生活保護法 第8条(基準及び程度の原則)
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- 保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。
- 2.前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。
この条文の基本情報
基準及び程度の原則とは何ですか?
定義基準及び程度の原則とは、生活保護法第8条に定められた規定で、「保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第8条(基準及び程度の原則)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第8条の条文原文は「保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする…」で始まります。
- 生活保護法第8条は第二章 保護の原則に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第8条の前の条は生活保護法第7条です。
- 生活保護法第8条の次の条は生活保護法第9条です。
- 生活保護法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法8条は、厚生労働大臣の基準で算定した最低生活費から本人の収入等を差し引き、その不足分だけを保護として支給すると定める。基準は最低生活を満たすに十分でなければならない。
Q · 年金や給料があっても生活保護は受けられるの?
受けられる。最低生活費との差額分だけが支給される
生活保護法第8条により、保護は厚生労働大臣の定める基準で算定した最低生活費から、年金・給料・仕送りなど本人の金銭や物品で満たせる分を差し引いた不足分を補う程度で行われます。たとえば最低生活費が月13万円で年金が月8万円なら、差額の5万円が保護費となります。ただし預貯金など活用できる資産は先に充てることが前提です(同法第4条)。
解説
生活保護は「困った人にまとまった額を配る制度」ではない。第8条が決めているのは引き算の式である。まず厚生労働大臣が定める基準(年齢・世帯人数・住んでいる地域で決まる最低生活費)を計算する。そこからあなたの年金、給料、仕送り、手当など、自分で用意できる分を差し引く。残った不足分だけが支給される。だから年金を月8万円受け取っている人でも、最低生活費が13万円なら、差額の5万円を保護として受け取れる。「年金があるから対象外」「働いているから無理」という思い込みで、受けられる人が窓口に行かないまま終わっている。もう一つ押さえておきたいのは第2項である。基準は最低限度の生活を満たすのに「十分」でなければならない。つまり国が基準を下げるにも法律上の歯止めがある。令和7年(2025年)6月27日、最高裁は平成25年(2013年)からの生活扶助基準引下げについて、物価下落を理由にした減額部分は厚生労働大臣の裁量を逸脱して違法だと判断し、減額決定を取り消した。基準は大臣が決める数字だが、動かせない聖域ではない。
法的な位置づけ
生活保護法第8条は、保護の基準及び程度の原則を定める規定である。保護は、厚生労働大臣が定める保護基準により測定した最低生活費から、要保護者の収入等で充足できる額を差し引いた不足分を補う範囲で行われる。基準は年齢別・世帯構成別・所在地域別等の事情を考慮し、最低限度の生活需要を過不足なく満たすものでなければならない。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の最低生活費とは何ですか?
厚生労働大臣の告示(保護基準)で算定される、世帯が最低限度の生活を送るのに必要な1か月の費用です。年齢・世帯人数・級地・加算の有無で金額が変わります。
Q2生活保護はいくらもらえる?
支給額は「最低生活費-収入認定額」です。定額ではなく、年金や就労収入などを差し引いた不足分だけが支給されるため、世帯ごとに金額が異なります。
Q3生活保護の級地とは?
物価や生活様式の地域差を反映するため、市町村を区分した地域区分です。同じ世帯構成でも、都市部と地方では最低生活費の額が変わります(生活保護法8条2項の所在地域別)。
Q4家族からの仕送りは生活保護で収入として引かれる?
原則として収入に認定され、その分が保護費から差し引かれます。仕送りは本人の金銭で満たせる需要にあたるためです。受け取ったら福祉事務所に申告が必要です。
Q5生活保護基準の引き下げは違法になることがある?
あります。令和7年6月27日、最高裁は平成25年からの生活扶助基準引下げのうち物価下落を理由とした部分を裁量逸脱で違法と判断し、減額決定を取り消しました。
Q6生活保護の変更決定に納得できないときはどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求ができます。まず福祉事務所に最低生活費と収入認定額の計算内訳を書面で求めると、争点を特定できます。
Q7生活保護基準と就学援助は関係ある?
