要点相続税法 2 条は、無制限納税義務者には取得財産の全部に、制限納税義務者には日本国内にある財産にのみ相続税を課すと定める。区分は同法 1 条の 3 の住所要件で決まる。
Q · 親の海外の不動産や銀行口座にも、日本の相続税はかかるんですか?
日本に住所があれば海外財産にも相続税がかかります
相続税法 2 条 1 項により、第 1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号に該当する無制限納税義務者は、相続又は遺贈で取得した財産の全部について日本の相続税が課されます。ハワイの不動産もスイスの預金も対象です。同条 2 項の制限納税義務者(同項第 3 号・第 4 号)は、取得した財産のうち法施行地すなわち日本国内にあるものだけが課税対象になります。区分は被相続人と相続人の住所・国籍・相続開始前 10 年の住所要件で決まり、各財産の所在は同法 10 条が判定します。
親がハワイに持っていたコンドミニアム、スイスの銀行口座、シンガポールの投資信託。「海外にある財産なら日本の相続税は関係ない」、そう思っている人は少なくない。だが相続税法2条は、その常識をあっさり覆す。この条文は世界を二種類の人間に分ける。全世界の財産に課税される「無制限納税義務者」と、日本国内にある財産だけに課税される「制限納税義務者」だ。あなたやあなたの親が日本に住所を持っていれば、原則として前者。地球の裏側の不動産だろうと預金だろうと、すべて日本の相続税の網にかかる。逆に、被相続人も相続人も相続開始前10年を超えて日本に住所がなければ、国外財産は課税対象から外れる。つまり相続税がいくらかかるかは、遺産がどこにあるかより先に、「誰が、どこに、何年住んでいたか」で決まる。この順番を知らないまま海外移住を語る人は、たいてい足元をすくわれる。
相続税法第 2 条は、相続税の課税財産の範囲を定める規定である。第 1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号に該当する無制限納税義務者は、相続又は遺贈により取得した財産の全部について課税され、同項第 3 号・第 4 号に該当する制限納税義務者は、取得した財産のうちこの法律の施行地にあるものについてのみ課税される。納税義務者の区分が先に決まり、その後に財産の所在が意味を持つ構造をとる。
相続税法 1 条の 3 第 1 項第 1 号・第 2 号に該当する人で、日本国内・国外を問わず取得した財産の全部に相続税が課される納税義務者です。日本に住所がある相続人が典型例です。
相続税法 1 条の 3 第 1 項第 3 号・第 4 号に該当する人で、取得した財産のうち法施行地すなわち日本国内にあるものだけに相続税が課されます。国外財産は課税対象から外れます。
国外財産を課税範囲から外すには、被相続人と相続人の双方が相続開始前 10 年以内に日本に住所を有していないことが必要という要件です。平成 29 年改正で 5 年から 10 年に延長されました。
相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 か月以内です。海外財産は残高証明や評価資料の取り寄せに時間がかかるため、逆算した早期着手が必要になります。
かかり得ます。国籍ではなく住所等による区分が基準で、日本に住所があれば原則として無制限納税義務者です。国外居住の外国人でも、日本国内にある財産には制限納税義務者として課税されます。
国外財産に外国の相続税に相当する税が課された場合、相続税法 20 条の 2 の在外財産に対する相続税額の控除により、一定限度で日本の相続税額から差し引けます。二重課税の緩和措置です。
なり得ます。相続税法 1 条の 3 の区分は住所を軸に組み立てられており、国籍がなくても日本に住所があれば原則として財産の全部が課税対象です。一時居住者に当たる場合は例外があります。
1 条の 3 が「誰が納税義務者でどの区分か」を判定し、2 条が「その区分ごとにどの範囲の財産に課税するか」を定めます。1 条の 3 で区分が決まらなければ 2 条は適用できません。
簡単ではありません。相続税法2条・1条の3により、国外財産が課税対象から外れるには、被相続人と相続人の双方が相続開始前10年を超えて日本に住所を持たないことが必要です。片方でも10年以内に住所があれば全世界課税です。業界裏話ヒント:この10年ルールは平成29年(2017年)改正で5年から延長されました。古い節税本やネット記事は「5年」のまま書かれていることが多く、それを信じて計画すると命取りになる。情報の日付を必ず確認する
相続税法10条が財産の種類ごとに所在地の判定ルールを定めています。不動産はその所在地、預貯金は取扱店の所在地、というように機械的に決まります。業界裏話ヒント:暗号資産(ビットコイン等)の所在地判定は法律に明文がなく、実務上、解釈が分かれている。保有者の住所地とする見解が有力とされるが確定していない。国際相続で暗号資産が絡むと専門の税理士でも判断が割れる論点だと知っておくと、安易な断言に騙されない
危険な賭けです。国外財産調書制度や、各国税務当局間のCRS(共通報告基準)による口座情報の自動交換で、海外資産は年々把握されやすくなっています。業界裏話ヒント:仮装隠蔽と認定されると、更正の除斥期間が通常5年から7年に延び、重加算税が上乗せされる。バレたときの追徴は、正直に申告した場合の比ではない。(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 相続税法 2 条:区分ごとの課税財産の範囲を定める | — |
| 判断の順番 | 2 番目(区分が決まって初めて機能する) | — |
| 主な判断材料 | 第 1 号・第 2 号か、第 3 号・第 4 号か | — |
| 誤ったときの影響 | 課税範囲の過大・過少申告に直結する | — |
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