出入国管理及び難民認定法 第55条の53(保護室等への収容)
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- 入国警備官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、入国者収容所長等の命令により、その者を保護室又は法務大臣が定める基準を満たす単独室(以下この条及び第五十五条の七十四第一項第三号において「保護室等」という。)に収容することができる。
- 一自身を傷つけるおそれがあるとき。
- 二次のイからハまでのいずれかに該当する場合において、入国者収容所等の規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき。
- 一入国警備官の制止に従わず、大声又は騒音を発するとき。
- 二他人に危害を加えるおそれがあるとき。
- 三入国者収容所等の設備、器具その他の物を損壊し、又は汚損するおそれがあるとき。
- 2.前項に規定する場合において、入国者収容所長等の命令を待ついとまがないときは、入国警備官は、その命令を待たないで、その被収容者を保護室等に収容することができる。この場合には、速やかに、その旨を入国者収容所長等に報告しなければならない。
- 3.保護室等への収容の期間は、二十四時間以内とする。ただし、特に継続の必要がある場合には、入国者収容所長等は、二十四時間ごとにこれを更新することができる。
- 4.入国者収容所長等は、前項の期間中であつても、保護室等への収容の必要がなくなつたときは、直ちにその収容を中止させなければならない。
- 5.被収容者を保護室等に収容し、又はその収容の期間を更新した場合には、入国者収容所長等は、速やかに、その被収容者の健康状態について、医師等職員又は入国者収容所長等が委嘱する医師等の意見を聴かなければならない。
- 6.保護室の構造及び設備の基準は、法務省令で定める。
この条文の基本情報
保護室等への収容とは何ですか?
定義保護室等への収容とは、出入国管理及び難民認定法第55条の53に定められた規定で、「入国警備官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、入国者収容所長等の命令により、その者を保護室又は法務大臣が定める基準を満たす単独室(以下この条及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53(保護室等への収容)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53の条文原文は「入国警備官は、被収容者が次の各号のいずれかに該当する場合には、入国者収容所長等の命令により、その者を保護室又は法務大臣が定める基準を満たす単独室(以下この条及び…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53は第五節 規律及び秩序の維持に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の52です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の54です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の53には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の53 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の53(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_53
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の53は、自傷のおそれ等がある被収容者を所長命令で保護室等に収容できると定める。期間は24時間以内で、更新には24時間ごとの判断を要する。
Q · 入管の保護室には、何時間まで入れられるの?
1回24時間以内。ただし24時間ごとに更新できる
出入国管理及び難民認定法55条の53第3項により、保護室等への収容は24時間以内とされています。ただし特に継続の必要がある場合、所長等は24時間ごとに更新できます。更新回数に条文上の上限はありません。一方、必要がなくなった時点で直ちに中止する義務があり(4項)、収容時と更新時には医師等の意見を速やかに聴く必要があります(5項)。
解説
