消防法 第5条の2
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- 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について次のいずれかに該当する場合には、権原を有する関係者に対し、当該防火対象物の使用の禁止、停止又は制限を命ずることができる。
- 一前条第一項、次条第一項、第八条第三項若しくは第四項、第八条の二第五項若しくは第六項、第八条の二の五第三項又は第十七条の四第一項若しくは第二項の規定により必要な措置が命ぜられたにもかかわらず、その措置が履行されず、履行されても十分でなく、又はその措置の履行について期限が付されている場合にあつては履行されても当該期限までに完了する見込みがないため、引き続き、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合又は火災が発生したならば人命に危険であると認める場合
- 二前条第一項、次条第一項、第八条第三項若しくは第四項、第八条の二第五項若しくは第六項、第八条の二の五第三項又は第十七条の四第一項若しくは第二項の規定による命令によつては、火災の予防の危険、消火、避難その他の消防の活動の支障又は火災が発生した場合における人命の危険を除去することができないと認める場合
- 2.前条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による命令について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第5条の2は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第5条の2の条文原文は「消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について次のいずれかに該当する場合には、権原を有する関係者に対し、当該防火対象物の使用の禁止、停…」で始まります。
- 消防法第5条の2は第二章 火災の予防に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第5条の2の前の条は消防法第5条です。
- 消防法第5条の2の次の条は消防法第5条の3です。
- 消防法第5条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/5_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法5条の2は、措置命令が履行されない場合や措置命令では危険を除去できない場合に、消防長・消防署長が防火対象物の使用禁止・停止・制限を命じられると定める。
Q · 消防の指摘を放置していたら、建物の使用そのものを止められることはあるの?
ある。命令不履行や重大な危険があれば使用禁止を命じられる
消防法5条の2により、消防長又は消防署長は、5条1項・8条3項・17条の4などに基づく措置命令が履行されない、不十分である、又は期限までに完了する見込みがない場合(1号)、さらに措置命令では危険を除去できないと認める場合(2号)に、防火対象物の使用の禁止・停止・制限を命じられます。命令は標識で公示され、違反すると個人は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金の対象となります。
解説
消防の立入検査で指摘を受けても「そのうち直す」で済むと考えている経営者は多い。だが消防法5条の2は、消防長または消防署長が建物そのものの「使用の禁止、停止又は制限」を命じられると定めている。店を開けられず、テナントを入れられず、客を入れられない。この命令が出るルートは二つある。第1号は段階型である。避難器具の不備、防火管理者の未選任、スプリンクラーの未設置などで、5条1項や8条3項・4項、17条の4などに基づく措置命令(役所が「ここを直せ」と具体的に命じる決定)が出たのに直さない、直しても不十分、期限までに終わる見込みがない場合に発動される。第2号は直行型である。措置命令では火災の危険を取り除けないと認められれば、前段の命令を経ずに使用禁止まで進める。命令が出ると、建物には標識が掲示され、外から誰にでも分かる状態になる(2項による5条3項・4項の準用)。命令に違反すれば、個人は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金である(39条の2の2、45条)。指摘を受けた時点で動けるかどうかで、営業を続けられるかが決まる。
法的な位置づけ
消防法第5条の2は、防火対象物の使用禁止等命令を定める規定であり、措置命令の不履行等により火災予防上・消防活動上・人命上の危険が継続する場合、又は措置命令によっては当該危険を除去できない場合に、消防長又は消防署長が権原を有する関係者に対し、防火対象物の使用の禁止、停止又は制限を命ずる権限を付与する。
手順
- 1.届いた書面の種類を特定する 書面が行政指導の通知か、5条・8条・17条の4などの措置命令か、5条の2の使用禁止等命令かを確認する。命令であれば行政処分であり、履行期限と教示欄(不服申立ての方法・期限)を控える
- 2.是正工事の見積と工程表をそろえる 指摘事項ごとに消防設備業者・施工業者から見積書と工期を取得し、履行期限までに完了できるかを判断する
- 3.是正計画書を提出して消防署と協議する 見積書と工程表を添えた是正計画書を管轄消防署へ提出し、段階的是正や期限について協議する。期限内完了の見込みを示すことが、1号の発動要件を避ける鍵になる
- 4.テナント・所有者間の責任分担を確認する 賃貸借契約の修繕義務・消防法令違反時の条項を確認し、是正費用と営業停止時の損失負担について関係者間で書面合意をとる
- 5.命令の違法性を争う場合は期限内に申立て 用途区分の認定や危険性評価に誤りがあると考える場合は、教示欄の期限内に審査請求又は取消訴訟を弁護士と準備する。命令自体は争っている間も無視しない
よくある質問 AI による整理
Q1消防法の使用禁止命令とは?
