生活保護法 第78条の2
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- 保護の実施機関は、被保護者が、保護金品(金銭給付によつて行うものに限る。)の交付を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該保護金品の一部を、第七十七条の二第一項又は前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出た場合において、保護の実施機関が当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して保護金品を交付する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。
- 2.第五十五条の四第一項の規定により就労自立給付金を支給する者は、被保護者が、就労自立給付金の支給を受ける前に、厚生労働省令で定めるところにより、当該就労自立給付金の額の全部又は一部を、第七十七条の二第一項又は前条第一項の規定により保護費を支弁した都道府県又は市町村の長が徴収することができる徴収金の納入に充てる旨を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該被保護者に対して就労自立給付金を支給する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができる。
- 3.前二項の規定により第七十七条の二第一項又は前条第一項の規定による徴収金が徴収されたときは、当該被保護者に対して当該保護金品(第一項の申出に係る部分に限る。)の交付又は当該就労自立給付金(前項の申出に係る部分に限る。)の支給があつたものとみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第78条の2は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第78条の2の条文原文は「保護の実施機関は、被保護者が、保護金品(金銭給付によつて行うものに限る。」で始まります。
- 生活保護法第78条の2は第十二章に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第78条の2の前の条は生活保護法第78条です。
- 生活保護法第78条の2の次の条は生活保護法第79条です。
- 生活保護法第78条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第78条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第78条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/78_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法78条の2は、受給者本人の申出があり、生活の維持に支障がないと実施機関が認めた場合に限り、保護費から不正受給等の徴収金を差し引けると定める。
Q · 不正受給の返金分は、役所が保護費から勝手に天引きできるの?
いいえ。本人の申出と生活に支障がない判断が必要です
生活保護法78条の2により、保護費からの徴収金の天引きは、被保護者本人が交付前に申し出て、保護の実施機関が生活の維持に支障がないと認めた場合に限られます。対象は78条(不正受給)と77条の2の徴収金で、金銭給付の保護金品に限られます。保護金品は58条で差押えが禁じられているため、本人の申出なしに相殺する根拠は本条にはありません。差し引かれた分は交付済みとみなされます(3項)。
解説
保護費は、役所でさえ差し押さえられない。生活保護法58条がそう定めているからだ。では、不正受給などで役所に返すべき徴収金が発生したとき、役所はどうやって回収するのか。その答えが本条である。受給者本人が「毎月の保護費の一部を徴収金の返済に回してほしい」と申し出た場合に限り、実施機関は生活の維持に支障がないかを判断したうえで、保護費を渡す際にその分を差し引くことができる。天引きの起点はあなたの意思であり、役所が一方的に決めるものではない。対象は78条の不正受給徴収金と77条の2の徴収金に限られ、しかも金銭で支給される分だけだ。差し引かれた分は「受け取ったもの」とみなされる(3項)。窓口で申出書を差し出されたとき、金額を自分の生活実態から組み立てる余地があると知っているかどうかで、翌月からの食卓が変わる。
法的な位置づけ
生活保護法第78条の2は、保護金品による徴収金の納入充当を定める規定である。被保護者の事前の申出と、保護の実施機関による生活維持への支障の有無の判断を要件として、金銭給付の保護金品から77条の2第1項または78条第1項の徴収金を差し引くことを認める。就労自立給付金も申出により充当でき、徴収分は交付・支給があったものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書で根拠条文と金額を確認する 徴収決定通知書を読み、根拠が63条・77条の2・78条のどれか、金額の算定根拠、78条の場合の加算の有無を確認する。本条の天引き対象は77条の2と78条の徴収金に限られる
- 2.決定そのものを争うかを判断する 故意の有無や63条との区別に疑問があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求を行う。法テラスや生活保護支援団体に早めに相談する
- 3.家計の支出内訳を整理する 食費・光熱費・通信費・医療関連費など毎月の支出を書き出し、保護費から無理なく充当できる上限額を自分で算出する。これが実施機関の支障判断の材料になる
- 4.申出書を持ち帰り、月額を記入して提出する 窓口で署名を急かされても一度持ち帰り、家計の内訳を添えて自分が算出した月額で申し出る。提出書類の写しは必ず手元に残す
- 5.天引き開始後、生活が回らなければ見直しを求める 天引き開始後に生活維持が困難になった場合は、家計の記録を添えて月額の見直しを書面で実施機関に求める
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護の徴収金とは何ですか?
