古物営業法 第20条(盗品及び遺失物の回復)
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古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券(民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十条の十三に規定する記名式所持人払証券をいう。)及び無記名証券であるものを除く。)のうちに盗品又は遺失物があつた場合においては、その古物商が当該盗品又は遺失物を公の市場において又は同種の物を取り扱う営業者から善意で譲り受けた場合においても、被害者又は遺失主は、古物商に対し、これを無償で回復することを求めることができる。ただし、盗難又は遺失の時から一年を経過した後においては、この限りでない。
この条文の基本情報
盗品及び遺失物の回復とは何ですか?
定義盗品及び遺失物の回復とは、古物営業法第20条に定められた規定で、「古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券(民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十条の十三に規定する記名式所持人払証券をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 古物営業法第20条(盗品及び遺失物の回復)は、日本の古物営業法に含まれる条文です。
- 古物営業法第20条の条文原文は「古物商が買い受け、又は交換した古物(指図証券、記名式所持人払証券(民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百二十条の十三に規定する記名式所持人払証券をいう。」で始まります。
- 古物営業法第20条は第三章 古物商及び古物市場主の遵守事項等に置かれています。
- 古物営業法の公布日は昭和24年5月28日です。
- 古物営業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 古物営業法第20条の前の条は古物営業法第19条の2です。
- 古物営業法第20条の次の条は古物営業法第21条です。
- 古物営業法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000108 - 本サイト収録
古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/324AC0000000108/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点古物営業法20条は、古物商が善意で買い受けた盗品・遺失物であっても、被害者は盗難・遺失の時から1年以内なら無償で回復を請求できると定める。
Q · 盗まれた物が中古買取店に並んでいたら、お金を払わずに返してもらえる?
盗難から1年以内で店の手元にあれば無償で返還請求できる
古物営業法20条により、古物商が買い受けた物の中に盗品・遺失物があった場合、被害者は盗難・遺失の時から1年以内であれば、古物商が善意で買っていても無償で回復を求められます。民法194条では代価の弁償が必要ですが、古物商に対してはその負担がありません。ただし客に転売された後は民法のルールに戻り、商品券などの無記名証券は対象外です。
解説
盗まれた自転車が、駅前のリサイクルショップの店頭に値札付きで並んでいた。店員は「うちはちゃんと買い取ったので、欲しいなら買ってください」と言う。民法だけを見れば、この言い分にも一部根拠はある。盗品を店(同種の物を扱う営業者)が善意で買った場合、被害者は店が払った代金を弁償しなければ取り戻せないのが民法194条の原則だからだ。しかし相手が古物商(中古品の売買を許可を得て営業している業者)であれば話は変わる。古物営業法20条は、古物商が善意で買い取っていても、盗難または遺失の時から1年以内なら、あなたは一円も払わずに返還を求められると定めている。ただし条件が二つある。一つ目は、その品物がまだ古物商の手元にあること。客に転売された後は民法のルールに戻り、代金の弁償が必要になる。二つ目は、期限が「盗まれた日」から数えて1年であること。見つけた日から数えるのではない。店に「買ってください」と言われてそのまま財布を出すか、20条を口にするか。その場での一言で結果が変わる。
法的な位置づけ
古物営業法20条は、古物商が買い受け又は交換により取得した古物に盗品又は遺失物が含まれる場合、古物商の善意・無過失を問わず、被害者又は遺失主に盗難・遺失の時から1年間の無償回復請求権を認める規定である。指図証券、記名式所持人払証券及び無記名証券は対象から除かれ、民法194条の代価弁償原則を古物商との関係で修正する特則として機能する。
手順
- 1.盗難・遺失の日時を確定する 被害届が未提出ならすぐ警察に届け出て、盗難・遺失の日時を正確に記録してもらう。20条の1年はこの日から数えるため、期限の証明材料になる
- 2.店と商品の情報を保存する 店頭やサイトに表示されている古物商許可番号、商品の写真、販売ページの URL とスクリーンショットを保存する。購入はしない
- 3.所有を示す証拠をそろえる 自転車の防犯登録番号、シリアル番号、購入時のレシートや保証書など、その物が自分の物であることを示す資料を集める
- 4.警察へ情報提供し転売を止める 警察に「この店にある」と伝え、古物営業法21条の保管命令などで転売を止めてもらう。古物商の手元にある状態を固定することが無償回復の前提になる
- 5.古物商へ無償返還を請求する 記録が残る方法(書面・メール)で、古物営業法20条に基づく無償回復を請求する。すでに客に転売されていた場合は、民法193条・194条に切り替えて買主と交渉する
よくある質問 AI による整理
Q1古物営業法20条とは何ですか?
古物商が買い取った物の中に盗品や遺失物があった場合、盗難・遺失から1年以内なら被害者が無償で返還を求められると定めた規定です。
Q2盗品の無償回復はいつまでできる?
