出入国管理及び難民認定法 第55条の52(捕縄及び手錠の使用)
クイックジャンプ
- 入国警備官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかに該当する行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用することができる。
- 一逃走すること。
- 二自身を傷つけ、又は他人に危害を加えること。
- 三入国者収容所等の設備、器具その他の物を損壊すること。
- 2.捕縄及び手錠の制式は、法務省令で定める。
この条文の基本情報
捕縄及び手錠の使用とは何ですか?
定義捕縄及び手錠の使用とは、出入国管理及び難民認定法第55条の52に定められた規定で、「入国警備官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかに該当する行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用す…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52(捕縄及び手錠の使用)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52の条文原文は「入国警備官は、被収容者を護送する場合又は被収容者が次の各号のいずれかに該当する行為をするおそれがある場合には、法務省令で定めるところにより、捕縄又は手錠を使用す…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52は第五節 規律及び秩序の維持に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の51です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の53です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の52には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の52 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の52(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_52
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の52は、入国警備官が被収容者の護送時や逃走・自傷他害・器物損壊のおそれがある場合に限り、法務省令の制式に従い捕縄又は手錠を使用できると定める。
Q · 入管で暴れてもいないのに手錠をされたら、違法になるの?
護送中なら原則適法。争点は時間・態様・器具
入管法55条の52第1項は、護送それ自体を捕縄・手錠の使用事由としています。そのため、護送中の手錠使用は、暴行や逃走の兆候がなくても直ちに違法とはなりません。争えるのは、必要性が消えた後も着けたままだったか、態様が過剰でなかったか、そして法務省令の制式から外れた器具(結束バンド等)を使っていないかという点です。違法な使用には国家賠償法1条による請求の余地があります。
解説
入管の収容施設で職員が被収容者の身体を拘束するとき、法律が使用を認めている器具はたった二種類しかない。捕縄(実務でいう腰縄)と手錠である。使える場面も限定されている。護送するとき、または逃走、自傷、他人への加害、施設の物の損壊のおそれがあるときだけだ。そして効いてくるのが第2項である。捕縄と手錠の「制式」、つまり形と規格まで法務省令で固定されている。ここから逆算すると、結束バンド、粘着テープ、タオル、規格外のベルトで身体を固定する行為は、本条が与えた権限の外側に出る可能性が高い(現場の有形力行使が別の根拠で議論される余地はあるが、戒具としての継続的拘束を本条の枠外で正当化するのは容易ではない)。あなたが面会で聞き取るべきは、つらかったかどうかではない。何で縛られ、何時から何時まで縛られ、そのとき自分は何をしていたか。この三点が、後で争うときの骨格になる。
法的な位置づけ
入管法55条の52は、入国者収容所等における戒具の使用を定める規定である。入国警備官は、被収容者の護送時、または逃走、自傷もしくは他人への危害、施設の設備等の損壊のおそれがある場合に限り、法務省令に従って捕縄または手錠を使用できる。器具の制式も法務省令で定められ、使用場面と器具の双方が法定されている。
手順
- 1.面会で器具・時間・状況の三点を聞き取る 面会では、体調を尋ねる前に、使われた器具の種類(手錠か捕縄か規格外の物か)、着用開始と解除の時刻、そのとき本人が何をしていたかを、日時つきで書き取る
- 2.記録と映像の保存を書面で求める 施設に対し、戒具の使用記録と監視カメラ映像の保存を求める書面を早めに提出する。主張の中身は後から組み立てればよく、証拠の消失防止を優先する
- 3.保有個人情報の開示請求を行う 個人情報保護法に基づき、本人または代理人から施設の戒具使用記録等の開示を請求する。取得した記録と面会記録を時刻ごとに突き合わせる
- 4.施設内手続と国家賠償請求を並行して準備する 施設内の苦情の申出や不服申立てを使いつつ、弁護士と相談して国家賠償法1条による請求を並行して準備する。消滅時効(原則3年、生命・身体侵害は5年)を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1入管の戒具とは何ですか?
入管の収容施設で被収容者の身体を拘束する器具のことです。入管法55条の52が認めるのは捕縄と手錠の二種類だけで、形や規格は法務省令で定められています。
Q2入管で手錠を使える条件は?