不正受給(78条)や急迫時の資力ある受給(77条の2)により、役所が受給者から取り戻す金銭です。国税徴収の例により徴収できる強い債権とされています。
Q2生活保護費の天引きは違法?
本人の申出があり、実施機関が生活に支障がないと認めた場合の天引きは78条の2に基づく適法な手続です。申出なしの一方的な天引きの根拠は本条にはありません。
Q3不正受給の返還は分割できる?
一括で払えない場合、78条の2の申出により毎月の保護費から少しずつ充当する方法があります。月額は本人の申出額をもとに実施機関が支障の有無を判断します。
Q4生活保護の不正受給徴収金は自己破産で消える?
消えません。78条の徴収金は国税徴収の例により徴収できる債権で、破産法253条1項1号の非免責債権に当たるため、破産後も返済義務が残ります。
Q563条の返還金も保護費から天引きできる?
本条の対象は77条の2と78条の徴収金に限られます。77条の2に当たらない通常の63条返還金は本条の天引き対象ではなく、根拠条文の確認が先決です。
Q6就労自立給付金は返済に充てられる?
本人が支給前に申し出れば、全部または一部を徴収金に充てられます(2項)。1項と異なり生活維持の支障判断が書かれていないため、新生活の資金計画を先に立てることが重要です。
Q7生活保護の徴収金の時効はいつまで?
実務上は地方自治法236条により5年とする扱いが一般的です。時効の起算点や中断の扱いは個別事情で変わるため、専門家への確認をおすすめします。
Q8徴収決定に納得できないときはどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求できます(生活保護法64条、行政不服審査法18条)。天引きの申出はその判断の後でも出せます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1申出書にサインしないと、保護を止められるって本当ですか?
本条は本人の申出を天引きの要件としており、申出をしないこと自体を理由に保護を停止・廃止する根拠は本条にはない。ただし債務は残り、78条4項により国税徴収の例で徴収されうる。保護金品は58条で差押えが禁じられているが、それ以外の財産は対象になりうる。実務のポイント:保護費が振り込まれた後の預金口座を差し押さえられるかは、裁判例でも判断が分かれている。口座に残高を溜め込む前に相談しておくとよい
Q2毎月いくらまで引かれるんですか?上限ってあるんですか?
法律に固定の上限額はない。本人の申出額について、実施機関が「生活の維持に支障がない」と認めた範囲で決まる(本条1項)。具体的な運用は厚生労働省の通知と各自治体の判断に委ねられている部分がある。実務のポイント:申出額は本来、本人が書く欄である。ケースワーカーが示す額は提案にすぎない。食費や光熱費の内訳を添えて低めの額で申し出れば、それが「支障の有無」を判断する材料そのものになる
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所は不正受給分を保護費から自動的に天引きできる」と思われがちだが、本条の天引きは本人の申出が前提である。保護金品は58条で差押えが禁じられており、申出なしに保護費と徴収金を相殺する根拠は本条にはない
- 申出書へのサインは事務手続のひとつに見えるが、その重さを知る人は少ない。3項により、差し引かれた分は交付済みとみなされ、後から「受け取っていない」と主張する道は消える。しかも78条の徴収金は国税徴収の例により徴収できる債権であり、自己破産しても免責されない(破産法253条1項1号)。一度始めた天引きは、長期にわたって付き合う返済計画になる
- 「毎月いくら引かれるのか」と悩む前に、問うべきことがある。そもそも決定の根拠が63条の返還金なのか、78条の不正受給徴収金なのかである。77条の2に当たらない通常の63条返還金は本条の天引き対象ではなく、加算の有無も破産時の扱いも異なる。根拠条文の違いが、交渉の土台そのものを変える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の機能 | 78条の2:徴収金を保護費・就労自立給付金から差し引く回収手続 | 63条:資力がありながら保護を受けた場合の費用返還義務 78条:不正受給の費用徴収(最大40%の加算あり) |
| 本条の天引き対象か | 手続そのもの(本人の申出が前提) | 77条の2に当たらない通常の返還金は対象外 対象 |
| 徴収の強さ | 本人同意に基づく充当、差し引き分は交付済みとみなす | 77条の2に当たらない場合は国税徴収の例によらない 国税徴収の例により徴収可能(78条4項) |
