地方税法 第353条(徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権)
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- 市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、固定資産税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号までの者の事業に関する帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。次条第一項第一号及び第二号、第三百九十六条第一項、第三百九十六条の二第一項第六号並びに第三百九十七条第一項第一号及び第二号において同じ。)その他の物件を検査し、若しくは当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。
- 一納税義務者又は納税義務があると認められる者
- 二前号に掲げる者に金銭又は物品を給付する義務があると認められる者
- 三第一号に掲げる者にその者の所有に係る家屋を引き渡したと認められる者
- 四前三号に掲げる者以外の者で当該固定資産税の賦課徴収に関し直接関係があると認められる者
- 2.前項第一号に掲げる者を分割法人(分割によりその有する資産及び負債の移転を行つた法人をいう。以下この項及び第三百九十六条第二項において同じ。)とする分割に係る分割承継法人(分割により分割法人から資産及び負債の移転を受けた法人をいう。以下この項及び第三百九十六条第二項において同じ。)及び同号に掲げる者を分割承継法人とする分割に係る分割法人は、前項第二号に規定する金銭又は物品を給付する義務があると認められる者に含まれるものとする。
- 3.第一項の場合には、当該徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、その身分を証明する証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 4.市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、政令で定めるところにより、第一項の規定により提出を受けた物件を留め置くことができる。
- 5.固定資産税に係る滞納処分に関する調査については、第一項の規定にかかわらず、第三百七十三条第七項の定めるところによる。
- 6.第一項又は第四項の規定による市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権とは何ですか?
定義徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権とは、地方税法第353条に定められた規定で、「市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、固定資産税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第353条(徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第353条の条文原文は「市町村の徴税吏員、固定資産評価員又は固定資産評価補助員は、固定資産税の賦課徴収に関する調査のために必要がある場合には、次に掲げる者に質問し、又は第一号から第三号…」で始まります。
- 地方税法第353条は第一款に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第353条の前の条は地方税法第352条の3です。
- 地方税法第353条の次の条は地方税法第354条です。
- 地方税法第353条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第353条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第353条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/353
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法353条は、市町村の徴税吏員や固定資産評価員が固定資産税の調査のため、所有者・借主・建築業者などに質問し、帳簿書類等を検査できると定める。犯罪捜査には使えない。
Q · 市役所の家屋調査って、断ってもいいの?
正当な理由のない拒否は354条の罰則対象になりうる
家屋調査の根拠は地方税法353条の質問検査権です。徴税吏員や固定資産評価員は、固定資産税の調査に必要な範囲で所有者に質問し、書類や物件を検査できます。正当な理由のない検査拒否や虚偽の答弁は354条の罰則対象になりえます。ただし力ずくで家に入る権限はなく、実務では拒否すると図面や外観から推計評価されることが多いため、立ち会って評価根拠を確認するほうが有利です。
解説
新築の家に住み始めて数か月後、市役所から「家屋調査にご協力ください」という封書が届く。丁寧な依頼文なので任意のお願いに見えるが、その根拠は地方税法353条にある。市町村の徴税吏員と固定資産評価員(家や土地の価値を査定する役所側の担当者)は、固定資産税の課税に必要な範囲で質問し、帳簿書類やその他の物件を検査し、提出を求めることができる。対象はあなただけではない。あなたに家賃を払う借主、あなたに家を引き渡したハウスメーカーも、質問の相手になりうる。正当な理由なく拒んだり、嘘の答えをしたりすると、354条の罰則の対象になる。一方で、本条は弱い立場の側にも二つの盾を用意している。あなたは身分証の提示を求めることができ(3項)、この調査を犯罪捜査に使うことは禁じられている(6項)。さらに、調査はこれから3年ごとの評価替えのたびに基準となり、何十年も払い続ける税額の土台になる。調査を避けるより、立ち会って評価の根拠を自分の目で確認するほうが有利である
法的な位置づけ
地方税法353条は、固定資産税の賦課徴収に関する市町村の質問検査権を定める規定である。徴税吏員、固定資産評価員および固定資産評価補助員は、納税義務者、その者に金銭等を給付する義務がある者、家屋を引き渡した者などに質問し、帳簿書類その他の物件を検査し、提示・提出を求めることができる。証票の携帯・提示義務と犯罪捜査目的の否定が併せて定められている。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.依頼状の真偽を確認する 家屋調査の依頼状が届いたら、差出人の部署名と電話番号を市町村の公式サイトで照合する。不明点は公式窓口に電話で問い合わせ、調査日程を調整する
- 2.評価の根拠となる資料をそろえる 建築請負契約書、仕様書、図面、設備の見積書を手元に用意する。オプション設備の内容を自分でも把握しておき、当日の説明に備える
- 3.当日は証票を確認して立ち会う 調査員に身分証明の証票の提示を求め(353条3項)、氏名を控える。評価員が確認した部屋、内装材、設備の数と分類をメモしながら立ち会う
- 4.納税通知書と調査メモを照合する 納税通知書が届いたら、固定資産課税台帳の閲覧や評価内容の説明を求め、立ち会い時のメモと食い違いがないか確認する
- 5.疑問があれば期限内に審査を申し出る 評価額に誤りがあると考える場合、納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に固定資産評価審査委員会へ審査を申し出る(地方税法432条)
よくある質問 AI による整理
Q1固定資産税の家屋調査とは何ですか?
