地方税法 第697条(国税徴収法の例による市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪)
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第六百九十五条第六項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の質問に対して答弁をせず、又は偽りの陳述をしたとき。
- 二第六百九十五条第六項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の帳簿書類(同条に規定する帳簿書類をいう。次号において同じ。)その他の物件の検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
- 三第六百九十五条第六項の場合において、国税徴収法第百四十一条の規定の例により行う市町村の徴税吏員の物件の提示又は提出の要求に対し、正当な理由がなくこれに応じず、又は偽りの記載若しくは記録をした帳簿書類その他の物件(その写しを含む。)を提示し、若しくは提出したとき。
- 2.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産に関して前項の違反行為をした場合には、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対し、同項の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
国税徴収法の例による市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪とは何ですか?
定義国税徴収法の例による市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪とは、地方税法第697条に定められた規定で、「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 地方税法第697条(国税徴収法の例による市町村法定外普通税に係る滞納処分に関する検査拒否等の罪)は、日本の地方税法に含まれる条文です。
- 地方税法第697条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 地方税法第697条は第九節に置かれています。
- 地方税法の公布日は昭和25年7月31日です。
- 地方税法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 地方税法第697条の前の条は地方税法第696条です。
- 地方税法第697条の次の条は地方税法第697条の2です。
- 地方税法第697条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第697条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 - 本サイト収録
地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第697条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000226/697
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点地方税法697条は、法定外普通税の滞納処分で徴税吏員の質問に答えない、嘘をつく、検査を拒む、偽りの帳簿を出す行為を1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金とする。
Q · 市の独自税を滞納した知人について徴税吏員に聞かれたら、答えないとどうなるの?
答えないと最大1年の拘禁刑または50万円の罰金になりうる
地方税法697条1項1号により、法定外普通税の滞納処分で市町村の徴税吏員が国税徴収法141条の例により行う質問に答弁しない、または偽りの陳述をすると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。質問の相手は滞納者本人に限らず、滞納者の財産を占有する人や債権債務関係にある人も含まれます。従業員が業務として違反すれば、2項の両罰規定により法人にも罰金刑が科されえます。
解説
「市役所の徴収担当が来た。でも滞納しているのは自分じゃない」。そう考えて適当にあしらった瞬間、あなた自身が刑事罰の当事者になりうる。本条が怖いのはそこだ。熱海市の別荘等所有税や豊島区の狭小住戸集合住宅税のように、市町村が条例で独自に作る税を法定外普通税という。これを誰かが滞納すると、市の徴税吏員は国税徴収法141条の例により質問や帳簿の検査ができる。相手は滞納者本人に限られない。その財産を預かっている人や、滞納者とお金の貸し借りがある取引先も対象になる。黙る、嘘をつく、検査を拒む、改ざんした帳簿を出す。どれも1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金だ。社員が会社の業務としてやれば、会社にも罰金が科される(2項の両罰規定:実際にやった本人と、その雇い主の両方を罰する仕組み)。ただし、この質問検査は令状を持った捜索とは別の手続である。答える前に、相手の身分と調査の範囲を確かめる。この順番を知っているかどうかで、同じ人が協力者にも被疑者にもなる。
法的な位置づけ
地方税法第697条は、法定外普通税に係る滞納処分の実効性を担保する罰則規定である。市町村の徴税吏員が国税徴収法第141条の例により行う質問検査等に対する答弁拒否、虚偽陳述、検査の拒否・妨害・忌避、正当な理由のない物件不提出および偽りの帳簿書類の提出を処罰し、行為者のほか法人または人にも罰金刑を科す両罰規定を置く。
よくある質問 AI による整理
Q1地方税法697条とは?
法定外普通税の滞納処分で、徴税吏員の質問検査に対する答弁拒否・虚偽陳述・検査拒否・虚偽帳簿の提出を処罰する規定です。法定刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
Q2法定外普通税とは何ですか?
地方税法に定めのない税目を、市町村が条例で独自に設ける普通税です。新設や変更には総務大臣の同意が必要で、熱海市の別荘等所有税などが代表例です。
Q3徴税吏員の質問検査 拒否したら逮捕される?
本条の罪は1年以下の拘禁刑または罰金に当たる刑事罰ですが、実務では刑事事件化より捜索や差押えで財産を押さえる対応が先行するのが通例とされます。
Q4徴税吏員 身分証 見せてもらえる?
