受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

生活保護法 第25条(職権による保護の開始及び変更)

クイックジャンプ
  1. 保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない。
  2. 2.保護の実施機関は、常に、被保護者の生活状態を調査し、保護の変更を必要とすると認めるときは、速やかに、職権をもつてその決定を行い、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない。前条第四項の規定は、この場合に準用する。
  3. 3.町村長は、要保護者が特に急迫した事由により放置することができない状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて第十九条第六項に規定する保護を行わなければならない。

この条文の基本情報

職権による保護の開始及び変更とは何ですか?

定義職権による保護の開始及び変更とは、生活保護法第25条に定められた規定で、「保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 生活保護法第25条(職権による保護の開始及び変更)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
  2. 生活保護法第25条の条文原文は「保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない。」で始まります。
  3. 生活保護法第25条は第四章 保護の機関及び実施に置かれています。
  4. 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
  5. 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 生活保護法第25条の前の条は生活保護法第24条です。
  7. 生活保護法第25条の次の条は生活保護法第26条です。
  8. 生活保護法第25条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第25条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144
  • 本サイト収録生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第25条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/25
裁判例 2件に引用されています

関連度の高い2件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点生活保護法25条は、要保護者が急迫した状況にあるとき、実施機関が申請を待たず職権で保護を開始する義務を定める。保護の変更も職権で行い、理由を付した書面で通知する。

Q · お金も寝る場所もないとき、申請書がなくても生活保護は始まるの?

急迫した状況なら、役所は職権で保護を始める義務がある

生活保護は申請に基づいて始まるのが原則です(7条)。ただし生活保護法25条1項により、要保護者が急迫した状況にあるとき、福祉事務所などの実施機関は申請を待たず、職権で保護を開始しなければなりません。条文は「できる」ではなく「しなければならない」です。受給が始まった後も、実施機関は生活状態を常に調査し、職権で保護を変更する場合は理由を付けた書面で通知しなければなりません(25条2項、24条4項準用)。

解説

「生活保護は申請しなければ始まらない」。役所の窓口でそう言われ、書類をそろえてから出直すよう帰された人は少なくない。原則としては正しい(7条、申請保護の原則)。しかし25条1項には、その原則の例外がある。要保護者(保護を必要とする状態にある人)が急迫した状況にあれば、実施機関(保護を決定する福祉事務所など)は申請を待たずに、職権で、つまり役所自身の判断と責任で保護を開始しなければならない。条文は「できる」ではなく「しなければならない」と書いている。所持金が数百円しかない、今夜寝る場所がない、持病の薬が切れた。そうした状況で「まず書類を」と言われたとき、指し示すべき条文がここにある。2項は受給が始まった後に効いてくる。役所は受給者の生活状態を常に調査し、必要と判断すれば職権で保護の内容を変更する。増額も減額もありうる。ただしその決定は、必ず書面に理由を付けて通知しなければならない。理由の書かれていない減額通知は、それだけで争点になる。

法的な位置づけ

職権による保護(生活保護法25条)とは、申請保護の原則(同法7条)の例外として、要保護者が急迫した状況にある場合に、保護の実施機関が申請を待たず職権で保護の種類・程度・方法を決定し開始する制度をいう。あわせて実施機関に被保護者の生活状態の常時調査と、理由を付した書面による職権変更の通知を義務付ける。

手順

  1. 1.窓口で「保護の申請」と明言する 福祉事務所の窓口では「相談」ではなく「生活保護の申請に来た」とはっきり伝える。申請書を作れない特別の事情があれば、口頭でも申請できることを確認する(24条1項ただし書)
  2. 2.急迫状況を数字で具体的に伝える 所持金の額、今夜の寝場所の有無、最後に食事をした時刻、切れている薬などを具体的に伝え、25条1項による職権開始を検討するよう求める
  3. 3.対応記録を残す 対応した職員の氏名、日時、言われた内容をメモする。支援団体の同行者がいれば面接記録に残りやすく、後から「急迫ではなかった」と扱われるのを防げる
  4. 4.断られたら当日中に外部へ連絡する 保護開始を拒まれた場合、その日のうちに生活困窮者支援団体や弁護士会の電話相談に連絡し、再度の同行申請を依頼する
  5. 5.不利益な決定には審査請求をする 却下や減額などの書面通知を受けたら理由欄を確認し、知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求をする(64条)

よくある質問 AI による整理

Q1生活保護の職権保護とは何ですか?

本人の申請がなくても、役所が自らの判断で保護を開始・変更する仕組みです。生活保護法25条が根拠で、急迫した状況では開始が義務になります。

Q2生活保護は即日で受けられる?

