消防法 第5条
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- 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合には、権原を有する関係者(特に緊急の必要があると認める場合においては、関係者及び工事の請負人又は現場管理者)に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。ただし、建築物その他の工作物で、それが他の法令により建築、増築、改築又は移築の許可又は認可を受け、その後事情の変更していないものについては、この限りでない。
- 2.第三条第四項の規定は、前項の規定により必要な措置を命じた場合について準用する。
- 3.消防長又は消防署長は、第一項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
- 4.前項の標識は、第一項の規定による命令に係る防火対象物又は当該防火対象物のある場所に設置することができる。この場合においては、同項の規定による命令に係る防火対象物又は当該防火対象物のある場所の所有者、管理者又は占有者は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第5条は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第5条の条文原文は「消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場…」で始まります。
- 消防法第5条は第二章 火災の予防に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第5条の前の条は消防法第4条の2です。
- 消防法第5条の次の条は消防法第5条の2です。
- 消防法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法5条は、防火対象物が火災予防上危険な場合、消防長又は消防署長が権原を有する関係者に改修や除去等を命じられると定める。命令は標識で公示される。
Q · 消防署長から改修命令が出たら、従わないとどうなるの?
刑事罰や行政代執行の対象になり、無視はできない
消防法5条1項の命令は行政処分であり、法的な強制力があります。命令に違反すると、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)の対象となり(同法39条の2の2)、法人には両罰規定で最高1億円の罰金が科されえます(同法45条)。履行しない場合は、5条2項が準用する3条4項により行政代執行に進むこともあります。命令に不服があれば審査請求や取消訴訟で争えますが、原則として命令の効力は止まりません。
解説
消防署の立入検査で指摘を受けても、「そのうち直せばいい」で済むと思われがちだ。だが、そこで終わる話ではない。消防法5条は、消防長または消防署長に強い権限を与えている。防火対象物(ビル、店舗、工場など、火災予防の対象となる建物や工作物)の位置・構造・設備・管理が危険だと判断すれば、改修、移転、除去、工事の停止まで命じることができる。命令の相手は「権原を有する関係者」である。つまり、実際にその措置を行う法的な立場を持つ人で、典型例は所有者だ。建物に手を加える権限のないテナントは、通常この立場にない。命令が出ると、標識などで公示される(3項)。建物の前に「この建物は消防法違反により命令を受けています」という趣旨の標識が掲げられうるということであり、所有者はその設置を拒めない(4項)。命令に従わなければ行政代執行(役所が本人に代わって工事を行い、費用を本人に請求する手続)が待っており、刑事罰もある。立入検査、指摘、警告、命令という段階のうち、どこで手を打つか。それで費用も評判も桁が変わる。
法的な位置づけ
消防法第5条は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況が火災予防上危険であるなどと認められる場合に、消防長又は消防署長が権原を有する関係者に対し、改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置を命じることができる旨を定める行政処分の根拠規定である。命令後は標識等による公示が義務付けられる。
手順
- 1.届いた書面の種類を確認する 消防署から届いた書面が「指摘」「警告」などの行政指導なのか、5条1項に基づく「命令」(行政処分)なのかを確認する。命令書であれば根拠条文、履行期限、教示欄(不服申立ての方法と期限)を読み込む
- 2.是正計画書と工程表を作成して提出する 指摘された違反事項ごとに是正方法、施工業者、見積り、完了予定日を整理し、是正計画書と工程表として管轄消防署の予防課に提出・協議する。是正できる部分は直ちに着手する
- 3.費用負担を契約関係で整理する 賃貸借契約の修繕義務条項、売買契約の契約不適合責任条項などを確認し、テナント、前所有者、施工業者との間で是正費用の負担者を整理する。必要に応じて弁護士に相談する
- 4.不服がある場合は期限内に争う 命令に事実誤認や過大な要求がある場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または6か月以内に取消訴訟を提起する。効力を止める必要があれば執行停止の申立ても併せて検討する
よくある質問 AI による整理
Q1消防法の措置命令とは何ですか?
消防長又は消防署長が、危険な防火対象物の権原を有する関係者に改修・移転・除去・工事停止等を命じる行政処分です。根拠は消防法5条1項です。
Q2消防署の警告を無視するとどうなる?
警告は行政指導ですが、無視を続ければ5条の措置命令に進むことがあります。命令後は公示、刑事罰、代執行が視野に入るため、警告の段階での是正が重要です。
Q3消防法5条の命令違反の罰則は?
3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、併科もありえます(39条の2の2)。法人には両罰規定で最高1億円の罰金が科されえます(45条)。
Q4消防の措置命令は誰に出される?
