高圧ガス保安法 第9条(許可の取消し)
クイックジャンプ
都道府県知事は、第五条第一項の許可を受けた者(以下「第一種製造者」という。)が正当な事由がないのに、一年以内に製造を開始せず、又は一年以上引き続き製造を休止したときは、その許可を取り消すことができる。
この条文の基本情報
許可の取消しとは何ですか?
定義許可の取消しとは、高圧ガス保安法第9条に定められた規定で、「都道府県知事は、第五条第一項の許可を受けた者(以下「第一種製造者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 高圧ガス保安法第9条(許可の取消し)は、日本の高圧ガス保安法に含まれる条文です。
- 高圧ガス保安法第9条の条文原文は「都道府県知事は、第五条第一項の許可を受けた者(以下「第一種製造者」という。」で始まります。
- 高圧ガス保安法第9条は第二章 事業に置かれています。
- 高圧ガス保安法の公布日は昭和26年6月7日です。
- 高圧ガス保安法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 高圧ガス保安法第9条の前の条は高圧ガス保安法第8条です。
- 高圧ガス保安法第9条の次の条は高圧ガス保安法第10条です。
- 高圧ガス保安法第9条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第9条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000204 - 本サイト収録
高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第9条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000204/9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点高圧ガス保安法第9条は、第一種製造者が正当な事由なく許可後1年以内に製造を開始せず、又は1年以上製造を休止したとき、都道府県知事が許可を取り消せると定める。
Q · 高圧ガスの製造を1年以上止めていたら、許可は取り消されるの?
自動失効はしないが、知事が取り消せる状態になる
高圧ガス保安法第9条により、第一種製造者が正当な事由なく許可後1年以内に製造を開始しない場合、または1年以上製造を休止した場合、都道府県知事は許可を取り消すことができます。条文は「できる」と定めており、自動的に失効するわけではありません。取消しは不利益処分のため、行政手続法第13条に基づく聴聞が行われ、事業者は休止の正当な事由や再開計画を説明する機会があります。
解説
高圧ガスの製造許可は、一度取れば永久に手元に残る権利ではない。第5条1項の許可を受けた事業者(第一種製造者)が、正当な事由がないまま許可から1年以内に製造を始めない場合、または製造を1年以上続けて止めている場合、都道府県知事はその許可を取り消すことができる。休眠したままの許可を整理する条文である。注意すべき点は二つある。第一に、条文は「できる」と書いており、自動的に失効するわけではない。取り消すかどうかは知事の裁量(役所が状況を見て選べる判断の幅)に委ねられ、「正当な事由」の説明次第で結論が変わる。第二に、製造を始めるには完成検査(第20条)に合格する必要があるため、工事が遅れるとそれだけで1年の期限が迫ってくる。設備を止める、工場を売る、建設が遅れる。こうした経営判断をするたびに、許可の残り時間を確認しておく必要がある。
法的な位置づけ
高圧ガス保安法第9条は、休眠状態にある第一種製造者の許可の取消しを定める規定である。第5条第1項の許可を受けた者が、正当な事由なく許可後1年以内に製造を開始しない場合、または1年以上引き続き製造を休止した場合に、都道府県知事が裁量によりその許可を取り消すことができる旨を規定する。
手順
- 1.最後に製造した日を特定する 製造日報・運転記録・届出の控えから、最後に高圧ガスを製造した日(または許可日)を確認し、1年の期限日を算出して管理台帳に記載する
- 2.休止の理由と再開計画を文書化する 需要の推移、設備更新計画、災害・資材不足の記録など休止の理由を示す資料を整理し、日付入りの再開工程表を作成する。正当な事由の説明材料になる
- 3.期限前に都道府県の担当課へ相談する 1年の期限が近づいた段階で、休止理由と再開見通しを持参して都道府県の高圧ガス担当課に事前相談する。期限経過後に説明するより正当な事由として受け止められやすい
- 4.再開・廃止・承継のいずれかを判断する 完成検査(第20条)の日程を踏まえて製造再開が可能か、廃止の届出(第21条)を出すか、事業譲渡なら取消し前に承継(第10条)を済ませるかを経営判断する
- 5.聴聞通知が届いたら反論資料を準備する 取消しに向けた聴聞の通知を受けたら、期日までに正当な事由と具体的な再開計画を示す資料をそろえ、聴聞の場で説明する。処分後は審査請求・取消訴訟の期限を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1第一種製造者とは何ですか?
