生活保護法 第46条(管理規程)
クイックジャンプ
- 保護施設の設置者は、その事業を開始する前に、左に掲げる事項を明示した管理規程を定めなければならない。
- 一事業の目的及び方針
- 二職員の定数、区分及び職務内容
- 三その施設を利用する者に対する処遇方法
- 四その施設を利用する者が守るべき規律
- 五入所者に作業を課する場合には、その作業の種類、方法、時間及び収益の処分方法
- 六その他施設の管理についての重要事項
- 2.都道府県以外の者は、前項の管理規程を定めたときは、すみやかに、これを都道府県知事に届け出なければならない。届け出た管理規程を変更しようとするときも、同様とする。
- 3.都道府県知事は、前項の規定により届け出られた管理規程の内容が、その施設を利用する者に対する保護の目的を達するために適当でないと認めるときは、その管理規程の変更を命ずることができる。
この条文の基本情報
管理規程とは何ですか?
定義管理規程とは、生活保護法第46条に定められた規定で、「保護施設の設置者は、その事業を開始する前に、左に掲げる事項を明示した管理規程を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第46条(管理規程)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第46条の条文原文は「保護施設の設置者は、その事業を開始する前に、左に掲げる事項を明示した管理規程を定めなければならない。」で始まります。
- 生活保護法第46条は第六章 保護施設に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第46条の前の条は生活保護法第45条です。
- 生活保護法第46条の次の条は生活保護法第47条です。
- 生活保護法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法46条は、保護施設の設置者に事業開始前の管理規程作成を義務づけ、都道府県以外の設置者には知事への届出を課し、不適当な規程には知事が変更を命じられると定める。
Q · 救護施設や授産施設のルールは、施設が勝手に決めていいの?
いいえ。管理規程は届出と知事の審査の対象です
生活保護法46条により、保護施設の設置者は事業開始前に、事業の目的、職員の定数、処遇方法、利用者の規律、作業の内容と収益の処分方法などを明示した管理規程を定めなければなりません。都道府県以外の設置者はこれを知事に届け出る必要があり、変更時も同様です。知事は、内容が利用者の保護の目的に照らして適当でないと認めれば、規程の変更を命じることができます。
解説
救護施設や更生施設で暮らす人の一日は、門限、外出、金銭の預かり、作業の有無まで、ほぼすべてが「管理規程」という一冊の文書で決まる。生活保護法46条は、保護施設(生活保護法38条が定める救護施設・更生施設・医療保護施設・授産施設・宿所提供施設の五種類)の設置者に、事業を始める前にこの規程を作ることを義務づけている。書くべき事項も決まっており、事業の目的、職員の定数と職務、処遇の方法、利用者が守る規律、作業を課すならその種類・時間・収益の処分方法である。都道府県以外が設置者なら知事への届出が必要で、変更するたびに届け出直す。知事は、内容が保護の目的に合わないと判断すれば変更を命じることができる。つまり施設の「うちのルール」は、施設が内輪で決めた約束ごとではなく、行政が中身を審査できる公的な文書である。「このルールはおかしい」と感じたときに向き合う相手は、施設長一人だけではない。規程そのものと、それを監督する都道府県である。
法的な位置づけ
生活保護法46条は保護施設の管理規程に関する規定であり、設置者に対し、事業開始前に事業の目的及び方針、職員の定数・職務、利用者の処遇方法と規律、入所者に課す作業の内容と収益の処分方法等を明示した管理規程の作成を義務づける。都道府県以外の設置者には知事への届出を課し、知事に変更命令権を付与する。
手順
- 1.法定6項目を網羅した管理規程を起案する 事業の目的と方針、職員の定数・区分・職務内容、処遇方法、利用者の規律、作業の種類・方法・時間・収益の処分方法、その他重要事項の6項目をすべて盛り込む。作業を課す施設は収益の処分方法を必ず明記する
- 2.条例基準との整合性を点検する 生活保護法39条に基づく都道府県条例の設備・運営基準と、規程の職員配置や処遇方法が矛盾していないか確認する。所管の担当課に事前相談しておくと、届出後の指摘を減らせる
- 3.事業開始前に規程を確定し知事へ届け出る 都道府県以外の設置者は、規程を確定したらすみやかに都道府県知事へ届け出る。届出書の控えと受付日の記録を保管しておく
- 4.規程を変更するときは運用前に再届出する 門限・金銭管理・作業時間などを変更する場合、変更後の規程を届け出てから運用を始める。届出前の運用は指導監査で指摘されやすい
よくある質問 AI による整理
Q1保護施設とは何ですか?