護送する場合と、逃走、自傷や他人への危害、施設の物の損壊のおそれがある場合に限られます(入管法55条の52第1項)。「態度が悪い」だけでは使用事由になりません。
Q3入管の送還で手錠をされるのは違法?
空港への移送や航空機への搭乗は護送にあたるため、手錠の使用自体は原則として条文の枠内です。違法性が問題になるのは、時間の長さ、態様の過剰さ、規格外の器具を使った場合です。
Q4入管で結束バンドを使うのは違法?
本条が認める器具は法務省令で制式を定めた捕縄と手錠だけです。結束バンドなど規格外の物による継続的な拘束は、本条の授権の外に出る可能性が高いといえます。
Q5入管の収容中の扱いについて国家賠償請求できる?
違法な戒具の使用で損害を受けた場合、国家賠償法1条に基づき国に賠償を請求できます。損害と加害者を知った時から原則3年(生命・身体侵害は5年)で時効になります。
Q6入管の監視カメラ映像は開示請求できる?
本人または代理人は、個人情報保護法に基づき保有個人情報の開示を請求できます。ただし保存期間は運用任せで上書きされるため、まず保存を求める書面を早めに出すことが重要です。
Q7入管収容は刑罰ですか?
刑罰ではありません。退去強制手続を確保するための行政上の措置です。そのため、身体拘束などの負担は保安上の必要がある範囲でしか正当化されません。
Q8入管の戒具使用 記録は残る?
戒具の使用は法務省令に従って行われるため、施設側には使用に関する記録が作られるのが通常です。開示請求しても記録が存在しなければ、それ自体が手続上の問題点を示す材料になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1暴れてもいないのに手錠をされたんですが、これって違法じゃないんですか?
護送の場面であれば、第1項柱書が護送それ自体を使用事由として並べているため、具体的な暴行や逃走の兆候がなくても使用そのものは枠内に収まります。争えるのは必要性の持続と態様です。実務のポイント:弁護士が最初に確認するのは「使われたか」ではなく「何分間か」。同じ手錠でも、移動時間を大きく超えて着けたままだった記録が残っていると、必要性の説明責任が一気に施設側へ傾きます
Q2病院に連れて行かれるとき、外してくださいと言えますか?
外部受診も護送に当たるため、使用自体は第1項の範囲です。ただし診察の妨げになる場合、医療上の必要から解除が検討されます。実務のポイント:職員に頼むより、診察室で医師に直接「これでは診てもらえない」と伝えるほうが効きます。医師の指示という外部の記録が残り、後から解除を拒んだ経緯を検証できる形になるからです
Q3捕縄って何ですか。今どき縄なんて使うんですか?
実務でいう腰縄のことで、護送時に手錠と組み合わせて使われます。形状や規格は第2項により法務省令で定められています。実務のポイント:この「制式」の存在が最大の武器です。結束バンド、粘着テープ、タオルなど規格外の物で拘束された場合、本条の授権から外れる可能性が高い。だから面会では、縛られた器具が金属製だったか紐状だったか、素材まで聞き取っておく
Q4使われ方がひどかった場合、誰に何を言えばいいんですか?
令和5年改正で整備された施設内の苦情の申出や不服申立てを使う道と、国家賠償請求(国家賠償法1条)で争う道があり、両者は並行して進められます。実務のポイント:施設内手続の結果を待ってから訴訟を考えると、その間に映像が消えます。順序は逆で、まず保存を求める書面、次に記録の開示請求、その後に主張の組み立て。弁護士が最初にやるのもこの順番です
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「暴れてもいないのに手錠をされた」ことが不当の核心だが、条文から見ると護送はそれ自体が独立した使用事由として並んでいる(第1項柱書)。つまり争点は「使ったかどうか」ではなく「どの器具を、どれだけの時間、どんな態様で使い続けたか」に移る。この落差に気付かないまま「理由もなく手錠をされた」とだけ主張すると、入口で空振りする
- 制式が法務省令で定められていること自体は、第2項を読めば誰でも分かる。分かっていないのはその深刻度のほうだ。規格外の物で拘束した瞬間、職員は自分の行為を支えていた授権規定を自ら手放すことになる。条文の中で最も短い一文が、実務では最も鋭い刃になる
- 「収容されている人に権利なんてあるのか」という問いの立て方自体が間違っている。入管収容は退去強制手続を確保するための行政上の措置であって、刑罰ではない。刑罰でない以上、苦痛を与える要素は保安上の必要からしか正当化されず、必要がなくなればそこで終わらなければならない
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も外国人の収容を行政収容と位置付け、戒具の使用は下位規則で規律する。器具の制式まで法定する日本の構造との細部比較は要確認
