生活保護法 第7条(申請保護の原則)
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保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保護を行うことができる。
この条文の基本情報
申請保護の原則とは何ですか?
定義申請保護の原則とは、生活保護法第7条に定められた規定で、「保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第7条(申請保護の原則)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第7条の条文原文は「保護は、要保護者、その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し、要保護者が急迫した状況にあるときは、保護の申請がなくても、必要な保…」で始まります。
- 生活保護法第7条は第二章 保護の原則に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第7条の前の条は生活保護法第6条です。
- 生活保護法第7条の次の条は生活保護法第8条です。
- 生活保護法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法7条は、保護は本人・扶養義務者・同居の親族の申請に基づき開始すると定める。ただし要保護者が急迫した状況にあるときは、申請がなくても保護できる。
Q · 生活保護って、窓口で相談すれば自動的に始まるの?
申請しないと原則始まらないが、急迫時は申請なしでも保護される
生活保護法7条により、保護は要保護者本人、扶養義務者または同居の親族の申請に基づいて開始されます。窓口で相談しただけでは法的な手続は始まらず、「保護を申請します」という意思表示と申請書の提出(24条)が必要です。申請後は原則14日以内、特別な理由があっても30日以内に決定が通知されます。例外として、要保護者が急迫した状況にあるときは申請がなくても保護でき、25条は実施機関に職権での速やかな保護開始を義務付けています。
解説
福祉事務所の窓口で交わされる会話には、「相談」と「申請」という二つの箱がある。本条が保護の入口に置いたのは「申請」のほうである。生活保護は、あなた自身か、扶養義務者か、同居の親族が「申請する」と意思表示したときに動き出す。裏を返せば、職員が何時間話を聞いてくれても、それが「相談」扱いのままなら、法的には何も始まっていない。「まずご家族に援助を頼んでください」と言われて帰った日は、記録上ただの相談日になる。申請はあなたの権利であり、窓口にそれを拒む権限はない。申請書を出せば、実施機関(保護を決める役所、通常は福祉事務所)は原則14日以内、特別な理由があっても30日以内に、書面で決定を通知しなければならない(24条)。さらに但書がある。路上で倒れた、所持金が尽きて食事もできないといった急迫状態なら、申請がなくても保護はできる。25条は、その場合に職権で速やかに保護を開始することを実施機関に義務付けている。窓口で口にすべき言葉は「相談に来ました」ではない。「保護を申請します」である。
法的な位置づけ
生活保護法7条は、保護の開始を要保護者、その扶養義務者またはその他の同居の親族の申請にかからせる「申請保護の原則」を定める規定である。同条但書は、要保護者が急迫した状況にある場合に限り、申請がなくても必要な保護を行うことを認める例外(急迫保護)を置き、25条の職権保護と連動する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請の意思をはっきり伝える 福祉事務所の窓口で最初に「生活保護を申請します」と明言し、申請書の交付を求める。相談として扱われないよう、申請意思を面談記録に残してもらう
- 2.申請書を提出する 自治体の様式に記入して提出する。様式をもらえない場合は、氏名・住所(または現在地)・保護を申請する旨・日付を記した書面を自作して提出する
- 3.受付日の証拠を残す 申請書の控えをコピーし、受付日の記入または受付印をもらう。14日の通知期限と30日のみなし却下は、この日付から数える
- 4.決定を待ち、期限を管理する 原則14日以内(延長時は30日以内)に書面で決定が届く。期限を過ぎても通知がなければ催促し、30日経過後は却下とみなして審査請求を検討する
- 5.却下なら審査請求する 却下決定を知った日の翌日から3か月以内に、都道府県知事へ審査請求する。不安があれば支援団体や弁護士会の相談窓口に同行・助言を依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の申請とは?何をすれば申請になる?
実施機関に保護を求める意思を示す行為です。7条により本人・扶養義務者・同居の親族ができ、24条は申請書の提出を原則としています。
Q2生活保護は家族が代わりに申請できる?
できます。扶養義務者(民法877条の直系血族・兄弟姉妹等)か同居の親族であれば、本人に代わって申請できます。別居の兄弟姉妹も含まれます。
Q3生活保護 申請から決定まで何日かかる?
原則14日以内、特別な理由があれば30日まで延長されます(24条5項)。30日を過ぎても通知がなければ、却下されたものとみなせます(同条7項)。
Q4住民票がなくても生活保護を申請できる?
