国籍法 第5条
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- 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
- 一引き続き五年以上日本に住所を有すること。
- 二十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
- 三素行が善良であること。
- 四自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
- 五国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
- 六日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
- 2.法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国籍法第5条は、日本の国籍法に含まれる条文です。
- 国籍法第5条の条文原文は「法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。」で始まります。
- 国籍法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 国籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国籍法第5条の前の条は国籍法第4条です。
- 国籍法第5条の次の条は国籍法第6条です。
- 国籍法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000147 - 本サイト収録
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000147/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国籍法5条は帰化の最低条件として、五年以上の住所、十八歳以上、素行善良、生計能力、重国籍防止、反憲法的活動歴なしを定める。満たしても許可は法務大臣の裁量。
Q · 国籍法5条の条件を全部満たせば、必ず帰化できるの?
必ずではない。条件は最低ラインで、最終判断は法務大臣の裁量
国籍法第5条1項は「次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない」と定めており、六つの条件は許可の必要条件にすぎません。条件をすべて満たしても、許可するかどうかは法務大臣の裁量で決まります。不許可の理由は、行政手続法3条1項10号により原則として示されず、行政不服審査法7条1項10号により審査請求もできません。実務上は、原因を整理したうえで再申請するのが現実的な選択肢です。
解説
日本国籍の入口に立つ条件は、たった六行しかない。五年の住所、十八歳以上、素行、生計、元の国籍を失うこと、暴力的破壊活動に関わっていないこと。ただし条文の主語は「法務大臣は…許可することができない」である。六つの条件は、満たせば必ず許可される権利ではない。満たさなければ許可できない最低ラインにすぎない。条件をすべて満たしても、最後は法務大臣の広い裁量で決まる。不許可になっても、理由は原則として示されない。行政手続法3条1項10号が、帰化に関する処分を理由提示義務の対象から外しているからだ。書類を揃えれば通る試験だと思って準備する人と、審査官が何を見ているかを知って準備する人では、同じ書類を出しても結果が違ってくる。審査官が見ているのは、納税、年金、交通違反、出国日数の記録、つまり五年分の生活の履歴である
法的な位置づけ
国籍法第5条は普通帰化の条件を定める規定であり、住所要件、能力要件、素行要件、生計要件、重国籍防止要件、憲法遵守要件の六つを、法務大臣が帰化を許可するための最低条件として列挙する。同条2項は、本人の意思にかかわらず本国の国籍を失えない者について、日本国民との親族関係または境遇に特別の事情がある場合、重国籍防止要件を欠いても許可できる特例を置く。
手順
- 1.自分の五年分の記録を洗い出す 申請の1〜2年前から、出入国記録、住民税・所得税の納付、年金・健康保険料の納付、交通違反歴を確認し、未納があれば完納して領収書を保管する
- 2.法務局で事前相談を受ける 住所地を管轄する法務局・地方法務局の国籍担当に予約し、家族構成や経歴に応じた必要書類のリストを受け取る
- 3.日本側と本国側の書類を揃える 住民票、課税・納税証明書、在勤証明書などの日本側書類と、本国の国籍証明書・出生証明書などを取得し、外国語書類には日本語訳を付ける。本国書類は取得に時間がかかるため早めに手配する
- 4.本人出頭で申請し面接を受ける 帰化許可申請書、履歴書、動機書、生計の概要などを作成し、本人が出頭して提出する。後日の面接では経歴や生活状況を聞かれる。申請中に転職や転居があれば速やかに担当官へ報告する
- 5.許可の官報告示後に帰化届を出す 許可されると官報に告示され、告示の日に効力が生じる(国籍法10条)。告示の日から1か月以内に市区町村へ帰化の届出をする(戸籍法102条の2)
よくある質問 AI による整理
Q1帰化とは何ですか?
外国人が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度です(国籍法4条)。普通帰化の条件は国籍法5条が定めています。
Q2帰化申請の必要書類は?
帰化許可申請書、履歴書、動機書、生計の概要、住民票、本国の国籍証明書・身分関係証明書、納税証明書などです。個別事情で異なるため法務局で事前相談します。
Q3帰化申請はどこでする?
住所地を管轄する法務局または地方法務局の国籍担当窓口です。事前相談は予約制の局が多く、申請は原則として本人が出頭して行います。
Q4帰化申請に手数料はかかる?
法務局への帰化申請そのものに手数料はかかりません。本国書類の取得・翻訳費用や、行政書士に依頼する場合の報酬は別途必要です。
Q5帰化 年収はいくら必要?
条文に金額基準はありません。4号は本人または生計を一にする配偶者・親族の資産や技能で生計を営めることを求め、世帯単位で安定性が見られます。
Q6帰化 交通違反があるとダメ?