高圧ガス保安法第5条第1項に基づき、都道府県知事から高圧ガスの製造許可を受けた者を指します。一定規模以上の製造設備を持つ事業者が対象です。
Q2高圧ガス 製造許可 取消し 理由は?
第9条の休眠(1年以内に製造を開始しない、1年以上休止)のほか、法令違反や技術基準不適合を理由とする取消し(第38条)があります。
Q3高圧ガス 製造休止 いつまでなら大丈夫?
休止が1年以上続くと第9条の取消し対象になります。1年未満でも、再開見通しが立たないなら早めに県の担当課へ相談するのが安全です。
Q4高圧ガスの製造許可は失効しますか?
第9条は自動失効ではなく「取り消すことができる」という裁量処分です。知事の処分があって初めて許可が失われます。
Q5許可取消しの前に聴聞はありますか?
あります。許可の取消しは行政手続法上の不利益処分にあたり、同法第13条により原則として聴聞手続が必要です。
Q6高圧ガス 許可取消し 不服申立てできる?
できます。審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内が原則です。
Q7冷凍機も高圧ガス保安法の対象ですか?
一定以上の冷凍能力をもつ冷凍設備は高圧ガスの「製造」として規制対象になります。冷凍倉庫や食品工場でも本条の期限が関係します。
Q8工場を買収すると高圧ガスの許可も引き継げる?
第10条の承継制度により引き継げる場合があります。ただし承継前に第9条で取り消されていれば、許可申請からやり直しになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q11年ちょっと止めてたら、もう許可は消えてるんですか?
自動的に消えることはありません。高圧ガス保安法第9条は「取り消すことができる」と定めており、知事が処分をしてはじめて許可が失われます。取消しは不利益処分なので、処分の前に聴聞が行われます(行政手続法第13条)。実務のポイント:実際には、県の担当課が気づいて連絡してくるまで許可が放置されていることも少なくありません。気づいた時点で自分から相談するほうが、正当な事由を説明しやすくなります
Q2「正当な事由」って、具体的に何なら通るんですか?
法律に一覧はなく、個別の事情に応じて判断されます。災害による被災、大規模な設備更新の工事、建設工程のやむを得ない遅れなどは主張しやすい事情です。単に「売れないので止めている」だけでは弱くなります。実務のポイント:結論を左右するのは、理由そのものよりも再開計画が具体的かどうかです。日付の入った工程表がひとつあるだけで、説明の説得力が大きく変わります
Q3止まってる工場を買うとき、許可も一緒に引き継げますか?
第10条に基づく承継の仕組みがあり、要件を満たせば許可を引き継ぐことができます。ただし、引き継げるのは承継の時点で許可が生きている場合だけです。休止が1年を超えていれば、承継の前に第9条で取り消される可能性があります。実務のポイント:DDでは許可証の写しだけでなく、最後に製造した日がわかる記録も必ず提出してもらいます。許可証の日付だけを見ても、許可がまだ使える状態かどうかはわかりません
間違えやすい点 AI による整理
- 「1年止めたら許可は自動で失効する」と思われがちだが、条文は「取り消すことができる」と定めている。知事が裁量で判断する処分であり、取り消す前には行政手続法に基づく聴聞が行われる。1年を過ぎてもすぐに許可が消えるわけではなく、その間に正当な事由を説明する機会がある
- 休止の届出さえ出しておけば安全だと考える担当者は多い。しかし本条が問うのは、届出を出したかどうかではなく、止めていることに「正当な事由」があるかどうかである。届出は手続上の義務であり、正当な事由の証明とは別のものである。理由を示す資料(需要の推移、設備更新計画、災害の記録など)を残していないことのほうが、リスクとしては大きい
- 「取り消されたら申請し直せばよい」という考え方は、問題の立て方がそもそも違う。再申請するには、改めて技術上の基準(第8条)を満たし、完成検査(第20条)を受ける必要がある。その間は製造できない。失うのは書類一枚ではなく、操業を再開できるはずだった数か月の時間である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取消し・届出の原因 | 第9条:正当な事由なき1年以内の未開始・1年以上の休止 | 第38条:法令違反等を理由とする許可取消し・製造停止 第21条:製造の開始・廃止の届出義務 |
