出入国管理及び難民認定法 第55条の60(信書の検査)
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- 入国者収容所長等は、入国者収容所等の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、被収容者が発受する信書について、検査を行わせることができる。
- 2.次に掲げる信書については、前項の検査は、これらの信書に該当することを確認するために必要な限度において行うものとする。ただし、第四号に掲げる信書について、入国者収容所等の規律及び秩序を害する結果を生ずるおそれがあると認めるべき特別の事情がある場合は、この限りでない。
- 一領事官等から受ける信書
- 二被収容者が国又は地方公共団体の機関から受ける信書
- 三被収容者が自己に対する入国者収容所長等の措置その他自己が受けた処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対して発する信書
- 四被収容者が自己に対する入国者収容所長等の措置その他自己が受けた処遇に関し弁護士法第三条第一項に規定する職務を遂行する弁護士(弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人を含む。次条第二項において同じ。)との間で発受する信書
この条文の基本情報
信書の検査とは何ですか?
定義信書の検査とは、出入国管理及び難民認定法第55条の60に定められた規定で、「入国者収容所長等は、入国者収容所等の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、被収容者が発受する信書について、検査を行…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60(信書の検査)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60の条文原文は「入国者収容所長等は、入国者収容所等の規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める場合には、その指名する職員に、被収容者が発受する信書について、検査を行…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60は第六節 外部交通に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の59です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の61です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の60には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の60 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の60(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の60は、収容所長等が必要と認めれば被収容者の信書を職員に検査させられると定める。ただし弁護士等との所定の信書は該当性確認の限度に限られる。
Q · 入管に収容されている人への手紙って、職員に中身を読まれるの?
原則検査されうるが、弁護士等との一部の手紙は確認止まり
入管法55条の60第1項により、入国者収容所長等が必要と認めれば、指名された職員が被収容者の発受する信書を検査できます。ただし第2項は、領事官等から受ける信書、国・地方公共団体の機関から受ける信書、処遇を調査する機関へ出す信書、処遇に関し弁護士と発受する信書の四類型について、該当性確認に必要な限度に検査を限定しています。弁護士との信書には、特別の事情がある場合の例外があります。
解説
封を切って中身を読む権限と、封を切っても中身を読んではならない限度。55条の60はその二つを一本の条文に詰め込んでいる。1項が原則で、入国者収容所長等が「規律及び秩序の維持その他の理由により必要がある」と認めれば、あなたが収容施設の中の人とやりとりする手紙は、指名された職員に検査させられる。理由の幅は広い。だが2項が四つの類型を置く。領事官等から受ける手紙、国や自治体の機関から受ける手紙、自分の処遇を調査する機関へ出す手紙、自分の処遇について弁護士とやりとりする手紙。この四つは「該当することを確認するために必要な限度」でしか検査できない。差出人と宛先を確かめたら終わり、中身は読まない、という意味だ。そして読み落とされやすいのが方向の非対称である。1号と2号は「受ける」だけ、3号は「発する」だけ、両方向が守られるのは弁護士との4号だけ。しかもその4号にだけ、ただし書で例外の例外が用意されている。
法的な位置づけ
入管法第55条の60は、被収容者が発受する信書の検査を定める規定である。入国者収容所長等は、規律及び秩序の維持その他の理由により必要と認めるとき、指名職員に検査を行わせることができるが、領事官等、国又は地方公共団体の機関、処遇調査機関、弁護士との所定の信書は、該当性確認の限度に検査が限定される。
手順
- 1.手紙の内容がどの類型に当たるか決める 書き始める前に、その手紙が2項の四類型(領事官等から受信、国・自治体機関から受信、処遇調査機関へ発信、処遇に関する弁護士との発受信)のどれに載るかを決める。私人間の手紙は1項の一般検査の対象になる
- 2.差出人・宛先の資格を封筒の外形で示す 弁護士なら事務所名・弁護士名、機関なら正式名称を封筒と書面冒頭に明記し、四類型への該当性が外形から判別できるようにする
- 3.処遇の話と本案の話を別の封筒に分ける 4号の保護は処遇に関する信書に限られるため、難民認定や在留資格の本案に関する内容は別封にする。混在させると全体が1項の一般検査側に落ちうる
- 4.開封の痕跡と状況を毎回記録する 受け取った手紙に開封の跡があれば、日時、担当職員、告知の有無を記録し、写真を残す。後に取消訴訟や国家賠償で争う際の基礎資料になる
よくある質問 AI による整理
Q1入管法55条の60とは?
