要点相続税法 10 条は、財産の所在を種類ごとに定める規定である。預金は受入営業所、保険金は保険会社の本店、貸付金は債務者の住所で判定し、国債・地方債は常に国内財産となる。
Q · 海外にある財産って、日本の相続税の対象になるんですか?
所在は 10 条が種類ごとに決め、課税範囲は納税義務者の区分で決まります
相続税法 10 条は、財産の所在を種類ごとに機械的に判定します。預金は受入れをした営業所、保険金は保険会社の本店、貸付金債権は債務者の住所、株式・出資は発行法人の本店、登録された特許権等は登録機関の所在です。国債・地方債は常に国内財産とされます(10 条 2 項)。列挙されていない財産は被相続人または贈与者の住所で判定し、判定時点は財産を取得した時の現況によります(10 条 3 項・4 項)。ただし所在が国外でも、相続人が無制限納税義務者なら世界中の財産に課税されます。
祖父がハワイに残した銀行預金、シンガポールで契約した生命保険、香港の証券口座。これらに日本の相続税がかかるかどうかは、まず「その財産がどこにあるのか」を確定させることから始まる。そして「どこにあるか」は、あなたの直感ではなく相続税法10条が機械的に決める。預金なら口座のある営業所の所在地、生命保険金なら契約した保険会社の本店所在地、貸付金なら債務者の住所地、株式なら発行法人の本店所在地。この所在が国内か国外かで、非居住者である相続人が日本の相続税を負担するかどうかが変わる。国内財産と判定されれば、相続人がどこの国に住んでいようと日本の課税権が及ぶ。逆に国外財産なら、一定の要件を満たす非居住者は課税を免れる。海外資産を使った相続税対策の成否は、この所在判定を読み切れるかどうかにかかっている。
相続税法 10 条は、相続税および贈与税の課税財産の範囲を確定する前提として、財産の所在の判定基準を財産の種類ごとに定める規定である。動産・不動産はその所在地、預貯金は受入営業所、保険金は保険会社の本店、貸付金債権は債務者の住所、株式・出資は発行法人の本店により判定され、国債および地方債は国内にあるものとされる。列挙外の財産は被相続人等の住所による。
相続税・贈与税の課税範囲を決める前提として、その財産がどの国にあるとみなすかを法律が判定する概念です。相続税法 10 条が財産の種類ごとに判定基準を定めています。
10 条 1 項 8 号により、社債・株式・法人への出資は発行法人または出資先法人の本店・主たる事務所の所在で判定します。証券口座がどこにあるかは基準になりません。
10 条 1 項 5 号により、保険契約に係る保険会社等の本店または主たる事務所の所在で判定します。国内に本店がなくても契約事務を行う営業所が国内にあればその所在によります。
はい。10 条 2 項が国債・地方債を日本国内にあるものと定めています。外国や外国の地方公共団体が発行する公債は、その外国にあるものとされます。
10 条 4 項により、相続・遺贈または贈与によりその財産を取得した時の現況で判定します。申告時点や取得後に移した場所ではなく、取得時点の事実が基準です。
登録されている特許権・実用新案権・意匠権・商標権等は登録をした機関の所在(10 条 1 項 10 号)、目的物が発行されている著作権・出版権等は発行する営業所の所在(同 11 号)です。
10 条 1 項 6 号により、その給与を支払った者の住所または本店・主たる事務所の所在で判定します。受給者の居住地ではなく支払者側が基準になります。
10 条 3 項により、その財産の権利者であった被相続人または贈与をした者の住所の所在で判定します。列挙された財産と国債等以外はこの補充ルールが働きます。
半分正解で半分間違いです。10条4号で海外預金の所在は口座のある営業所とされ「国外財産」になりますが、課税されるかは相続人の納税義務の範囲(相続税法1条の3、2条)次第。相続人が日本の居住者なら世界中の財産に課税され、国外預金も対象です。業界裏話ヒント:国外財産が非課税になるのは「制限納税義務者」のみで、しかも被相続人・相続人ともに一定期間内に日本に住所がないなど要件が厳格。「海外に移せば非課税」という話だけが独り歩きしているので、必ず居住要件をセットで確認する(最新の改正状況をご確認ください)
10条7号で、貸付金債権の所在は債務者(お金を借りた人)の住所または本店所在地で判定します。あなたがどこに住んでいたかではなく、借りた相手がどこにいるかで所在が決まる。債務者が海外にいれば国外財産、日本にいれば国内財産です。業界裏話ヒント:この「債務者基準」を知らずに、貸した本人の住所で国外財産と申告して否認される例が実際にある。同族会社への貸付金は債務者(会社)の本店が国内にあることが多く、まず国内財産になると押さえておく
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|---|---|---|
| 条文が決めること | 相続税法 10 条:財産がどこにあるか(所在の判定) | — |
| 判定の基準 | 財産の種類ごとの形式基準(営業所・本店・住所・登録機関) | — |
| 国外財産への影響 | 所在が国外と判定されるだけでは非課税にならない | — |
| 判定の時点 | 相続・遺贈・贈与により取得した時の現況(10 条 4 項) | — |
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