新築・増築した家屋の評価額を決めるため、市町村の職員が家の構造や設備を確認する調査です。根拠は地方税法353条の質問検査権で、評価額は固定資産税額の土台になります。
Q2家屋調査にかかる時間はどれくらい?
一般的な戸建て住宅で30分から1時間程度が目安です。間取り、内装材、設備の数を確認します。所要時間や方法は自治体や家屋の規模によって異なります。
Q3家屋調査の前に準備する書類は?
建築請負契約書、仕様書、平面図・立面図、設備の見積書などが求められることが多いです。353条1項は帳簿書類その他の物件の提示・提出を求める権限を定めています。
Q4固定資産評価員とはどんな人ですか?
市町村長が選任し、固定資産の評価を担当する役職です(地方税法404条)。353条により、徴税吏員と並んで質問検査権を持ち、補助員にも同じ権限があります。
Q5家屋調査に来た人が本物か確かめる方法は?
身分を証明する証票の提示を求めてください。353条3項により、調査員は証票を携帯し、関係人の請求があれば提示する義務があります。依頼状の連絡先も市の公式サイトで照合しましょう。
Q6家屋調査で室内を見られたくない場合は?
日程変更や図面・仕様書の提出で代替できないか相談するのが現実的です。ただし正当な理由のない拒否は354条の罰則対象になりえ、推計評価で反論材料を失うリスクもあります。
Q7建築会社に市役所から問い合わせが来るのは違法?
違法ではありません。353条1項3号は、納税義務者に家屋を引き渡したと認められる者も質問検査の対象としています。工事内容や仕様の資料提出を求められることがあります。
Q8家屋調査の結果に納得できないときは?
固定資産課税台帳の閲覧などで評価内容を確認し、納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に固定資産評価審査委員会へ審査を申し出ます(地方税法432条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家屋調査って、断ったらどうなるんですか?
353条の質問検査権に基づく調査なので、正当な理由のない拒否は354条の罰則(1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、最新の改正状況をご確認ください)の対象になりえます。ただし実務で刑事罰まで進むことはまれです。実務のポイント:拒否された自治体は、図面や外観、近い仕様の家屋から推計して評価することが多い。所有者が立ち会って説明する機会がなくなるため、推計が高めになっても反論の材料が乏しくなります
Q2何年も固定資産税を払いすぎていたことが分かったら、5年より前の分は諦めるしかないですか?
