特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得した者及び当該特定贈与者に係る相続時精算課税適用者の相続税の計算についての第十五条の規定の適用については、同条第一項中「(第十九条」とあるのは「(第十九条、第二十一条の十五又は第二十一条の十六」と、「同条」とあるのは「これら」とする。
要点相続税法 21 条の 15 は、相続時精算課税で受けた贈与財産を相続税の課税価格に加算し、基礎控除と相続税の総額の計算にも反映させる規定である。
Q · 相続時精算課税でもらった贈与は、親が亡くなったあとどうなるの?
贈与税は消えず、相続税として精算される
相続税法 21 条の 15 により、相続時精算課税を選択した人が特定贈与者から相続又は遺贈で財産を取得した場合、生前に受けた贈与財産の価額(2024 年以降は年 110 万円の基礎控除後の残額)が相続税の課税価格に加算されます。さらに同条の読替えにより、その加算額は遺産に係る基礎控除と相続税の総額の計算にも反映されます。既に納めた精算課税の贈与税は相続税額から控除され、控除しきれない分は還付されます(最新の改正状況をご確認ください)。
親から生前に 2,000 万円をもらった。相続時精算課税を選べば贈与税はかからない、そう聞いて届出書にハンコを押した。ところが親が亡くなったとき、その 2,000 万円は相続財産へ引き戻される。相続税法 21 条の 15 は、特定贈与者(精算課税を選んだ相手方の親など)から相続や遺贈で財産を取得した精算課税適用者について、生前にもらった贈与財産を相続税の課税価格に加算すると定める。さらにこの条文の読替規定によって、加算された金額は 15 条の基礎控除の計算と相続税の総額の算定にも組み込まれる。つまりあなたが生前にもらった贈与は、あなただけでなく、同じ親を相続する兄弟姉妹全員の相続税率まで押し上げる。精算課税は「税金が消える」制度ではなく、「支払いを死後に精算する」制度だ。この一点を知らずに選ぶと、家族全体の税負担を読み違える。
相続税法 21 条の 15 は、相続時精算課税の適用者が特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得した場合に、当該特定贈与者から生前に取得した贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算する旨を定める規定である。あわせて 15 条の読替えにより、加算後の価額が遺産に係る基礎控除及び相続税の総額の計算に反映される。
60 歳以上の親などから贈与を受けた際に選べる課税方式で、累計 2,500 万円まで贈与税がかからない代わりに、贈与財産を相続時に課税価格へ加算して相続税で精算する制度です。
相続時ではなく贈与時の価額です。値上がりした資産は得になりますが、値下がりした資産は下落前の高い価額で加算されるため不利になります。
2024 年(令和 6 年)以降の贈与は、年 110 万円の基礎控除(相続税法 21 条の 11 の 2)を差し引いた残額が加算対象です。110 万円以下なら加算されません。
贈与を受けた年の翌年 2 月 1 日から 3 月 15 日までに、贈与税の申告書とともに選択届出書を提出します。期限を過ぎると暦年課税のままです。
戻れません。その特定贈与者からの贈与は生涯すべて精算課税に固定され、暦年課税の年 110 万円非課税枠は二度と使えません(相続税法 21 条の 9)。
相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 か月以内です(相続税法 27 条)。精算課税の加算漏れは調査で追徴され、無申告加算税や延滞税の対象になります。
使えません。小規模宅地等の特例は相続又は遺贈で取得した宅地が対象で、生前に精算課税で贈与された宅地は加算されても特例の対象外です。
相続時精算課税の選択届出書を提出した相手方の贈与者、つまり原則 60 歳以上の親や祖父母を指します。加算の対象はこの特定贈与者からの贈与に限られます。
一概には言えない。値上がりする資産(成長株、開発予定地)を早く渡せば、加算は贈与時の低い評価額で固定され得。逆に値下がりする資産だと高かった当時の価額で加算され損(相続税法 21 条の 15)。業界裏話ヒント:税理士が精算課税を勧めるのは、たいてい資産価値の上昇が確実に見込める事業承継の場面。ただの現金贈与で選ぶメリットは薄く、暦年贈与の年 110 万円を長く使う方が有利なことが多い。
できない。精算課税は選択した時点で確定し、その特定贈与者からの贈与は生涯すべて加算対象になる(相続税法 21 条の 9)。物を返しても課税関係は消えない。業界裏話ヒント:精算課税の選択届出書は一度出すと撤回不可。この一枚で暦年課税の年 110 万円非課税枠を永久に失う。だから税理士は届出前に「本当にこの相手から今後まとまった贈与を受けるのか」を必ず確認する。
本当だ。相続税の総額は、精算課税の加算分も含めた課税価格の合計から基礎控除を引いて計算する(相続税法 15 条、21 条の 15 の読替)。総額が増えれば各人の税率帯も上がる。業界裏話ヒント:この仕組みを知らないと「自分の取り分だけ見て納得」しがち。遺産分割協議で、過去に多額の精算課税贈与を受けた相続人にその分の相続税を多く負担させる合意を書面化しておくと、後の不公平を防げる。
戻ってくる。精算課税で納めた贈与税は相続税額から控除し、控除しきれない分は還付される(相続税法 21 条の 15、相続税の申告による精算)。暦年課税では贈与税は戻らないので、ここは精算課税の数少ない利点。業界裏話ヒント:還付を受けるには相続税の申告が必要。相続税が基礎控除以下でそもそも申告しない人は還付請求のための申告を忘れがちで、払い過ぎた贈与税がそのまま取り戻せず消える。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 加算の対象となる贈与 | 21 条の 15:精算課税を選択した後の特定贈与者からの贈与すべて(期間の限定なし) | — |
| 加算する価額の基準時 | 贈与時の価額(基礎控除後の残額) | — |
| 相続・遺贈での財産取得 | 取得している場合に適用 | — |
| 計算規定への影響 | 15 条を読み替え、基礎控除と相続税の総額の計算に加算額を組み込む | — |
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