生活保護法38条が定める救護施設・更生施設・医療保護施設・授産施設・宿所提供施設の五種類を指します。要保護者を入所・利用させて保護を行う施設です。
Q2保護施設の管理規程に書かなければならない事項は?
事業の目的と方針、職員の定数・区分・職務内容、処遇方法、利用者が守る規律、作業を課す場合の種類・方法・時間・収益の処分方法、その他管理上の重要事項です(46条1項)。
Q3管理規程の届出はいつまでにすればいい?
条文は「すみやかに」と定めるだけで、具体的な日数はありません。規程の作成自体は事業開始前に済ませる必要があるため、開所前の届出が実務上の目安です。
Q4都道府県が設置した救護施設も届出が必要?
届出義務(46条2項)は都道府県以外の設置者に限られます。ただし管理規程を作る義務(同条1項)は、都道府県立の施設にも及びます。
Q5市町村や社会福祉法人の保護施設は届出の対象?
対象です。都道府県以外の者が設置者であれば、市町村・社会福祉法人・日本赤十字社などを問わず、知事への届出と変更時の再届出が必要です。
Q6救護施設の門限や外出制限は違法?
規律は管理規程に定める事項なので、それだけで違法とはいえません。ただし保護の目的に照らして適当でない規律は、知事の変更命令の対象になり得ます。
Q7入所者のお金を施設が管理していいの?
金銭の扱いは処遇方法や規律として管理規程で明らかにされるべき事項と考えられます。規程の定めと本人の意思に沿った運用か、記録とあわせて確認することが大切です。
Q8管理規程を作らずに保護施設を開所したらどうなる?
46条1項に違反します。都道府県の指導監査で是正を求められるほか、運営全体の適正さが問われ、他の監督措置につながるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1施設のルールブック、入所者の家族でも見せてもらえるんですか?
本条には利用者に規程を公開する義務までは書かれていない。ただ、都道府県以外の設置者は規程を知事に届け出ているので(46条2項)、県が写しを持っている。実務のポイント:施設に断られても、県への情報公開請求で入手できることがある。「県に届け出たものと同じものを見せてほしい」と一言添えるだけで、施設の対応が変わることは珍しくない
Q2授産施設の工賃が安すぎる気がします。売上はどこに行ってるんですか?
入所者に作業を課すなら、作業の種類・方法・時間と、収益の処分方法を管理規程に書かなければならない(46条1項)。収益の行き先が規程にない、あるいは規程と実態が違うなら、県の指導の対象になりうる。実務のポイント:都道府県の指導監査では、規程と実態の食い違いが典型的な指摘事項になる。工賃明細と規程を並べて県に示すと、話が動きやすい
Q3県から規程を変えろと言われたら、絶対に従わないといけないの?
