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土地収用法 第72条

法令番号
昭和二十六年法律第二百十九号
公布
最終改正
施行
効力
現行
種別
法律
データ取得日
令和8年10月30日
AI 解説の確認日
引用形式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第72条
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前条の規定は、使用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額について準用する。この場合において、同条中「近傍類地の取引価格」とあるのは、「その土地及び近傍類地の地代及び借賃」と読み替えるものとする。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 土地収用法第72条は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
  2. 土地収用法第72条の条文原文は「前条の規定は、使用する土地又はその土地に関する所有権以外の権利に対する補償金の額について準用する。」で始まります。
  3. 土地収用法第72条は第一節 収用又は使用に因る損失の補償に置かれています。
  4. 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
  5. 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月30日時点では廃止情報はありません。
  6. 土地収用法第72条の前の条は土地収用法第71条です。
  7. 土地収用法第72条の次の条は土地収用法第73条です。
  8. 土地収用法第72条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第72条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219
  • 本サイト収録土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第72条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月30日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/72
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点土地収用法72条は、土地の使用に対する補償金を、その土地と近傍類地の地代・借賃を基準に算定すると定める。71条の準用により事業認定告示時の相場に固定され、修正率で調整される。

Q · 公共工事で土地を一時的に使われるとき、補償金はどうやって決まるの?

告示時の地代・借賃の相場が基準で、売値ではない

土地収用法72条は、土地の使用に対する補償金について71条を準用し、基準を「その土地及び近傍類地の地代及び借賃」に読み替えています。そのため補償額は、事業認定の告示時点の賃料相場に、裁決時までの物価変動に応じた修正率を掛けて算定されます。告示後に地域の賃料が上がっても、その上昇分は原則として反映されません。営業上の損失などは88条の通常損失として別枠で補償されます。

解説

公共事業で土地を「取られる」話は聞いても、「借りられる」話はあまり知られていない。土地収用法には、所有権はあなたに残したまま、起業者(事業を行う国・自治体・鉄道会社など)が一定期間あなたの土地を使う「使用」という仕組みがある。工事の資材置き場や、トンネルを通すための地下空間が典型だ。本条は、その補償金を何で測るかを定めている。物差しは売買価格ではなく、その土地と近くの土地の「地代及び借賃」、つまり賃料の相場である。しかも前条(71条)を準用するため、金額は事業認定の告示(事業が公益性ありと国や知事に認められ、公表された時点)の相場で固定される。その後は、政令で定める物価変動の修正率でしか動かない。工事期間中に周辺の賃料が跳ね上がっても、その上昇分は原則として反映されない。だから勝負所は「裁決のとき」ではなく、「告示のときの賃料相場をどう立証するか」にある。

法的な位置づけ

土地収用法72条は、土地の使用に係る補償金の算定基準を定める規定であり、収用の補償に関する71条を準用したうえで、基準となる価格を近傍類地の取引価格から当該土地および近傍類地の地代・借賃に読み替える。これにより使用の補償額は、事業認定告示時の賃料相場を基礎に、物価変動に応ずる修正率を乗じて算定される。

手順

  1. 1.事業認定の告示日を特定する 官報または都道府県の公報で事業認定の告示日を確認する。補償額の基準日はこの日であり、以後に集める資料はすべてこの日付に紐づける
  2. 2.告示時点の賃料資料を集める 自分の土地の賃貸借契約書・賃料入金記録、近隣の賃貸募集資料や契約事例を、告示時点に近い日付のものから優先して集める。日付が明確な資料ほど証明力が高い
  3. 3.起業者の見積りの根拠を検証する 起業者に見積りに使った賃料事例と修正率の算式の開示を求め、立地・面積・用途の違いを指摘する。地下・空中の使用なら立体利用阻害率の根拠も確認する
  4. 4.通常損失を別項目で積み上げる 営業の減収や工作物の移転費用は72条の補償に混ぜず、88条の通常損失として項目ごとに根拠資料を付けて主張する
  5. 5.支払請求と出訴期間を管理する 46条の2で補償金の支払いを請求して資金を確保しつつ、裁決書の送達日から6か月の出訴期限をカレンダーに登録する。補償額は審査請求ではなく訴訟で争う

よくある質問 AI による整理

Q1土地収用法の「使用」とは何ですか?

所有権を地権者に残したまま、起業者が一定期間土地を使う仕組みです。資材置き場や地下トンネルのための区分地上権設定などが典型例です。

Q2土地の使用の補償金はどう計算しますか?

