建設業法 第25条の20(文書及び物件の提出)
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- 審査会は、仲裁を行う場合において必要があると認めるときは、当事者の申出により、相手方の所持する当該請負契約に関する文書又は物件を提出させることができる。
- 2.審査会は、相手方が正当な理由なく前項に規定する文書又は物件を提出しないときは、当該文書又は物件に関する申立人の主張を真実と認めることができる。
この条文の基本情報
文書及び物件の提出とは何ですか?
定義文書及び物件の提出とは、建設業法第25条の20に定められた規定で、「審査会は、仲裁を行う場合において必要があると認めるときは、当事者の申出により、相手方の所持する当該請負契約に関する文書又は物件を提出させることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第25条の20(文書及び物件の提出)は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第25条の20の条文原文は「審査会は、仲裁を行う場合において必要があると認めるときは、当事者の申出により、相手方の所持する当該請負契約に関する文書又は物件を提出させることができる。」で始まります。
- 建設業法第25条の20は第三章の二 建設工事の請負契約に関する紛争の処理に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第25条の20の前の条は建設業法第25条の19です。
- 建設業法第25条の20の次の条は建設業法第25条の21です。
- 建設業法第25条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第25条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第25条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/25_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法第25条の20は、建設工事紛争審査会が仲裁で当事者の申出により相手方の請負契約に関する文書・物件を提出させ、正当な理由なく拒めば申立人の主張を真実と認めうると定める。
Q · 建設工事の仲裁で、相手が持っている書類を出させることはできるの?
申し出れば提出を求められ、拒めば主張が真実とされうる
建設業法25条の20により、建設工事紛争審査会は仲裁を行う際、必要があると認めるときは、当事者の申出によって相手方が持つ請負契約に関する文書や物件を提出させることができます。相手方が正当な理由なく提出しない場合、審査会はその文書に関する申立人の主張を真実と認めることができます。ただし審査会が自ら動くことはなく、申出が前提であり、真実と認めるかどうかも審査会の裁量です。
解説
工事代金の争いで、勝負を決めるのは最後は紙だ。追加工事の指示メール、変更見積書、現場の打合せ記録。その大半は元請や施主の側のフォルダに眠っている。建設工事紛争審査会(国土交通省と各都道府県に置かれる、建設工事の請負契約に関するもめごとを専門に扱う機関)の仲裁では、あなたが申し出れば、審査会は相手が持つ請負契約関係の文書や物件を出させることができる。さらに、相手が正当な理由なく出さないときは、その文書について「あなたの主張を真実と認める」ことができる。隠した側が負けるという仕組みだ。ただし審査会は自分からは動かない。申出がなければ何も起きないし、真実と認めるかどうかも審査会の裁量である。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持ち、控訴はできない。どの書類を、どの順番で求めるか。その一手を打つのは、あなた自身である。
法的な位置づけ
建設業法第25条の20は、建設工事紛争審査会の仲裁手続における文書等の提出を定める規定であり、審査会が当事者の申出に基づき、相手方の所持する請負契約関係の文書・物件の提出を求める権限と、正当な理由のない不提出に対し当該文書等に関する申立人の主張を真実と認める裁量的効果を規定する。民事訴訟法224条の真実擬制に相当する仕組みを仲裁に置いたものである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手方が持つ文書を一覧化する 議事録、変更指示書、発注メール、検査記録、現場写真など、相手方が所持しているはずの文書・物件を、作成時期と作成者で特定して一覧にする。
- 2.各文書の立証趣旨を整理する それぞれの文書が何を証明するのか(追加指示の存在、工期変更の合意、検査合格など)を一文で添える。「関係書類一式」のような包括的な求め方は避ける。
- 3.審査会に文書提出の申出をする 仲裁の審理において、特定した文書・物件について提出の申出を行う。審査会が必要と認めれば、相手方に提出が求められる。
- 4.不提出時は2項の適用を書面で求める 相手方が提出しない場合、拒否の経緯を記録し、正当な理由がないことを示して、当該文書に関する主張を真実と認めるよう書面で求める。並行して手元の断片的証拠で主張内容を具体化しておく。
よくある質問 AI による整理
Q1建設工事紛争審査会の仲裁とは?
