生活保護法 第70条(市町村の支弁)
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- 市町村は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。
- 一その長が第十九条第一項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する次に掲げる費用
- 一保護の実施に要する費用(以下「保護費」という。)
- 二第三十条第一項ただし書、第三十三条第二項又は第三十六条第二項の規定により被保護者を保護施設に入所させ、若しくは入所を委託し、又は保護施設を利用させ、若しくは保護施設にこれを委託する場合に、これに伴い必要な保護施設の事務費(以下「保護施設事務費」という。)
- 三第三十条第一項ただし書の規定により被保護者を日常生活支援住居施設若しくはその他の適当な施設に入所させ、若しくはその入所をこれらの施設に委託し、又は私人の家庭に養護を委託する場合に、これに伴い必要な事務費(以下「委託事務費」という。)
- 二その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者に対して、都道府県知事又は他の市町村長が第十九条第二項の規定により行う保護(同条第五項の規定により委託を受けて行う保護を含む。)に関する保護費、保護施設事務費及び委託事務費
- 三その長の管理に属する福祉事務所の所管区域内に居住地を有する者に対して、他の町村長が第十九条第六項の規定により行う保護に関する保護費、保護施設事務費及び委託事務費
- 四その設置する保護施設の設備に要する費用(以下「設備費」という。)
- 五その長が第五十五条の四第一項の規定により行う就労自立給付金の支給(同条第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)及び第五十五条の五第一項の規定により行う進学・就職準備給付金の支給(同条第二項において準用する第五十五条の四第三項の規定により委託を受けて行うものを含む。)に要する費用
- 六その長が第五十五条の七の規定により行う被保護者就労支援事業及び第五十五条の八の規定により行う被保護者健康管理支援事業の実施に要する費用
- 七その長が第五十五条の十の規定により行う子どもの進路選択支援事業、被保護者就労準備支援事業、被保護者家計改善支援事業及び被保護者地域居住支援事業の実施に要する費用
- 八この法律の施行に伴い必要なその人件費
- 九この法律の施行に伴い必要なその事務費(以下「行政事務費」という。)
この条文の基本情報
市町村の支弁とは何ですか?
定義市町村の支弁とは、生活保護法第70条に定められた規定で、「市町村は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第70条(市町村の支弁)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第70条の条文原文は「市町村は、次に掲げる費用を支弁しなければならない。」で始まります。
- 生活保護法第70条は第十二章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第70条の前の条は生活保護法第69条です。
- 生活保護法第70条の次の条は生活保護法第71条です。
- 生活保護法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法70条は、市町村が保護費・施設設備費・給付金・事業費・人件費・事務費を支弁すると定める。保護費の4分の3は国が負担する(75条)。
Q · 生活保護のお金って、結局市役所が全部払ってるの?
支払うのは市町村だが、保護費の4分の3は国が負担する
生活保護法70条により、保護の実施機関である市町村は、保護費、保護施設事務費、委託事務費、設備費、就労自立給付金などの給付費、就労支援等の事業費、人件費、行政事務費をいったん支払います(支弁)。ただし最終的な負担は別の条文で決まり、保護費等の4分の3は国が負担します(75条)。支払い元の財政事情は、保護の要件(4条)の判断とは関係がありません。
解説
生活保護の窓口で職員が渋い顔をすると、多くの人は「市のお金が減るのが嫌なのだろう」と受け取る。半分は当たっていて、半分は外れている。本条は、保護費、保護施設の設備費、就労自立給付金、進学・就職準備給付金、就労支援や家計改善支援の事業費、担当職員の人件費と事務費まで、実施機関である市町村がいったん全額を支払うこと(支弁)を定めている。ただし最終的に誰が負担するかは別の条文で決まる。保護費の4分の3は国が負担し(75条)、市町村に残る4分の1も地方交付税の算定に組み込まれている。つまり「窓口の財布」と「最後に負担する財布」は別物である。この構造を知っていれば、「うちの市は財政が苦しいから」という説明は申請を断る法的な理由にならないと分かる。保護を受ける権利は申請で始まり(7条)、支払い元の事情で左右されるものではない。
法的な位置づけ
生活保護法第70条は、保護の実施機関である市町村が支払うべき費用の範囲を定める規定である。対象は保護費、保護施設事務費、委託事務費、設備費、就労自立給付金等の給付費、被保護者就労支援事業等の事業費、人件費および行政事務費であり、ここでいう支弁は最終的な費用負担とは区別される。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護費の支弁とは何ですか?
支弁とは、費用をいったん支払う義務のことです。生活保護法70条は市町村に支弁を義務づけていますが、最終的に誰が負担するかは73条・75条で別に定められています。
Q2生活保護費の国と市町村の負担割合は?
保護費等の4分の3を国が負担し(75条)、残り4分の1を市町村または都道府県が負担します。市町村の負担分も地方交付税の算定に反映されます。
Q3生活保護の事務費や人件費は誰が払う?
ケースワーカーなどの人件費と行政事務費も、生活保護法70条により実施機関である市町村が支弁します。福祉事務所の運営費用は保護費とは別枠です。
Q4就労自立給付金は誰が支払う?
