国籍法 第9条
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日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第五条第一項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国籍法第9条は、日本の国籍法に含まれる条文です。
- 国籍法第9条の条文原文は「日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第五条第一項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。」で始まります。
- 国籍法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 国籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国籍法第9条の前の条は国籍法第8条です。
- 国籍法第9条の次の条は国籍法第10条です。
- 国籍法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000147 - 本サイト収録
国籍法(昭和二十五年法律第百四十七号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000147/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国籍法9条は、日本に特別の功労のある外国人について、法務大臣が国会の承認を得て、5条1項の帰化条件にかかわらず帰化を許可できると定める規定である。
Q · 日本に大きな功績があれば、大帰化を自分から申請できるの?
法令上、本人が申し立てる手続はありません
国籍法9条は、日本に特別の功労のある外国人について、法務大臣が国会の承認を得て、5条1項の帰化条件(居住年数・年齢・素行・生計・重国籍防止など)にかかわらず帰化を許可できると定めています。ただし「許可することができる」という裁量規定であり、本人が大帰化を申し立てる手続は法令にも施行規則にも定められていません。現行法下での適用例も公表範囲では確認されていないため、現実的には5条の普通帰化や8条の簡易帰化の要件を確認するのが先決です。
解説
国籍法には、居住年数・年齢・素行・生計・二重国籍の防止といった帰化の条件(5条1項)を一括して外せる条文がある。それが9条、いわゆる「大帰化」である。条件は「日本に特別の功労のある外国人」であることと、国会の承認を得ることの二つだけだ。ただし現行の国籍法の下で、この条文が実際に使われた例は公表されている範囲では確認されていない。日本文学研究者のドナルド・キーン氏も、通常の帰化手続で日本国籍を取得したと報じられている。ここから分かるのは、日本国籍は「功績への褒美」として与える仕組みになっておらず、事務の審査を通るのが基本だということである。帰化を考えているなら、見るべきなのは9条ではなく5条と8条だ。さらに帰化が認められなかったとき、理由を示してもらう権利も、行政不服審査法の審査請求(役所に処分を見直させる手続)も使えない。この仕組みを先に知っている人だけが、準備の段階で書類を固める
法的な位置づけ
国籍法9条は、日本に特別の功労のある外国人について、法務大臣が国会の承認を得たうえで、同法5条1項に定める居住・能力・素行・生計・重国籍防止等の帰化条件を満たさなくても帰化を許可できるとする特例規定であり、講学上「大帰化」と呼ばれる。許可の判断は法務大臣の裁量に属する。
よくある質問 AI による整理
Q1大帰化とは何ですか?
国籍法9条に基づき、日本に特別の功労のある外国人を、国会の承認を得て通常の帰化条件なしに帰化させる制度の通称です。
Q2大帰化が適用された例はありますか?
現行の国籍法の下で9条が適用された例は、公表されている範囲では確認されていません。著名な功労者も通常の帰化手続で国籍を取得したと報じられています。
Q3特別の功労とはどの程度の功績ですか?
法令に具体的な基準はありません。国会の承認を要することから、国家レベルの顕著な貢献が想定され、社内実績や地域貢献だけで該当するとは考えにくいです。
Q4大帰化でも法務大臣の許可は必要ですか?
必要です。9条は「法務大臣は…帰化を許可することができる」と定めており、国会の承認に加えて法務大臣の許可(4条2項)が前提となります。
Q5大帰化で免除される条件は何ですか?
5条1項の条件全体です。引き続き5年以上の住所、18歳以上の能力、素行善良、生計、重国籍防止、憲法秩序の尊重などがこれに当たります。
Q6帰化不許可に不服があるときはどうすればいい?
審査請求はできないため(行政不服審査法7条1項10号)、不許可を知った日から6か月以内に取消訴訟を提起するのが唯一の法的手段です。
Q7帰化の許可はいつ効力が生じますか?
法務大臣が帰化を許可すると官報に告示され、その告示の日から効力が生じます(国籍法10条)。大帰化でも同じ仕組みです。
Q8スポーツ選手の帰化は大帰化ですか?
多くは5条の普通帰化や8条の簡易帰化による通常の手続です。「特例」と報じられても、9条の国会承認つき帰化とは別物である場合がほとんどです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大帰化って、自分から申請できるんですか?
国籍法9条にも施行規則にも、本人が大帰化を申し立てる手続は定められていない。法務大臣が発案して国会の承認を得る構造になっており、本人の側から動かせる仕組みにはなっていない。実務のポイント:実務の相談で「大帰化を」という声はたまに出るが、経験のある専門家はまず8条の簡易帰化に当てはまらないかを調べる。そのほうが速いからだ
Q2帰化が不許可になったけど、理由すら教えてもらえないのは違法じゃないの?
違法ではない。行政手続法3条1項10号が帰化に関する処分を適用除外にしているため、理由の提示義務がかからない。行政不服審査法7条1項10号により審査請求もできない。実務のポイント:法務局の担当者との事前相談の段階で、指摘された不足点を細かくメモしておく人ほど、再申請で許可を得やすい。そのメモが、事実上の「不許可理由」の代わりになるからである
Q3大帰化なら、元の国籍を持ったまま日本人になれますか?