即不許可ではありませんが、素行要件(3号)の審査で違反歴は確認されるとされます。件数や時期によっては、一定期間を空けてから申請する判断もあります。
Q7帰化 出国日数は何日まで大丈夫?
条文に日数の上限はなく「引き続き五年以上日本に住所」が基準です。長期出国は継続性を疑われる材料になるため、具体的な目安は法務局で確認します。
Q8帰化申請は何歳からできる?
5条の条件は十八歳以上で本国法上の行為能力があることです(2022年4月から)。十八歳未満は父母と同時申請など8条の緩和が問題になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1条件を全部満たしてるのに、帰化が不許可になることってあるんですか?
ある。5条は「条件を備えなければ許可できない」と定めているだけで、備えれば許可しなければならないとは書いていない。最後は法務大臣の裁量で決まる。実務のポイント:行政手続法3条1項10号で理由提示義務が外れているため、不許可理由は原則として開示されない。法務局の相談窓口で「次に向けて何を補強すべきか」と聞き方を変えると、ヒントが得られることがある
Q2日本人と結婚してても5年住まないとダメですか?
ダメではない。日本国民の配偶者は7条の簡易帰化の対象で、日本に3年以上住所または居所がある場合、あるいは婚姻から3年経ち1年以上日本に住所がある場合は、5条1項1号・2号の条件が不要になる。実務のポイント:素行・生計・重国籍防止の条件は緩和されない。婚姻年数だけで安心せず、納税と年金の記録は同じように整えておく
Q3帰化したら元の国籍はどうなるの?二重国籍のままでいられますか?
原則として、帰化によって元の国籍を失うことが条件である(5条1項5号)。本国が離脱を認めず本人の意思で失えない場合に限り、2項の特例で許可されうる。実務のポイント:本国によっては離脱手続に長い時間がかかる。実務上は、許可後に元の国籍の離脱手続を求められる流れになることが多い。本国側の手続期間を先に調べておくと、全体の予定が立てやすい
Q4帰化申請中に転職しても大丈夫ですか?
転職そのものが即不許可になるわけではない。ただし4号の生計要件は申請中も審査されている。転職や収入の変化は、担当官に速やかに報告すべきである。実務のポイント:実務上、報告しないまま面談で転職が判明すると、申告の信頼性そのものが疑われやすい。変化はこちらから先に伝える方が、審査上ずっと有利に働く
間違えやすい点 AI による整理
- 六つの条件を全部満たせば帰化できる、と考えるのは誤りである。条文は「備える外国人でなければ…許可することができない」と書いている。条件は必要条件にすぎず、十分条件ではない。条件を満たしても、最終判断は法務大臣の裁量に委ねられている
- 「素行が善良」は前科がなければ大丈夫、という理解は浅い。実務上の審査は、刑事罰だけでなく、税金・年金・社会保険料の納付状況、交通違反歴まで見ると言われる。前科ゼロでも、年金の未納期間がそのまま残っていれば、それが重く見られることがある
- 帰化申請で不許可になったら審査請求で争えばいい、という前提がそもそも成り立たない。行政不服審査法7条1項10号は、帰化に関する処分を審査請求の対象から外している。残る道は取消訴訟だが、裁量の幅が広く勝つのは極めて難しい。実務上の現実的な選択肢は、原因を潰したうえでの再申請である
- 申請者から見れば「5年住んだ」だが、法律から見れば「5年間、住所が途切れず続いた」かどうかが問題になる。住民票を置き続けていても、生活の本拠が海外に移っていた期間があれば、継続性を否定されうる。この認識の落差が、書類をすべて揃えた人を不許可に追い込む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 国籍法5条:外国人一般(普通帰化) | 国籍法6条:元日本国民の子、日本生まれの者、10年以上居所を有する者など 国籍法7条:日本国民の配偶者 |
| 住所要件(1号) | 引き続き五年以上日本に住所 | 1号を免除。引き続き三年以上の住所・居所などで足りる 1号を免除。三年以上の住所・居所、または婚姻三年経過で一年以上の住所 |
| 年齢・能力要件(2号) | 十八歳以上で本国法上の行為能力 | 免除されない 免除される |
| 素行・生計・重国籍防止・憲法遵守 | すべて必要(5号は2項の特例あり) | すべて必要 すべて必要 |
他国ではどう定めているか 5 か国
合法居留が継続五年以上で毎年183日以上などの居留要件に加え、品行、財産・技能、基本的な言語能力と国民の権利義務に関する常識を求める。原国籍の喪失を原則求める点は日本と近い
一般帰化に五年以上の居住、品行端正、生計維持能力、国語能力と基本素養などを求める。法務部長官の許可制で、日本と同じく裁量性が強い
要件を満たせば帰化を求める権利が生じる「請求権帰化」。2024年の改正で居住要件が五年に短縮され、重国籍も原則容認された。裁量型の日本とは設計思想が対照的
帰化はデクレ(政令)による裁量的付与で、原則五年の居住を要する。裁量型である点は日本に近いが、重国籍は容認される