72条により、その土地と近傍類地の地代・借賃を基準とします。事業認定告示時の相場に、裁決時までの物価変動の修正率を掛けて算出します。

Q3土地の使用の補償に営業補償は含まれますか?

含まれません。72条の補償は土地を使う対価そのものです。駐車場収入の減少などの営業損失は、88条の通常損失として別項目で請求します。

Q4事業認定の告示日はどこで確認できますか?

国土交通大臣の認定なら官報、都道府県知事の認定なら都道府県の公報に掲載されます。補償の基準日になるため、最初に確認すべき日付です。

Q5使用期間が長いと土地を買い取ってもらえる?

使用期間が3年以上にわたる場合などは、81条により使用に代えて収用を請求できます。賃料ベースの補償と一括の土地代のどちらが有利か比較が必要です。

Q6土地の使用の補償額に不服があるときの期限は?

収用委員会の裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に、損失補償に関する訴えを起こす必要があります(133条2項)。

Q7裁決前に補償金を受け取ることはできますか?

できます。事業認定の告示後は46条の2により、起業者に補償金の支払いを請求できます。受け取った後も、裁決で差額を争う余地は残ります。

Q8土地の使用の補償は違憲ではないのですか?

最高裁は平成14年判決で、71条の価格固定方式は憲法29条3項の「正当な補償」に反しないと判断しました。72条はこの71条を準用しています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1地下にトンネルを通されるだけで、地上は今まで通り使えるのに、補償って出るんですか?

出る場合がある。地下を使う区分地上権の設定も使用にあたり、本条で準用する71条の枠組みで補償される。実務では、土地価格に立体利用阻害率(地上の利用がどの程度妨げられるかの割合)を掛けて算定することが多い。実務のポイント:深さが大深度地下にあたる場合は特別法が適用され、補償は原則不要、請求期限も告示から1年と短い。まず深さを確認すること

Q2工事が長引いて周りの家賃相場が上がったら、補償も上げてもらえますか?

原則として上がらない。本条が準用する71条により、補償額は事業認定の告示時の地代・借賃を基準とし、裁決時までの物価変動の修正率を掛けて決まる。最高裁(最判平成14.6.11)も、71条の価格固定方式は憲法29条3項に反しないと判断した。実務のポイント:だからこそ、46条の2の支払請求で早めに現金化し、代わりの土地の賃借に回すほうが実損を抑えやすい

Q3役所の見積りに納得できないとき、どこに文句を言えばいいんですか?

まず収用委員会の審理で、意見書と資料を出す。裁決後に補償額を争う場合は、審査請求ではなく、起業者を相手に裁判所で損失補償の訴えを起こす(133条)。期限は裁決書の送達から6か月である。実務のポイント:審査請求で補償額を争おうとして時間を使い、気付いたときには出訴期間が残り少ない、という失敗は少なくない。補償額は最初から裁判ルートと覚えておくこと

間違えやすい点 AI による整理

  • 「土地を使われるのだから、地価の何割かはもらえるはず」と考えて交渉を始める人が多いが、問いの立て方そのものがずれている。使用の補償を測る基準は、地価ではなく地代・借賃である。地価から逆算した要求は根拠を欠くと見られ、収用委員会でも裁判でも通りにくい。ただし、地下・空中の区分地上権の設定では、地価に阻害率を掛けて算定する実務もある
  • 価格が固定される話は聞いたことがあっても、その重さを知らない人は多い。告示から裁決まで数年かかる案件は珍しくなく、その間の地域的な賃料上昇は、一般物価に基づく修正率では拾いきれない。告示から何年も経って慌てて周辺相場を集めても、示すべきは告示時点の相場であり、手元の資料は的を外している
  • あなたから見れば、「勝手に使われる迷惑料」も含めて払うべきだと感じる。法律から見れば、本条の補償は土地を使う対価そのものであり、営業の減収や物件の移転費用は88条などで別枠に積み上げる構造である。項目を混ぜて一本の金額で要求すると、どの項目も根拠不足として削られる
比較の観点この条文ほかの条文
対象72条:土地の使用(所有権は地権者に残る)71条:土地の収用(所有権が起業者に移る)
88条:収用・使用に伴う通常損失
算定の物差しその土地及び近傍類地の地代・借賃近傍類地の取引価格
営業損失・移転費用など実際の損失
基準時事業認定告示時(71条準用)+修正率事業認定告示時+修正率
個別の損失発生状況に応じて算定

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地徵收條例第58条

台湾は臨時的な公共建設のための「徵用」に使用補償費を支払い、徵用期間が3年を超えると所有者は徵收を請求できる。日本の81条と同じ発想

韓国
공익사업을 위한 토지 등의 취득 및 보상에 관한 법률 제71조

韓国も使用する土地の補償を近傍類似土地の地料・賃貸料等を考慮して評価する。日本法の影響が色濃い

ドイツ
BauGB § 86・§ 93 ff.

