相続時精算課税適用者がその年中において特定贈与者からの贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税の額は、特定贈与者ごとに、第二十一条の十一の二第一項の規定による控除後の贈与税の課税価格(前条第一項の規定の適用がある場合には、同項の規定による控除後の金額)にそれぞれ百分の二十の税率を乗じて計算した金額とする。
要点相続税法 21 条の 14 は、相続時精算課税の贈与税額を、基礎控除と特別控除後の課税価格に一律 20% を乗じて計算すると定める。この税額は相続時に精算される。
Q · 相続時精算課税を選ぶと、贈与税は結局いくらかかるの?
無税ではなく、相続時に精算される 20% の前払いです
相続税法 21 条の 14 により、相続時精算課税を選んだ人の贈与税は、基礎控除(21 条の 11 の 2)と特別控除 2,500 万円を差し引いた後の課税価格に、特定贈与者ごとに一律 20% を乗じて計算します。暦年課税の最高 55% と比べれば低く見えますが、この 20% は割引ではありません。贈与財産は贈与時の評価額で相続財産に足し戻され(21 条の 15)、すでに納めた 20% は相続税額から控除されます。相続税額より払い過ぎていれば還付されます。
親から 2,500 万円を一気にもらっても贈与税がかからない。そう聞いて相続時精算課税を選ぶ人は多いが、その制度の心臓部がこの条文だ。控除を超えた分は、金額がどれだけ大きくても一律 20%。暦年課税なら最高 55% まで駆け上がる税率が、フラットに 20% で止まる。ここまでは甘い話に聞こえる。だが知っておくべきは、一度この制度を選ぶと、その贈与者からの贈与について暦年課税へ二度と戻れないこと。しかも 20% は割引ではなく、相続のときに必ず精算される前払いだ。渡した財産は贈与時の評価額で相続財産に足し戻される。2024 年からは年 110 万円の基礎控除が新設され、この枠内なら足し戻されない仕組みに変わった。数字の低さだけで飛びつくか、制度の全体像を握ってから選ぶか。同じ贈与でも、あなたの手取りは何百万円も変わる。
相続税法 21 条の 14 は、相続時精算課税に係る贈与税の税率を定める規定である。相続時精算課税適用者が特定贈与者から取得した財産について、基礎控除および特別控除を差し引いた後の課税価格に対し、特定贈与者ごとに一律 100 分の 20 の税率を乗じて贈与税額を算出する。暦年課税のような累進構造は採用されない。
60 歳以上の親や祖父母から 18 歳以上の子や孫への贈与について、累計 2,500 万円まで贈与税を課さず、超過分に一律 20% を課したうえで、相続のときに贈与財産を相続財産へ足し戻して精算する制度です。
贈与を受けた年の翌年 2 月 1 日から 3 月 15 日までに、贈与税の申告書と一緒に相続時精算課税選択届出書を受贈者の住所地の税務署へ提出します。この期限を逃すとその年の贈与は暦年課税で計算されます。
使えません。原則として贈与者は贈与の年の 1 月 1 日時点で 60 歳以上、受贈者は同じ時点で 18 歳以上の推定相続人である子や孫に限られます。住宅取得等資金の特例では贈与者の年齢要件が緩和されます。
同じ贈与者からは併用できず、選択後はその人からの贈与すべてが精算課税になります。ただし贈与者ごとの選択なので、父には精算課税、母には暦年課税という使い分けは可能です。
2024 年以降は、その年の贈与が基礎控除 110 万円以下なら贈与税の申告は不要です。110 万円を超えた年だけ申告します。改正前は少額でも申告が必要でしたので、古い情報に注意してください。
戻る場合があります。納めた 20% は相続税額から控除され、控除しきれない分は還付を受けられます。相続財産が基礎控除以下で相続税が出ない家庭なら、前払いした 20% が全額返ってくることもあります。
使えません。小規模宅地等の特例は相続や遺贈で取得した宅地が対象で、生前贈与で移した宅地は対象外です。評価額を最大 8 割減らせる特例を失う点は、自宅や事業用地を贈与する前に必ず確認すべきです。
やめられません。相続税法 21 条の 9 により、いったん選択届出書を出すとその特定贈与者からの贈与について撤回できず、暦年課税へ戻ることは一生涯できません。選ぶ前の検討が唯一の分岐点です。
一概には言えません。値上がりする資産を早く渡すなら得、値下がり資産や相続がまだ遠い場合は暦年課税が有利なことが多い。20% は割引ではなく前払いで、相続時に精算されます(相続税法 21 条の 15)。業界裏話ヒント:税理士が積極的に精算課税を勧めないのは、一度選ぶと戻れず、後で暦年贈与の方が得だったと分かっても取り返せないから。『とりあえず選ぶ』が最も危険で、選ばない自由を残す方が有利な家庭も多い
一律 20% です(本条、21 条の 14)。暦年課税なら金額が大きいほど税率が上がり最高 55% ですが、精算課税は超過分がいくらでも 20% で固定。ただし相続時に足し戻され、既に払った 20% は相続税額から差し引かれます(21 条の 15)。業界裏話ヒント:この 20% は『払い切り』ではなく『預け金』。相続税率が 20% 未満で収まる規模の家なら、精算課税で払った分が相続時に還付されることすらある。払った税が戻る制度だと知らずに敬遠する人が多い
年 110 万円の基礎控除が新設されました(21 条の 11 の 2)。従来の精算課税は少額でも全額が相続財産に足し戻されましたが、2024 年からはこの 110 万円枠内の贈与は申告不要かつ相続財産にも足し戻されません。業界裏話ヒント:改正前は『精算課税を選んだら毎年きっちり申告』が常識でしたが、今は年 110 万円以内なら申告すら不要。しかもこの枠は暦年課税の 110 万円とは別枠。制度のデメリットが大きく薄まったこの改正を知らず、古い判断のまま見送っている人が多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 税率構造 | 本条(21 条の 14):控除後の課税価格に一律 20% | — |
| 控除の枠 | 基礎控除 110 万円(21 条の 11 の 2)+特別控除 累計 2,500 万円(前条) | — |
| 手続の起点 | 選択届出書の提出(21 条の 9、翌年 3 月 15 日まで) | — |
| やり直しの可否 | 撤回不可、その贈与者からは一生涯 20% 固定 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。