永住権取得後五年の継続居住、物理的滞在、善良な品性などを要件とする。要件を満たせば帰化が認められる構造で、不許可には理由が示され不服申立ての手続がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 来日7年目のエンジニアが帰化申請を考え始めた。ところが直近5年の間に、海外出張で1回3か月以上日本を離れた年がある。「引き続き五年以上」の「引き続き」が切れていないか。実務上、長期の出国は住所の継続性を疑われる材料になる(運用の詳細は法務局に要確認)
- もし申請の半年前に、住民税を1期分だけ払い忘れていたことに気付いたら、どうなる? 素行要件(3号)の審査では納税状況を見られる。気付いた時点ですぐ納付し、領収書を保管しておくこと。黙って出すより、説明できる状態にしておく方が強い
- 日本人と結婚して3年、日本に住んで1年半の配偶者。5条の「五年」を待つ必要はない。7条の簡易帰化なら、住所5年と年齢の条件が緩和される。5条だけを読んで「あと3年半待つしかない」と諦めていた
- 本国が国籍離脱を認めていない。5号の「日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと」は満たせない。だが2項には、本人の意思で国籍を失えない場合の特例がある。日本国民との親族関係や境遇に特別の事情があれば、5号の条件がなくても許可されうる
- 会社の人事担当として、外国籍社員から「帰化申請に在職証明と源泉徴収票が要る」と頼まれた。提出期限は法務局の面談まであと10日。書類が遅れると審査全体が止まる。社員の帰化は、会社側の書類の出し方にも左右される
取るべき行動
被害を受けた側:帰化が不許可になった場合:1. 行政不服審査法上の審査請求はできない。争うなら取消訴訟だが、裁量が広く勝ち目は低い2. 担当の法務局に、次の申請に向けて何を整えるべきかを相談する(不許可理由は開示されないのが原則) 3. 納税・年金・交通違反・出国日数を自分で洗い直し、疑われそうな点を潰す4. 期間を置いて再申請する。再申請の回数に法律上の制限はない
訴えられた側:素行や生計を疑われそうな事情がある申請者の場合:1. 未納の税金や年金は申請前に完納し、領収書を揃えておく2. 交通違反や過去の処分は隠さず、申告書類に正直に書く。虚偽の申告が発覚すれば致命的になる3. 収入が不安定なら、生計を一にする配偶者や親族の資産・収入で4号を満たせないか検討する4. 書類作成は行政書士に依頼できる。ただし面談には本人が出る
時効(請求できる期限):帰化申請そのものに期限はない。不許可処分の取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内、処分の日から1年以内(行政事件訴訟法14条)。帰化許可が官報に告示されたら、告示の日から1か月以内に市区町村へ帰化の届出をする(戸籍法102条の2)
学説
通説:5条の六条件は帰化許可の消極的要件(最低条件)であり、条件を満たしても許可義務は生じない。帰化の許否は国家の構成員を決める主権的判断として、法務大臣の広範な裁量に属すると解されている
改正沿革 AI による整理
- 昭和59年(1984年)改正(昭和60年施行) 国籍法の一部改正で父母両系血統主義を採用。帰化条件も見直され、生計要件に配偶者その他の親族を明記し、本人の意思で国籍を失えない場合の特例(2項)が整備されたとされる(条文番号と改正の範囲は人的検証が必要)
- 平成30年(2018年)改正(令和4年(2022年)4月1日施行) 成年年齢引下げに伴い、2号の「二十歳以上で本国法によつて能力を有すること」を「十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること」に改めた
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:日本国憲法10条を受けて現行国籍法を制定し、明治32年の旧国籍法を廃止。普通帰化の条件を5条に置いた
- 2.昭和59年(1984年) 改正:国籍法の一部改正(昭和60年1月1日施行)で父母両系血統主義を採用。帰化条件も見直され、生計要件の親族範囲や2項の特例が整備されたとされる
- 3.平成30年(2018年) 改正:民法の成年年齢引下げに伴い、2号の年齢要件を「二十歳以上」から「十八歳以上で本国法によつて行為能力を有すること」に改めた(令和4年4月1日施行)
- 国籍法 第4条帰化は法務大臣の許可による
- 国籍法 第6条特定の外国人の住所要件の緩和
- 国籍法 第7条日本国民の配偶者の簡易帰化
- 国籍法 第9条特別な功労者の大帰化
- 国籍法 第10条帰化許可の官報告示と効力発生
- 行政手続法 第3条帰化処分を理由提示等の適用から除外
- 法の適用に関する通則法 第4条行為能力は本国法による(2号の基準)
- 民法 第4条成年年齢18歳、2号の年齢と連動
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