地方税法 第375条(国税徴収法の例による固定資産税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪)
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第三百七十三条第七項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき。
- 二第三百七十三条第七項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の帳簿書類(同条に規定する帳簿書類をいう。次号において同じ。)その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
- 三第三百七十三条第七項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出したとき。
- 2.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
国税徴収法の例による固定資産税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪とは何ですか?
定義国税徴収法の例による固定資産税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪とは、地方税法第375条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第375条(国税徴収法の例による固定資産税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第375条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 地方税法第375条は第三款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第375条の前の条は地方税法第374条です。
- 地方税法第375条の次の条は地方税法第376条です。
- 地方税法第375条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第375条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第375条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/375
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法375条は、固定資産税の滞納処分で徴税吏員が行う質問・検査・物件提出要求に対し、答弁拒否や虚偽陳述、検査拒否をした者を一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
Q · 固定資産税の滞納で市役所から財産のことを聞かれたら、答えないといけないの?
正当な理由なく拒めば刑事罰の対象になりうる
地方税法375条により、固定資産税の滞納処分のために徴税吏員が国税徴収法141条の例で行う質問に答弁しない、偽りの陳述をする、帳簿等の検査を拒む、偽りの帳簿を提出するといった行為は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金の対象です。滞納者本人だけでなく、滞納者に債務を負う人や財産を取得した人も含まれ、法人には2項の両罰規定で罰金が科されえます。
解説
固定資産税を滞納したのは家の持ち主だけである。それでも、市役所から質問されたり帳簿を見せるよう求められたりするのは本人だけとは限らない。地方税法373条7項によって、固定資産税の滞納処分(税金を払わない人の財産を役所が差し押さえて換金する強制手続)は国税徴収法の例にならって行われる。その国税徴収法141条が、市町村の徴税吏員に調査の権限を与えている。対象は滞納者本人のほか、滞納者の財産を預かっている人、滞納者にお金を払う予定の人、滞納者から財産を譲り受けた人などである。本条は、その調査に対して答えない、嘘をつく、検査を拒む、偽の帳簿を出す、という行為を刑事罰の対象にしている。上限は一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金である。過料(前科がつかない行政上の金銭罰)ではなく刑罰なので、有罪になれば前科がつく。しかも2項の両罰規定により、従業員が勝手に嘘をついた場合でも会社に罰金が科される。滞納していない第三者でも、身内をかばうつもりの一言で処罰の対象になりうる。この一点を知っているかどうかで、役所の調査が来たときの対応が変わる。
法的な位置づけ
地方税法375条は、固定資産税の滞納処分に係る検査拒否等の罪を定める規定である。国税徴収法141条の例により市町村の徴税吏員が行う質問、帳簿書類等の検査、物件の提示・提出要求に対する答弁拒否、虚偽陳述、検査の拒否・妨害・忌避、正当な理由のない不提出や虚偽物件の提出を処罰し、法人等に対する両罰規定を併せて置く。
よくある質問 AI による整理
Q1固定資産税の滞納調査とは何ですか?
滞納処分(差押え等)の準備として、市町村の徴税吏員が国税徴収法141条の例により滞納者や関係者に質問し、帳簿書類等を検査する手続です。
Q2地方税法375条の罰則はどのくらい?
一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。過料ではなく刑罰のため、有罪になれば前科がつきます。法人には2項で罰金が科されえます。
Q3固定資産税を滞納しただけで前科はつく?
滞納そのものは差押え等の行政手続で処理され、前科はつきません。前科のリスクが生じるのは、調査への虚偽回答や検査拒否など本条違反の場合です。
Q4徴税吏員の質問検査に令状は必要?
不要です。国税徴収法141条の質問検査は令状なしで行われ、物理的な強制ではなく、拒否や虚偽に罰則を設けることで間接的に協力を確保する仕組みです。
Q5滞納調査で銀行口座は調べられる?
調べられます。預金を預かる銀行は「滞納者に対し債務を負う者」として国税徴収法141条の調査対象になり、市町村は金融機関に照会できます。
Q6拘禁刑とはいつからの刑罰?
