生活保護法 第72条(繰替支弁)
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- 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、政令の定めるところにより、その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内の保護施設、指定医療機関その他これらに準ずる施設で厚生労働大臣の指定するものにある被保護者につき他の都道府県又は市町村が支弁すべき保護費及び保護施設事務費を一時繰替支弁しなければならない。
- 2.都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、その長が第十九条第二項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費及び委託事務費を一時繰替支弁しなければならない。
- 3.町村は、その長が第十九条第六項の規定により行う保護に関する保護費、保護施設事務費及び委託事務費を一時繰替支弁しなければならない。
この条文の基本情報
繰替支弁とは何ですか?
定義繰替支弁とは、生活保護法第72条に定められた規定で、「都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、政令の定めるところにより、その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内の保護施設、指定医療機関その他これらに準ずる施設…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第72条(繰替支弁)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第72条の条文原文は「都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、政令の定めるところにより、その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内の保護施設、指定医療機関その他これらに準ずる施設…」で始まります。
- 生活保護法第72条は第十二章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第72条の前の条は生活保護法第71条です。
- 生活保護法第72条の次の条は生活保護法第73条です。
- 生活保護法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第72条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/72
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法72条は、保護施設等にいる被保護者や急迫時の現在地保護について、本来の負担者に代わり所在地の自治体が保護費を一時立て替える(繰替支弁)義務を定める。
Q · 旅先でお金が尽きたら、住民票のない市で生活保護を受けられる?
できる。急迫時は今いる市が保護し費用も立て替える
生活保護法19条2項により、急迫した状況にある人は現在地の福祉事務所が保護します。その費用は、本来負担すべき自治体が別にあっても、保護を行った自治体が一時繰替支弁(立替え)しなければなりません(72条2項)。費用の最終的な負担は70条以下の規定に従って自治体間で精算されるもので、困窮者本人に住民票のある市へ戻るよう求める根拠にはなりません。
解説
生活保護で「お金はどこの財布から出るのか」は、実は二段階で決まる。最終的に負担するのは本来の実施機関がある自治体と国(国が4分の3)だが、その場で現金を出すのは別の自治体であることが多い。72条はこの「立替え」を義務にした条文である。条文の言葉では「繰替支弁」(ほかの自治体が払うべきお金を、いったん自分の予算から立て替えて払うこと)という。たとえば旅先や引っ越し途中で急に動けなくなり、保護が必要になったとする。このとき保護するのは住民票のある市ではなく、今いる場所の福祉事務所である(19条2項)。保護費も今いる場所の自治体が立て替える(本条2項)。福祉事務所のない町村長が応急的に保護する場合も同じで、町村が立て替える(本条3項)。つまり「住民票がある市に行ってください」という窓口の対応は、急迫した場面では法の建付けと合わない。費用の精算は自治体どうしが後でやる話で、目の前の困窮者を待たせる理由にはならない。これを知っていれば、窓口での押し問答の中身が変わる。
法的な位置づけ
生活保護法72条は繰替支弁を定める規定であり、本来は他の都道府県または市町村が支弁すべき保護費、保護施設事務費および委託事務費を、被保護者の所在地等を所管する自治体が一時的に立て替えて支払う義務を規定する。支払いと最終負担を切り離すことで、保護の現場での即応性を確保する財政上の仕組みである。
よくある質問 AI による整理
Q1繰替支弁とは何ですか?
本来ほかの自治体が支払うべき費用を、いったん自分の予算から立て替えて支払うことです。生活保護法72条が自治体に義務として課しています。
Q2生活保護の費用は最終的に誰が負担しますか?
保護費は市町村や都道府県が支弁し、そのうち4分の3を国が負担します(75条)。立て替えた費用は本来の支弁者との間で精算されます。
Q3救護施設に入所したら、どこの福祉事務所が担当になりますか?
原則として入所前の居住地を所管する福祉事務所が担当します(19条3項)。施設所在地の自治体は保護費を一時立て替える立場です(72条1項)。
Q4福祉事務所のない町村で急に困窮したらどうなりますか?
特に急迫した事由があれば、町村長が応急的に必要な保護を行います(19条6項)。その費用は町村が一時繰替支弁します(72条3項)。
Q5指定医療機関に入院中の被保護者の医療費は誰が払いますか?
医療機関の所在地の自治体が、本来支弁すべき他の自治体に代わって一時的に立て替えます(72条1項)。最終負担は後で精算されます。
Q6立て替えた保護費はどうやって精算されますか?
