高圧ガス保安法 第62条(立入検査)
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- 経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、その職員に、高圧ガスの製造をする者、第一種貯蔵所若しくは第二種貯蔵所の所有者若しくは占有者、販売業者、高圧ガスを貯蔵し、若しくは消費する者、高圧ガスの輸入をした者、液化石油ガス法第六条の液化石油ガス販売事業者、容器の製造をする者、容器の輸入をした者又は容器検査所の登録を受けた者の事務所、営業所、工場、事業場、高圧ガス若しくは容器の保管場所又は容器検査所に立ち入り、その者の帳簿書類その他必要な物件を検査させ、関係者に質問させ、又は試験のため必要な最少限度の容積に限り高圧ガスを収去させることができる。
- 2.経済産業大臣は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、その職員に、指定完成検査機関、指定輸入検査機関、指定保安検査機関、指定容器検査機関、指定特定設備検査機関、指定設備認定機関又は検査組織等調査機関の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
- 3.経済産業大臣は、第三十一条第三項の講習の業務又は試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、指定講習機関又は指定試験機関の事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
- 4.委任都道府県知事は、その行わせることとした試験事務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、その職員に、当該試験事務を取り扱う指定試験機関の事務所に立ち入り、当該試験事務の状況若しくは帳簿書類その他必要な物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
- 5.警察官は、人の生命、身体又は財産に対する危害を予防するため特に必要があるときは、高圧ガスの製造、販売若しくは消費の場所又は第一種貯蔵所若しくは第二種貯蔵所その他の高圧ガスの保管場所に立ち入り、関係者に質問することができる。
- 6.前各項の職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
- 7.第一項から第五項までの規定による立入検査、質問及び収去の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
立入検査とは何ですか?
定義立入検査とは、高圧ガス保安法第62条に定められた規定で、「経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、その職員に、高圧ガスの製造をする者、第一種貯蔵所若しくは第二…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第62条(立入検査)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第62条の条文原文は「経済産業大臣又は都道府県知事は、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、その職員に、高圧ガスの製造をする者、第一種貯蔵所若しくは第二…」で始まります。
- 高圧ガス保安法第62条は第五章に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第62条の前の条は高圧ガス保安法第61条です。
- 高圧ガス保安法第62条の次の条は高圧ガス保安法第63条です。
- 高圧ガス保安法第62条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第62条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第62条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/62
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法62条は、経済産業大臣・都道府県知事の職員による事業所への立入検査、帳簿検査、質問、最少限度のガス収去を認める。職員は証票提示義務を負う。
Q · 高圧ガスの立入検査って、事前連絡なしで来ることがあるの?
ある。事前通知義務はないが、証票の提示は必須
高圧ガス保安法62条は、立入検査について事前通知を要件としていません。経済産業大臣または都道府県知事の職員は、公共の安全の維持や災害防止のため必要と認めるとき、事務所・工場・ボンベの保管場所などに立ち入り、帳簿検査、質問、最少限度のガスの収去を行えます。ただし職員は身分を示す証票を携帯・提示しなければならず(6項)、この権限は犯罪捜査のためのものと解してはなりません(7項)。
解説
高圧ガスの立入検査に、事前の電話を入れる義務は法律のどこにも書かれていない。高圧ガス保安法62条により、経済産業大臣や都道府県知事の職員は、高圧ガスを製造・貯蔵・販売・消費する者の事務所、工場、ボンベの保管場所に立ち入ることができる。帳簿を調べ、関係者に質問し、試験に必要な最少限度の量に限ってガスを持ち帰る(収去:分析のためにサンプルを持っていくこと)こともできる。対象は大型プラントに限られない。条文が「高圧ガスを消費する者」と書いている以上、溶接用の酸素ボンベを使う町工場や炭酸ガスボンベを置く飲食店も対象になりうる。ただし、この権限には二つのブレーキがある。職員は身分を示す証票を持ち歩き、提示しなければならない(6項)。そしてこの権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならない(7項)。立入検査は令状なしで来るが、扉を力ずくで開ける権限ではない。拒めば罰則が科される仕組みで、間接的に協力を強いている。だから最善手は「拒む」ことではなく、記録を残しながら応じることである。
法的な位置づけ
高圧ガス保安法62条は、公共の安全維持または災害防止のため必要があるときに、経済産業大臣または都道府県知事がその職員に、高圧ガスの製造者、貯蔵所の所有者・占有者、販売業者、消費者、容器製造者等の事務所・工場・保管場所へ立ち入らせ、帳簿書類等の検査、関係者への質問、試験に必要な最少限度の高圧ガスの収去をさせることができると定める行政調査規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証票を確認し、権限の根拠を記録する 検査官の到着後すぐに身分証票の提示を求め(62条6項)、氏名・所属(経済産業省、都道府県、警察官のいずれか)・根拠となる項を記録する。警察官の場合、5項で認められるのは立ち入りと質問のみである点を確認する
- 2.対応窓口を一人に絞り、責任者を呼ぶ 現場責任者と帳簿の管理者を呼び、検査官への説明窓口を一人に統一する。複数の従業員がばらばらに回答すると、事実と異なる説明が記録に残るおそれがある
- 3.求められた帳簿書類を提示する 保安検査記録、定期自主検査の帳簿(60条の帳簿)など求められた書類を提示し、提示した書類の一覧を控える。平時から保管場所を決めておくと対応時間を短縮できる
- 4.収去の品目と量を記録する 高圧ガスが収去される場合、品目・容器番号・量・日時を控える。自社の成分・純度管理記録と照合できるようにしておく
- 5.不明点は後日回答し、是正計画を文書化する 推測では答えず「確認して後日回答する」と伝える。不備を指摘されたら、是正内容と期限を記した是正計画を文書で提出する
よくある質問 AI による整理
Q1高圧ガス保安法の立入検査とは?
