土地収用法 第55条(身分保障)
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- 委員及び予備委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。
- 一収用委員会の議決により心身の故障のため職務の執行ができないと認められたとき。
- 二収用委員会の議決により職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認められたとき。
- 2.委員及び予備委員が前項各号の一に該当するときは、都道府県知事は、その委員及び予備委員を罷免しなければならない。
- 3.委員及び予備委員が前条各号の一に該当するに至つたときは、当然失職するものとする。
この条文の基本情報
身分保障とは何ですか?
定義身分保障とは、土地収用法第55条に定められた規定で、「委員及び予備委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第55条(身分保障)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第55条の条文原文は「委員及び予備委員は、左の各号の一に該当する場合を除いては、在任中その意に反して罷免されることがない。」で始まります。
- 土地収用法第55条は第一節 組織及び権限に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第55条の前の条は土地収用法第54条です。
- 土地収用法第55条の次の条は土地収用法第56条です。
- 土地収用法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第55条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/55
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法55条は、収用委員と予備委員が在任中その意に反して罷免されないと定める。例外は委員会の議決で心身の故障か非行が認められた場合に限られる。
Q · 収用委員会の委員は、任命した知事が自由に辞めさせられるの?
いいえ。罷免には収用委員会自身の議決が必要です
土地収用法55条1項により、委員と予備委員は在任中その意に反して罷免されません。例外は、収用委員会の議決で①心身の故障のため職務を執行できない、②職務上の義務違反その他の非行がある、と認められた場合だけです。議決があれば知事は罷免しなければならず(同条2項)、裁量はありません。54条の欠格事由に該当した場合は当然失職します(同条3項)。
解説
土地収用で本当に怖いのは、事業者でも役所の担当者でもない。最後にあなたの土地の行き先と補償額を決める「収用委員会」である。委員会は都道府県に置かれ、委員は知事が議会の同意を得て任命する。そこで多くの地権者は「知事の任命なら知事の言いなりだろう」と考える。ところが本条は逆の作りになっている。委員と予備委員は在任中、本人の意思に反して罷免されない。例外は二つだけで、心身の故障で職務を執行できない場合と、職務上の義務違反などの非行がある場合である。しかもその認定をするのは知事ではなく、収用委員会自身の議決である。議決があれば、知事は罷免しなければならない。罷免するかどうかを知事が選ぶ余地はない。さらに前条(54条)の欠格事由に当たれば、手続なしに当然失職する。この設計の意味ははっきりしている。県が事業者側に立つ公共事業でも、知事は気に入らない委員を外せない。あなたが向き合う相手は知事の部下ではなく、身分を守られた判断者なのである。
法的な位置づけ
土地収用法55条は収用委員会の委員及び予備委員の身分保障を定める規定であり、在任中の意に反する罷免を原則として禁止する。罷免事由は、収用委員会の議決により認定された心身の故障による職務執行不能と、職務上の義務違反その他の非行の二つに限定され、議決後の知事による罷免は義務とされる。欠格事由該当時は当然失職となる。
よくある質問 AI による整理
Q1収用委員会とは何ですか?
都道府県に置かれ、土地収用の裁決と損失補償額を決める行政委員会です。土地収用法51条で設置され、独立して職権を行います。
Q2収用委員の罷免理由は何ですか?
土地収用法55条1項により、心身の故障で職務を執行できない場合と、職務上の義務違反その他の非行がある場合の二つに限られます。
Q3収用委員を罷免するのは誰ですか?
罷免を実行するのは都道府県知事ですが、その前提として収用委員会自身の議決による認定が必要です。議決後の罷免は知事の義務です。
Q4収用委員の予備委員にも身分保障はありますか?
あります。土地収用法55条は委員と予備委員を同列に扱い、いずれも在任中その意に反して罷免されないと定めています。
Q5収用委員が当然失職するのはどんな場合?
土地収用法54条の欠格事由に該当するに至った場合です。この場合は委員会の議決も知事の罷免手続も要せず、当然に失職します(55条3項)。
Q6収用委員会は県から独立していますか?
制度上は独立しています。51条2項で独立して職権を行うとされ、55条の身分保障が知事による人事上の圧力を遮断しています。
Q7収用委員の任期は何年ですか?
任期は土地収用法53条が定めています。55条の身分保障は、この任期中に意に反して罷免されないことを保障するものです。
Q8収用委員が辞任したら委員会はどうなる?