消防長又は消防署長が、火災予防や避難上の危険がある建物について、権原を有する関係者に使用の禁止・停止・制限を命じる行政処分です。根拠は消防法5条の2です。
Q2使用禁止命令はいつ出される?
措置命令が履行されない、不十分、期限内に終わる見込みがない場合(1号)と、措置命令では危険を除去できないと認められる場合(2号)に出されます。
Q3消防の使用停止命令 違反したらどうなる?
消防法39条の2の2により3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(併科あり)、法人には45条により1億円以下の罰金が科され得ます。
Q4使用禁止命令の標識は外していい?
外してはいけません。2項で準用する5条4項により、標識の設置を拒んだり妨げたりすることは禁止されています。
Q5使用禁止命令は誰に出される?
「権原を有する関係者」、つまり是正する法的権限を持つ者です。設備や構造の問題なら所有者、管理面の問題なら管理権原者に向けられるのが通常です。
Q6使用禁止命令に不服がある場合どうする?
命令書の教示欄を確認し、審査請求や取消訴訟を検討します。消防法6条に取消訴訟の特則があるため、期限は教示欄で必ず確認してください。
Q7消防の使用禁止命令はいつ解除される?
命令の原因となった危険が是正され、消防機関が確認すれば解除されるのが一般的です。是正工事の完了報告と現地確認が必要になります。
Q8建築基準法の使用禁止と消防法の違いは?
建築基準法9条は特定行政庁が違反建築物に、消防法5条の2は消防長・消防署長が火災危険のある防火対象物に命じます。根拠と命令主体が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1消防に指摘されたのを放置してたら、いきなり店を閉めさせられることってあるんですか?
あり得る。5条の2第1項第1号は、措置命令を履行しない、または期限までに完了する見込みがない場合に使用禁止などを命じられると定めている。第2号では、措置命令では危険を除去できないと認められれば、措置命令を経ずに発動できる。実務のポイント:実務では、指導、警告、命令と段階を踏む運用が多い。ただし、警告書の段階で是正計画を出したかどうかが、消防側の記録に残る。何も出さない相手には、手続を早めに進めやすい
Q2使用禁止の命令が出たら、標識を外して営業しちゃダメなんですか?
だめである。命令に違反すれば、39条の2の2により3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(情状により併科)、法人には45条で1億円以下の罰金が科される。標識の設置を拒んだり妨げたりすることも、5条4項(2項で準用)で禁じられている。実務のポイント:命令違反で刑事事件になると、消防の問題では済まず警察案件になる。保険の更新、融資、許認可の更新にまで影響が及ぶ。これを知っている経営者は、命令前の協議に全力を使う(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「消防の指摘は行政指導だから、従わなくても罰はない」と考えがちだが、それは最初の段階にしか当てはまらない。措置命令から先は行政処分(役所が相手に直接下す、法的拘束力のある決定)であり、5条の2の使用禁止命令に違反すれば刑事罰の対象になる。指導と命令の区別がつかないこと自体が、いちばん危ない
- 使用禁止命令は、措置命令を無視し続けた悪質な業者にだけ出るものだと思われている。だが第2号は、措置命令では危険を取り除けないと認めた場合に、措置命令を経ずに発動できる。避難経路が構造的に一本しかなく改修では解消できない、といった建物では、段階を踏んでもらえる保証はない
- オーナーから見れば、テナントの防火管理は借主の問題である。しかし法律は、命令の名宛人を「権原を有する関係者」とし、是正する権原を持つ者を追いかける。設備や構造の問題であれば所有者に命令が向かう。「借主のせいだ」という言い分は、行政との関係では通らない。そのことに気づくのは、たいてい標識が貼られた後である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 命令の内容 | 消防法5条の2:防火対象物の使用の禁止・停止・制限 | 消防法5条:改修・移転・除去等の措置命令 消防法17条の4:消防用設備等の設置・維持命令 |
| 発動の前提 | 措置命令の不履行等(1号)又は措置命令では危険除去不能(2号) | 火災予防上の危険等があると認める場合 消防用設備等が技術基準に従って設置・維持されていない場合 |
| 名宛人 | 権原を有する関係者 | 権原を有する関係者 防火対象物の関係者で権原を有する者 |
| 違反時の罰則 | 39条の2の2:3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金、法人1億円以下(45条) | 39条の2の2等の罰則(要確認) 41条等の罰則(要確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は限期改善に従わず罰鍰後も改善しない場合に、30日以下の停業又は使用停止処分を科す。罰鍰を前置する点で、日本の措置命令前置と構造が近い
火災安全調査の結果に基づき、改修・移転・除去のほか使用の禁止・制限を命じられる。調査と命令が一条にまとまる構成
