消防法 第5条の3
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- 消防長、消防署長その他の消防吏員は、防火対象物において火災の予防に危険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者若しくは占有者で権原を有する者(特に緊急の必要があると認める場合においては、当該物件の所有者、管理者若しくは占有者又は当該防火対象物の関係者。次項において同じ。)に対して、第三条第一項各号に掲げる必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
- 2.消防長又は消防署長は、火災の予防に危険であると認める物件又は消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める物件の所有者、管理者又は占有者で権原を有するものを確知することができないため、これらの者に対し、前項の規定による必要な措置をとるべきことを命ずることができないときは、それらの者の負担において、当該消防職員に、当該物件について第三条第一項第三号又は第四号に掲げる措置をとらせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、当該消防職員がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。ただし、緊急の必要があると認めるときはこの限りでない。
- 3.消防長又は消防署長は、前項の規定による措置をとつた場合において、物件を除去させたときは、当該物件を保管しなければならない。
- 4.災害対策基本法第六十四条第三項から第六項までの規定は、前項の規定により消防長又は消防署長が物件を保管した場合について準用する。この場合において、これらの規定中「市町村長」とあるのは「消防長又は消防署長」と、「工作物等」とあるのは「物件」と、「統轄する」とあるのは「属する」と読み替えるものとする。
- 5.第三条第四項の規定は第一項の規定により必要な措置を命じた場合について、第五条第三項及び第四項の規定は第一項の規定による命令について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 消防法第5条の3は、日本の消防法に含まれる条文です。
- 消防法第5条の3の条文原文は「消防長、消防署長その他の消防吏員は、防火対象物において火災の予防に危険であると認める行為者又は火災の予防に危険であると認める物件若しくは消火、避難その他の消防の…」で始まります。
- 消防法第5条の3は第二章 火災の予防に置かれています。
- 消防法の公布日は昭和23年7月24日です。
- 消防法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 消防法第5条の3の前の条は消防法第5条の2です。
- 消防法第5条の3の次の条は消防法第5条の4です。
- 消防法第5条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC1000000186 - 本サイト収録
消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第5条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC1000000186/5_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点消防法5条の3は、消防長・消防署長その他の消防吏員が、防火対象物で避難等の支障となる物件の権原者等に除去などの措置を命じられると定める。持ち主不明なら公告後に消防が撤去できる。
Q · 消防の立入検査で非常階段の荷物を「片付けて」と言われたら、従わないといけないの?
命令になりうる。現場の消防吏員にも命令権限がある
消防法5条の3第1項により、消防長・消防署長だけでなく現場の消防吏員も、避難等の支障となる物件の権原者に除去などの措置を命じることができます。特に緊急の必要があれば、権原のない所有者・管理者・占有者や防火対象物の関係者も命令の相手になります。持ち主が分からなければ公告のうえ消防職員が撤去し、費用は持ち主の負担です。命令には公示の規定が準用され、従わなければ代執行の道もあります。
解説
消防の立入検査で、制服姿の消防吏員が非常階段に積まれた段ボールを指さす。「片付けてください」という一言はお願いに聞こえるが、本条1項にもとづく正式な命令になることがある。ここでいう命令は行政処分(役所が特定の人に直接義務を負わせる決定)である。命令を出せるのは消防長や消防署長だけではない。現場の消防吏員一人ひとりにもこの権限がある。命令の相手は、原則としてその物を動かしたり処分したりできる権原(法的にそうできる立場)を持つ人である。ただし特に緊急の必要があるときは、権原の有無にかかわらず、建物の所有者・管理者・占有者にも命令できる。持ち主が分からない場合は、公告したうえで消防職員が撤去し、費用は持ち主の負担になる。撤去した物は保管される。さらに命令が出ると、標識などでその事実が公示される。「誰の荷物か分からない」は言い訳として通らない。放置が長引くほど、あなたの建物の入口に違反の事実が掲示される日が近づく。
法的な位置づけ
消防法5条の3は、防火対象物における火災予防措置命令を定める規定である。消防長・消防署長その他の消防吏員は、火災予防上危険な行為者や、消火・避難その他の消防活動の支障となる物件の権原者等に対し、同法3条1項各号の措置を命じることができる。権原者を確知できない場合の公告・除去・保管の手続、ならびに代執行と公示の準用もあわせて定める。
手順
- 1.指摘を受けた当日に物件を移動する 立入検査で避難通路や階段の物件を指摘されたら、その日のうちに移動し、是正の前後を日時入りの写真で記録する。指導・警告の段階で是正すれば、命令や公示まで進まないことが多い
- 2.命令書・警告書の期限と内容を確認する 書面が交付されたら、命じられた措置の内容(除去・整理など)と是正期限を確認する。命令か指導かは書面の表題と根拠条文で判断する
- 3.改修(是正)報告書を提出する 是正後の写真を添付して、所轄消防署に改修(是正)報告書を提出する。提出日と受付者を控えておく
- 4.置いた者に撤去と費用負担を求める テナントや第三者が置いた物で命令を受けた場合は、賃貸借契約や管理規約にもとづき、書面で撤去と費用の負担を求める
- 5.不服がある場合は期限内に争う 命令に納得できない場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟を検討する。並行して是正は先に済ませておく
よくある質問 AI による整理
Q1消防法5条の3とは?
