生活保護法 第1条(この法律の目的)
クイックジャンプ
この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
この条文の基本情報
この法律の目的とは何ですか?
定義この法律の目的とは、生活保護法第1条に定められた規定で、「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第1条(この法律の目的)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第1条の条文原文は「この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障する…」で始まります。
- 生活保護法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第1条の次の条は生活保護法第2条です。
- 生活保護法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法第1条は、憲法25条の理念に基づき、国が生活に困窮する国民に困窮の程度に応じた保護を行い、最低限度の生活を保障し自立を助長することを目的と定める。
Q · 生活保護って、役所が「特別に」出してくれるお金なの?
違う。国の義務として法律で保障された制度です
生活保護法第1条は、日本国憲法第25条の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対して最低限度の生活を保障すると定めています。主語は国、動詞は「保障する」であり、恩恵として与えられる施しとは位置づけが異なります。保護は困窮の程度に応じて足りない分を補う仕組みで、あわせて自立の助長も目的とされます。申請権は法7条で保障され、決定に不服があれば審査請求で争えます。
解説
生活保護は役所の「お情け」ではない。第1条は、国が生活に困窮するすべての国民に対し、最低限度の生活を「保障する」と書く。主語は国、動詞は保障である。窓口職員の気分で出したり出さなかったりしてよい制度としては作られていない。さらに見落とされやすいのが、後半の「自立を助長する」という一句だ。保護の目的は、生き延びさせることだけではない。そこから抜け出す力を育てることまで含まれている。だから、保護費をやりくりして子どもの進学資金を貯めることは制度の趣旨に反しない。最高裁は平成16年、保護費を元手にした学資保険の満期金を収入とみなして保護費を減らした処分を違法と判断した。窓口で「そんなお金の使い方は認められない」と言われたとき、あなたが立ち返る根拠がこの一文にある。「困窮の程度に応じ」とある以上、保護は全部もらうか何ももらわないかの二択ではない。足りない分だけを補う設計である。
法的な位置づけ
生活保護法第1条は同法の目的規定であり、日本国憲法第25条の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、困窮の程度に応じた必要な保護を行うことで最低限度の生活を保障し、あわせて自立を助長することを定める。同法の各条項の解釈と運用の指針となる規定である。
手順
- 1.福祉事務所に申請の意思をはっきり伝える 住所地(住まいがなければ現在地)を担当する福祉事務所の窓口で「生活保護を申請します」と明言する。「相談」のまま終わると法律上の手続は開始しないため、申請書の交付を求める
- 2.申請書を提出し控えを確保する 申請書を提出し、受付日が分かる控えを受け取る。申請書をもらえない場合は、氏名・住所・「保護を申請する」旨を書いた書面を提出してもよい。提出日時と応対者名を記録する
- 3.資産・収入の調査に協力する 預貯金通帳、給与明細、年金通知などを提示し、ケースワーカーの家庭訪問に応じる。扶養照会を避けたい事情(DV、長期の音信不通など)があれば書面で伝えておく
- 4.決定通知を確認し、不服があれば審査請求する 原則14日以内(最長30日)に届く決定通知の理由欄を確認する。却下・減額に納得できなければ、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求する
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護法の目的とは?
生活保護法第1条により、国が生活に困窮する国民の最低限度の生活を保障し、あわせて自立を助長することが目的です。憲法25条の生存権を具体化した法律です。
Q2生活保護の申請方法は?
住んでいる地域の福祉事務所で「保護を申請します」と伝え、申請書を提出します。申請は法7条で保障された権利で、書式がなくても申請意思を書いた書面で足ります。
Q3生活保護 申請から決定まで何日かかる?
原則14日以内に決定されます(法24条5項)。特別な理由がある場合は30日まで延長でき、30日を過ぎても通知がなければ却下とみなして審査請求できます。
Q4生活保護 受給中に貯金はできる?
保護費のやりくりで貯めたお金が直ちに違法になるわけではありません。最高裁は平成16年、子の学資保険の満期金を収入とみなした減額処分を違法としました。
Q5生活保護の申請を窓口で断られたら違法?