入管施設の中に「保護室」と呼ばれる部屋がある。窓はなく、壁はクッション材で覆われ、便器は床に埋め込まれている。監視カメラが二十四時間作動し、収容されている間、他の誰とも会話できない。この条文は、入国警備官がその部屋にあなたを閉じ込める権限の全体像を定めている。だが読み方を変えると、これは「権限の条文」ではなく「歯止めの条文」だ。要件は二つに限定され(自傷のおそれ、規律秩序維持のため特に必要)、原則は所長の命令が必要で、期間は二十四時間が上限、更新するなら二十四時間ごとに所長が判断し直さなければならない。必要がなくなれば「直ちに」中止する義務があり、収容と更新のたびに医師の意見を聴く義務がある。つまり、この条文に書かれた一つ一つの手続が守られなかったとき、それは違法な身体拘束になる。あなたが家族や支援者として面会に行くなら、確認すべきは「入っていたかどうか」ではなく「いつ、誰の命令で、何回更新され、医師は何と言ったか」である。
法的な位置づけ
保護室等収容とは、出入国管理及び難民認定法55条の53に基づき、自身を傷つけるおそれがある被収容者、または規律及び秩序の維持のため特に必要がある被収容者を、入国者収容所長等の命令により保護室または法務大臣が定める基準を満たす単独室に収容する保安措置をいう。期間は24時間以内で、24時間ごとに更新できる。
手順
- 1.面会拒否の日時と説明内容を記録する 面会や電話を断られた日時、対応した職員の説明を、その場で日付入りでメモする。後で開示された収容記録と時系列を突き合わせる材料になる
- 2.収容開始時刻・命令者・更新回数・医師意見を確認する 本人や施設から、収容の開始時刻、所長命令か緊急収容か、更新の回数、医師等の意見聴取の時期という4つの事実を聞き取り、記録する
- 3.弁護士に連絡して照会を入れてもらう 本人の同意を得て弁護士に相談し、施設への照会や面会を依頼する。外部から確認が入ること自体が、次の更新判断を慎重にさせる
- 4.収容関係文書の開示を請求する 収容命令書、更新命令の記録、医師意見の記録をまとめて開示請求し、更新記録の欠落や医師意見の抜けがないかを時系列表で確認する
よくある質問 AI による整理
Q1入管の保護室とはどんな部屋ですか?
自傷のおそれ等がある被収容者を隔離する部屋です。構造と設備の基準は法務省令で定めるとされ(6項)、法務大臣が定める基準を満たす単独室も含まれます。
Q2入管 保護室 何時間まで入れられる?
1回の収容は24時間以内です(3項)。ただし特に継続の必要があれば、所長等が24時間ごとに更新できます。更新回数に条文上の上限はありません。
Q3入管で保護室に入れられる理由は?
自身を傷つけるおそれがあるときと、規律及び秩序を維持するため特に必要があるときの2つに限られます(1項)。後者は条文所定の場合に限られます。
Q4所長の命令なしに保護室へ入れられることはある?
あります。命令を待つ時間がない緊急時には、入国警備官が先に収容できます。ただしその後、速やかに所長等へ報告する義務があります(2項)。
Q5保護室収容中に医師の診察は受けられる?
収容時と更新時には、所長等が速やかに医師等の意見を聴かなければなりません(5項)。事前の診察が必須とまでは書かれていない点に注意が必要です。
Q6保護室収容が違法になるのはどんな場合?
要件を満たさない収容、更新判断のない24時間超過、必要がなくなった後も続ける収容、医師意見の聴取を怠った場合などが違法の争点になり得ます。
Q7入管の保護室収容の記録は開示請求できる?
行政機関情報公開法や個人情報保護法に基づき、収容命令書や更新記録などの開示を求める道があります。不開示部分が出ることもあるため、弁護士への相談が確実です。
Q8違法な保護室収容で国家賠償請求はできる?
公務員の違法な公権力行使による損害として、国家賠償法1条に基づき請求を検討できます。時効は原則として損害と加害者を知った時から3年です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保護室って、要するに懲罰で入れられる部屋じゃないんですか?
違う。本条の要件は「自身を傷つけるおそれ」と「規律及び秩序を維持するため特に必要があるとき」で、いずれも将来の危害防止を目的とする保安措置である。規律違反への制裁は別の手続による。実務のポイント:この区別が争点になるのは、実質的に制裁目的なのに本条で処理された場合である。弁解の機会が与えられず、直前に職員とのトラブルがあり、危険な行動の具体的記録がないという三点が揃うと、目的の転用を疑う材料になる
Q2二十四時間ごとに更新できるなら、実質的に無期限じゃないですか?