急迫した状況にあれば、実施機関は職権で速やかに保護を開始する義務を負います(25条1項)。所持金や住まいの状況を具体的に伝えることが重要です。

Q3生活保護の「急迫した状況」とはどんな状態?

所持金が尽きた、住む場所がない、医療が途切れたなど、生存が直ちに脅かされる状態を指します。どこまで含むかは実務上解釈が分かれています。

Q4生活保護の減額はいきなりできる?

実施機関は職権で保護を変更できますが、理由を付した書面で通知しなければなりません(25条2項、24条4項準用)。口頭の告知だけでは足りません。

Q5生活保護の変更決定に不服があるときは?

処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求をします(64条、行政不服審査法18条)。取消訴訟はその裁決を経た後でなければ起こせません(69条)。

Q6福祉事務所がない町村でも急迫時に保護される?

されます。町村長は、特に急迫した事由により放置できない要保護者に対し、職権で応急的な保護を行わなければなりません(25条3項、19条6項)。

Q7入院先で保険証もお金もない場合、生活保護は使える?

急迫保護として医療扶助が職権で開始されることがあります。病院の医療ソーシャルワーカーを通じて福祉事務所に連絡するのが一般的です。

Q8急迫保護を受けた後に資産が見つかったらどうなる?

資力があったのに保護を受けた場合、実施機関が定める額を返還します(63条)。全額とは限らず、自立更生のための費用を差し引く運用があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1お金がほとんどゼロなんですが、今日中に生活保護って出るんですか?

急迫した状況であれば、実施機関は申請手続が終わるのを待たず、職権で保護を開始しなければならない(25条1項)。申請書を書けない事情があれば、書面がなくても申請できる(24条1項ただし書)。実務のポイント:自治体によっては、保護費の一部を当日現金で渡す運用や、食料や宿泊先を手配する仕組みを持っている。ただし窓口から案内されるとは限らない。「今夜の食事と寝る場所がない」と具体的に伝えた人の案件から先に動く

Q2家に来たケースワーカーに、急に保護費を減らすって言われた。口頭で言われただけでも決まりなの?

口頭の告知だけでは足りない。職権による変更は書面で通知し、理由も付けなければならない(25条2項、24条4項の準用)。実務のポイント:審査請求の3か月は、原則として書面の通知を知った日の翌日から数える。口頭で予告された段階から領収書や診断書などの生活状況の資料を集めておけば、書面が届いたその日に反論の準備ができる

Q3急迫で先に保護を受けて、あとから貯金が見つかったら全額返さないといけないの?

資力があったのに保護を受けた場合は、受けた保護金品に相当する範囲で、実施機関が定める額を返還する(63条)。実務のポイント:63条の返還額は自動的に全額になるわけではなく、実施機関が決める額である。自立更生のためにやむを得ない費用を返還額から差し引く運用が厚生労働省の通知で示されている。黙って全額返還に同意する前に、差し引きを検討するよう求める余地がある

Q4外国人でも、急迫していれば職権で保護してもらえますか?

最高裁(最判平成26.7.18)は、永住外国人は生活保護法に基づく受給権を持たないと判断した。一方で、永住者や定住者など一定の在留資格を持つ外国人には、昭和29年の厚生省通知に基づき、法律に準じた行政措置として保護が行われている。実務のポイント:法律上の権利ではないため、却下されても審査請求で争える道は狭い。窓口で急迫性を訴えて措置を引き出す交渉と、永住許可申請の独立生計要件への影響をあわせて考える必要がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「申請を受理してもらえるかどうか」ばかり心配する人が多いが、急迫した状況ではその問い方自体がずれている。25条1項のもとでは、受理を待たずに役所の側に開始義務が生じる。問うべきは、自分の状況が「急迫」に当たるか、そしてそれを窓口で具体的に(所持金の額、住まい、食事、服薬)伝えたかである。なお「急迫」がどこまで含むのかは、実務上解釈が分かれている
  • 受給者から見れば、保護費は「一度決まった金額」に見える。しかし法律から見れば、25条2項によって常に調査され、職権で動く暫定的な金額にすぎない。収入が増えたのに黙っていると、後から遡って返還(63条)や徴収(78条)を求められる。この認識の差が、受給者を数十万円単位の返還請求に追い込む
  • 減額の通知に理由が書いてあることは多くの人が知っている。知られていないのは、理由の書き方の粗さがそのまま違法の問題になりうるという点である。25条2項は24条4項の理由付記を準用しており、どの事実から、どの基準で減額したのかを読み取れない通知は、減額の中身が妥当かどうかとは別に取り消される可能性がある
比較の観点この条文ほかの条文
保護開始のきっかけ25条1項:急迫時は実施機関が職権で開始(義務)7条:申請保護の原則(急迫時の例外を留保)
24条:本人等の申請に基づく開始
決定までの時間「すみやかに」職権で決定・開始原則として申請が前提
原則14日以内、特別な理由があれば30日以内(24条5項)
書面・理由付記2項の職権変更は書面通知+24条4項準用で理由付記定めなし(原則規定)
決定は書面で通知し理由を付す(24条3項・4項)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
社会救助法第21条

