要点相続税法21条の16は、相続時精算課税で贈与された財産を贈与時の価額で相続税の課税価格に加算し、納付済みの贈与税額を相続税額から控除すると定める。控除しきれない額は還付される。
Q · 相続時精算課税で贈与を受けた財産は、親が亡くなったらどう扱われるの?
加算されるが、払った贈与税は控除され、余れば還付される
相続税法21条の16第1項により、相続時精算課税で受けた贈与財産は、贈与時の価額(2024年以降の贈与は年110万円の基礎控除後の残額)で相続税の課税価格に加算されます。ただし第3項により、その財産に課された贈与税額は相続税額から控除され、控除しきれない額は還付されます。暦年課税の生前贈与加算では控除しきれない贈与税が切り捨てとなるのに対し、精算課税では戻ります。還付を受けるには、相続税がゼロでも相続税の申告書を提出する必要があります。
何年も前に、親から2,500万円まで贈与税ゼロで財産を受け取れると勧められ、相続時精算課税を選んだ。その親が亡くなった今、あなたが正面からぶつかるのがこの条文だ。相続税法21条の16は、精算課税で贈与を受けた財産を、親の死亡時に相続税の課税価格へ加算すると定める。多くの人はここで「結局取られるのか」と青ざめる。だが最後まで読むと見え方が変わる。加算されるのは贈与時の価額であり(値上がりした不動産なら有利に働く)、すでに払った贈与税は相続税額から控除される(第3項)。しかも控除しきれない分は還付される。暦年贈与では絶対に戻らない金が、精算課税では戻る。さらに2024年からは年110万円の基礎控除が新設され、その枠は加算すらされない。損か得かは、この加算と控除の全体像を握って初めて、自分で判断できる。
相続税法21条の16は、相続時精算課税の精算段階を定める規定である。相続時精算課税適用者が特定贈与者から相続又は遺贈により財産を取得した場合、当該特定贈与者からの精算課税贈与財産の価額を基礎控除後の残額で相続税の課税価格に加算し(第1項)、その財産に課された贈与税額を相続税額から控除する(第3項)。控除しきれない額は還付の対象となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
相続税法21条の16です。第1項が贈与財産の相続税の課税価格への加算、第3項が納付済み贈与税額の控除と還付を定めます。制度の入口である選択の届出は21条の9です。
贈与時の価額です。21条の16第1項は贈与により取得した財産の価額を加算すると定めるため、贈与後に値上がりした土地や自社株は、上昇分に相続税がかかりません。逆に値下がりしても贈与時の高い価額で加算されます。
還付を受けるなら必要です。21条の16第3項の控除で相続税額を上回る贈与税を納めていても、相続税の申告書を提出しなければ還付は受けられません。申告しないまま期限を過ぎ、戻る金を捨てる相続人が実際にいます。
相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(相続税法27条)。この期限内に、21条の16による加算と贈与税額控除を反映した相続税の申告書を提出します。
戻せません。21条の9の届出を出した特定贈与者からの贈与は、その後すべて精算課税となり、21条の16の加算対象になります。届出一枚がその後の全贈与の課税方式を固定します。
21条の16ではなく21条の15が適用され、相続又は遺贈で財産を取得しなくても精算課税贈与財産は相続税の課税価格に加算されます。相続放棄をしても、精算課税分からは逃げられません。
使えません。小規模宅地等の特例は相続又は遺贈により取得した宅地等が対象で、生前に贈与された精算課税財産は対象外です。自宅の土地を精算課税で早く移すと、特例の適用機会を失う場合があります。
できません。21条の16第3項の括弧書きが、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、重加算税に相当する税額を明文で除いています。控除できるのは贈与税の本税相当額のみです。
非課税ではなく「課税の繰り延べ」です。贈与時は2,500万円まで贈与税がかからず、親の死亡時に贈与財産を相続税の課税価格へ加算します(21条の16第1項)。ただし加算は贈与時の価額。値上がりする自社株や土地を早めに移せば、上昇分には相続税がかからず有利です。業界裏話ヒント:税理士は「現金の精算課税贈与はほぼ意味がなく、値上がり資産でこそ効く」と考えるが、営業の場面ではそこまで踏み込んで言わないことが多い。
二重課税にはなりません。精算課税で納めた贈与税は、相続税額から控除されます(21条の16第3項)。しかも控除しきれない分は還付されます。業界裏話ヒント:暦年課税の生前贈与加算では、控除しきれない贈与税は切り捨てで戻りません。還付があるのは相続時精算課税だけ。相続税がゼロでも、申告書を出さなければこの還付は受けられず、放置して戻る金を捨てる相続人が実際にいる。
2024年1月以降の贈与から、精算課税にも年110万円の基礎控除が新設されました(21条の11の2)。この110万円以下の贈与は贈与税がかからず、しかも相続時に加算もされません(21条の16第1項は控除後の残額を加算する構造)。業界裏話ヒント:暦年課税の110万円とは別枠で、暦年課税は死亡前7年分が加算対象に戻るのに対し、精算課税の110万円枠は戻らない。この改正で、実務での精算課税の評価がひっくり返りつつある。(最新の改正状況をご確認ください)
孫は原則として被相続人の一親等の血族に当たらないため、精算課税で受けた贈与も相続時に相続税額の2割加算(18条)の対象になりえます(21条の16第2項)。第2項の但書は贈与時に一親等の血族だった場合を例外としますが、孫は通常これに当たりません。業界裏話ヒント:孫を養子にすると一親等になりますが、孫養子には別途2割加算の規定があり抜け道になりません。世代飛ばし贈与の2割加算は、精算課税でも逃れられない。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 21条の16:精算課税適用者が特定贈与者から相続・遺贈で財産を取得した場合 | — |
| 加算する価額 | 贈与時の価額から21条の11の2の基礎控除を差し引いた残額 | — |
| 納付済み贈与税の扱い | 相続税額から控除し、控除しきれない額は還付(第3項) | — |
| 制度からの離脱 | 21条の9の届出後は撤回不可、特定贈与者からの贈与は全て対象 | — |
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