経済産業大臣や都道府県知事の職員が、高圧ガスを扱う事業所に立ち入り、帳簿検査・質問・ガスの収去を行う行政調査です。根拠は高圧ガス保安法62条です。
Q2高圧ガスの立入検査は拒否できる?
事実上できません。拒否・妨害・忌避は罰則の対象とされており、行政は報告徴収(61条)や許可取消し等の処分(38条)という別の手段も持っています。
Q3高圧ガスの立入検査 対象になる事業者は?
製造者、第一種・第二種貯蔵所の所有者・占有者、販売業者、高圧ガスを貯蔵・消費する者、輸入者、容器製造者、容器検査所などで、事業規模で線は引かれていません。
Q4立入検査で収去されたガスはどうなる?
試験に必要な最少限度の容積に限って持ち帰られ、成分や純度などの分析に使われます。分析結果は保安上の判断材料になるため、自社の管理記録を備えておくことが重要です。
Q5立入検査の証票 確認してもいい?
確認できます。62条6項は職員に証票の携帯と関係者への提示を義務づけています。氏名・所属・根拠となる項を控えておくと、後日の検証に役立ちます。
Q6飲食店の炭酸ガスボンベも立入検査の対象?
対象になりえます。62条は「高圧ガスを貯蔵し、若しくは消費する者」を含めており、生ビールサーバー用の炭酸ガスボンベを置く飲食店も条文上は排除されていません。
Q7立入検査で指摘を受けたら何をすべき?
指摘内容を記録し、是正計画を文書で示すのが基本です。曖昧な回答は後の報告徴収(61条)や改善指導のきっかけになるため、推測で答えず確認後に回答します。
Q8高圧ガスの立入検査は犯罪捜査になる?
62条7項は、立入検査・質問・収去の権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定めています。捜査であれば令状など刑事手続の話になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1立入検査って、事前に連絡なしで来ることあるんですか?
ある。62条は事前通知を要件としていないため、抜き打ちで来ること自体は違法ではない。ただし職員は身分を示す証票を携帯し、提示しなければならない(62条6項)。実務のポイント:証票の確認を遠慮する事業者は多いが、確認するのは当然の権利である。氏名と根拠となる項を控えておけば、後で指摘された内容を条文と照らし合わせて検証でき、是正の範囲を不当に広げられずに済む
Q2警察が来てガスのことを聞いてきたけど、帳簿まで見せないといけない?