見せてもらえます。国税徴収法147条の例により、徴税吏員は身分証明書を携帯し、関係者から求められたときは提示しなければなりません。
Q5滞納処分の質問検査 拒否できる正当な理由とは?
条文上、提示・提出要求に「正当な理由」なく応じない場合が処罰対象です。書類が存在しない、要求が滞納処分に必要な範囲を明らかに超えるなどの事情が考えられますが、個別判断です。
Q6両罰規定とは何ですか?
従業員などが業務に関して違反したとき、実際に行為した本人に加え、その法人や雇い主にも罰金刑を科す仕組みです。本条では2項に置かれています。
Q7地方税法697条 時効は何年?
本条の罪は法定刑の長期が5年未満の拘禁刑または罰金なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。違反行為が終わった時から進行します。
Q8滞納者ではない第三者も質問に答える義務がある?
滞納者の財産を占有する人や、滞納者と債権債務関係がある人などは、国税徴収法141条の例により質問検査の相手方に含まれ、答弁義務を負いえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1滞納してるのは取引先なのに、うちが帳簿を見せなきゃいけないんですか?
その取引先との間に債権や債務があるなら、見せる義務を負いうる。本条が引く国税徴収法141条は、滞納者と債権債務の関係がある人も質問検査の相手に含めているからだ。拒めば本条1項2号・3号の対象になりうる。実務のポイント:見せる範囲は、原則として滞納者との取引に関する部分に限られる。帳簿を丸ごと渡す前に「どの取引の、どの期間か」を特定してもらえば、他の顧客の情報を守りながら義務を果たせる
Q2税務署の調査と、市の徴収担当の調査って同じものですか?
別物である。税務調査は税額を確定するための調査で、本条が守っているのは、確定した税を滞納した人から取り立てるための財産調査である。ただし罰則の形は、国税の検査拒否等の罪(国税徴収法188条)とほぼ同じだ。実務のポイント:徴収の現場が見ているのは税額が正しいかではなく、財産がどこにあるかだけである。税額への不満をぶつけても話は進まない。税額を争うなら課税処分への審査請求という別ルートを使う、と切り分けるのが早い
Q3黙っているだけで、本当に罰せられるんですか?
答弁をしないこと自体が本条1項1号の構成要件なので、条文上は処罰の対象である。もっとも実務では、すぐ刑事事件にするより、捜索や差押え(国税徴収法142条・47条の例による)で財産を押さえる方向に進むのが通例とされる。実務のポイント:罰せられにくいから黙る、は悪手だ。黙った記録は、後で滞納者との通謀や財産隠しが疑われたとき、あなたに不利な状況証拠として積み上がっていく
間違えやすい点 AI による整理
- 「滞納者でもない自分に答える義務はあるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。国税徴収法141条は、滞納者の財産を占有している第三者や、滞納者と債権債務の関係がある人まで質問検査の相手に含めている。確かめるべきは「義務があるかどうか」ではない。自分が相手の範囲に入っているか、その質問が滞納処分に必要な範囲に収まっているか、である
- 答えたくなければ黙秘権がある、ということは知っていても、黙秘権がどこまで及ぶかを知る人は少ない。最大判昭和47.11.22(川崎民商事件)は、刑事責任を追及するための資料集めに直接つながる手続には憲法38条1項の保障が及ぶとした。そのうえで、税務の質問検査はこれに当たらないと判断している。滞納処分のための財産調査で黙っていても権利を使ったことにはならず、本条1項1号の構成要件そのものになりうる
- あなたから見れば「書類は後で出します」は誠実な引き延ばしでも、法律から見れば、正当な理由のない不提出や検査の忌避と評価されうる。手元の帳簿を整えてから写しを出すつもりで中身を書き換えれば、それは3号の「偽りの記載をした帳簿書類の提出」に当たる。善意の時間稼ぎと犯罪を分けるのは記録であり、気持ちは関係ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 地方税法697条:質問への答弁拒否・虚偽陳述、検査拒否、提示提出要求への不応・虚偽帳簿提出 | 地方税法696条:滞納処分の執行を免れる目的での財産の隠蔽・損壊等(現行効力・内容は要確認) 国税徴収法188条:国税の滞納処分における質問検査拒否等(構造はほぼ同じ) |