懲役と禁錮を一本化した刑罰で、2025年6月1日に施行されました。本条の法定刑も、この改正で「懲役」から「拘禁刑」に改められています。
Q7固定資産税の滞納 時効はいつまで?
徴収権は法定納期限の翌日から原則5年で消滅します(地方税法18条)。ただし差押え等で時効の進行が止まるため、放置しても消えるとは限りません。
Q8滞納調査で答えなくていい質問はある?
調査権は滞納者の財産や債権債務に関する事項に限られます。範囲外の私生活の質問には応じる義務がなく、3号の不提出は「正当な理由」があれば処罰されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所から預金や給料のことで照会が来たけど、答えなかったら本当に捕まるの?
正当な理由なく答弁を拒めば、本条1項1号で一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金の対象になります。実務のポイント:実務上、この罪で起訴される例はかなり少ないとされます。役所はまず国税徴収法141条による銀行や勤務先への照会、さらに142条の捜索で財産を見つけにいくからです。黙っていても財産は見つかります。黙ることで得られるのは、刑事リスクと交渉余地の喪失だけです
Q2滞納してるのは兄なのに、兄から借りてるお金のことを聞かれた。答えないとダメ?
滞納者に債務を負う人は、国税徴収法141条の調査対象です。正当な理由なく答えなかったり嘘をついたりすれば、本条で処罰されえます。実務のポイント:この照会の本当の狙いは、あなたが兄に返すお金を差し押さえることです。正直に答えれば、あなたは兄ではなく市に返済すれば足りる立場になり、二重払いのリスクも避けられます。嘘の方が損をする構造になっています
Q3会社で従業員が勝手に嘘の回答をした場合、会社も罰せられるの?
本条2項の両罰規定により、行為者である従業員に加えて会社にも五十万円以下の罰金が科されえます。実務のポイント:判例は、両罰規定の事業主について、選任や監督に過失がなかったことを証明すれば責任を免れるという立場をとっています。役所からの照会への回答フローや決裁記録を普段から残しておくことが、そのまま会社の防御資料になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「滞納しているのは本人なのだから、家族や取引先や店子は関係ない」と考えがちだが、前提が誤っている。国税徴収法141条の調査対象は、滞納者の財産を占有している人、滞納者に債務を負う人、滞納者から財産を取得した人などに広く及ぶ。本条の罰則もそれらの人すべてにかかる。自分が滞納していなくても、嘘をつけば罰を受ける側になる
- 滞納者から見れば、市役所の質問は「税金を取り立てたい役所の都合」にすぎない。法律から見れば、正当な理由のない拒否や虚偽は、国家の徴収権を妨げる犯罪である。この見え方の違いは大きい。強気で突っぱねるほど、払えば消える行政上の問題を、払っても消えない刑事上の問題に変えていくことになる
- 黙秘権があるから質問に答えなくてよいと思われがちだが、税務調査の質問検査に憲法38条の黙秘権がそのまま及ぶわけではない。最高裁は川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)で、刑事責任の追及を目的としない税務上の質問検査について、答えなければ罰則がかかる仕組みを合憲とした。刑事手続で使われる防御の論理は、ここでは通用しにくい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の段階 | 地方税法375条:徴収段階(滞納処分のための財産調査) | 地方税法354条:課税段階(税額を決めるための調査) 国税徴収法188条:国税の徴収段階 |
| 調査権の根拠 | 地方税法373条7項により国税徴収法141条の例による | 地方税法353条(固定資産税の質問検査権) 国税徴収法141条を直接適用 |
| 調査する者 | 市町村の徴税吏員 | 市町村の徴税吏員・固定資産評価員等 国税の徴収職員 |
| 主な対象者 | 滞納者、財産の占有者、債務者、財産取得者など | 納税義務者やその関係者 滞納者と国税徴収法141条所定の関係者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では調査拒否は主に行政上の罰鍰で対応し、滞納の強制執行は法務部行政執行署が担う。日本のように調査拒否へ刑事罰を直接科す構造とは異なる。