ドイツでは所有権への負担設定(Belastung)も収用に含まれ、補償は同一の原則で算定される

アメリカ
United States v. General Motors Corp., 323 U.S. 373 (1945)

米国は一時的収用(temporary taking)の補償を公正な賃料価値で測る判例法理を持ち、日本の賃料基準と発想が近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 駅前で月極駐車場を経営している。隣接道路の拡幅工事で、敷地の半分を2年間資材置き場として使用したいと通知が来た。土地そのものの補償は売値ではなく、あなたの駐車場とその周辺の賃料相場で測られる。駐車場収入の減少は、88条の通常損失(使用によって通常生じる損失)として別枠で主張する
  • 事業認定の告示から裁決まで3年かかり、その間に周辺の賃料相場が2割上がったら、補償はどちらの相場で決まる? 答えは、告示時点の相場に物価変動の修正率を掛けた額である。地域固有の賃料上昇そのものは、原則として拾われない
  • あなたは県の用地担当者だ。トンネル工事のため、地下に区分地上権(地下や空中の一定範囲だけを使う権利)を設定する使用裁決を申請する。地権者からは「地表の地代を基準にすると、地下30 m の使用はいくらになるのか」と説明を求められる。実務では土地価格に立体利用阻害率を掛ける算定も用いられており、本条の地代基準との関係を説明できない見積りは、収用委員会の審理で崩される
  • 使用裁決書が届いた。補償額に納得できないなら、送達から6か月以内に裁判所へ。審査請求では補償額は争えない
  • 親から相続した山林について、工事用道路として長期間使用したいという話が来た。使用期間が3年以上にわたるなら、あなたは使用ではなく収用を請求できる(81条)。賃料ベースの補償を受けて土地を持ち続けるのと、土地代として一括で受け取るのと、どちらが得かを計算しておく価値がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 事業認定の告示日を官報または都道府県の公報で確認し、その時点の自分の土地と近隣の賃料資料(契約書、入金記録、募集広告)を集める2. 起業者の見積りに使われた賃料事例の開示を求め、立地・面積・用途の違いを指摘する3. 営業の減収や移転費は、88条の通常損失として別項目で積み上げる4. 46条の2で補償金の支払いを請求しつつ、裁決に不服があれば133条の訴訟を準備する

訴えられた側:1. 起業者側は、算定の基準を告示時点の地代・借賃に置いていることを、賃貸事例の一覧で示す2. 修正率をどう適用したかを、算式で説明できるようにしておく3. 地下・空中の使用では、立体利用阻害率による算定の根拠を整理する4. 使用期間が3年以上になるなら、81条の収用請求を受ける可能性を見込み、収用と使用の両案で予算を組む

時効(請求できる期限):損失補償に関する訴えは、収用委員会の裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に起こす必要がある(土地収用法133条2項)。補償額への不服は審査請求の理由にできない(同法132条2項)ため、この期間が実質的に唯一の争いの窓口となる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:使用の補償は土地利用の対価であり、地代・借賃を基準とするのが合理的。価格固定制は開発利益の帰属を排除する趣旨で、修正率と支払請求制度により正当な補償の範囲内にあると解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法制定。旧土地収用法(明治33年)に代わり、損失補償の規定が整備される
  2. 2.昭和42年(1967年) 改正:補償額の基準時を事業認定告示時に固定する価格固定制を導入。71条に収用の補償、72条に使用の補償の準用規定が置かれる構成となった

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土地収用法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 収用又は使用に因る損失の補償

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

出典と編集方針

出典
e-Gov法令検索上流データと同期
AI 解説
編集部による整理 · 条文の原文ではありません AI 解説は条文の原文をもとにモデルが生成し、確認手順を経たものです。理解の補助であり、法的効力は公式の原文が基準です。

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