政令の定めにより、立て替えた自治体が本来の支弁者に請求して精算します。具体的な手続や時期は施行令と各自治体の運用によります。
Q7住所不定でも生活保護は申請できますか?
できます。居住地がないか明らかでない人は、現在地を所管する福祉事務所が保護します(19条1項2号)。住民登録は保護の要件ではありません。
Q8生活保護の「移管」とは何ですか?
居住地の変更などで担当する実施機関が別の福祉事務所に替わることです。急迫状況にある間は、現在地の福祉事務所が保護を行います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1住民票が別の市にあって、今いる市で生活保護って申請できるんですか?
できる。実施機関は住民票ではなく居住地で決まり、居住地がないか明らかでない人は現在地の福祉事務所が保護する(19条1項2号)。居住地がはっきりしていても急迫状況なら現在地が保護し(同条2項)、費用は現在地の自治体が立て替える(72条2項)。実務のポイント:窓口で「移管」の話が出たら、急迫状況が終わるまでは現在地が保護する規定だということを先に確認させる。申請書を出したという記録を残すことが最優先である
Q2立て替えた市が損をするなら、本音では受けたくないのでは?
繰替支弁はあくまで一時的な立替えで、後で本来の負担者から精算される。都道府県・市・国の負担割合は70条から75条で決まっており、国が4分の3を負担する。実務のポイント:窓口が渋る本当の理由は、財政上の損よりも精算事務の手間とケース管理の負担であることが多い。それは法的に保護を拒む理由にならないので、感情的に言い争わず、審査請求(64条)という手続きがあることだけ静かに伝えれば足りる(最新の運用は各自治体に確認すること)
間違えやすい点 AI による整理
- 「生活保護は住民票のある市でしか受けられない」と思われているが、法律は住民票ではなく居住地と現在地で実施機関を決めている。住民登録は保護を受ける要件ではない。住所の定まらない人や急迫した状況の人は、現在地の福祉事務所が保護する(19条1項2号・2項)
- 窓口で押し問答になったとき、多くの人は「受けられるかどうか」で争っているつもりでいる。だが本当の争点は「どこの自治体が払うか」であることが多く、その答えは70条から73条の負担ルールと72条の立替え義務によって、すでに法律に書かれている。問いの立て方が違えば、交渉の相手も論点も変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 72条:他の自治体が支弁すべき保護費等の一時立替え義務 | 70条:市町村が支弁すべき保護費等の範囲 73条:居住地がないか明らかでない被保護者等について都道府県が負う負担 |
| 支払いの性質 | 一時的な立替え(後で精算する前提) | 市町村自身の支弁(本来の支払義務) 市町村が支弁した費用の一部を都道府県が負担する |
| 困窮者から見た意味 | 今いる場所で保護を受けられる財政上の裏付け | 保護を行う市町村の財政責任の所在 住所不定者を保護する市町村の財政負担を軽くする |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の社会救助は戸籍所在地主義が基本だが、流落外地で帰郷の交通費もない人には当地の主管機関が救助できる規定がある。日本のような自治体間の立替え精算の明文は置かれていない
ドイツは施設入所者について入所前の常居所地の社会扶助主体が費用を負い、施設所在地の主体が支出した場合は費用償還請求できる。日本の72条1項と構造がよく似ている
フランスは「救済住所(domicile de secours)」で費用を負担する県を決め、救済住所のない人の費用は国が負担する。所在地と負担者を切り離す発想は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 所持金が尽きた状態で、地元から離れた県で体調を崩して倒れた。駆け込んだ市役所で「住民票のある市で申請して」と言われたらどうなるか? 急迫した状況であれば、保護するのは現在地の福祉事務所である(19条2項)。お金は今いる自治体が立て替え、後で本来の負担者と精算する。帰りの交通費すらない人を送り返す理屈は、この条文の中にはない
- 隣の県の救護施設に親を入所させた家族が、担当するケースワーカーが施設所在地ではなく元の住所地の福祉事務所だと知って驚いた。入所前の居住地の実施機関が保護を担当し(19条3項)、施設の所在地側の自治体が一時的に保護費を立て替える場面が72条1項である。問い合わせ先を間違えると、話はいつまでも進まない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法(昭和25年法律第144号)の制定に伴い、費用の章に自治体間の繰替支弁の規定が置かれた。その後の項の構成の変遷は要確認
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