5項で警察官に認められているのは、危害を予防するため特に必要があるときの立ち入りと質問に限られ、帳簿の検査や収去の権限は書かれていない。帳簿の検査は、1項に定める経済産業大臣・都道府県知事の職員の権限である。実務のポイント:警察官が帳簿を求めてきたら、それが任意の協力依頼なのか、刑事訴訟法上の手続なのかを確認する。7項は、この権限が犯罪捜査のためのものではないと定めている。捜査であれば、令状などの別の手続の話になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「立入検査を断ったらどうなるか」と考える時点で、問いがずれている。検査の拒否・妨害・忌避は罰則の対象であり(最新の改正状況をご確認ください)、行政はさらに報告徴収(61条)や、許可の取消しを含む処分(38条)という別の手段も持っている。問うべきは断れるかどうかではなく、どう応じれば記録が自社に有利に残るかである
- 「犯罪捜査に使ってはならない」と書いてあるから安心、と考えるのは早い。7項が禁じているのは、権限を犯罪捜査の目的で使うことである。検査で分かった事実が後に事故の刑事責任を追及するきっかけになりうるかについては、実務上、解釈が分かれている。税務調査について最高裁は、質問検査で得た資料が後に犯則事件の証拠として使われることが想定できても、それだけで直ちに違法にはならないと判断した(最決平成16.1.20)
- あなたから見れば、検査官は「見に来る人」である。しかし法律から見れば、ガスを持ち帰る収去の権限も持つ人である。試験に必要な最少限度とはいえ、持ち帰られたガスの分析結果は保安上の判断材料になる。成分や純度の管理記録を手元に持たない事業者ほど、その分析結果に反論する材料がない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行政の情報収集手段 | 62条:職員が現地に立ち入り、検査・質問・収去 | 61条:事業者に報告を求める報告徴収 63条:事故発生時に事業者が自ら届け出る |
| 主導するのは誰か | 行政(経済産業大臣・都道府県知事、5項は警察官) | 行政が求め、事業者が書面等で回答 事業者が遅滞なく届出 |
| 事業者の備え | 60条の帳簿と保管場所の整理、証票確認の手順 | 正確な報告を作成できる記録体制 事故発生時の届出フローの整備 |
| 相互の関係 | 事故届や報告内容を現地で検証する手段 | 立入検査と並ぶ情報収集の柱 届出の直後に立入検査が入る起点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では高圧ガス設備の安全は主に労働安全衛生の枠組みで規律され、勞動檢查員が事業場に立ち入り検査する。証票提示と拒否への罰則という骨格は日本と類似
韓国も高圧ガスの単独法を持ち、行政による報告徴収と出入検査を定める。日本の高圧ガス法制との構造的な近さが指摘される
ドイツは圧力設備の安全を労働保護法と事業所安全令で規律し、監督官庁に事業所への立入り・検査権限を与える
米国では事業所への行政立入検査にも原則として令状(administrative warrant)が必要とされ、事前通知なしの令状不要型の日本法と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 金曜の午後四時、県の保安担当職員が二名、事前の連絡なしに工場に来た。保安検査の記録と定期自主検査の帳簿を見たいと言う。工場長は出張中で、終業まであと一時間。まず証票を見せてもらい、氏名と所属を控え、帳簿の保管場所を知っている者を呼ぶ。追い返すのが最悪の手である
- もし警察官が「ガスの保管状況について聞きたい」と倉庫に入ってきたら、帳簿まで見せる義務はあるのか? 5項で警察官に認められているのは立ち入りと質問だけで、帳簿の検査や収去の権限は書かれていない。しかも要件は「危害を予防するため特に必要があるとき」に絞られている
- あなたは現場責任者で、検査官に「たぶん点検しています」と曖昧に答えてしまった。その一言が、後日の報告徴収(61条)や改善指導のきっかけになる。
取るべき行動
被害を受けた側:近所の高圧ガス施設やボンベ置き場の管理に不安があるなら、都道府県の高圧ガス保安担当部署に写真付きで具体的な状況を伝える。施設によっては経済産業省の産業保安監督部が所管している。62条の立入検査は「公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため必要」と認められれば行えるので、日時・場所・ガス臭・漏れる音などの客観的な事実を残すほど、行政は動きやすい。差し迫った危険があるなら、まず119番か110番に通報する
訴えられた側:1. 証票の提示を求め、氏名・所属・根拠となる項を記録する2. 責任者と帳簿の管理者をすぐに呼び、対応する窓口を一人に絞る3. 提出した書類と、収去されたガスの品目・量を控える4. 推測では答えず「確認して後日回答する」と伝える5. 不備を指摘されたら、是正計画を文書で示す。拒否や妨害は罰則の対象なので、検査そのものを拒む選択肢は事実上ない
時効(請求できる期限):立入検査そのものに期限や事前通知の定めはなく、いつでも行われうる。特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお事故が起きた場合は、63条により遅滞なく都道府県知事または警察官に届け出る義務があり、その直後に立入検査が入ることがある
学説
通説:行政上の立入検査は、目的が行政目的に限られ、強制が罰則による間接強制にとどまる限り令状を要しない。ただし犯罪捜査目的への転用は許されず、本条7項はその確認規定と位置づけられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:高圧ガス取締法として制定。高圧ガスによる災害防止のための行政監督の一環として立入検査規定を置く
- 2.平成8年(1996年) 改正:取締中心から事業者の自主保安を重視する方向への改正に伴い、題名を高圧ガス保安法に改める
- 高圧ガス保安法 第61条報告徴収、立入検査と並ぶ情報収集手段
- 高圧ガス保安法 第60条帳簿の備付け義務、検査対象の中核
- 高圧ガス保安法 第38条許可の取消し等、検査結果の行き先
- 高圧ガス保安法 第63条事故届、事故後の立入検査の起点
- 行政手続法 第3条情報収集目的の処分を適用除外(1項14号)
- 消防法 第4条消防長等の立入検査、危険物施設で併存
- 労働安全衛生法 第91条労働基準監督官の事業場立入り権限
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