税務検査の拒否・妨害は税務機関による是正命令と罰款が中心で、行政罰型の制裁である。
IRS の summons に正当な理由なく応じない場合を処罰する刑事罰があり、罰則付きで調査協力を担保する点で日本と近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 賃貸アパートの大家が固定資産税を三年分滞納していた。市役所の徴税吏員があなたの部屋を訪れ、「毎月の家賃はいくらで、誰の口座に振り込んでいるか」と質問する。大家に頼まれていたので「今は家賃を払っていない」と答えた。滞納者に債務を負う人への質問として、この嘘は本条1項1号の「偽りの陳述」に当たりうる
- 経理担当のあなたの机に、市役所から「○○社に対する買掛金の残高と支払予定日」を問う照会文書が届いた。取引先が固定資産税を滞納しているらしい。社長は「放っておけ」と言う。もし無視し続けたらどうなるのか? 担当者のあなたが答弁拒否の行為者になり、2項によって会社にも罰金が科される可能性がある
- 亡くなった父が滞納していた固定資産税について、父から生前に土地をもらったあなたに徴税吏員が質問してきた。贈与の時期を少しずらして答えたくなる。滞納者から財産を取得した人も調査の対象である。贈与の時期は第二次納税義務(滞納者の代わりに払わされる責任)の判断に直結するため、嘘は最も見抜かれやすい
- 工場の差押えを前に、徴税吏員が「明日、帳簿と在庫を確認に伺う」と告げてきた。猶予は一晩しかない。帳簿を書き換えれば3号、立入りを拒めば2号に当たる。どちらも刑事罰の対象である。今夜やるべきことは、書き換えではなく分納計画の資料作りである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 調査が国税徴収法141条の範囲内か確認する。対象は滞納者の財産や債権債務に関係する事項に限られ、無関係な私生活を答える義務はない2. 身分証明書(徴税吏員証)の提示を求め、所属と氏名を控える3. 範囲外の要求や威圧的な対応があれば、その日時と内容を記録し、市町村の上席や監査委員、弁護士に相談する4. 違法な差押えに対しては、審査請求(行政不服審査法)で争えるルートがある
訴えられた側:1. すでに虚偽の回答をしてしまったなら、早いうちに自分から訂正を申し出る。後から訂正したことは、起訴するかどうかの判断や量刑で有利な事情になりうる2. 拒否に「正当な理由」があった(調査範囲外、守秘義務との衝突など)なら、その根拠を書面で整理する3. 会社の従業員が行為者の場合、会社として選任や監督に注意を尽くしていた資料を集める4. 刑事事件化の兆しがあれば、税務に詳しい弁護士に早めに相談する
時効(請求できる期限):本罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、行為時から起算)。固定資産税そのものの徴収権の消滅時効は、法定納期限の翌日から5年(地方税法18条)。ただし差押えなどで時効の進行は止まる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:滞納処分のための質問検査は行政調査であり、犯罪捜査のために認められたものではない(国税徴収法147条2項参照)。本条の罰則は調査の実効性を担保する間接強制と位置づけられ、調査範囲を超えた質問への不応答は処罰対象にならないと解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律に伴う整理で、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 改正時期要確認 国税徴収法141条への物件の提示・提出要求の追加に連動して3号が整備されたとみられるが、改正年と経緯は人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)。
- 地方税法 第373条固定資産税の滞納処分と国税徴収法の準用
- 地方税法 第374条固定資産税の滞納処分に関する罪(現行効力を要確認)
- 地方税法 第353条課税段階の質問検査権、滞納調査と区別
- 地方税法 第354条課税調査の検査拒否等の罪(現行効力を要確認)
- 国税徴収法 第141条徴収職員の質問検査権の根拠
- 国税徴収法 第188条国税側の同種罰則、本条の対応規定
- 国税徴収法 第147条調査権は犯罪捜査目的でない旨(現行効力を要確認)
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