条文上、更新回数に上限はない。歯止めは回数ではなく、二十四時間ごとに所長が必要性を判断し直す義務(三項ただし書)と、必要がなくなれば直ちに中止する義務(四項)にある。実務のポイント:更新命令書の記載が毎回同一文言でコピーされているケースは、実質的判断が行われていない証拠として機能する。開示請求で複数回分の更新記録を並べて比較するのは、この種の主張を組む定番の手順である
Q3医師の意見を聴くって、ちゃんとした診察のことですか?
五項は収容時と更新時に「医師等職員又は入国者収容所長等が委嘱する医師等の意見を聴かなければならない」と定める。聴取の時期は「速やかに」であって事前とは限らない。実務のポイント:意見聴取の記録には、実施時刻、実施者の資格、意見の内容が残る。医師が継続に消極的な意見を述べていたのに収容が更新されていた場合、その記録は後の訴訟で最も強い証拠になる。だからこそ開示請求では医師意見の記録を必ず含める
Q4面会に行ったら会えなかった。保護室に入っていたかどうか、家族は教えてもらえますか?
施設側の運用により対応が分かれ、プライバシーを理由に詳細を伏せられる場合もある。本人の同意がある弁護士であれば、より踏み込んだ確認がしやすい。実務のポイント:面会が断られた日時そのものを記録しておくことに意味がある。後で開示された収容記録と突き合わせたとき、時系列が合うかどうかが検証材料になる。その場で「今日は会えなかった」とメモを残す習慣が、数か月後の立証を支える
間違えやすい点 AI による整理
- 「保護室は懲罰房だ」と思われがちだが、法的性格が違う。懲罰としての隔離は別の規律違反手続(第五十五条の七十四等の反則行為に対する措置)で行われるもので、本条の保護室等収容は将来の危害を防ぐための即時的・保安的措置である。この違いが実務で効くのは、懲罰であれば告知と弁解の機会という手続保障が必要になるのに対し、保安措置には即時性が優先されるという点。逆に言えば、実質的に懲罰目的で本条を使えば、手続保障を潜脱した違法な運用になる
- 「二十四時間以内」という上限を見て、「最長二十四時間で必ず出られる」と読む人が多いが、正しくない。ただし書により二十四時間ごとの更新が可能で、更新回数に法文上の上限はない。深刻なのは、この条文の歯止めが「総日数の上限」ではなく「二十四時間ごとに所長が判断し直す」という手続的な歯止めでしかないという点。だからこそ更新命令の一つ一つが実質的に判断されたかが唯一の争点になる
- 「医師の意見を聴く」という五項を、健康チェックの形式的手続だと軽く見てはいけない。ここで医師が「継続は健康上危険」という意見を述べた記録があるのに収容が継続されたなら、その記録は後の国家賠償訴訟で決定的な証拠になる。逆に意見聴取を怠った、あるいは医師以外が形式的にチェックしただけという運用も、手続違反として攻撃対象になる
- あなたの側から見れば「安全のための保護」に見えるが、国際人権法の側から見ると「独居拘禁(solitary confinement)」に該当しうる。国連の被拘禁者処遇最低基準規則(マンデラ・ルール)は十五日を超える連続した独居拘禁を禁止しており、この落差が、日本の入管収容が国際的に繰り返し勧告を受けてきた震源地の一つになっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 収容期間の上限 | 入管法55条の53:24時間以内 | 刑事収容施設法79条:72時間以内 |
| 更新の単位 | 24時間ごとに所長等が更新 | 48時間ごとに刑事施設の長が更新 |
| 医師の関与 | 収容時・更新時に速やかに医師等の意見を聴取 | 収容時・更新時に速やかに医師の意見を聴取 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では外国人の収容とその管理は入出國及移民法と下位規則で規律される。隔離措置の期間を法律で細かく区切る日本型の規定との対照が参考になる
韓国は強制力の行使を法律で定め、保護施設内の特別な処遇の細目は規則に委ねる構造
ドイツでは退去強制のための拘禁の執行は各州法に委ねられ、隔離措置の要件も州法で定められる