韓国は法律本体で強制力の行使と保護装備(手錠・捕縄等)の使用要件を列挙する。日本より器具の種類が多い点が特徴
ドイツは送還収容の身体拘束(Fesselung)を連邦の直接強制法で規律し、逃走・自傷他害のおそれを要件とする
米国は法律ではなく拘禁基準で拘束具の使用と記録義務を定め、施設ごとの運用差が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 持病の薬が切れて外部の病院に連れて行かれることになった。待合室でも診察室でも手錠と腰縄のままだとしたら、それは違法なのか? 施設外への移動は護送に当たるため、使用自体は第1項の枠内に入る。争える余地があるのは、医師が診察上の必要から解除を求めたのに職員が拒んだのか、必要性が消えた後も着けたままだったのか、という態様と時間の部分である
- あなたが入国警備官で、居室で被収容者同士が掴み合いになった現場に踏み込んだとする。手元に規格品の手錠がない。とっさに結束バンドで手首をまとめたくなる。その一本が、後の国家賠償訴訟で中心論点になる。制式が法務省令で定められている(第2項)とは、現場の判断で器具を代用できないという意味である
- 友人が面会から戻ってきて言う。腰に縄をつけられて空港まで運ばれたらしい、と。最初に聞くべきは痛かったかどうかではなく、何時から何時までだったかである
- 送還予定日まであと6日。支援している人が、前回の護送で手首に痣ができたと訴えている。施設の監視カメラ映像の保存期間は法定されておらず、運用次第で数週間から数か月で上書きされる。今日中に日時入りの面会記録を作り、記録と映像の保全を書面で求めるかどうかで、半年後に残っている証拠の量が変わる
- 家族が収容された日、面会所のガラス越しに、手錠をしたまま座らされている姿を見た。面会は護送ではない。第1項各号のどの事由に当たるのかを職員に説明させる余地がある。説明を求めた事実と、求めた日時を自分のノートに残しておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 器具を特定する。手錠か捕縄か、それとも規格外の物か。規格外なら第2項の制式から外れ、授権の根拠が揺らぐ2. 使用開始と解除の時刻、行き先、そのとき自分が何をしていたかを面会のたびに日時つきで記録する3. 施設に対し、使用記録と監視カメラ映像の保存を書面で求める。映像は放置すれば消える4. 令和5年改正で整備された施設内の苦情の申出や不服申立てを使いつつ、国家賠償請求(国家賠償法1条)の準備を並行して進める。施設内手続と訴訟は別軌道で動かせる(手続の詳細は最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 使用事由が第1項各号のどれに当たるのかを、観察した具体的事実で特定して記録する。「態度が悪い」は事由ではない2. 器具は法務省令の制式品に限る。手元にないからと代用品を使えば、根拠条文を自ら捨てることになる3. 必要性が消えた時点で解除し、解除時刻も残す。継続時間が長いほど、必要性が持続していたことの説明責任が重くなる4. 護送であっても、移動に伴わない待機時間まで当然に正当化されるとは限らないと考え、時間帯ごとに記録を分ける
時効(請求できる期限):本条自体に期限の定めはない。違法な使用を理由とする国家賠償請求は、国家賠償法4条により民法が適用され、損害および加害者を知った時から3年(人の生命または身体を害する場合は5年、民法724条、724条の2)、行為時から20年で消滅する。施設内の苦情の申出や不服申立てにはこれより短い期限が設けられている場合があるため、最新の法令と施設の告知を確認すること。実務上の最短の期限は法定期間ではなく、監視カメラ映像が上書きされるまでの数週間である
学説
通説(行政法・比例原則):戒具の使用は、法定の事由と法定の器具の両方を満たして初めて適法となる。さらに比例原則により、使用時間と態様は必要最小限度に限られる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正 被収容者の処遇に関する規定が第5章の2として整理され、本条が現在の位置に置かれた。旧規定からの移設関係、文言の変更点、施行日については人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 改正:被収容者の処遇に関する規定が法律本体に整理され、本条が現在の位置に置かれたとされる。旧規定との関係と施行日は要検証
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める