国土交通省と各都道府県に置かれる建設工事紛争審査会が、建設工事の請負契約をめぐる紛争について仲裁判断を下す手続です。仲裁合意が前提となり、判断は確定判決と同一の効力を持ちます。
Q2仲裁で文書提出を求める方法は?
審査会に対し、相手方が持つ文書・物件を特定し、何を証明するためかを示して提出の申出をします。審査会が必要と認めれば、相手方に提出させることができます(建設業法25条の20第1項)。
Q3文書を出さないとどうなる?
正当な理由なく提出しない場合、審査会はその文書に関する申立人の主張を真実と認めることができます(同条2項)。必ず真実とされるわけではなく、審査会の裁量です。
Q4提出を拒める「正当な理由」とは?
文書が存在しない、合理的な経緯で廃棄済み、営業秘密や第三者の個人情報を含むなどの事情が考えられます。何が正当な理由に当たるかは、個別事情に応じて審査会が判断します。
Q5提出対象になる文書の範囲は?
条文上は「当該請負契約に関する文書又は物件」です。契約書、変更指示書、工程会議議事録、現場写真、施工記録、発注メールなど、争点の請負契約に関するものが対象になりえます。
Q6審査会は自分で証拠を集めてくれる?
本条の文書提出は当事者の申出が前提です。審査会が職権で文書を探しに行く設計ではないため、どの文書を求めるかは当事者自身が特定する必要があります。
Q7仲裁判断に不服があったら控訴できる?
控訴はできません。仲裁判断は確定判決と同一の効力を持ちます(仲裁法45条)。取消しの申立ては限られた事由に限り、送付を受けた日から3か月以内に限られます(仲裁法44条)。
Q8LINEのやり取りも提出対象になる?
請負契約に関するやり取りであれば、現場のLINEメッセージやメールも提出を求める対象になりえます。画面のスクリーンショットや書き出しデータの形で特定して申し出るのが実務的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1仲裁って裁判じゃないのに、相手に書類を出せって強制できるんですか?
建設業法25条の20により、審査会は当事者の申出があれば相手方に文書や物件を提出させることができます。罰金のような直接の強制ではありませんが、正当な理由なく出さなければ申立人の主張を真実と認めることができます。実務のポイント:文書を特定せずに「関係書類一式」と申し出ても通りにくい。日付と作成者まで絞った申出のほうが、相手の拒否理由を潰しやすい
Q2うちの会社、昔の図面とかもう捨てちゃってるんですけど、それでもアウトですか?
2項の効果は「正当な理由なく」提出しない場合に限られます。廃棄の時期や経緯を合理的に説明できれば、ただちに不利益を受けるとは限りません。ただし建設業者には建設業法40条の3による帳簿と営業関係図書の保存義務があります。実務のポイント:紛争が見えた後の廃棄は、それ自体が隠匿の疑いを招く。揉めそうだと感じた日から、シュレッダーは止めておくのが実務の常識だ(保存期間の詳細は最新の施行規則をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「仲裁は裁判より緩いから、都合の悪い書類は出さなくて済む」と考える業者は多い。実際は逆で、本条2項のもとでは不提出そのものが相手の主張を真実と認める根拠になりうる。しかも仲裁判断には控訴がなく、その一回で確定する
- 立て方そのものがずれている問いがある。「審査会はどこまで調べてくれるのか」。本条は当事者の申出が前提で、審査会が職権で探しに行く設計ではない。どの文書を、誰が持っていて、何を証明するために求めるのか。それを特定して申し出るのは、あなたの仕事である
- 下請から見れば、元請の書類は社外秘で手が届かないものに見える。法律から見れば、請負契約に関する文書であれば提出対象になりうる。この認識の差のせいで、多くの下請は立証をあきらめ、取れたはずの代金を手放している
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 建設業法25条の20:相手方の文書・物件の提出 | 建設業法25条の21:仲裁における立入検査 民事訴訟法224条:訴訟での文書不提出の効果 |
| 手続の起動 | 当事者の申出が前提 | 条文の要件に従い審査会が実施(現行規定の確認が必要) 裁判所の文書提出命令を前提 |