防火対象物で火災予防上危険な行為や、避難・消火の支障となる物件について、消防吏員が権原者等に除去などの措置を命じられると定めた規定です。
Q2避難通路に物を置くのは違法?
避難等の支障となる物件として、消防法5条の3の措置命令の対象になりえます。関係者には避難施設の管理義務もあります(消防法8条の2の4)。
Q3消防の措置命令に従わないとどうなる?
命令違反には罰則があります。さらに消防法3条4項の準用により、行政代執行法の手続で消防側が是正し、費用を請求されることがあります。
Q4消防の措置命令は公表される?
消防法5条3項・4項が準用され、命令が出ると標識の設置などで公示されます。建物の利用者や近隣の目に触れる形になります。
Q5持ち主不明の放置物は誰が撤去する?
権原者を確知できない場合、消防長・消防署長が相当の期限を定めて公告したうえで、消防職員に撤去させることができます(本条2項)。費用は権原者の負担です。
Q6消防に撤去された物はどこにある?
除去した物件は消防長・消防署長が保管します(本条3項)。災害対策基本法64条の準用で公示・売却などの手続に進むため、早めに消防署へ連絡を。
Q7消防吏員と消防職員の違いは?
消防吏員は階級を持ち制服を着用する職員で、本条1項の命令権限を持ちます。2項では撤去作業を行う者として、より広い「消防職員」が使われています。
Q8消防の措置命令に不服申立てできる?
命令は行政処分なので、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟で争えます。ただし原則として命令の効力は止まりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通路の荷物を置いたのはテナントなのに、オーナーの自分に命令が来ることってあるんですか?
あります。原則の相手は物件を処分する権原を持つテナントだが、特に緊急の必要があれば、建物の所有者・管理者も関係者として命令の相手になる(本条1項括弧書)。関係者には避難施設を管理する義務もある(消防法8条の2の4)。実務のポイント:賃貸借契約に共用部の私物の撤去権限と費用負担の条項を入れておくと、命令を受けた後にテナントへ請求しやすくなる
Q2検査で口頭で注意されただけです。無視したらすぐ罰則ですか?
現場での注意がすぐ正式な命令になるとは限らない。命令書が交付されたか、公示されたかで確認するのが確実である。命令に違反すれば罰則があり、消防法3条4項の準用により代執行される道もある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:消防の違反処理は、指導、警告、命令の順に進めるのが通常の運用である。警告の段階で是正報告を出せば、命令や公示まで進まない例が多い
Q3知らないうちに消防に私物を撤去されました。返してもらえますか?
本条2項の撤去は、権原者が分からない場合に公告を経て行われる。撤去された物件は保管しなければならず(3項)、災害対策基本法64条の準用で公示、売却、費用負担の手続に進む(4項)。返還は求められるが、保管などの費用は所有者の負担になる。実務のポイント:名乗り出るのが遅れるほど保管費がかさみ、傷みやすい物や保管費の高い物は売却されることもある。気づいたらすぐ消防署に連絡する
Q4命令の内容に納得いかない。争う方法はありますか?