多くの自治体が就学援助の所得基準を生活保護基準の一定倍率で設定しています。保護を受けていない世帯も、同じ物差しで支援対象かどうかが判断されます。
Q8生活保護の基準は誰が決めている?
生活保護法8条1項により厚生労働大臣が告示で定めます。ただし同条2項により、最低限度の生活を満たすに十分な水準でなければならず、改定は司法審査の対象です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1年金もらってるんですけど、生活保護って受けられるんですか?
受けられる。第8条は、最低生活費からあなたの年金などの収入を差し引いた不足分を補う仕組みであり、年金受給者を除外していない。ただし貯金や活用できる資産は先に使うことが前提になる(第4条)。実務のポイント:高齢者世帯は受給世帯のおよそ半数を占め、その多くが年金との併給である。窓口で「年金があるなら」と言われても、それは法的に門前払いする理由にならない
Q2バイトの収入って、1円でも入ったら全部引かれるの?
全部ではない。就労収入からは基礎控除などの勤労控除や、通勤費などの必要経費が差し引かれ、その残りだけが収入として認定される(第8条の運用を定めた厚生労働事務次官通知「生活保護法による保護の実施要領について」)。実務のポイント:控除は申告して初めて反映される。明細を出さずにいると控除なしで計算されたり、申告漏れ扱いになったりする。働いた月は給与明細を必ず提出する
Q3生活保護の基準って国が勝手に決めてるんでしょ?争っても無駄では?
無駄ではない。基準の設定は厚生労働大臣に委ねられているが、第8条2項の要件に照らして、判断過程に誤りがあれば違法になる。最高裁は令和7年6月27日、平成25年からの生活扶助基準引下げのうち物価下落を理由とした部分を違法とし、減額決定を取り消した。実務のポイント:この裁判は、減額通知に対して全国で1万件を超える審査請求が起こされたところから始まった。一通の審査請求が訴訟への入口になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「生活保護は全部もらうか、まったくもらえないかのどちらか」と思われがちだが、第8条の仕組みは差額の補填である。年金や給料があっても、最低生活費に届かない分は受け取れる。ゼロか満額かという問い方そのものが間違っている
- 基準額が大臣の告示で決まることは知られている。しかし告示だから争えないと思っているなら、それは違う。第2項の「十分なもの」という要件があるため、基準の改定は判断過程の合理性を裁判所に審査される。老齢加算の廃止は最判平成24.2.28で適法とされた一方、平成25年の引下げは令和7年に違法と判断された。結論を分けたのは、改定に至った統計や専門家の検討の中身である
- 受給者から見ると、臨時収入は「少しでも入れば生活が楽になる」お金である。法律から見ると、それは原則として収入に認定され、翌月以降の支給額から差し引かれる。申告しないまま受け取れば、後で返還や徴収を求められる。この認識の落差が、善意の受給者を不正受給の疑いに追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 生活保護法8条:保護の基準と程度(どれだけ支給するか) | 生活保護法4条:補足性の原理(資産・能力等を先に活用) 生活保護法9条:必要即応の原則(個別事情に応じた保護) |
| 判断の軸 | 大臣基準で測った最低生活費と収入の差額 | 本人が活用できる資産・稼働能力・扶養の有無 年齢・健康状態等の個人・世帯の実際の必要 |
| 実務で問題になる場面 | 支給額の計算、収入認定、基準改定の適法性 | 預貯金・持ち家・車の保有、就労指導 一律基準では拾えない特別な需要への対応 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は地域ごとに最低生活費を定め、家庭総収入が基準以下の世帯を低収入戸として扶助する。基準と世帯収入の比較という発想は日本と共通する。
韓国は基準中位所得に対する一定比率で生計給付の水準を定め、所得認定額との差額を支給する方式をとる。
ドイツは統計に基づき法律で基準需要(Regelbedarf)を定め、連邦憲法裁判所が算定過程の透明性・合理性を審査してきた。
米国の SSI は高齢者・障害者等に対象を限定した連邦扶助で、連邦給付基準額から認定所得を控除して支給額を算定する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年金暮らしの親の口座残高が底をつきかけている。「年金をもらっているから生活保護は無理」と親は言うが、本当にそうだろうか? 年金額が地域の最低生活費を下回っていれば、差額分だけ保護を受けられる。年金と保護の併給は珍しくない