入管の収容施設で、被収容者が出したり受け取ったりする手紙を、所長等が指名した職員が検査できると定めた条文です。2024年施行の改正で新設されました。
Q2入管 収容者 手紙 検閲される?
規律及び秩序の維持その他の理由で必要と認められれば検査されます。ただし領事官等・公的機関・弁護士との一部の手紙は、該当性確認の限度に限られます。
Q3入管 収容 手紙 誰が検査する?
入国者収容所長等が指名した職員です。指名を受けていない職員が検査することは、条文上予定されていません。
Q4入管 収容者に手紙を送る方法は?
収容施設あてに被収容者の氏名を明記して郵送するのが一般的です。私人からの手紙は第1項の一般検査の対象となりうる点に注意が必要です。
Q5入管 収容者から弁護士への手紙 読まれる?
自己の処遇に関する弁護士との信書なら、原則として該当性確認の限度にとどまります。ただし特別の事情がある場合は通常の検査に戻ります。
Q6入管 手紙の検査 違法?
検査自体は法律上の権限に基づくため直ちに違法ではありません。必要性の判断に合理性がない場合や、2項の限度を超えた場合に違法が問題になります。
Q7入管 収容者 人権救済 申立て 手紙で出せる?
処遇に関し調査を行う国又は地方公共団体の機関に対する発信は2項3号に当たり、該当性確認の限度でしか検査されません。
Q8入管 手紙の検査 いつから法律で決まった?
令和5年法律第56号による改正で新設され、令和6年(2024年)に施行されました。それ以前は省令レベルで規律されていました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1封筒に「親展」って書けば読まれずに済みますか?
済みません。親展は私人間の慣行であって、55条の60第1項の検査権限に対する法的効果はありません。中身を読まない扱いになるのは2項の四類型に当たる場合だけで、それも該当性を確認する限度の検査は行われます。実務のポイント:効くのは親展ではなく差出人の肩書きです。弁護士が職務として、かつ処遇に関する件で出したことが封筒の外から判別できるか、そこが現実の分かれ目になります。
Q2弁護士とやりとりする手紙なら、何を書いても読まれないんですよね?
そうとは限りません。2項4号が守るのは、自己に対する措置その他自己が受けた処遇に関する信書に限られます。難民認定の理由や在留資格の中身は処遇の話ではなく、1項の一般検査に戻りうる。さらに4号だけただし書があり、特別の事情があれば通常の検査に戻ります。実務のポイント:実務では、処遇に関する部分と本案の部分を別の封筒に分けて出す対応が取られることがあります。
Q3領事館に手紙を出したいんですが、これも守られますよね?
条文を文言どおり読むと守られません。2項1号は領事官等から「受ける」信書であり、被収容者が発する信書は挙げられていないからです。実務のポイント:もっとも、領事関係に関するウィーン条約36条は拘禁された者と領事機関との通信を双方向で保障しており、条約は法律より上位に立つため、発信側も守られるべきだという主張は成り立ちます。この論点は実務上まだ固まっていません。
Q4勝手に読まれたとして、後から違法だと争えますか?