できます。居住地がない場合は、現在いる場所を管轄する福祉事務所が実施機関になります(19条1項2号)。住民票の所在地に戻る必要はありません。
Q5生活保護の申請を窓口で断られるのは違法?
申請意思を示したのに申請書を渡さない・受理しない対応は、申請権の侵害として違法になりえます。国家賠償が認められた裁判例もあります。
Q6急迫保護とは?どんな状態が対象?
要保護者が急迫した状況にあるとき、申請がなくても行う保護です(7条但書)。生命・健康に差し迫った危険がある状態が典型で、25条が職権開始を義務付けます。
Q7生活保護の申請に必要な書類は?
申請書と省令で定める添付書類が原則です(24条1項・2項)。ただし作成・添付できない特別の事情があれば例外が認められ、書類不足は申請を拒む理由になりません。
Q8生活保護の申請が却下されたらどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求できます(64条、行政不服審査法18条)。取消訴訟は裁決を経た後に提起します(69条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1窓口で「今日は相談だけですね」って言われて、申請書をもらえなかったんです。これって普通ですか?
普通ではない。本条は申請を保護開始の入口と定めており、申請できるのは本人、扶養義務者、同居の親族である。窓口に申請を受け付けない裁量はなく、行政手続法7条も、申請が届いたら遅滞なく審査を始めるよう求めている。実務のポイント:支援団体は、あらかじめ記入した申請書を持参して窓口で提出することが多い。窓口で紙をもらえなくても、紙を持っていけば済む
Q2親や兄弟に連絡がいくのが嫌で、申請に踏み切れません。絶対に連絡されるんですか?
扶養照会は申請の要件ではない。扶養は保護に優先するという原則(4条2項)に基づく調査である。令和3年(2021年)の厚生労働省通知の見直しで、DV や虐待がある場合、長期間音信不通の場合など、扶養が期待できない親族への照会は行わない取扱いが明確になった。実務のポイント:申請時に「照会してほしくない理由」を書面で添えると、その事情が記録に残り、照会を控える判断の根拠になりやすい
Q3所持金ゼロで、今夜寝る場所もありません。申請して2週間も待てないです
本条の但書と25条は、まさにこの状況のための規定である。急迫した状況であれば、実施機関は職権で速やかに保護を開始しなければならない。自治体によっては、決定前でも一時的な宿泊先の確保などの対応がとられる。実務のポイント:職員に「急迫している」と判断させる材料は具体性である。所持金の実額、最後に食事をした日、今夜泊まる場所がないことを、数字と事実で伝えると対応の速さが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分が生活保護を受けられる条件を満たしているか、まず窓口で見てもらおう」と考える人が多い。問いの立て方が逆である。受給できるかを判断するのは、申請を受けたあとの審査であって、窓口の事前相談ではない。要件を満たすか分からないままでも申請はできる。結果が却下なら、審査請求で争えばよい
- 口頭でも申請できると聞いたことがある人は多い。だが、口頭の申請を後から証明するのがどれほど難しいかは知られていない。平成25年(2013年)改正後の24条は申請書の提出を原則とし、特別の事情がある場合に例外を認める構造である。口頭申請が認められる余地は残るが、記録の残らないやり取りは、後で「相談だった」と整理されうる。書面、控え、受付日、この三つがあなたの唯一の保険である
- あなたから見れば、急迫保護は「審査なしで助けてもらえる救済」かもしれない。だが法律から見れば、あくまで審査手続を後回しにする緊急通路であって、費用免除の通路ではない。資力があったのに急迫を理由に保護を受けたと後で分かれば、受けた保護費の範囲内で返還を求められる(63条)。預金や保険の解約返戻金を隠したままの受給は、あとで一括返還という形で返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 生活保護法7条:保護開始の原則(申請主義)と急迫時の例外 | 生活保護法24条:申請書の方式、通知期限、みなし却下 生活保護法25条:急迫時の職権による保護開始 |
| 誰が動くか | 要保護者本人・扶養義務者・同居の親族が申請 | 申請者が申請書を提出し、実施機関が決定・通知 実施機関が申請を待たずに自ら開始 |
| 期限・時間軸 | 期限の定めなし(開始の入口を定める) | 原則14日、延長30日、経過でみなし却下 「速やかに」職権で保護を開始 |
| 実施機関の性格 | 急迫時は保護「できる」(権限) | 申請を受けたら審査・決定する義務 急迫時は職権で保護を開始「しなければならない」(義務) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も低収入戸の認定は申請に基づく。急難救助は別枠の制度として位置付けられ、申請主義と緊急対応の二段構えという点で日本と類似する