市町村長が支給する就労自立給付金は、生活保護法70条に基づき市町村が支弁します。保護から脱却した人の再受給を防ぐための給付です。
Q5市の財政難を理由に生活保護を断られることはある?
法律上、財政事情は申請を却下する理由になりません。保護は要件(4条)を満たすかで判断され、費用を誰が支払うか(70条)とは別の問題です。
Q6福祉事務所のない町村の生活保護は誰が払う?
福祉事務所を設置しない町村の区域では都道府県知事が保護を行い、その費用は都道府県が支弁します(71条)。70条の市町村支弁とは区分が異なります。
Q7保護施設の建設費は誰が負担する?
市町村が設置する保護施設の設備費は、生活保護法70条により市町村が支弁します。国の補助の仕組みは別の条文で定められています。
Q8住所不定の人の生活保護費はどこが負担?
現在地の実施機関が保護して費用を支払い、居住地がないか明らかでない人の保護費については、市町村負担分を都道府県が負担する仕組みがあります(73条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1生活保護って、結局誰の税金で払われてるんですか?
支払いの窓口は市町村(本条)ですが、保護費の4分の3は国が負担し(生活保護法75条)、居住地がない人の分などは都道府県が負担します(73条)。市町村に残る部分も地方交付税の算定に組み込まれています。実務のポイント:自治体職員の間では「交付税で措置されていても一般財源の持ち出し感はある」という本音があり、それが窓口の渋さにつながりやすい。ただし法的な理由にはならない
Q2住民票がない市で申請しても、断られませんか?
断る理由にはなりません。居住地がない、または明らかでない人は、今いる場所の実施機関が保護を行います(19条1項2号)。その費用は本条で市がいったん支払い、最終的には都道府県の負担に回る仕組みです(73条)。実務のポイント:支援団体が申請に同行するとき、最初に「現在地保護ですよね」と一言添えることが多い。それだけで窓口の説明が変わることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「生活保護は全額市の税金で出ているから、市が嫌がるのは当然」と思われがちだが、本条が定めるのは市町村がいったん支払う「支弁」であり、最終的な負担ではない。保護費の4分の3は国庫負担(75条)で、残りも地方交付税で手当てされる構造になっている
- 申請を渋られた経験があると「制度上、市には断る裁量がある」と考えてしまう。問いの立て方が誤っている。費用を誰が支払うかと、保護を受ける要件を満たすかは、条文上まったく別の問題である。要件(4条)を満たせば、支払う市の財政事情は判断材料に入らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 支払う(支弁する)主体 | 70条:市町村(その長が行う保護等) | 71条:都道府県(知事が行う保護等) 75条:国は支弁せず、支弁された費用を負担する |
| 条文の性格 | 支弁=窓口として支払う義務 | 支弁=都道府県が支払う義務 負担=最終的なお金の出し手 |
| 主な対象費用 | 保護費・設備費・給付金・事業費・人件費・行政事務費 | 都道府県知事が行う保護の費用・設備費等 市町村・都道府県が支弁した保護費等の4分の3 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の低所得世帯への生活扶助は地方主管機関が支給し、財源は中央と地方の予算で分担される。窓口と財源が分離している点は日本と共通する
韓国も国・広域自治体・基礎自治体の間で給付費用の負担区分を法定し、国の負担比率を高く設定している
ドイツの社会扶助は地方の実施主体が支給し、高齢者・障害者の基礎保障については連邦が費用を償還する仕組みがある
米国は連邦がブロック補助金を州に交付し、州が制度を運営する。給付の設計裁量が州に大きく委ねられる点で日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家族が隣の市の救護施設や特別養護老人ホームに入ることになった。保護費の支払いが施設のある市に移るのか、元の市に残るのか分からず、担当ケースワーカーが誰なのかも混乱している。施設入所前の居住地の実施機関が引き続き担当する(19条3項)ため、窓口は元の市のままである
- 住所を失って別の市のネットカフェで倒れたらどうなる? 居住地がない、または明らかでない人は、現在地の実施機関が保護する(19条1項2号)。費用の最終負担は都道府県に回る仕組みがあり(73条)、「住民票がない人はうちでは受けられない」という説明は法律上成り立たない
学説
通説:70条の「支弁」は費用の現実の支払い義務を定めるものであり、最終的な費用負担は73条・75条等で別途配分される。支弁主体の財政状況は保護の要否判定に影響しないと解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:旧生活保護法を廃止して現行生活保護法を制定。市町村の費用支弁に関する規定を設ける
- 2.平成25年(2013年) 改正:就労自立給付金の創設に伴い、その支給費用が市町村の支弁対象に加わる
- 3.平成30年(2018年) 改正:進学準備給付金の創設および被保護者健康管理支援事業の新設に伴い、支弁対象の費用が拡大
- 生活保護法 第19条実施機関と居住地・現在地の区分
- 生活保護法 第71条都道府県が支弁する費用
- 生活保護法 第73条都道府県による費用負担
- 生活保護法 第75条国による保護費の4分の3負担
- 生活保護法 第7条申請保護の原則、財源と切り離された権利
- 社会福祉法 第14条福祉事務所の設置義務(現行効力を要確認)
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