道はあります。個別の措置を処分と見て行政事件訴訟法3条の抗告訴訟で争うか、国家賠償法1条で賠償を求めるかです。処分性の有無は実務上解釈が分かれており、国賠のほうが入口は広い。実務のポイント:効くのは「読まれた」という主張ではなく、「2項何号に該当する信書なのに確認の限度を超えた」という主張です。だから出す段階で号を意識して記録を残した人が、後で強くなる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「読まれるか、読まれないか」という問いの立て方そのものが誤っている。1項の原則は検査ができるであり、2項でも検査自体はなくならず、該当性を確認する限度に縮むだけである。問うべきは読まれるかではなく、この手紙をどの号に載せるか、である
- 弁護士との手紙が守られることは知られている。だがその保護が「自己に対する入国者収容所長等の措置その他自己が受けた処遇に関し」という限定を背負っていることは、ほとんど知られていない。難民認定申請の理由や在留資格の中身は処遇の話ではない。同じ弁護士宛てでも、書いた話題によって保護の外に出る
- あなたから見れば、手紙を開けられることはプライバシーの侵害である。だが法から見れば、争点は「規律及び秩序の維持その他の理由により必要があると認める」という判断に合理性があったかどうか、それだけだ。感情の強さは主張の強さにならない。この落差を知らないまま抗議すると、記録に残るのは感情だけになる
- 2項の四類型が「相手方で決まる」と読むと間違える。1号2号は受信のみ、3号は発信のみ、4号だけが双方向。同じ相手でも方向が変われば保護の有無が変わる構造になっている
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも外国人の収容は入出国及移民法に基づき、受収容人の通信の取扱いは下位規則で定められる。日本のように法律本体で信書検査の限度類型を明記する構造かは要確認
ドイツの送還拘禁の執行は滞在法が規律し、拘禁者と弁護士・領事等との接触を保障する規定を置く。信書検査の具体的限度は州法・執行規則の確認が必要
米国は移民拘禁の通信を法律ではなく ICE の拘禁基準で規律し、弁護士等との特権的郵便(special correspondence)は被拘禁者の面前でのみ開封し中身は読まない扱いとしている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、収容されている友人に「このまま裁判で争うべきだ」と手紙で書いたら、それは読まれるのか? 差出人があなた個人なら2項のどの号にも当たらず、1項の一般検査の対象になる。施設側が必要と認めれば中身まで読める。同じ内容でも、弁護士が自分の処遇について書けば4号、あなたが書けば1項。差出人の肩書きが、封筒の運命を分ける
- 検査を行えるのは、入国者収容所長等から指名された職員だけである。指名のない職員が開封すれば、法の根拠を欠く。誰が指名されていたかは、後に争うとき最初に問われる
- 退去強制令書が出て、送還まであと数日。弁護士へ書面を出したいが、それは「自己が受けた処遇」の話か、退去強制処分そのものの話か。後者なら4号ではなく1項の検査対象になる。この線引きは実務上解釈が分かれており、時間がない場面ほど、封筒に何を書くかで結果が変わる
- 母国の領事館に助けを求める手紙を出す。2項1号は領事官等から「受ける」信書だけを挙げており、被収容者が「発する」手紙は書かれていない。受け取る側だけが守られ、出す側は1項の原則に戻る。この方向の非対称に気付いている支援者は多くない
- 収容中の配偶者から届いた封筒に、一度開けられた跡がある。検査された事実そのものは違法ではない。争えるのは「必要があると認める」の中身が本当にあったのか、その信書が2項の四類型に当たらなかったのか、その二点だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 書く前に、その内容を2項のどの号に載せるか決める。処遇の苦情なら3号の機関宛てか4号の弁護士宛てにする。2. 差出人の資格(弁護士法人名、機関名)が封筒の外形から分かるようにする。3. 本案(難民認定、在留資格)の話と処遇の話は封を分ける。混ぜた瞬間に全体が1項側へ落ちうる。4. 開封の跡、日時、担当職員、告知の有無を毎回記録する。後で争うとき、手元にある証拠はこの記録だけになる。
訴えられた側:1. 検査を行う職員が所長等の指名を受けた者か、記録で確認する。指名がなければ行為の根拠を欠く。2. 2項該当性は封筒の外形と差出人で判断し、該当するなら内容の読み取りに進まない。限度を超えた時点で国家賠償のリスクが立ち上がる。3. 4号のただし書を使うなら、規律秩序を害するおそれの「特別の事情」を事前に文書化する。事後に必要性を説明できない適用は、裁量の逸脱と評価されやすい。
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。個別の検査措置を処分と構成して取消訴訟を起こすなら、処分があったことを知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)、審査請求なら3か月(行政不服審査法18条)。国家賠償なら損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。起算点はその一回の検査が行われた日であり、収容が終わった日ではない(最新の改正状況をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)法律第56号による新設、令和6年(2024年)施行 従来は法務省令レベルで規律されていた被収容者の処遇が法律事項に格上げされ、被収容者処遇の章が新設された。その一部として信書の検査が条文化され、領事官等、国・地方公共団体の機関、処遇調査機関、弁護士との信書について、該当性確認の限度に検査を縮める規律が初めて法律上明記された
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:令和5年法律第56号による入管法改正で被収容者の処遇に関する規定が法律に整備され、その一部として信書の検査が条文化された。令和6年(2024年)施行。
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