地方税法上の還付には期間制限がありますが、別の道もあります。最判平成22.6.3は、審査申出などの手続を経ていなくても、違法な過大課税について国家賠償法1条に基づく損害賠償を請求できると判断しました。実務のポイント:自治体によっては、要綱を設けて5年を超える過去分を返還する運用もある。役所の窓口で「返還金支払要綱はありますか」と一言聞くだけで、取り戻せる年数が変わることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 家屋調査の依頼状は丁寧なお願いの形なので、完全に任意で断っても何も起きないと思われがちである。だが根拠は353条の質問検査権で、正当な理由のない検査拒否や虚偽答弁は354条の罰則の対象になる。ただし役所が力ずくで家に入ることはできない。実務上は、拒否すると図面や外観、類似家屋から推計して評価されることが多く、所有者側が反論材料を失うリスクのほうが現実的である(自治体によって運用は異なる)
- 「税金の調査」と聞くと、脱税を疑われていると身構える人が多い。だが固定資産税の家屋調査は、新築や増築があればほぼ全員が受ける定型的な評価作業である。さらに6項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと明記している。気にするべきは疑いをかけられることではない。評価のミスが自分の不利益として何十年も固定されることのほうである
- 建築業者や借主は自分の税金とは無関係だと思っている人が多い。だが本条は、納税者本人の外側にいる取引相手まで調査の対象にしている。あなたの家の仕様は、あなたが黙っていても、引き渡したハウスメーカーの資料から役所に伝わりうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 353条:固定資産税の賦課徴収に関する調査 | 408条:固定資産の状況を把握するための実地調査 373条:固定資産税の滞納処分に関する調査 |
| 主な手段 | 関係者への質問、帳簿書類その他の物件の検査・提示・提出要求 | 評価員等による毎年少なくとも一回の実地調査 滞納処分のための質問・検査(353条5項により同条が優先) |
| 主な対象者 | 納税義務者、給付義務者(借主等)、家屋を引き渡した者、その他直接関係者 | 市町村内の固定資産そのもの 滞納者および財産に関係する者 |
| 違反時・争い方 | 正当な理由のない拒否・虚偽答弁は354条の罰則対象 | 評価結果は432条の審査申出で争う 滞納処分手続の中で扱われる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では税捐稽徴機関が課税資料の調査のため、関係者に資料の提示や説明を求めることができる。房屋税の評定は地方税務機関が行う
中国では税務機関が帳簿・証憑の検査や関係者への質問を行う税務検査権を有する
ドイツでは租税通則法上、関係者の情報提供義務・書類提示義務が定められ、Grundsteuer にも適用される
フランスでは税務当局が第三者に資料提出を求める droit de communication が認められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 注文住宅の引渡しから三か月。市役所の担当者が家屋調査に来て、床暖房、システムキッチン、浴室乾燥機を一つずつ確認していく。この一回の調査で決まった評価額が、その後の評価替えでも基準として使われ続ける。メモを取りながら立ち会うかどうかで、見落としや誤った評価に気付けるかが決まる
- もしあなたが工務店の経理担当で、市から「〇〇様邸の工事内容と仕様が分かる資料を提出してほしい」と求められたら、どうする? 353条1項3号は、家屋を引き渡した者も質問検査の対象にしている。施主の同意がないからという理由だけで断れるとは限らない
- アパートを相続したばかりで、市から賃貸借契約書の写しの提出を求められた。期限まであと十日。家賃を払っている借主も2号の「金銭を給付する義務があると認められる者」にあたりうるため、あなたが出さなくても、借主のほうに直接照会が行く可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 依頼状の差出人の部署と電話番号を、市の公式サイトで照合する2. 当日は身分証の提示を求め、担当者名を控える(353条3項) 3. 建築請負契約書、仕様書、図面を手元に用意し、評価員が確認した設備と内容をメモする4. 納税通知書が届いたら、固定資産課税台帳の閲覧や評価調書の開示を求め、メモと照合する5. 評価額に疑問があれば、通知書の交付を受けた日から3か月以内に固定資産評価審査委員会へ審査を申し出る(432条)
訴えられた側:1. 検査の拒否や虚偽答弁が問題になりかねない場合は、事実と異なる説明を絶対にしない。354条の罰則は嘘の答弁にも及ぶ2. 日程が合わないなど正当な理由があれば、拒否ではなく日程変更や書類提出での代替を申し出る3. 建築業者や管理会社として照会を受けたら、照会文書の根拠条文と提出範囲を確認し、施主や貸主にも共有する4. 提出した書類は控えを残す。役所が留め置いた物件の返還についても記録しておく(353条4項)
時効(請求できる期限):評価額への不服は、納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に固定資産評価審査委員会へ審査を申し出る(地方税法432条)。賦課や徴収にも地方税法上の期間制限(17条の5、18条)がある。調査そのものに特定の時効はない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:税務上の質問検査権は任意調査であり、直接の物理的強制はできない。ただし罰則による間接強制を伴うため、調査の必要性と相手方の私的利益との比較衡量のもとで、社会通念上相当な範囲で行使されるべきとされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:地方税法の制定により、固定資産税の賦課徴収に関する質問検査権の規定が設けられた
- 地方税法 第354条検査拒否・虚偽答弁等への罰則
- 地方税法 第373条滞納処分の調査は本条でなく同条による
- 地方税法 第408条毎年少なくとも一回の実地調査義務
- 地方税法 第404条固定資産評価員・補助員の設置
- 地方税法 第432条評価額への審査申出、調査結果の争い方
- 国税通則法 第74条の2国税の質問検査権、同型規定
- 国税通則法 第74条の8犯罪捜査のためと解してはならない旨の同型規定
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