| 受給者側の確認ポイント | 申出額と生活維持への支障の有無 | 資力の発生時期と返還額の算定 「不実の申請その他不正な手段」に当たるか(故意の有無) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも不正受領した救助費は主管機関が書面で返還を命じる仕組みがある。日本のような本人申出による給付からの充当の明文規定があるかは要確認
韓国は不正受給者からの費用徴収と返還命令を定める。給付からの差し引きを本人申出に係らせる日本型の構造とは異なる可能性がある
ドイツは返還請求権と給付との相殺(Aufrechnung)を行政が一方的に行える制度で、上限は基準需要の一定割合に限定される。本人申出を要件とする日本とは対照的
米国SSIでは過払い分を給付の調整で回収する仕組みがあり、受給者は免除(waiver)や回収率の変更を求めることができる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アルバイト収入の申告漏れが発覚し、78条の徴収金として約30万円の決定通知が届いた。ケースワーカーは「毎月の保護費から返す申出書にサインを」と用紙を差し出してくる。月にいくら引かれるかは、あなたがその用紙に書く数字と、実施機関の「生活に支障がないか」の判断で決まる。言われた額をそのまま書く必要はない
- 就職が決まり、保護の廃止が近い。就労自立給付金が出ると聞いたが、未納の徴収金が残っている。給付金を丸ごと返済に充てる申出をすべきだろうか? 申出をすれば、その分の給付金は受け取ったものとみなされ、手元には一円も残らない。新生活の敷金や通勤定期代をどこから出すのか、先に計算しておく必要がある
- 徴収決定の通知書を受け取ってから、もう2か月半が過ぎた。審査請求の期限は、知った日の翌日から3か月。申出書にサインする前に、決定そのものを争うかどうかを今週中に決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書で徴収の根拠条文(63条、77条の2、78条のどれか)と金額の算定根拠を確認する2. 天引きの申出は任意であり、その場で署名を急かされても持ち帰ってよい3. 天引きが始まった後に生活が回らなくなったら、家計の記録を添えて月額の見直しを書面で求める4. 徴収決定そのものに納得できない場合は、知った日の翌日から3か月以内に都道府県知事へ審査請求する(生活保護法64条)。法テラスや地域の生活保護支援団体に早めに相談する
訴えられた側:1. 収入の申告漏れを指摘されたら、故意ではなかった事情(申告方法の説明を受けていなかった等)を記録とともに説明する。78条は「不実の申請その他不正な手段」が要件であり、単なる過誤なら63条の返還にとどまる余地がある2. 78条で決定された場合、加算により本来の額の最大1.4倍になりうることを確認する3. 一括で払えないなら、本条の申出で無理のない月額を提案する4. 悪質とみなされれば告発(85条)の可能性もあるため、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。ただし前提となる徴収決定は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)であり、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は審査請求の裁決を経た後に提起する(生活保護法69条)。徴収金の消滅時効は、実務上は地方自治法236条の5年とする扱いが一般的である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正、平成26年(2014年)7月施行 生活保護法の一部を改正する法律により新設。不正受給対策の強化(78条の徴収額加算)と就労自立給付金の創設にあわせ、本人の申出による保護金品・就労自立給付金からの徴収金充当の仕組みを設けた
- 平成30年(2018年)改正 急迫の場合等に資力があるのに保護を受けたときの返還金を徴収金とする77条の2の新設にあわせ、同条の徴収金も本条による充当の対象に加えた
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:生活保護法の一部を改正する法律により新設、平成26年(2014年)7月施行。78条の徴収額加算と就労自立給付金の創設にあわせ、本人の申出による保護金品・就労自立給付金からの徴収金充当の仕組みを設けた
- 2.平成30年(2018年) 改正:急迫の場合等に資力があるのに保護を受けたときの返還金を徴収金とする77条の2の新設にあわせ、同条の徴収金も本条による充当の対象に加えた
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