米国では移民収容施設内の隔離(Special Management Units)は法律ではなく ICE の収容基準で規律され、法的拘束力の強さが論点になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 難民申請中の友人が入管施設にいる。ある日、面会に行くと「いま面会できません」と言われた。理由を聞いても職員は詳しく答えない。実は保護室に入っていた。あなたが聞くべき質問は「収容の開始時刻」「所長の命令か現場判断か」「更新回数」「医師の意見聴取はいつ行われたか」の四つ。この四つを記録した瞬間、後の国家賠償請求の証拠が立ち上がる
- 職員側の視点で見てみる。夜間、被収容者が自室で暴れ、壁を叩き続けている。所長は帰宅していて連絡がつかない。二項がここで効く。命令を待ついとまがなければ現場の判断で収容できるが、その後「速やかに」報告する義務が発生する。報告を怠れば、正当な緊急措置が事後的に違法と評価されうる
- もし、自傷のおそれで保護室に入れられた人が、七十二時間そこにいたとしたら? 三項に照らせば、少なくとも二回の更新命令があったはずだ。その二回について所長が個別に判断した記録が残っていなければ、二十四時間を超えた部分は法的根拠を失う
- 収容が始まってから十二時間、被収容者は落ち着きを取り戻し、普通に会話している。それでも二十四時間経つまで出さない、という運用は四項違反である。「必要がなくなったとき」は「時間が来たとき」ではない。上限時間と必要性判断は別物だという理解が、この条文の核心にある
- あなたが支援団体のボランティアで、当事者から「保護室に入れられた」と手紙で知らされた。開示請求できる文書は何か、国家賠償請求の時効はいつからか、これを知っているかどうかで、三か月後に打てる手が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 収容の開始日時、終了日時、更新の有無と回数を、記憶が新しいうちに日付入りで書き残す2. 医師の診察や問診がいつ、誰によって行われたかを記録する(五項の意見聴取が実施されたかの争点になる) 3. 弁護士に相談し、行政文書開示請求で収容命令書・更新記録・医師意見の記録を取得する4. 手続違反(所長命令の欠落、更新記録の不備、必要性消滅後の継続)があれば、国家賠償法一条に基づく損害賠償請求を検討する5. 並行して入管への苦情申出、収容中であれば第五十五条の八十以下の不服申出の枠組みも確認する
訴えられた側:1. 職員側・施設側の立場であれば、収容の要件該当性(自傷のおそれ、規律秩序維持の特別の必要)を具体的事実で記録に残す2. 二項の緊急収容を行った場合は、報告の時刻まで含めて記録する(「速やかに」の立証はこの記録に尽きる) 3. 更新のたびに、前回と異なる時点の具体的事情を根拠として記載する(同一文言のコピーは実質判断の欠如と評価されやすい) 4. 五項の医師意見は聴取の事実だけでなく内容と対応も記録する5. 必要性が消滅した時点での中止判断を、時刻入りで残す
時効(請求できる期限):保護室等収容は二十四時間以内、更新は二十四時間ごと(三項)。緊急収容の場合の所長への報告は「速やかに」(二項)。違法な収容に対する国家賠償請求の消滅時効は、損害および加害者を知った時から三年、人の生命または身体を害する場合は五年(民法七百二十四条、七百二十四条の二)、行為時から二十年で除斥。行政文書の開示請求に法定の期限はないが、保存年限を過ぎると文書自体が廃棄される点に注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
手続的統制説(本条の構造理解):本条は総日数の上限を置かず、24時間の区切りと更新ごとの再判断、必要性消滅時の即時中止、医師意見の聴取という手続を重ねて拘束を統制する設計と理解される。このため、各更新判断が実質的に行われたかが適法性の中心的な争点になる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:令和5年の入管法改正で、被収容者の処遇に関する規定群の一つとして新設。保護室等収容の要件・期間・医師意見聴取を法律で明文化した
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