9条で外れるのは、帰化の条件である5条1項(重国籍防止の要件を含む)である。しかし日本国籍を得たあとは14条の国籍選択義務がかかり、18歳以降に二つの国籍を持つことになった場合は2年以内に選択しなければならない。実務のポイント:「条件を外すこと」と「状態を認めること」は別の話である。条文がどこまで効くのかを分けて読めるかどうかで、話の見え方がまったく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「大きな功績があれば国籍が自動的にもらえる」と思われがちだが、実際には違う。9条は法務大臣が「許可することができる」と書かれた裁量の規定で、さらに国会の承認という政治的な関門もある。功績がどれほど大きくても、請求できる権利は生まれない
- 帰化は審査に通るかどうかの問題だと思っている人は多い。しかし本当に厳しいのは、不許可になったあとの反論の手段の少なさである。行政手続法3条1項10号は帰化に関する処分を適用除外にしているので、理由の提示義務がない。行政不服審査法7条1項10号により審査請求もできない。残る手段は取消訴訟だけで、しかも法務大臣には広い裁量が認められている
- 「大帰化なら二重国籍のまま日本人になれる」という期待を目にするが、そもそも問いの立て方が違う。9条が外しているのは帰化するときの条件だけで、日本国籍を得たあとは国籍選択義務(14条)の対象になる。18歳以降に二つの国籍を持つことになった場合、そこから2年以内にどちらかを選ばなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用対象 | 国籍法9条:日本に特別の功労のある外国人 | 国籍法5条:一般の外国人(普通帰化) 国籍法8条:日本国民の子・配偶者等の縁故者(簡易帰化) |
| 5条1項の条件 | 全部不要(「第五条第一項の規定にかかわらず」) | 居住・能力・素行・生計・重国籍防止等をすべて満たす必要 居住・能力・生計など一部の条件が緩和・免除 |
| 許可までの関門 | 法務大臣の許可+国会の承認 | 法務大臣の許可のみ 法務大臣の許可のみ |
| 実務上の利用 | 現行法下の適用例は公表範囲で確認されていない | 帰化の基本ルートとして日常的に利用 日本人配偶者や日本生まれの人などが日常的に利用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
中華民国に殊勲のある外国人は、通常の帰化条件を満たさなくても帰化を申請でき、内政部が行政院の許可を得て認める。本人申請の道がある点で日本の9条と異なる
韓国は特別な功労者や優秀な人材に対する「特別帰化」を明文化し、実際の運用例もある。国会承認は要件とされていない
ドイツは通常の要件を満たさない場合でも、公益上の理由による裁量帰化の余地を認める。議会承認は要件ではない
フランスは、フランスの威信に顕著に貢献した外国人に対し、外務大臣の提案による帰化の道を用意している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日本代表として活躍し、日本国籍を取りたいと考えている外国籍のアスリートが「大帰化なら居住年数を待たなくていいのか」と尋ねてきた。実際には9条は国会の承認が必要で、使われた例も確認されていない。現実的な道は5条の普通帰化か、8条の簡易帰化の要件に当てはまるかを調べることである
- 20年以上日本で地域医療に尽くしてきた外国籍の医師。地元の人たちが「特別の功労なのだから大帰化を」と署名を集め始めた。気持ちは本物でも、法令上、本人や住民が大帰化を申し立てる手続は定められていない。署名に使う数か月を、普通帰化の書類をそろえる時間に回したほうが確実に前へ進む
- 帰化申請が認められなかったと通知が届いた。理由は書かれていない。取消訴訟を起こせる期限は、知った日から6か月である
- あなたが外国籍の社員の帰化申請を手伝う人事担当者だとする。本人が「会社への貢献を書けば有利になりますか」と聞いてきた。9条の「特別の功労」は国家レベルの話で、社内での実績を並べても審査の基準は変わらない。本当に効くのは、納税証明と在職証明に空白がないことだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 帰化が認められなかった場合、理由の提示を求める法的な権利はないが、法務局の担当者に口頭で事情を聞いてみる価値はある2. 審査請求はできないので、不服があれば取消訴訟を検討する3. 再申請するなら、納税・社会保険料・在留歴の空白を先に埋めて、書類の弱点をつぶしておく4. 社会的な功績は9条を待つより、素行要件を裏づける資料として普通帰化の申請に添えるほうが現実的である
訴えられた側:法務局や行政の側で相談を受ける立場なら、9条には本人が申し立てる手続が法令上ないことを最初に説明し、期待が過度にふくらむのを防ぐ。そのうえで5条・6条・7条・8条のどれに当てはまるかを本人と一緒に確認し、使える帰化の道を具体的に示す。不許可にした場合も、提訴の期限を本人が知っている前提で記録を残しておく
時効(請求できる期限):9条そのものに期限の定めはない。帰化不許可処分の取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内に提起する必要がある(行政事件訴訟法14条)。審査請求は適用除外となっている(行政不服審査法7条1項10号)
学説
通説:帰化の許可は国家主権の行使に関わるため法務大臣に広範な裁量が認められる。9条は5条1項の条件を外す一方で国会承認という民主的統制を加え、例外的な国籍付与の恣意性を抑える趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行国籍法(昭和25年法律第147号)の制定。特別の功労のある外国人の帰化について、国会の承認を要件とする規定が置かれた。
- 2.昭和59年(1984年) 改正:国籍法の大幅改正により父母両系血統主義と国籍選択制度が導入された。帰化後に重国籍となった者も国籍選択義務(14条)の対象となる枠組みが整った。
- 国籍法 第4条帰化に法務大臣許可を要する原則
- 国籍法 第5条本条が適用を外す普通帰化の条件
- 国籍法 第8条条件を緩める簡易帰化の類型
- 国籍法 第10条帰化許可の官報告示と効力発生
- 国籍法 第14条帰化後の重国籍者の国籍選択義務
- 行政手続法 第3条帰化処分を理由提示等から適用除外
- 行政不服審査法 第7条帰化処分を審査請求の対象から除外
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