| 対象となる税 | 市町村の法定外普通税 | 市町村の法定外普通税 国税 |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 | 本条より重い水準(具体的な法定刑は現行条文で要確認) 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 法人への波及 | 2項の両罰規定で法人・人にも罰金刑 | 両罰規定の有無は現行条文で要確認 国税徴収法189条の両罰規定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では調査拒否に対する制裁は主に行政罰(罰鍰)で、日本のような刑事罰による担保とは構造が異なる。
中国も税務検査の拒否・妨害に対しては税務機関による罰款が中心で、行政制裁型である。
ドイツは執行段階の調査協力を強制金などの行政上の強制手段で確保し、刑事罰には直結させない。
米国は IRS の summons に従わない行為を軽罪として処罰する規定を持ち、刑事罰による担保という点で日本に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが経営する不動産管理会社に、市の徴税吏員から連絡が来た。別荘等所有税を滞納しているオーナーについて、預かっている賃料の額を知りたいので、来週の訪問時に通帳と管理台帳を見せてほしいという。残りは7日。「オーナーとの守秘義務があるから断れる」と思っていたなら、その前提は危うい。正当な理由なく提示を拒めば、本条1項3号に当たりうる
- 経理担当のあなたは社長から「あの人の会社に払う売掛金はないと言っておけ」と指示され、徴税吏員からの電話にその通り答えた。実際には300万円の未払いがあった。偽りの陳述として罰せられうるのは、電話で答えたあなた本人である。さらに2項により、会社にも罰金刑が科されうる。「指示されただけ」という言い分では罪を免れない
- 滞納している本人が玄関で「家に入るな」と拒んだら、どうなる? 帳簿や物件の検査を拒めば、本条1項2号の罪になりうる。しかも市は、国税徴収法142条の例による捜索に切り替えることもできる。捜索とは、強制的に立ち入って財産を探す手続のことだ。拒否しても調査は止まらず、事態が一段重くなるだけで終わることが多い
- 離れて暮らす兄が熱海の別荘にかかる税を滞納し、兄から預かっている車について市から質問が来た。黙っていれば済む話ではない
取るべき行動
被害を受けた側:(質問を受けた側として)1. 徴税吏員の身分証明書を見せてもらい、滞納者の名前、税目、調査の目的を確認する2. 自分が質問の相手に入るか、質問が滞納者の財産調査に関係する範囲かを確かめる3. すぐに答えられない事項は期限を示して書面で回答し、提出した帳簿の写しと回答内容の控えを保存する4. 範囲外の要求や威圧的な対応には、担当課に書面で照会し、必要なら税理士や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 告発や捜査の段階に入ったら、もう税務の話ではなく刑事手続である。供述する前に弁護士に相談する2. 嘘の陳述や不提出が誤解や失念によるものなら、すぐに正確な回答と帳簿を出し直し、訂正の経緯を記録に残す3. 「正当な理由」(質問が範囲外だった、法律上の守秘義務があった、書類がそもそも存在しない等)があったなら、その裏付け資料をそろえる4. 法人の場合、従業員の行為でも2項で法人に罰金が及ぶ。従業員の選任や監督の体制を示す資料を整える
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑の長期が5年未満の拘禁刑または罰金に当たる罪、刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は、答弁拒否や検査拒否などの違反行為が終わった時(同法253条1項)。なお、滞納処分の前提となる地方税の徴収権そのものは、法定納期限の翌日から5年で時効により消滅する(地方税法18条1項)
学説
通説:滞納処分の質問検査は、滞納者の財産の発見・把握という徴収目的に必要な範囲に限って許され、その範囲を超える要求に応じないことは「正当な理由」に当たりうると解される。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められたとみられる。提示・提出要求に関する3号の追加時期を含め、改正経緯の全体は人による検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)。
- 地方税法 第695条国税徴収法の例による滞納処分の根拠
- 地方税法 第696条滞納処分に関する罪(財産隠匿等)(現行効力を要確認)
- 地方税法 第669条法定外普通税の新設と総務大臣同意
- 地方税法 第18条地方税の徴収権の消滅時効
- 国税徴収法 第141条質問検査権の内容と相手方の範囲
- 国税徴収法 第188条国税側の同種罰則(検査拒否等の罪)
- 国税徴収法 第147条身分証明書の携帯と提示義務
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