身分保障は意に反する罷免を防ぐだけで、自発的な辞任は止められません。委員が欠ければ審理が止まり得ることは、千葉県の事例が示しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知事が委員を選ぶんだから、結局は県の言いなりじゃないんですか?
任命は知事が議会の同意を得て行うが、任命した後は本条の身分保障が働く。罷免の理由は心身の故障と非行の二つに限られ、その認定も委員会自身の議決による(55条1項)。委員会は独立して職権を行う(51条2項)。実務のポイント:実務では、委員会の事務局が県の職員で構成されていることのほうが論点になりやすい。委員本人に宛てた書面で主張を明確にしておくと、事務局の整理に埋もれにくい
Q2収用委員会の裁決に納得できなかったら、委員を辞めさせればいいんですか?
それはできない。裁決の内容に不満があることは罷免の理由にならない。争う道は別に用意されている。補償額については、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に訴訟を起こせる(133条)。裁決のその他の点については、国土交通大臣への審査請求(129条)も検討する。実務のポイント:補償額への不満は審査請求の理由にできない(132条2項)。手続の選び方を誤ると、期間だけが過ぎてしまう(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「任命権者は罷免もできる」という一般常識をそのまま当てはめがちだが、本条はその常識を切っている。罷免の理由は二つに限られ、その該当性を認定するのも委員会自身の議決である。知事の役割は議決が出たあとに罷免を実行することだけで、これは義務であり裁量ではない
- 身分保障があるのは委員を楽にするためではない。地権者の財産を強制的に取り上げる裁決を、政治的な圧力から切り離すためである。収用委員会は「独立してその職権を行う」(51条2項)とされており、本条はその独立を人事の面から支えている。委員の身分が守られていることで、裁決への信頼という形で地権者も守られている
- 身分保障があれば委員会が止まることはない、と考えるのは危うい。本条が防ぐのは本人の意思に反する罷免だけで、委員が自分から辞めることまでは止められない。脅迫や暴力で委員が一斉に辞任すれば、委員会はそのまま空白になる。千葉県で実際に起きたことである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 身分を失う原因 | 55条1・2項:心身の故障または非行(委員会の議決で認定) | 54条:欠格事由への該当(55条3項で当然失職) 53条:任期の満了 |
| 認定・判断の主体 | 収用委員会自身の議決 | 法律上当然(認定手続不要) 期間の経過(判断不要) |
| 知事の関与 | 議決後に罷免する義務(裁量なし) | 関与なし(当然失職) 後任の任命(52条、議会の同意) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徵收の審議を中央の内政部が合議制で行い、都道府県単位の独立した収用委員会や委員の身分保障に相当する規定は置かれていない
韓国は日本に近い土地収用委員会(中央・地方)制度を持ち、委員の身分保障に関する規定を置く
ドイツの建設法典上の収用は上級行政庁が担当し、独立委員会型ではない。補償をめぐる争いは裁判所(Baulandkammer)で扱われる
米国連邦の収用では、正当補償額を陪審または裁判所が任命する commission が決定し、行政委員会ではなく司法手続の中で判断される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 県道の拡幅で自宅の一部が収用対象になった。事業者は県で、委員を任命するのも知事である。審理の前夜、この勝負は最初から決まっているのではないかと考えてしまう。そんなとき本条を思い出してほしい。裁決の内容が県に不利でも、知事はそれを理由に委員を外せない。不公正だと嘆くより、補償額の根拠資料を一つでも多く委員会に出すほうが結果を動かす
- 地元の有力者が「あの委員は事業に反対しすぎだ。知事に言って外してもらう」と言い出したら、どうなる? 答えは単純で、知事にその権限はない。罷免には収用委員会自身の議決が必要で、理由も心身の故障か非行に限られる。圧力をかけた側の記録だけが残ることになる
学説
通説:本条は51条2項の職権行使の独立を人事面から担保する規定であり、罷免事由の限定、委員会自身による認定、知事の罷免義務の三点により、任命権者による恣意的罷免を排除していると理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法(昭和26年法律第219号)の制定に伴い、収用委員会委員及び予備委員の身分保障規定として設けられた
- 土地収用法 第51条収用委員会の設置と職権行使の独立
- 土地収用法 第52条委員の組織と知事による任命
- 土地収用法 第53条委員の任期、身分保障の期間的枠
- 土地収用法 第54条欠格事由、3項の当然失職の前提
- 地方自治法 第180条の5収用委員会を都道府県の執行機関と定める
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