| 事業者側の落ち度 | 違反は不要。休眠状態そのものが要件 | 法令・基準違反など事業者の義務違反が前提 届出を怠ること自体が義務違反 |
| 知事の判断 | 「取り消すことができる」裁量処分、正当な事由で回避余地 | 取消しまたは期間を定めた製造停止を選択 処分ではなく事業者からの届出 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は高圧ガス設備を主に労働安全の枠組みで規制しており、休眠許可の取消しに直接対応する条文は確認できていない
韓国も高圧ガスの製造に許可制を採用し、許可取消しの規定を置く。日本法と構造が近い
ドイツの連邦イミッシオン防止法は、一定期間内に操業を開始しない場合や3年間操業しない場合に許可が失効すると定める。日本と異なり、裁量による取消しではなく法律上当然に失効する構成である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 需要が落ち込み、地方の水素ステーションを「当面休止」にした。再開時期は未定のまま11か月が過ぎている。止めている理由を記録に残していなければ、13か月目に県から呼び出しがあったとき、「正当な事由」を説明する材料がない
- もし、休止して1年半たつ工場を居抜きで買い取ろうとしているなら、どうなるか。売主の許可を承継(第10条)できれば手続はかなり省けるが、承継する前に取り消されていれば、許可申請と完成検査をすべてやり直すことになる。DDのチェックリストに「最後の製造日」の欄はあるだろうか
- プラントの許可は下りたが、資材不足と人手不足で工事が半年遅れた。完成検査の予約はまだ取れていない。許可から1年まで残り40日である
- あなたは県の保安担当として、届出台帳を見て3年間動いていない許可を見つけた。取り消すのは簡単だが、取り消しは不利益処分なので、行政手続法に沿った聴聞(事業者が反論するための正式な手続)が必要になる。事業者に事情を聞かずに処分すれば、手続の瑕疵(手続上の欠陥)を突かれる
- 冷凍倉庫の大型冷凍機を入れ替えるため、旧設備を長期間止めた。冷凍設備も一定以上の能力なら「高圧ガスの製造」に当たることを、物流部門の誰も知らなかった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取消しに向けた聴聞の通知が届いたら、期日の前に休止理由を示す資料(需要の推移、設備更新計画、災害や資材不足の記録)をそろえる2. 聴聞では「正当な事由」と再開計画を具体的に説明する3. 取り消された場合は、処分の理由(行政手続法第14条)を確認したうえで、審査請求または取消訴訟を検討する4. 並行して、再申請にかかる期間と費用も見積もっておく
訴えられた側:こちらの欄は、取消しを検討している行政側、または休眠している許可を抱える事業者を想定している。1. 製造日報から最後に製造した日を確認する2. 1年に近づいている場合は、試運転を含めて製造を再開できるか、それとも廃止の届出(第21条)を出すかを判断する3. 休止を続ける場合は、理由と再開時期を記録し、県と事前に相談しておく4. 事業譲渡を予定しているなら、許可が取り消される前に承継の手続を済ませる
時効(請求できる期限):許可の日から1年以内に製造を開始しない場合、または製造の休止が1年以上続いた場合に、本条の取消しの対象になる。取消処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法第18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法第14条)に行う(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:高圧ガス取締法として制定され、製造の許可制度が設けられた
- 2.平成8年(1996年) 改正:法律の題名が高圧ガス保安法に改められ、自主保安を重視する方向へ規制体系が見直された
- 高圧ガス保安法 第5条第一種製造者の製造許可
- 高圧ガス保安法 第10条第一種製造者の地位の承継
- 高圧ガス保安法 第20条製造開始前の完成検査
- 高圧ガス保安法 第21条製造開始・廃止の届出義務
- 高圧ガス保安法 第38条違反を理由とする許可取消し・停止
- 行政手続法 第13条許可取消し前の聴聞手続
- 行政不服審査法 第18条取消処分への審査請求期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める