申請の意思を示しているのに申請書を受け取らない対応は、申請権(法7条)を侵害するおそれがあります。申請意思を明確に伝え、記録を残すことが大切です。
Q6外国人は生活保護を受けられる?
最高裁(平成26年7月18日判決)は外国人に同法上の受給権はないとしました。ただし永住者等には通知に基づく行政措置として事実上の保護が行われています。
Q7生活保護の却下に不服申し立てはいつまで?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求します(行政不服審査法18条)。取消訴訟は審査請求を経なければ起こせません(法69条)。
Q8生活保護の「自立の助長」とはどういう意味?
保護で生活を支えるだけでなく、受給者が経済的・社会的に自立する力を育てることです。保護を削る口実ではなく、保護の内容を豊かにする原理と解されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持ち家とか車があったら、もう絶対に受けられないんですか?
資産は活用するのが原則だが(法4条1項)、一律に不可というわけではない。持ち家は処分価値が大きくなければ保有が認められる場合があり、車も障害や通勤などの事情があれば例外がある。実務のポイント:保有を認めるかどうかは厚生労働省の実施要領で細かく定められており、窓口が「ダメ」と言い切っても要領上は認められる余地があることが少なくない(最新の通知をご確認ください)
Q2親や兄弟に連絡がいくのが嫌で、申請できずにいます
扶養照会は保護の要件ではなく、扶養は保護に優先するというだけの関係である(法4条2項)。実務のポイント:2021年の通知改正で、DVや虐待がある場合、長期間音信不通の場合(通知上はおおむね10年程度)などは照会しなくてよい扱いが明確になった。申請時に「照会してほしくない事情」を書面で伝えておくと効果が大きい(最新の運用をご確認ください)
Q3アルバイトを始めたら、保護は打ち切られますか?
打ち切りにはならない。収入を認定したうえで、最低生活費との差額が支給される(法8条)。勤労控除があるため、働いた分がまるごと差し引かれるわけでもない。実務のポイント:収入の申告は義務であり(法61条)、少額だからと黙っていると、後で不正受給として徴収される(法78条)ことがある。額にかかわらず申告しておくことが自分を守る
間違えやすい点 AI による整理
- 永住者なら日本人と同じように受給権があると思われがちだ。しかし最高裁(最判平成26.7.18)は、生活保護法の対象は「国民」であり、外国人は同法に基づく受給権を持たないと判断した。実務では通知による行政措置として事実上の保護が行われているが、法律上の権利ではないため、却下されたときに不服を申し立てる道が大きく狭まる
- 「最低限度の生活」という言葉は知っていても、その中身が固定されていないことまでは知られていない。金額の基準は厚生労働大臣が定める(法8条)。2013年からの基準引下げについて、最高裁は令和7年(2025年)6月、物価下落を理由とする減額部分を違法と判断した。「最低限度」は国の裁量と司法審査の綱引きで上下する数字である(その後の対応は最新の状況をご確認ください)
- 「生活保護を受けるか、自分で働いて自立するか」という二択は、問いの立て方そのものが間違っている。第1条は保障と自立を同時に目的として掲げる。働いて得た収入を認定したうえで、最低生活費に足りない差額だけを支給するのが本来の姿だ。働きながら受給することは制度の想定の範囲内である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 生活保護法1条:法の目的(最低生活保障と自立助長) | 生活保護法2条:無差別平等の受給原理 生活保護法4条:保護の補足性(資産・能力の活用、扶養優先) |
| 主に向けられる相手 | 国(保護を行い保障する主体) | 国民(要件を満たせば等しく受給できる) 申請者・受給者と扶養義務者 |
| 争いで使われる場面 | 処分が自立を妨げ法の目的に反すると主張するとき | 困窮原因を理由とした差別的な扱いを争うとき 資産保有や扶養照会の扱いを争うとき |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の社会救助法も、低収入戸等の生活を照顧し自立を助けることを目的に掲げる。日本と同じく保障と自立の二本立ての目的構造を持つ
韓国は2000年施行の同法で、最低生活保障と自活の助成を目的とする。日本の生活保護法を参照しつつ、給付を個別化した点に特徴がある
