要点相続税法 21 条の 13 は、相続時精算課税で特定贈与者ごとに累計 2,500 万円まで控除できると定める。期限内申告書への記載が適用要件で、控除額は相続時に持ち戻される。
Q · 相続時精算課税の 2,500 万円って、本当に贈与税がかからないんですか?
免除ではなく先送り。相続時に持ち戻して精算されます
相続税法 21 条の 13 により、相続時精算課税適用者は特定贈与者ごとに累計 2,500 万円まで贈与税の課税価格から控除を受けられます。ただしこれは免除ではありません。控除した額は特定贈与者が亡くなったときに相続財産へ持ち戻され、相続税で精算されます(相続税法 21 条の 15)。さらに第 2 項により、この控除は贈与を受けた年の翌年 3 月 15 日までの期限内申告書に控除額を記載した場合に限り適用され、記載を欠くと 2,500 万円全額に一律 20% の贈与税が課されます。
親から 2,500 万円を生前にもらっても贈与税がかからない、そう聞いて相続時精算課税を選ぶ人は多い。だがこの条文の本当の名前をよく見てほしい。「精算」課税である。あなたが今回控除した 2,500 万円は消えてなくなるのではなく、特定贈与者(贈与をくれた親や祖父母)が亡くなったその日に相続財産へ足し戻され、相続税でまとめて精算される。つまり免除ではなく、課税の先送りだ。しかも片道切符の罠がある。一度この特別控除を使うと、その親からの贈与は二度と暦年課税(年 110 万円の非課税枠)に戻せない。さらに第 2 項が牙を剥く。この 2,500 万円は、贈与を受けた翌年の期限内申告できちんと記載して初めて効く。申告が一日でも遅れれば控除は吹き飛び、2,500 万円全額に一律 20% の贈与税がかかる。
相続税法 21 条の 13 は、相続時精算課税に係る特別控除を定める規定である。相続時精算課税適用者は、特定贈与者ごとに、前条第 1 項の控除後の贈与税の課税価格から累計 2,500 万円を限度として控除を受けることができる。適用には期限内申告書への控除額等の記載を要し、記載を欠く場合は税務署長がやむを得ない事情を認めたときに限り、記載書類の提出により救済される。
相続税法 21 条の 13 が定める、特定贈与者ごとに累計 2,500 万円まで贈与税の課税価格から差し引ける控除です。年ごとの枠ではなく生涯累計の枠である点が特徴です。
使い切るまで何年でも繰り越せます。生涯累計枠なので、初年度に 1,000 万円使えば残額は 1,500 万円。特定贈与者ごとに別枠で管理されます。
贈与を受けた年の翌年 2 月 1 日から 3 月 15 日までです。この期限内申告書に控除額を記載しないと特別控除は適用されません(相続税法 21 条の 13 第 2 項)。
できます。相続時精算課税の選択も 2,500 万円の枠も特定贈与者ごとに判定されるため、父からは精算課税、母からは暦年課税という組み合わせが可能です。
原則として贈与年 1 月 1 日時点で 60 歳以上の父母・祖父母から、18 歳以上の子・孫への贈与が対象です。要件は相続税法 21 条の 9 が定めます。
超えた部分に一律 20% の贈与税がかかります。ただし納めた贈与税は相続時に相続税額から控除され、控除しきれない分は還付されます。
使えます。財産の種類・金額・回数に制限はありません。ただし持ち戻し額は贈与時の評価額で固定されるため、値下がりする不動産では不利になります。
受贈者の住所地を所轄する税務署に、初年度の贈与税申告書と一緒に提出します。届出書の提出は初年度のみで、翌年以降は申告書だけで足ります。
一概には言えない。相続財産の総額が相続税の基礎控除(3,000 万円+600 万円×法定相続人数)以下なら、2,500 万円の特別控除を使っても最終的に相続税がかからず、まるごと得になる。だが基礎控除を超える資産家では、控除分は相続時に持ち戻されるため単なる先送りだ。業界裏話ヒント:税理士が本当に注目するのは節税額ではなく『その財産が値上がりするか』。持ち戻しは贈与時の価額で固定されるので、値上がり確実な資産ほど精算課税が効き、値下がりする資産に使うのは最悪手になる
戻せない。相続時精算課税は特定贈与者ごとに一度選択すると、その人からの贈与は生涯にわたり暦年課税へ戻れない(選択は 21 条の 9)。ただし父からは精算課税、母からは暦年課税、と贈与者ごとに別々に選べる。業界裏話ヒント:令和 5 年改正で精算課税にも年 110 万円の基礎控除ができ、しかもこの 110 万円は相続時に持ち戻されない。片道切符のデメリットが大きく薄まったため、以前の『原則暦年が有利』という定説は資産規模によっては逆転している
原則使えない。特別控除は期限内申告に控除額を記載した場合に限り適用される(第 2 項)。期限後申告や無申告では枠が消え、2,500 万円全額に一律 20% の贈与税がかかる。ただし第 3 項に救済がある。業界裏話ヒント:記載を欠いたことに『やむを得ない事情』(災害・重病など)があると税務署長が認めれば、後から記載書類を出して救われる余地がある。ただし『忙しくて忘れた』は通らない。この第 3 項の存在を知らず諦める人が多いので、まず税理士に相談する価値がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 控除の性質 | 21 条の 13:特定贈与者ごとの生涯累計 2,500 万円の特別控除 | — |
| 適用順序 | 基礎控除後の課税価格から控除(本条第 1 項の文言) | — |
| 相続時の持ち戻し | 控除した額は贈与時の価額で相続財産へ持ち戻される | — |
| 申告要件 | 期限内申告書への記載が必須(第 2 項)、欠けると一律 20% 課税 | — |
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