古物商に対しては盗難・遺失の時から1年以内です。発見した日ではなく盗まれた日から数えるため、被害届の盗難日時が重要になります。
Q3盗まれた自転車がリサイクルショップにあったらどうする?
購入せずに店の許可番号と商品写真を記録し、警察へ情報提供します。そのうえで古物営業法20条に基づき店へ無償返還を請求します。
Q41年を過ぎた盗品は取り戻せない?
盗難から2年以内であれば、民法193条・194条により回復請求は可能です。ただし古物商が支払った代価を弁償する必要があります。
Q5古物商が盗品を返還しないのは違法?
1年以内の請求であれば古物商は無償回復を拒めません。拒否された場合は警察への相談や民事上の返還請求(訴訟を含む)で対応します。
Q6金券ショップで見つけた盗まれた商品券は返してもらえる?
無記名証券は古物営業法20条の対象外です。民法の有価証券のルールで処理され、店が善意で取得していれば回復は難しいことが多いです。
Q7盗品を返した古物商は損をするだけ?
古物商は盗品を売った売主に対して、買取代金の返還や損害賠償を請求できます。本人確認記録や帳簿が売主特定の手がかりになります。
Q8落とし物が中古店で売られていた場合も無償で戻る?
はい。20条は盗品だけでなく遺失物にも適用されます。遺失の時から1年以内で古物商の手元にあれば、無償で回復を求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1盗まれた物を店で見つけたけど、店が「買い取った物だから返せない」って言うんです。
相手が古物商で盗難から1年以内なら、古物営業法20条により、店が善意で買っていても無償で返還を求められます。店側が損をしたとしても、それは盗んだ売主に請求すべき問題です。実務のポイント:古物商は許可制で警察の監督を受けています。店とその場で言い合うより、警察経由で連絡が入るほうが話は早く進みます
Q2店がもう他のお客さんに売ってしまっていたら、どうなりますか?
20条は古物商に対する請求なので、一般客に売られた後は民法の一般ルールに戻ります。盗難から2年以内なら回復は請求できますが、客は営業者から善意で買っているため、客が払った代金を弁償しなければなりません(民法194条)。実務のポイント:代金を払って取り戻した場合でも、その分を店や売主に請求できる余地があります。見つけてすぐ動いて転売を止めることが、一番お金のかからない方法です
Q3メルカリで個人から買った物が盗品だったら、私も返さないといけないの?
個人間の取引には20条は適用されませんが、民法193条により、盗難から2年以内なら被害者は原則として無償で回復を請求できます。出品者が営業者でなければ、194条の代金弁償も受けられません。実務のポイント:個人から相場よりかなり安く買った物は、法的に一番守られにくい立場になります。取引画面と出品者情報は必ず保存し、出品者への代金返還請求に備えてください
Q4店の人が身分証をちゃんと確認して買ってたなら、店に落ち度はないですよね?
落ち度がなくても無償で返す義務は変わりません。20条は古物商の善意・無過失を問題にしていないからです。本人確認(15条)は盗品の流通を防ぐための店側の義務であって、返還を拒む理由にはなりません。実務のポイント:確認記録がしっかりしている店ほど、売主の特定が早く進み、刑事事件の捜査も早く進みます。協力的な店ほど、結果的に損失を取り戻しやすくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「店が善意で買ったなら、店の物になっている」と思って交渉を諦める人が多い。古物商が相手なら、善意で買ったかどうかは関係ない。1年以内であれば無償で返還を求められる。店の善意は、店が盗んだ売主に損害を請求するときの事情にすぎない
- 期限が1年あることは知っていても、その起算点を見誤る人が多い。数え始めるのは「見つけた日」ではなく「盗まれた日・落とした日」から。盗難に気付くのが遅れた分だけ、残り時間はすでに減っている。被害届に盗難日時を正確に書いておくことが、後で期限を証明する唯一の材料になる
- 被害者から見れば「自分の物が店にある」という単純な話でも、法律から見れば「品物が今だれの手元にあるか」で適用されるルールが変わる。古物商の手元にあれば20条で無償、古物商から買った一般客の手元にあれば民法194条で代金の弁償が必要、個人間のフリマ取引で渡った物なら民法193条で2年以内は無償。この違いを知らずに動くと、払わなくてよいお金を払うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 請求の相手方 | 古物営業法20条:盗品等を手元に持つ古物商 | 民法194条:競売・公の市場・同種の物を扱う営業者から善意で買った占有者 民法193条:即時取得の要件を満たす占有者一般(個人間取引を含む) |
| 回復できる期間 | 盗難・遺失の時から1年以内 | 盗難・遺失の時から2年以内 盗難・遺失の時から2年以内 |
| 被害者の費用負担 | 無償(代価弁償は不要) | 占有者が支払った代価の弁償が必要 原則として無償 |
| 対象外となる物 | 指図証券・記名式所持人払証券・無記名証券 | 金銭など即時取得の対象外となる物 金銭など即時取得の対象外となる物 |
他国ではどう定めているか 6 か国