- パートで月10万円を稼ぐシングルマザー。最低生活費(子の分や母子加算を含む)が15万円なら、収入から勤労控除を差し引いた残りを収入として認定し、足りない分が支給される。働いていることは対象外になる理由ではない
- 福祉事務所から「保護変更決定通知書」が届き、来月から支給額が減るという。審査請求の期限は通知を受け取った日の翌日から3か月。封筒を開けずに放置した日数は、すでに期限から削られている
- あなたがケースワーカーだとする。受給者が副業の収入を申告していなかった。第8条の引き算では収入を差し引いた後の額が本来の支給額なので、差額は返還の対象になる。ただし、うっかりの申告漏れ(第63条)と不正受給(第78条)の線引きを誤ると、行政が裁判で負ける
- 息子の就学援助の案内に「生活保護基準の1.3倍以下の世帯」と書いてあった。生活保護を受けていない家庭でも、その物差しで線を引かれている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 住んでいる地域の級地、世帯人数、年齢を確認し、福祉事務所で最低生活費の目安を聞く。年金や就労収入があっても申請はできる2. 申請は口頭でもできるが、後で争いにならないよう申請書を提出し、控えを残す3. 決定通知や変更通知が届いたら、計算の内訳(加算・控除・収入認定額)を書面で求める4. 計算の誤りや減額に納得できなければ、3か月以内に都道府県知事へ審査請求をする。法テラスや生活保護問題に取り組む弁護士団体の無料相談を併用する
訴えられた側:受給者として収入の申告漏れを指摘された場合を想定する。1. 慌てて全額を認めず、いつ、いくら、何の収入だったかを通帳や給与明細で特定する2. 故意ではない漏れなら第63条の返還の問題であり、自立更生のための費用などを控除するよう求められる3. 第78条の不正受給とされると、最大で1.4倍の徴収や刑事罰の対象になり得る。事情聴取の前に弁護士に相談する4. 返還が決まったら、分割や保護費との調整の方法を協議する
時効(請求できる期限):保護の決定・変更への審査請求:処分があったことを知った日の翌日から3か月(行政不服審査法第18条)。取消訴訟は審査請求の裁決を経た後でなければ起こせず(生活保護法第69条)、裁決を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法第14条)。知事の裁決期限は原則50日(生活保護法第65条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例・通説:保護基準の設定は専門技術的・政策的判断を要するため大臣の裁量に委ねられるが、本条2項の「十分なもの」要件と憲法25条を背景に、判断過程の合理性が司法審査の対象となる。
差額補填(補足性)の理解:本条1項は第4条の補足性の原理を支給額の算定面で具体化したもので、保護は最低生活費と本人の収入・資産との差額を補う形で行われると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正、平成13年(2001年)1月施行 中央省庁再編に伴い「厚生大臣」を「厚生労働大臣」に改めた。基準と程度の原則の実質的な内容は昭和25年(1950年)の制定時から変わっていない
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により、厚生大臣の定める基準による需要の測定と不足分補填の原則、基準の十分性・非超過性の要件が定められた。
- 2.平成11年(1999年) 改正:中央省庁再編に伴い「厚生大臣」を「厚生労働大臣」に改めた(平成13年1月施行)。実質的な内容は制定時から変わっていない。
- 生活保護法 第3条最低生活保障の原理、保護水準の基底
- 生活保護法 第4条補足性の原理、資産能力活用の前提
- 生活保護法 第9条必要即応の原則、個別事情への配慮
- 生活保護法 第56条正当な理由なき不利益変更の禁止
- 生活保護法 第63条資力ある受給時の費用返還義務
- 最低賃金法 第9条最低賃金と生活保護施策の整合性配慮
- 行政事件訴訟法 第30条基準設定の裁量逸脱濫用の司法審査
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