台湾は急難救助を申請制で定めつつ、緊急時の迅速な給付を認める。日本のような職権開始義務の明文とは構成が異なる

韓国
국민기초생활 보장법 제21조・긴급복지지원법

韓国は社会福祉専担公務員による職権申請を認め、緊急福祉支援法で先支援・後調査の枠組みを持つ

ドイツ
SGB XII § 18

ドイツの社会扶助は、扶助の必要を実施機関が知った時点で開始する知得原則を採り、申請を要件としない点で日本より職権的

アメリカ
7 U.S.C. § 2020(e)(9)

米国には包括的な公的扶助の受給権はないが、SNAP では困窮世帯への迅速給付(expedited service)が定められている

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 所持金が300円を切り、アパートの鍵もすでに返した夕方、区役所の窓口で「来週、必要書類を持って出直してください」と言われた。このまま帰るしかないのだろうか? 急迫した状況にある要保護者について、実施機関は書類がそろうのを待たず、職権で保護を開始する義務を負う(25条1項)。申請書を作れない特別の事情があれば、書面を出さなくても申請できる(24条1項ただし書)。「今日のうちに」を求める根拠はここにある
  • ケースワーカーとして家庭訪問に行くと、担当している高齢の受給者が冷蔵庫を空にしたまま、何日も水だけで過ごしていた。足腰が弱って買い物に行けなくなっていたのに、変更の申請は出ていない。「申請がなかったから」という言い訳は通らない。25条2項は、受給者の生活状態を常に調査し、変更が必要なら職権で決める義務を実施機関に課している
  • 子どもがアルバイトを始めたのに、半年間申告していなかった。ある日、職権による変更の通知と返還の話が同時に届く。63条の返還で済むのか、78条の不正受給として徴収されるのか、ここで扱いが分かれる
  • 保護費を減らすという通知書が届いた。理由欄に納得できないなら、使える時間は3か月しかない。通知を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求をしなければ、審査請求前置(69条)があるため、取消訴訟を起こす道も事実上閉ざされる
  • 福祉事務所を置いていない町村に住む友人から、深夜に「倒れて動けない、お金もない」と連絡が来た。町長や村長も、特に急迫した事由で放置できない場合には、職権で応急的な保護を行わなければならない(25条3項、19条6項)。「うちの町には福祉事務所がないから」では済まない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 窓口では「相談」ではなく「保護の申請」とはっきり言い、所持金、住居、食事、医療の状況を具体的に伝える。書類を作れない事情があれば、それも伝える(24条1項ただし書) 2. 急迫した状況なら25条1項による職権開始を求め、対応した職員の名前と日時をメモしておく3. 断られたら、その日のうちに支援団体や弁護士会の電話相談に連絡する4. 不利益な決定を受けたら書面と理由を確認し、3か月以内に都道府県知事へ審査請求をする(64条)

訴えられた側:1. 役所から減額や返還を求められたら、まず職権変更の通知書の理由欄を読む。「生活状況の変化」程度の抽象的な記載なら、理由付記の不備を指摘できる余地がある2. 収入の変化を指摘された場合は、申告漏れに悪意がなかった経緯(知らなかった、説明を受けていなかった)を記録で示し、78条の不正受給ではなく63条の返還として扱うよう求める3. 就労に必要な経費などの控除が漏れていないか確認する4. 納得できなければ審査請求をし、並行して変更の申請も検討する

時効(請求できる期限):25条自体に期限の定めはない。決定に不服がある場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求をする(行政不服審査法18条、生活保護法64条)。知事は原則50日以内(諮問する場合は70日以内)に裁決し、期間内に裁決がなければ請求は棄却されたものとみなすことができる(65条)。取消訴訟は審査請求を経た後でなければ起こせず(69条)、裁決を知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)。申請に対する決定は原則14日以内、特別な理由がある場合は30日以内である(24条5項)(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和25年(1950年) 新設:旧生活保護法(1946年)を全面的に改めた現行生活保護法の制定により、急迫時の職権による保護開始と職権変更の規定が置かれた

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

生活保護法の全文を見る所属する編章節を開く:第四章 保護の機関及び実施

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›