変更命令(46条3項)は行政処分なので、不服があれば審査請求や取消訴訟で争える。ただ、争っている間も命令の効力は原則として止まらない。実務のポイント:いきなり正式に争うより、県の担当課と「どの文言が保護の目的に反するのか」を先に詰めるほうが、修正で落ち着くことが多い。命令違反を放置すると、改善命令など上位の措置の口実になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「施設のルールは施設が自由に決めるもので、外部は口を出せない」と思われがちだが、それは違う。都道府県以外の設置者は規程を知事に届け出る義務があり、知事は内容が保護の目的に合わなければ変更を命じられる。ルールは外部審査の対象である
- 管理規程が「ある」ことは知っていても、それが処遇の質を測る物差しだとまで意識している人は少ない。作業を課すなら、種類・方法・時間だけでなく収益の処分方法まで明記しなければならない。工賃の行き先が規程に書かれていなければ、その時点で規程は法の要求を満たしていない
- 「無料低額宿泊所でひどいルールを押し付けられた。46条で争えるか」という相談は多いが、問いの立て方が誤っている。無料低額宿泊所は社会福祉法上の施設であり、生活保護法上の保護施設ではない。本条は直接には適用されず、社会福祉法と都道府県条例の基準で争うことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 生活保護法46条:個々の施設が自ら定める管理規程 | 生活保護法39条:都道府県が条例で定める設備・運営の基準 生活保護法45条:基準等に適合しない施設への改善命令等(現行効力を要確認) |
| 誰がルールを作るか | 保護施設の設置者 | 都道府県(条例) 厚生労働大臣・都道府県知事が命令を出す |
| 行政の関与の仕方 | 届出を受け、不適当な規程に変更命令 | 全施設に共通する最低基準を設定 基準違反等があれば改善・事業停止などの措置 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では社会救助機構の設立と運営を主管機関が監督する。施設内規則の届出・変更命令の仕組みが日本と同形かどうかは条文単位での確認を要する
韓国では社会福祉施設の設置・運営を同法が規律し、行政による施設監督の枠組みが置かれている
フランスの社会・医療社会施設は「règlement de fonctionnement(運営規則)」の作成が義務づけられ、利用者の権利と義務を明示する点で本条の管理規程に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 救護施設に入所している兄から電話があった。「月の小遣いを施設が全部管理していて、自由に使えない」という。規程にそう書いてあれば何も言えないのだろうか。規程に金銭管理の方法がどう書かれているか、それが保護の目的に照らして適当か、確かめる余地は十分にある
- 授産施設で毎日6時間、箱折りの作業をしている。でも工賃明細を見ると、売上の行き先がどこにも書かれていない。作業を課すなら、管理規程に収益の処分方法まで明記しなければならない。まずその規程を見せてもらうのが第一歩である
- あなたは社会福祉法人の事務局長で、来月、宿所提供施設を開設する。管理規程はひな形を写して作った。知事への届出は「すみやかに」と定められている。開所日までに規程の中身と届出の両方を整えておかないと、最初の指導監査で真っ先に指摘される
- 施設が門限を17時に早め、違反したら退所と規程を変えた。変更届はまだ出ていない
- 利用者から県に苦情が入り、知事から管理規程の変更命令が届いた。施設側は納得できない。変更命令は行政処分(役所が特定の相手に直接下す具体的な決定)にあたるので、審査請求ができる期間は処分を知った翌日から3か月しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 困っているルール(門限、金銭管理、作業、退所条件など)を日付と具体的な内容つきでメモする2. 施設に管理規程を見せてもらうよう頼む。断られたら、都道府県の保護施設担当課に届出内容を確認するか、情報公開請求を検討する3. 規程と実際の運用を突き合わせ、ずれがあれば施設の苦情解決窓口(社会福祉法82条)に書面で申し出る4. 解決しなければ、運営適正化委員会(社会福祉法83条)や都道府県に相談し、規程の変更命令を検討するよう求める
訴えられた側:1. 事業開始前に、法定の6項目がすべて入っているか点検する。とくに作業の収益の処分方法を抜かさない2. 規程を変更したら、実際の運用を始める前に届け出る3. 変更命令を受けたら、指摘の根拠を担当課に確認し、従うか争うかを期限内に決める4. 争うなら審査請求や取消訴訟を検討する。ただし従わない状態が続くと、改善命令など上位の措置につながるリスクがある(生活保護法45条、現行効力を要確認)
時効(請求できる期限):規程の作成は「事業開始前」、知事への届出と変更届は「すみやかに」とされ、具体的な日数の定めはない。変更命令に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。利用者が損害賠償を請求する場合に本条固有の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法(昭和25年法律第144号)の制定時に、保護施設の管理規程の作成・届出・変更命令の規定として設けられた
- 生活保護法 第38条保護施設の五種類と目的を定義
- 生活保護法 第39条設備及び運営の基準、規程内容の物差し
- 生活保護法 第44条報告徴収・立入検査による運用確認
- 生活保護法 第45条改善命令・事業停止等の監督措置(現行効力を要確認)
- 生活保護法 第47条委託拒否禁止・差別禁止等の施設義務
- 社会福祉法 第82条社会福祉事業者の苦情解決責務
- 行政不服審査法 第18条変更命令に対する審査請求期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める