措置を行う法的な立場にある「権原を有する関係者」で、典型は所有者です。特に緊急の必要がある場合は、工事の請負人や現場管理者にも出せます。
Q5消防法違反の標識は拒否できる?
拒否できません。5条4項により、防火対象物の所有者、管理者又は占有者は、命令を公示する標識の設置を拒み、又は妨げてはならないとされています。
Q6建築確認済みの建物でも消防の命令は出る?
出ることがあります。5条1項ただし書の除外は、許認可後に事情の変更がない工作物に限られ、改造や用途変更、管理不備があれば適用されえます。
Q7消防の措置命令に不服申立てはできる?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内です。ただし原則として命令の効力は止まりません。
Q8措置命令の標識はいつ撤去される?
命令に従って是正が完了すれば、標識は撤去されるのが通常です。是正完了の確認方法は管轄の消防署に問い合わせて確かめるのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちはビルの一室を借りてるだけなんですけど、命令を受けることってあります?
命令の名宛人は「権原を有する関係者」、つまりその措置を行う法的な立場にある人です(5条1項)。建物の構造の改修は通常所有者の権原なので、テナントが受けることは基本的にありません。ただし、自分の区画内の物品の管理などについては、テナントが関係者として別の条文(5条の3)による命令を受けることがあります。実務のポイント:オーナーが命令を受けると、その費用を契約の原状回復条項や特約でテナントに転嫁しようとすることがあります。入居時の契約書で、消防法上の是正費用の負担者を確認しておくべきです
Q2命令に納得いかないとき、無視して裁判で争えばいいんですか?
無視は最悪の選択です。命令は行政処分なので、審査請求や取消訴訟(行政事件訴訟法3条2項)で争えますが、争っている間も原則として効力は止まりません。履行しなければ、刑事罰(消防法39条の2の2)や代執行(5条2項・3条4項)に進みます。実務のポイント:争うなら、取消訴訟と同時に執行停止(行政事件訴訟法25条)を申し立てるのが定石です。命令が後で取り消された場合の損失補償の規定(消防法6条)もあるので、従いつつ争う道も検討する価値があります
Q3命令を受けたら、その情報ってずっと公開されちゃうんですか?
5条3項により、命令は標識の設置など総務省令で定める方法で公示されます。是正が完了すれば、標識は撤去されるのが通常です。実務のポイント:これとは別に、東京消防庁など多くの消防本部は、火災予防条例などに基づいて重大な違反がある建物をウェブで公表しています。こちらは命令の公示とは別の制度で、スプリンクラーや自動火災報知設備の未設置などが対象です。命令の有無にかかわらず、ネット上に建物名が載りうることを知っておくべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 立入検査で受け取る「指摘事項」や「通知書」と、5条の「命令」は同じものだと思われがちだ。前者は多くの場合、行政指導であり、それ自体に法的強制力はない。後者は行政処分(役所があなたに直接下す、法的拘束力のある決定)であり、違反すれば刑事罰の対象になる。そのため、争うときの手続も違う。命令なら審査請求や取消訴訟の対象になるが、行政指導は原則としてその対象にならない
- 「建築確認を取った建物だから消防に口出しされない」と考えるオーナーは多い。だが1項ただし書が除外するのは、他の法令で許可・認可を受け、その後に事情が変わっていない工作物に限られる。用途変更、内装の改造、間仕切りの追加、避難経路への物の放置など、竣工後に何か一つでも変われば例外は外れる。そもそも建築確認がここでいう「許可又は認可」に含まれるかについても解釈は一致していない。竣工時の適法性は、今の安全を保証する免罪符にならない
- 命令違反の罰則は軽い過料程度だと思われがちだが、深刻度の見積りが甘い。5条1項の命令違反は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象であり、併科もありうる(39条の2の2)。法人には両罰規定で最高1億円の罰金が科されうる(45条)。2001年の新宿歌舞伎町雑居ビル火災(44人死亡)を受けた平成14年改正で、ここまで引き上げられた(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 命令の内容 | 消防法5条:改修・移転・除去・工事の停止又は中止その他の必要な措置 | 消防法5条の2:防火対象物の使用の禁止・停止・制限 消防法3条:屋外での火災予防上危険な行為の禁止・物件の除去等 |
| 対象 | 防火対象物(建物・工作物等)の位置・構造・設備・管理 | 措置命令等では危険を除去できない防火対象物の使用そのもの 屋外の行為者や物件 |
| 財産権への介入度 | 中〜強:建物への工事を求めるが使用は継続できる | 最強:営業・居住そのものを止めうる 比較的軽い:個別の行為・物件への措置 |
| 公示と代執行 | 標識等による公示義務あり(3項)、3条4項準用で代執行可 | 公示制度あり(同条で準用) 代執行の規定元(3条4項) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では消防安全設備の設置維持義務違反に対し、限期改善を命じ、従わない場合に罰鍰や停止使用等を科す段階的な構造をとる