韓国も申請を原則とするが、社会福祉担当公務員が職権で申請できる仕組みを置き、申請主義の空洞化を立法的に補っている
ドイツでは求職者基礎保障は申請が要件だが、社会扶助は実施主体が必要を知った時点で開始する(Kenntnisgrundsatz)。日本の申請主義とは出発点が異なる
米国の SNAP は申請制で、困窮度の高い世帯には迅速給付(expedited service)を設ける。急迫時に審査を短縮する発想は日本の但書と通じる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 窓口で「まず実家のお兄さんに援助を頼んでから来てください」と言われ、申請書すら渡されなかったら、どうなる? 扶養は保護に優先するが(4条2項)、申請の前提条件ではない。申請書を渡さない対応は申請権の侵害になりうる。水際対応をめぐって国家賠償が認められた裁判例もある
- 家賃を2か月滞納し、所持金は3,000円。あと5日で電気が止まる。今日窓口に行くなら、「相談」で終わらせず、その場で申請書を書いて提出する。保護の開始は原則として申請日以降で判定されるため、一週間ためらえば、その一週間分は戻らない
- 離れて暮らす弟から「生活保護を申請した」と連絡が来て、数日後、あなたのもとに扶養照会の書面が届いた。援助できない事情があれば、そう回答すればよい。あなたの回答で弟の申請が止まることはない
- 認知症が進んだ母は、自分で申請の意思を示せない。同居しているあなたなら、母のために申請できる。別居していても、子や兄弟姉妹など扶養義務者であれば申請権者に含まれる
- 冬の夜、公園のベンチでぐったりしている高齢者を見つけて救急車を呼んだ。本人は意識がもうろうとしていて、申請どころではない。こういうときのために但書がある。実施機関は申請を待たずに、入院費を含めて職権で保護を開始できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 窓口では「生活保護を申請します」と明言し、申請書を求める。渡されなければ、自治体の様式や、氏名・住所・申請する旨を記した書面を自分で用意して提出する2. 提出した書面はコピーを取り、受付日を記録する3. 14日(延長時は30日)以内に決定がなければ催促し、30日を過ぎたら却下とみなして審査請求に進む(24条7項、64条) 4. 一人で不安なら、支援団体や弁護士会の相談窓口に同行を頼む
訴えられた側:扶養照会を受けた親族の場合:1. 援助できない事情(自分の収入、介護負担、関係の断絶など)を書いて回答すれば足りる。回答内容で申請が無効になることはない2. 援助できる範囲があれば、金額を具体的に書く。窓口職員の場合:申請意思が示されたら申請書を交付して受理する。相談記録に申請意思の有無と対応内容を残すことが、後の国家賠償訴訟で自治体を守る最大の証拠になる
時効(請求できる期限):決定通知は申請日から原則14日以内、特別な理由があれば30日まで延長できる(24条5項)。30日以内に通知がなければ、申請者は却下されたものとみなすことができる(同条7項)。却下決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は審査請求の裁決を経た後でなければ提起できない(生活保護法69条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:7条は保護を国民の権利として構成する規定であり、実施機関には申請の受理を拒む裁量はない。申請は本来要式行為ではないと解されてきたため、24条が申請書提出を原則化した後も、特別の事情があれば口頭申請が認められる余地が残るとされる
急迫保護の性格:但書は申請主義の例外として審査手続の先行を免除するものにすぎず、保護の要件自体を免除するものではない。資力があったと判明した場合は63条による費用返還の対象となる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法の制定により新設。昭和21年(1946年)の旧生活保護法は職権主義をとっていたが、保護請求権を明確にするため申請保護の原則を採用し、急迫時の例外を但書で残した
- 生活保護法 第24条申請手続・通知期限・却下みなし
- 生活保護法 第25条急迫時の職権による保護開始義務
- 生活保護法 第4条補足性、扶養優先の原則
- 生活保護法 第19条実施機関と現在地保護
- 生活保護法 第63条資力ある急迫保護の費用返還
- 行政手続法 第7条申請到達後の審査開始義務
- 民法 第877条申請権者となる扶養義務者の範囲
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