議によることになります。
Q6火事の罹災証明はどこでもらう?
火災の罹災証明は、一般に管轄の消防署で発行されます。必要書類や手数料の有無は自治体によって異なるため、事前に管轄消防署へ確認してください。
Q7消防の調査が警察の捜査とぶつかったらどうなる?
警察の捜査が優先されます。本条2項は、消防の質問・調査が警察官の捜査に支障を来してはならないと定めており、実務では日程や方法を警察と調整します。
Q8失火で逮捕されるのはどんな場合?
単純な失火罪(刑法116条)は罰金刑のみですが、重過失失火や業務上失火(刑法117条の2)は拘禁刑もあり、逮捕されることがあります。放火罪はより重い犯罪です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消防の人に聞かれたこと、黙っててもいいの?
本条の質問を拒んだこと自体を直接罰する規定は消防法にない。また、刑事責任の追及につながる情報を集める手続には、憲法38条1項の供述拒否の保障が及びうるというのが最高裁の考え方である(最大判昭和47.11.22、川崎民商事件)。実務のポイント:消防の聞き取りは雑談のように進むことが多く、つい警戒が緩む。だが記録は刑事記録と突き合わされうるので、取調べと同じ温度で臨むのが安全である
Q2警察と消防で火事の原因の結論が違ったら、どっちが正しいことになるの?
両者は目的が違うので、結論が食い違うこと自体はありうる。警察は刑事責任、消防は原因究明と予防が目的である(消防法31条・35条1項)。本条2項が求めているのは、消防の調査が警察捜査の妨げにならないことだけである。実務のポイント:民事の賠償や保険紛争では、消防の火災原因判定のほうが技術的に詳しく、決め手になる場面が少なくない。文書送付嘱託で取り寄せられるかを弁護士に確認する価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 火災原因を決めるのは警察だと思われがちだが、法律上の主役は消防である(35条1項)。警察は犯罪捜査、消防は原因究明と予防と目的が違い、同じ焼け跡に別々の調査線が引かれている
- 消防の質問は「行政の聞き取りだから気楽に答えていい」と受け止められやすい。軽く見てはいけない理由は、記録がどこへ行くかにある。火災調査書類は情報公開請求や裁判所の文書送付嘱託の対象になりえ、保険金請求や失火責任法上の「重大な過失」の認定材料として後から読まれる
- 「消防の質問に答える義務はあるのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条の質問を拒んだこと自体を直接罰する規定は消防法に置かれていない。問うべきは義務の有無ではなく、どの事実を、弁護人とどう相談したうえで話すかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 35条の2:逮捕・押収後の被疑者・証拠物への特則 | 35条1項:放火・失火の疑いある火災の原因調査は消防が主たる責任 32条:火災原因調査のための関係者への質問 |
| 対象 | 警察が逮捕した被疑者と押収した証拠物 | 放火・失火の疑いのある火災全般 火災に関係のある者 |
| 時期 | 逮捕・押収時から検察官送致まで | 火災の発生後(期間の定めなし) 調査に必要があるとき |
| 制約 | 警察官の捜査に支障を来してはならない(2項) | 警察・捜査機関との協力が前提 調査目的の範囲内での質問 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では直轄市・県(市)の消防機関が火災原因の調査・鑑定のため現場勘査、証拠物の採取保存、関係者への聴取を行える。刑事事件では検警との連携の下で行われる
韓国は2021年に火災調査を独立した法律として整備し、消防による火災調査と捜査機関との協力関係を規定している
中国では消防救援機構が火災現場の封鎖と原因調査を担い、関係者は事実をありのままに提供する義務を負う。犯罪が疑われる場合は公安機関が捜査する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 寝たばこで自室を全焼させ、重過失失火の疑いで逮捕されたら、取調室に来るのは刑事だけだろうか? 送致までの間、消防の火災調査員も質問に来ることがある。消防の目的は出火箇所や着火物の特定だが、「いつも寝ながら吸っていた」という一言は、重大な過失の評価にも直結する
- あなたは消防本部の火災調査担当である。管内の連続放火で警察が被疑者を逮捕したと夕方に連絡が入った。送致は逮捕から48時間以内なので、残り時間はせいぜい丸一日あまり。警察の取調べ日程と重ならない時間帯を刑事課と調整し、押収されたガソリン容器の調査も並行して申し入れなければならない
- 飲食店の厨房火災で、店長に業務上失火の疑いがかかった。押収されたフライヤーを消防が本条に基づいて調べられるのは、送検されるまでの間に限られる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. もらい火や放火の被害に遭ったら、焼け跡を自分でも撮影し、消防と警察それぞれの担当者名と連絡先を控える2. 被疑者が逮捕された場合、消防の調査は送致までの短期間に集中する。出火前の異音・異臭・不審者などの情報は早めに消防へ伝える3. 罹災証明の窓口や自治体の情報公開制度で、火災調査の結果をどこまで確認できるか問い合わせ、保険・賠償請求の資料にする
訴えられた側:1. 逮捕されたら、消防の質問を含め、話す前に弁護人と相談する(当番弁護士は初回無料) 2. 本条の質問は刑事の取調べとは別の行政調査だが、供述は記録に残る。推測では答えず、覚えていないことは覚えていないと言う3. 押収物の調査で製品欠陥の可能性が出れば、過失を否定する材料になる。弁護人を通じて調査結果の確認を求める
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。質問・調査ができるのは、警察が被疑者を逮捕または証拠物を押収した時から、事件が検察官に送致されるまでである。身柄事件では逮捕から48時間以内に送致される(刑事訴訟法203条1項)ため、実質的な期間は最長2日弱。参考として、失火罪・重過失失火罪の公訴時効は3年、現住建造物等放火罪は25年(刑事訴訟法250条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法学の一般的理解:消防の火災原因調査は火災予防を目的とする行政調査であり、犯罪捜査とは目的を異にする。ただし放火・失火事件では調査結果が刑事手続や民事紛争に利用されうるため、手続保障への配慮が求められる
- 消防法 第35条放火・失火調査の主たる権限を消防に置く前提規定
- 消防法 第31条火災原因・損害調査着手の一般規定
- 消防法 第32条関係者への質問権、本条の一般形
- 消防法 第34条資料提出命令・立入検査権
- 刑事訴訟法 第203条逮捕後48時間以内の送致、本条の期限を画す
- 刑法 第116条失火罪、本条が対象とする犯罪類型
- 刑法 第108条現住建造物等放火罪、放火の中心類型
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