台湾は盗贓・遺失物の回復期間を2年とし、公開交易場所や同種営業者から善意で買い受けた場合は代価償還を要する。古物商に限った無償回復の特則は民法上置かれていない
韓国も日本と同じく2年の回復期間と、競売・公開市場・同種営業者からの買受けについての代価弁償を定める構造を採る
中国は遺失物について知った日から2年以内の回復請求を認め、競売や資格を有する経営者から取得した場合は支払った費用の償還を要する
ドイツは盗品・遺失物の善意取得そのものを原則として否定するため、所有者は代価を払わずに返還を求められる。金銭・無記名証券・公の競売は例外
フランスは盗難・遺失から3年間の回復請求を認め、市場や同種の商人から買った占有者には代価償還を要する。日本民法193条・194条の母法にあたる
米国では盗人は権原を取得しないため、善意の買主も有効な権原を得られず、原所有者は原則として代価を払わずに取り戻せる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 盗まれたロードバイクがフリマ系の買取店のウェブカタログに載っていた。防犯登録番号もフレームのキズも一致している。店が誰かに売る前に、今日中に警察と店へ連絡する。転売されれば無償で取り戻す道は消える
- あなたはトレカショップの店長。買い取ったレアカード20枚について、警察から「窃盗の被害品の可能性がある」と電話が来た。買取時に身分証は確認していた。それでも被害者には無償で返すことになり、買取代金30万円は盗んだ売主に請求するしかない
- 去年の夏に置き引きされたブランドバッグを、秋になってネットの中古販売サイトで見つけた。盗まれてから11か月。残り1か月を過ぎると、取り戻すには店の買取額を払わなければならなくなる
- 盗まれた商品券を金券ショップが買い取っていたら、同じように無償で返してもらえるのか? 答えは原則として「いいえ」。無記名証券は20条の対象から外されている
- 友人から「なくした腕時計が質屋に入っていたらしい、どうすればいい?」と相談された。質屋は古物営業法ではなく質屋営業法の対象だが、似た無償回復のルールが別に用意されている。まずは相手が古物商なのか質屋なのかを確かめることが最初の一歩になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害届をまだ出していなければすぐ出し、盗難・遺失の日時を正確に記録してもらう(1年の起算点になる)2. 店の古物商許可番号(店頭やサイトに表示義務がある)と商品の写真、URL を保存する3. 防犯登録番号、シリアル番号、購入時のレシートなど所有を示す証拠をそろえる4. 警察へ「この店にある」と情報提供し、転売を止めてもらう5. 店へ20条に基づく無償返還を請求する。すでに転売されていたら、民法193・194条に切り替えて買主と交渉する
訴えられた側:1. 古物商として盗品の疑いを知らされたら、転売をすぐ止めて警察に協力する(古物営業法21条の保管命令に従う義務がある)2. 盗難から1年以内なら、被害者への無償返還は拒めないと考える3. 買取時の本人確認記録と帳簿(同法15・16条)を確認し、売主を特定する4. 売主に対して買取代金の返還や損害賠償(民法709条など)を請求する。損失を取り戻せる相手は被害者ではなく売主である
時効(請求できる期限):盗難または遺失の時から1年以内は古物商に無償回復を請求できる(古物営業法20条ただし書)。1年を過ぎて2年以内は民法193条・194条により、古物商が払った代金を弁償すれば回復できる。2年を過ぎると原則として回復を求められない(善意取得が確定する)
学説
通説:古物営業法20条は民法194条の代価弁償原則に対する特則であり、古物商が現に占有している場合に限り適用される。転売後の第三取得者との関係は民法193条・194条によって処理される
立法趣旨に関する理解:許可制の下で業として古物を買い受ける古物商に1年間の無償返還リスクを負わせることで、本人確認等の注意を促し、盗品の換金ルートを断つ警察行政上の目的を持つとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)民法改正に伴う整備(令和2年4月1日施行) 債権法改正で有価証券の規定が民法に新設されたことに合わせ、適用除外とする証券のかっこ書きが改正され、民法520条の13の記名式所持人払証券を引用する形になった。改正の回数・内容の全体は人による確認が必要
改正の年表
- 1.昭和24年(1949年) 新設:古物営業法(昭和24年法律第108号)制定。古物商に対する盗品・遺失物の無償回復の仕組みが設けられる
- 2.平成29年(2017年) 改正:民法(債権関係)改正に伴う整備(令和2年4月1日施行)。適用除外とする証券のかっこ書きが、民法520条の13の記名式所持人払証券を引用する形に改められた
- 古物営業法 第15条買取時の相手方確認と不正品申告義務
- 古物営業法 第19条品触れへの対応、盗品発見の端緒
- 古物営業法 第21条盗品疑い古物の保管命令(差止め)
- 民法 第193条盗品・遺失物の2年間の回復請求
- 民法 第194条営業者から買った場合の代価弁償原則を修正
- 質屋営業法 第22条質屋に対する同種の無償回復規定
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