建設業法 第46条
クイックジャンプ
- 前条第一項から第三項までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処する。
- 2.前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建設業法第46条は、日本の建設業法に含まれる条文です。
- 建設業法第46条の条文原文は「前条第一項から第三項までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 建設業法第46条は第八章 罰則に置かれています。
- 建設業法の公布日は昭和24年5月24日です。
- 建設業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 建設業法第46条の前の条は建設業法第45条です。
- 建設業法第46条の次の条は建設業法第47条です。
- 建設業法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100 - 本サイト収録
建設業法(昭和二十四年法律第百号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000100/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点建設業法46条は、建設工事紛争審査会の委員等に賄賂を供与・申込み・約束した者を三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処す。自首すれば刑の免除もありうる。
Q · 建設トラブルの審査会の委員に「お礼をする」と持ちかけただけでも罪になるの?
なる。申込み・約束だけで拘禁刑3年以下の対象
建設業法46条1項は、建設工事紛争審査会の委員等に賄賂を実際に渡した場合だけでなく、渡すと申し込んだ場合や渡す約束をした場合も、三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処すると定めています。相手が断っても申込みの罪は成立しえます。一方、同条2項により、自首した者は刑の減軽又は免除を受けられる可能性があります。ただし減軽・免除は裁判所の裁量です。
解説
建設トラブルの「裁く側」に金品を渡せば、渡した側も刑務所に行きうる。建設業法46条は、国土交通省と都道府県に置かれる建設工事紛争審査会(工事代金の未払い、欠陥工事、追加工事費などの争いを、裁判所の代わりにあっせん・調停・仲裁で解決する公的機関)の委員・特別委員に対し、前条に規定する賄賂を渡した者、渡すと申し込んだ者、渡す約束をした者を、三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金に処すると定める。押さえるべきは二点ある。第一に、実際にお金が渡っていなくても「申込み」「約束」の段階で罪は成立する。委員に断られても、口にした時点で手遅れである。第二に、2項の自首規定が異例に強い。刑法の一般原則(42条)では自首しても刑の「減軽」までしかできないが、本条は刑の「免除」まで認める。贈った側が先に名乗り出る動機をつくり、賄賂の取引を内側から崩す仕組みである。審査会の手続は、相手方の代理人も、元請けの法務担当も見ている。
法的な位置づけ
建設業法46条は、建設工事紛争審査会の委員又は特別委員に対する贈賄行為を処罰する罰則規定である。前条(45条)の収賄罪と対向関係に立ち、賄賂の供与のほか申込み・約束も構成要件とし、法定刑は三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金である。自首による刑の減軽のみならず免除まで認める点に特色がある。
よくある質問 AI による整理
Q1建設工事紛争審査会の委員への贈賄とは?
審査会の委員・特別委員に、その職務に関して金品などの賄賂を渡し、又は申込み・約束する行為です。建設業法46条で処罰されます。
Q2建設業法46条の罰則はどのくらい?
三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金です。2025年6月の刑法改正施行により、懲役は拘禁刑に一本化されています。
Q3賄賂を断られても罪になる?
なりえます。46条は供与だけでなく「申込み」も処罰対象とするため、相手が拒否しても持ちかけた時点で罪が成立しうるのが原則です。
Q4建設業法46条 自首すると無罪になる?
無罪ではありません。罪は成立したうえで、裁判所が刑を減軽又は免除「できる」規定です。必ず免除されるとは限りません。
Q5審査会委員への贈賄の時効はいつまで?
公訴時効は3年で、犯罪行為が終わった時から進行します(刑事訴訟法250条2項6号)。
Q6審査会の委員は公務員ですか?
弁護士や技術者など民間の専門家も任命されますが、46条は審査会の委員等という立場に着目して処罰するため、肩書が民間人でも対象になります。
Q7贈賄で有罪になると建設業許可はどうなる?
役員等が禁錮以上の刑に処せられると、許可の欠格要件(建設業法8条等)に関わりえます。最新の条文で要件を確認する必要があります。
Q8審査会の仲裁で委員の不正を疑ったらどうする?
接触の日時・情報源を記録し、手続中に代理人弁護士へ相談します。審査会事務局への申出や捜査機関への情報提供も選択肢です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審査会の委員に、お中元くらいなら送っても大丈夫ですよね?
紛争の係属中なら危険です。賄賂かどうかは金額ではなく、委員の職務に関して渡したかで判断され、建設業法46条は申込み・約束の段階から処罰します。実務のポイント:贈答の通例があっても、手続中の相手の利害関係者からの贈答は委員側も受け取れないのが普通です。送った事実と時期そのものが記録に残り、後で相手方に不正の疑いとして使われる材料にもなります
Q2社員が勝手に委員にお金を渡していたら、会社も罪になるんですか?