ドイツの社会扶助は人間の尊厳にふさわしい生活を可能にすることを任務とし、受給者が扶助から独立して生活できるよう支援することを掲げる。就労可能者は SGB II(Bürgergeld)の対象となる二層構造
米国には包括的な最低生活保障の連邦法上の権利はなく、TANF は受給期間制限と就労要件を伴うブロック補助金方式。権利性の強さで日本と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 窓口で「まだ若いんだから働けるでしょう」と言われ、申請書すら渡されずに帰されたら、どうなる? 保護は申請に基づいて開始するのが原則であり(生活保護法7条)、申請する権利を窓口が一方的に奪うことはできない。後で争点になるのは「申請の意思をはっきり示したか」だ。申請書を提出して控えを受け取るか、日時と応対者名をメモに残しておく
- 20年近く連絡を取っていない弟について、福祉事務所から扶養照会の封書が届いた。扶養は保護に優先するが(法4条2項)、援助は難しいと回答したからといって弟の保護が自動的に止まるわけではない。扶養は保護を受けるための要件ではなく、あくまで優先関係にすぎない
- 却下通知が今日届いた。審査請求(処分の見直しを都道府県知事に求める手続)の期限は、処分を知った日の翌日から3か月である。取消訴訟(裁判所に処分を取り消してもらう訴え)は審査請求を経なければ起こせない(法69条)。3か月の期限を落とすと、裁判への入口もまとめて閉じる
- 保護費から毎月少しずつ貯めて、娘の高校入学に備えていた。ケースワーカーの第一声は「貯金があるなら減額です」だった。
- あなたはケースワーカーとして、就労指導に応じない受給者に指示を出すかどうか迷っている。指導や指示は受給者の自由を尊重し、必要最少限度にとどめなければならない(法27条2項)。第1条の「自立の助長」は、追い立てる根拠として置かれた言葉ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 窓口では相談で終わらせず、申請の意思を明確に伝えて申請書を提出する。申請書がもらえなければ、氏名・住所・「保護を申請する」と書いた紙でもよい2. 提出日、応対者の名前、言われた内容をメモしておく3. 支援団体や法テラスに相談し、可能なら同行してもらう4. 却下・減額・停止の通知を受けたら、理由欄を確認し、3か月以内に都道府県知事へ審査請求する
訴えられた側:1. 費用返還(法63条)や徴収(法78条)を求められたら、まずどちらの条文によるものかを確認する。78条は不正な手段で保護を受けた場合のもので、最大40%の上乗せがありうる2. 申告漏れが単純なミスなら、経緯と証拠をそろえて説明する3. 扶養照会を受けた親族は、援助できない事情をありのまま回答すればよい。回答内容が受給者の保護を直ちに止めるわけではない
時効(請求できる期限):審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条)。申請に対する決定は原則14日以内、特別な理由があれば30日まで延長できる(生活保護法24条5項)。30日以内に通知がなければ、却下されたものとみなして審査請求できる(同条7項)。取消訴訟は審査請求を経た後、裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:第1条は憲法25条の生存権を具体化する目的規定であり、同法の各規定は本条の目的に照らして解釈・運用されるべきとされる。保護受給は法律上の権利として構成される
自立助長の解釈をめぐる議論:「自立」を経済的自立(就労による保護脱却)に限定せず、日常生活自立・社会生活自立を含む広い概念と捉える理解が有力である。就労指導を強める根拠として狭く読むことには批判がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:旧生活保護法(昭和21年)を全面改正して現行生活保護法を制定。憲法25条の理念に基づくことと、最低生活保障・自立助長の二つの目的を第1条に明記した。本条の文言は制定以来変更されていない
- 生活保護法 第2条無差別平等の受給原理
- 生活保護法 第3条最低生活の水準を定める
- 生活保護法 第4条資産活用・扶養優先の補足性
- 生活保護法 第7条申請に基づく保護開始の原則
- 生活保護法 第8条保護基準と程度の決定
- 生活困窮者自立支援法 第3条保護に至る前段の自立支援
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める