| 不協力への効果 | 申立人の主張を真実と認めることができる(裁量) | 現行条文で要確認 文書の記載に関する相手方の主張を真実と認めることができる |
| 最終判断の効力 | 仲裁判断は確定判決と同一の効力、控訴不可 | 同左(同じ仲裁手続内の規定) 判決に対し控訴・上告が可能 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の仲裁法では仲裁廷が必要に応じ法院等に協助を求める構造。文書不提出に対する真実擬制は民事訴訟法第345条に置かれ、仲裁に同種の明文はない
韓国も仲裁での証拠調べは法院の協力に依拠し、文書不提出の効果は民事訴訟法に置かれる
ドイツの仲裁廷は強制権限を持たず、裁判所の支援を求める。不提出の効果は訴訟上の§ 427に規定される
米国では仲裁人が召喚状(subpoena)を発し、文書の持参を求めることができ、従わない場合は連邦裁判所が強制しうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 下請の内装業者として、追加工事300万円分の支払いを元請に拒まれた。口頭で指示されたと主張しても、元請は「頼んでいない」の一点張り。元請の工程会議議事録と施主宛ての変更報告書を本条で提出させるよう申し出れば、元請自身の書類が追加指示を裏付ける可能性がある
- 施主から欠陥工事を理由に仲裁を申し立てられた工務店の側だとしたら、どうなる? 施主が「現場写真と施工記録の提出」を申し出てきた。都合の悪い写真があるからと出し渋れば、施主の「施工不良があった」という主張がそのまま真実と認められうる。出さないことは、守りではなく自白に近い
- 審査会から文書提出の指示が届き、期限は2週間後。社内のどこに図面の改訂履歴があるのか、担当者はもう退職している。今週中に共有サーバーとメールの検索を始めなければ、「正当な理由なき不提出」と見られかねない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が持っているはずの文書(議事録、変更指示書、発注メール、検査記録、現場写真)を一覧にし、作成時期と作成者で特定する2. 仲裁の審理で、それぞれが何を証明するのかを添えて提出の申出をする3. 相手が拒んだ場合は、拒否の経緯を記録し、2項の適用を書面で求める4. 手元の断片的な証拠(自分側のLINE、日報)も並行して整理し、真実と認めてもらう主張の中身を具体化しておく
訴えられた側:1. 提出を求められた文書を速やかに探し、存在しない場合はその理由(未作成、法定保存期間経過など)を説明できるようにする2. 営業秘密や第三者の個人情報が含まれる場合は、黒塗りや範囲限定を申し出て「正当な理由」を具体的に主張する3. 黙って出さないのが最悪の選択肢。仲裁判断は確定判決と同じ効力を持ち(仲裁法45条)、覆す道はきわめて狭い
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはなく、提出期限は審査会が手続ごとに指定する。仲裁判断の取消しの申立ては、仲裁判断書の写しの送付を受けた日から3か月以内(仲裁法44条2項)。請負代金債権には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
学説
条文構造からの一般的理解:本条2項の効果は「認めることができる」という裁量規定であり、不提出があれば自動的に申立人の主張が真実とされるわけではない。民事訴訟法224条と同様、不提出の経緯や他の証拠とあわせて審査会が判断する構造である。
- 建設業法 第25条の21仲裁における立入検査(現行効力を要確認)
- 建設業法 第25条の19審査会による仲裁の実施体制(現行効力を要確認)
- 建設業法 第25条の11あっせん・調停・仲裁の申請(現行効力を要確認)
- 建設業法 第40条の3帳簿・営業関係図書の保存義務
- 仲裁法 第45条仲裁判断の確定判決同一効
- 仲裁法 第44条仲裁判断の取消し申立期間
- 民事訴訟法 第224条文書不提出時の真実擬制の訴訟版
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