命令は行政処分なので、審査請求(行政不服審査法)や取消訴訟(行政事件訴訟法)で争える。期限は審査請求が3か月、訴訟が6か月である。実務のポイント:審査請求をしても原則として命令の効力は止まらない(行政不服審査法25条1項、執行不停止)。争いながらも、まず物を動かして是正しておく方が、公示や代執行を避けられる
間違えやすい点 AI による整理
- 「消防署長名の命令書でなければ従わなくてよい」と思われがちだが、本条1項は消防長・消防署長と並べて「その他の消防吏員」を挙げている。立入検査に来た現場の職員自身が、命令の権限を持ちうる
- 「この荷物は誰のものか」から考えはじめること自体がずれている。本条は持ち主が分からない場面を想定して作られており、緊急時は権原のない所有者・管理者・占有者に命令できる(1項括弧書)。確知できなければ公告のうえ消防職員が撤去する(2項)。持ち主探しが長引いても、命令の手続は待ってくれない
- 避難通路に物を置くのが危ないことは誰でも知っている。知られていないのはその深刻さである。2001年9月の新宿歌舞伎町の雑居ビル火災では44人が亡くなり、階段に置かれた物品が避難を妨げたと指摘された。この火災をきっかけに消防法の違反是正の仕組みは強化された。段ボール一箱は、法律上は人命に直結する問題として扱われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場所・物 | 消防法5条の3:防火対象物における危険な行為・支障となる物件 | 消防法3条:屋外における危険な行為・物件 消防法5条:防火対象物の位置・構造・設備・管理の状況 |
| 命令できる者 | 消防長・消防署長その他の消防吏員 | 消防長・消防署長その他の消防吏員 消防長・消防署長 |
| 命令の内容 | 3条1項各号の措置(行為の禁止・制限、物件の除去・整理など) | 3条1項各号の措置 改修・移転・除去・工事の停止など(5条の2では使用の禁止・停止・制限) |
| 相手方 | 行為者、物件の権原者(緊急時は権原のない所有者・管理者・占有者、関係者) | 行為者、物件の所有者・管理者・占有者で権原を有する者 防火対象物の関係者で権原を有する者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも建築物の所有権人・使用人に設備安全の維持義務を課し、消防機関の検査・改善命令と罰則で是正を図る構造をとる
疏散通道・安全出口の占用、閉塞を明文で禁止し、違反には過料等の行政処罰を科す
避難経路(means of egress)を常時障害物なく維持する義務を定め、消防当局の是正命令で担保する。採用は州・自治体ごと
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 雑居ビルの3階で居酒屋を経営している。年末の繁忙期に、ビール樽とおしぼりの箱を非常階段の踊り場に置いた。立入検査に来た消防吏員から是正を指示され、期限まであと7日しかない。その間に置き場所を確保できなければ、命令、公示と手続が進み、店の入っているビルに標識が出る可能性がある
- マンションの管理組合理事長になった年、共用廊下に誰のものか分からない自転車と灯油缶が何か月も置かれたままだった。持ち主に連絡がつかないまま消防の指摘を受けた。本条2項では、公告を出したあと消防職員が撤去でき、その費用は持ち主の負担になる。管理組合が勝手に捨てるより、法的には安全な道がある
- テナントが搬入口に私物を積み上げ、あなたはビルのオーナーとして命令を受けた。「自分の物じゃない」は通るのか? 特に緊急の必要があれば、権原がなくても関係者として命令の相手になる
- あなたは小売店の店長で、閉店後の廊下に台車と段ボールを並べるのが習慣になっていた。悪気はなかった。それでも、避難の妨げになる物件の占有者として命令を受けるのはあなたである
- 倉庫型店舗で防火戸の前に商品棚を寄せていたところ、検査で指摘された。命令に従わずにいたら、どうなる? 消防法3条4項の準用により、行政代執行法の手続で消防側が是正を実行し、その費用を請求される道が開いている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 他のテナントや隣人の物で避難経路がふさがれているなら、日時入りの写真を残す2. まず管理会社・管理組合に書面で撤去を求める3. 改善されなければ所轄の消防署に相談する。持ち主が分からない物件は、本条2項の公告と撤去の手続に乗せられる4. 管理組合が自分で処分すると損害賠償を求められるおそれがあるため、消防の手続を待つ方が安全
訴えられた側:1. 指摘された物はその日のうちに動かし、是正の前後の写真を撮る2. 命令書や警告書が届いたら、期限と命じられた措置の内容を確認し、改修(是正)報告書を出す3. 置いたのがテナントなら、契約にもとづいて撤去と費用の負担を求める4. 命令に納得できなければ審査請求や取消訴訟を検討する。ただし不服を申し立てても命令の効力は止まらないため、是正を先に済ませる方が得策
時効(請求できる期限):命令そのものに時効はない。是正期限は命令ごとに定められる。不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。命令違反には罰則がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法の一般的理解:本条1項の命令は、特定の者に作為義務を課す行政処分であり、審査請求・取消訴訟の対象となる。不履行時には行政代執行法による代執行が予定され、行政上の義務履行確保の典型的な構造をとる
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)改正(要検証) 新宿歌舞伎町の雑居ビル火災を受けた改正で、防火対象物に対する措置命令、命令の公示、罰則など違反是正の仕組みが強化されたとされる。本条の具体的な改正内容と時期は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:消防法制定(昭和23年法律第186号)。本条の枝番条文の新設時期・改正経緯は e-Gov の改正履歴で要確認
- 消防法 第3条命令できる措置内容の出典と代執行規定
- 消防法 第4条命令の前提となる立入検査権限
- 消防法 第5条改修命令と公示規定の準用元
- 消防法 第5条の2より重い防火対象物使用禁止命令
- 消防法 第8条の2の4関係者の避難施設管理義務
- 行政代執行法 第2条命令不履行時の代執行要件
- 災害対策基本法 第64条除去物件の保管・売却・費用負担の準用元
- 行政不服審査法 第18条命令への審査請求期間
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