ドイツでは防火を含む建物安全は州建築法の所管で、使用禁止は建築監督庁が命じる。消防独自の使用禁止権限とは整理が異なる
米国は州・自治体がモデルコードを採用し、fire official が危険な建物の使用停止を命じる。根拠は採用条例ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 雑居ビルの3階で居酒屋を経営している。半年前の立入検査で「避難階段に物を置くな、誘導灯を直せ」と指摘されたが、繁忙期で後回しにした。その後、措置命令書が届き、期限は今月末。あと3週間で是正できなければ、次は使用禁止命令が視野に入る。年末の宴会予約は全部キャンセルになりかねない
- オーナーが期限内に工事しないと、テナントも一緒に営業できなくなるのか? 命令は「権原を有する関係者」に向けられ、建物全体の使用が止まれば、何もしていない借主の店も開けられない。賃貸借契約に消防法令違反時の責任分担が書いてあるか、今すぐ確認すべきである
- ビルの所有者として、消防署から「スプリンクラー設置命令(17条の4)」を受けていた。工事費が数千万円と知って放置していたところ、消防署長名で建物の使用停止命令が出され、入口に標識が貼られた。テナントからは賃料減額と損害賠償の請求が届いている
- 友人がシェアハウスを運営していて、「消防の検査で、使用禁止になるかもと言われた」と相談してきた。法令上の用途区分が寄宿舎扱いなのか共同住宅扱いなのかで、必要な設備がまったく変わる。用途判断から争う余地があるかどうかが、最初の論点になる
- 命令書を受け取った。違反するとどうなる? 個人は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金。法人なら罰金上限は1億円まで跳ね上がる
取るべき行動
被害を受けた側:(テナント・利用者の立場)1. 入居ビルに措置命令や使用禁止命令が出ていないか管轄の消防署に照会する。公表制度があれば確認する2. オーナー側の違反で営業できなくなった場合、賃貸借契約の修繕義務や使用収益させる義務(民法601条・606条)をもとに、賃料減額や損害賠償を検討する3. 営業停止期間の売上記録と固定費を日ごとに保存する4. 避難経路に危険を感じたら、消防署へ通報できる
訴えられた側:1. 書面が行政指導の通知なのか、措置命令なのか、5条の2の使用禁止命令なのかを確認する。命令なら行政処分である2. 命令書の教示欄(不服申立ての方法と期限を書いた欄)で、審査請求と取消訴訟の期限を確認する3. 是正工事の工程表と見積書を添えて消防署と協議し、期限延長や段階的な是正を求める4. 用途区分の認定や危険性の評価に誤りがあると考える場合は、弁護士に相談して処分の違法性を争う。標識を勝手に外したり、命令を無視して営業を続けたりすることは絶対にしない
時効(請求できる期限):審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は原則として知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。消防法6条に命令の取消訴訟に関する特則があるため、命令書の教示欄の期限を最優先で確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。措置命令の履行期限が過ぎると、5条の2第1項第1号の発動要件に直結する
学説
通説(警察比例の原則):使用禁止等命令は営業の自由・財産権に対する強度の制約であるため、措置命令による是正機会の付与を原則とし、2号による直接発動は措置命令では危険を除去できないことが認められる場合に限定して解釈されるべきとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 2001年の新宿歌舞伎町雑居ビル火災を受けた改正で、使用禁止等命令が独立した条文として整えられた。新設か旧規定の移設かは要検証
- その後の改正 統括防火管理者(8条の2)や自衛消防組織(8条の2の5)の導入に伴い、引用条項が追加されたとみられる。改正年は人的検証が必要
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法改正に伴い、罰則(39条の2の2)の懲役が拘禁刑に置き換えられた。本条の本文自体の変更ではない
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:2001年の新宿歌舞伎町雑居ビル火災を受けた消防法改正により、防火対象物の使用禁止等命令が独立の規定として整備された(旧規定からの移設の有無は要検証)。
- 2.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等改正に伴い、本条違反の罰則(39条の2の2)の懲役が拘禁刑に置き換えられた。本条本文の変更ではない。
- 消防法 第5条改修等措置命令、5条3項・4項は標識公示
- 消防法 第17条の4消防用設備等の設置維持命令
- 消防法 第8条防火管理者選任・業務適正執行命令
- 消防法 第39条の2の2使用禁止命令違反の罰則
- 消防法 第45条法人への両罰規定(罰金1億円以下)
- 建築基準法 第9条違反建築物への使用禁止命令の並行権限
- 行政手続法 第13条不利益処分前の意見陳述と緊急時の例外
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