46条の直接の処罰対象は渡した本人です。ただし建設業法の罰則には法人も罰金に処する両罰規定がある一方、本条が対象に含まれるかは条文で確認が必要です。実務のポイント:刑事責任とは別に、役員や政令で定める使用人が禁錮以上の刑に処せられると建設業許可の欠格要件に関わります。刑事事件の帰結が許可という事業の根っこに及ぶ点を、経営者は見落としがちです(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「受け取らなかったのだから罪にならない」と考えがちだが、本条は供与だけでなく申込み・約束も処罰する。相手が拒否しても、あなたが持ちかけた事実は残る
- 賄賂罪は公務員に渡したときだけの話だと思っている人が多い。だが審査会の委員には弁護士や技術者などの民間専門家も含まれる。相手の肩書が「民間人」に見えても、審査会の委員として職務に関し渡せば本条の射程に入る。名刺の肩書ではなく、座っている席で判断される
- 自首は罪を軽くするための「おまけ」程度だと思われているが、本条では刑の免除まで認められる。刑法の一般的な自首(42条)は減軽止まりであり、ここに決定的な差がある。ただし減軽・免除は裁判所の裁量(「できる」規定)であり、自首すれば必ず無罪放免になるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される者 | 建設業法46条:委員等に賄賂を贈る側(供与・申込み・約束) | 建設業法45条:賄賂を受け取る側の委員等(収賄) 刑法198条:公務員に賄賂を贈る側(一般の贈賄罪) |
| 相手方 | 建設工事紛争審査会の委員・特別委員 | 同左(本人が主体) 刑法上の公務員一般 |
| 法定刑 | 三年以下の拘禁刑又は二百万円以下の罰金 | 前条の定めによる(収賄側。46条より重く定められている) 三年以下の拘禁刑又は二百五十万円以下の罰金 |
| 自首の扱い | 刑の減軽又は免除ができる(46条2項) | 特則なし(刑法42条の一般原則) 特則なし(刑法42条:減軽止まり) |
他国ではどう定めているか 4 か国
公務員又は仲裁人への違背職務行為に関する行賄を処罰し、但書で自首者の減軽又は免除を定める。自首免除で贈賄の密室を崩す発想は日本の本条と共通する
公務員又は仲裁人に対する賄賂の約束・供与・意思表示を処罰する。ADR 委員専用の特別罰則ではなく刑法一般規定で対応
公務員・裁判官のほか仲裁人(Schiedsrichter)に対する贈賄も処罰する。申し出(Anbieten)・約束(Versprechen)・供与(Gewähren)を区別する構造は日本と類似
連邦公務員への贈賄を処罰。民間仲裁人への贈賄は州法や仲裁判断取消事由(FAA § 10)で対処されることが多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 下請代金800万円の未払いを、元請けが審査会の仲裁に持ち込んだ。仲裁委員の一人が業界団体の旧知だと分かり、社長が「一度、食事でも」と口にする。食事代を持ち、その場で「よろしく頼む」と言った時点で、供与または申込みとして捜査の対象になりうる
- もし、施主との欠陥工事紛争で調停が不利に傾いているときに、あなたの会社の営業部長が独断で委員に商品券を送っていたと後から知ったら、どうなる? 部長個人が処罰対象になるうえ、会社は建設業許可の欠格要件や監督処分のリスクに直面する。社内で事実をつかんだ瞬間から時間との勝負になる
- 委員に「結果次第で謝礼を出す」と持ちかけ、相手は返事をしなかった。約束は成立していなくても、申込みの罪は成立しうる
- 審査会の手続中、相手方の担当者が委員と頻繁に会っているらしいと同業者から聞いた。あなたは疑いを持っているが証拠はない。手続の公正さを争う材料になるか、警察に情報提供するか、審査会事務局に申し出るか、選択肢を整理できるかで結果が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手方と委員の不自然な接触(会食、贈答、頻繁な連絡)の情報は、日時・場所・情報源をメモし、伝聞と直接見聞を区別して記録する2. 審査会の手続中なら代理人弁護士に相談し、委員の回避・忌避に相当する申出が可能か確認する3. 具体的な証拠があれば警察・検察への情報提供を検討する4. 仲裁判断が出た後は、仲裁法上の取消しの可否を弁護士と早急に検討する
訴えられた側:1. 委員への金品や約束に関わった、または社内で関与が判明した場合、追加の接触を直ちに止める2. 証拠の廃棄は証拠隠滅として状況を悪化させるので絶対にしない3. 捜査機関に発覚する前に刑事弁護に強い弁護士に相談し、2項の自首を検討する(減軽・免除は裁判所の裁量) 4. 会社としては建設業許可への影響(欠格要件・監督処分)を行政に詳しい専門家と並行して確認する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(長期5年未満の拘禁刑又は罰金に当たる罪、刑事訴訟法250条2項6号)、犯罪行為が終わった時から起算する。2項の自首は捜査機関に発覚する前に申し出ることが前提で、発覚後は自首に当たらない
学説
通説(贈賄罪一般):賄賂の申込みは相手方が認識しうる状態に置けば足り、相手が拒絶しても成立する。約束は双方の合意で成立し、後に撤回しても犯罪の成否に影響しないと解されている
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の法定刑の表記も拘禁刑に改められたとみられる。制定時期・罰金額の変遷を含む改正履歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、本条の法定刑が拘禁刑に改められた(2025年6月1日施行)
- 建設業法 第45条審査会委員等の収賄罪、本条の対向犯
- 建設業法 第25条建設工事紛争審査会の設置根拠
- 建設業法 第8条許可の欠格要件、刑罰歴が許可に波及
- 刑法 第198条公務員に対する贈賄罪の一般規定
- 刑法 第42条自首の一般規定、減軽止まりとの対比
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める