韓国では火災安全調査の結果に基づき、改修・移転・除去・使用禁止等の措置命令を出す仕組みがあり、日本の5条・5条の2に近い
中国では消防救援機構が監督検査で発見した火災隠患について、関係単位・個人に直ちに除去措置をとるよう通知する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した古い雑居ビルに、消防署から「警告書」が届いた。防火戸が撤去され、避難経路も物でふさがれているという。前オーナーの時代から放置されてきた違反でも、命令の名宛人になるのは今の所有者であるあなただ。警告の段階で改修計画を出せるかどうかが、命令と公示を避けられるかの分かれ目になる
- 飲食店として入居している自分の店の前に、ある朝、消防の標識が立っていたらどうなるのか? 客足に影響が出るかもしれず、命令を受けたのはオーナーなのに損をするのはあなたである。賃貸借契約の修繕義務条項を確認し、オーナーに是正を書面で求めることになる
- 命令書の履行期限まであと30日。改修工事の見積りは想定の3倍だった。期限を黙って過ぎるのが最悪の選択である。消防署に工程表を出して協議するか、命令そのものに不服があるなら審査請求の期限(処分を知った日の翌日から3か月)を同時ににらむ必要がある
- 内装工事の現場監督をしていて、作業中に消防署員から工事の停止を命じられた。「緊急の必要」がある場合、命令は所有者を飛び越えて請負人や現場管理者にも直接出せる(1項括弧書)。施主の指示だからと続ければ、あなた自身が命令違反の当事者になる
- 友人から、購入を検討しているビルが過去に消防法の命令を受けていたと相談された。命令が是正済みかどうかで、購入後の改修費用はまったく変わる。管轄の消防署に違反是正の状況を確認し、契約前に費用負担を交渉材料にするよう助言できる
取るべき行動
被害を受けた側:近隣住民やテナントとして危険なビルに不安があるなら、1. 非常口の施錠、避難階段の物品、防火戸の撤去などを写真で記録する2. 管轄の消防署の予防課に、具体的な場所と状況を伝えて相談・通報する3. テナントであれば、賃貸借契約の修繕条項に基づいてオーナーに是正を書面で求める4. 命令が公示され営業に損害が出た場合は、オーナーの修繕義務違反による損害賠償(民法415条)を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 届いた書面が行政指導なのか命令(処分)なのかを確認する。命令書なら、根拠条文と教示欄を読む2. 是正できる部分は直ちに着手し、工程表を消防署に出して協議する3. 命令の内容に事実誤認や過大な要求があれば、審査請求または取消訴訟を検討する。ただし不服申立てをしても、原則として命令の効力は止まらない4. 費用負担について、テナントや前所有者との契約関係を弁護士と整理する
時効(請求できる期限):命令への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)。取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)。是正の期限は命令書に記載された履行期限による(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:5条の命令は行政処分であり、消防署の指摘・警告などの行政指導とは区別される。そのため命令は審査請求や取消訴訟の対象となり、違反には刑事罰が予定されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正 2001年の新宿歌舞伎町雑居ビル火災を受け、措置命令の体系を整理(使用禁止命令等を5条の2・5条の3へ分離)し、命令の公示制度と罰則強化を導入したとされる。条文構成の詳細は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴い、関連する罰則中の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(本条本文ではなく罰則規定の改正)
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法の制定により、防火対象物に対する消防長又は消防署長の措置命令が規定された
- 2.平成14年(2002年) 改正:新宿歌舞伎町雑居ビル火災を受けた改正で、措置命令の体系が整理され、命令の公示制度と罰則強化が導入されたとされる(条文構成の詳細は要確認)
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法改正に伴う整理により、関連罰則の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行、本条本文ではなく罰則規定の改正)
- 消防法 第3条屋外の措置命令と代執行(4項準用元)
- 消防法 第4条命令の前提となる立入検査
- 消防法 第5条の2防火対象物の使用禁止・制限命令
- 消防法 第6条命令取消時の損失補償
- 消防法 第39条の2の2措置命令違反の刑事罰
- 行政代執行法 第2条命令不履行時の代執行の要件
- 建築基準法 第9条違反建築物への並行的な是正命令
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