出入国管理及び難民認定法 第55条の54(災害時の避難及び解放)
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- 入国者収容所長等は、地震、火災その他の災害に際し、入国者収容所等内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。
- 2.前項の場合において、被収容者を護送することができないときは、入国者収容所長等は、その者を入国者収容所等から解放することができる。地震、火災その他の災害に際し、入国者収容所等の外にある被収容者を避難させるため適当な場所に護送することができない場合も、同様とする。
- 3.前項の規定により解放された者は、避難を必要とする状況がなくなつた後速やかに、入国者収容所等又は入国者収容所長等が指定した場所に出頭しなければならない。
この条文の基本情報
災害時の避難及び解放とは何ですか?
定義災害時の避難及び解放とは、出入国管理及び難民認定法第55条の54に定められた規定で、「入国者収容所長等は、地震、火災その他の災害に際し、入国者収容所等内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54(災害時の避難及び解放)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54の条文原文は「入国者収容所長等は、地震、火災その他の災害に際し、入国者収容所等内において避難の方法がないときは、被収容者を適当な場所に護送しなければならない。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54は第五節 規律及び秩序の維持に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の53です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の55です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の54には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の54 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の54(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_54
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の54は、災害時に収容施設内で避難できないとき被収容者の護送を義務づけ、護送できなければ所長が解放でき、解放された者は危険が去った後速やかに出頭する義務を負うと定める。
Q · 大地震で入管の収容施設から解放されたら、もう戻らなくていいの?
いいえ。解放は一時的な避難措置で、危険が去れば出頭義務があります
入管法55条の54によると、災害時に施設内で避難の方法がないとき、入国者収容所長等はまず被収容者を適当な場所へ護送しなければなりません(1項)。護送できない場合に限り解放することができます(2項)。ただし解放は収容の終了ではなく、避難を必要とする状況がなくなった後、速やかに入国者収容所等または所長等が指定した場所へ出頭する義務が生じます(3項)。出頭が遅れると、その後の仮放免や監理措置の判断で不利に扱われるおそれがあります。
解説
地震で天井が落ちてきても、収容施設の扉はあなたの意思では開かない。入管法55条の54は、この状況に三段階の答えを用意している。第一段階、入国者収容所長等(大村や東日本の入国者収容所長、各地方出入国在留管理局長)は被収容者を安全な場所へ「護送しなければならない」。裁量ではなく義務である。第二段階、その護送すらできないときに限り、所長は「解放することができる」。ここは裁量で、しかも判断するのは現場の所長ひとりだ。第三段階、解放された人は危険が去ったら「速やかに」自分の足で戻らなければならない。ここが最大の落とし穴である。解放は釈放ではない。収容の法的根拠は生きたまま、扉だけが開いた状態だ。戻らなければ「逃亡」として記録され、その後の仮放免や監理措置の判断で決定的に不利になる。命が助かった代償として、出頭という宿題が残る。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法55条の54は、災害時における被収容者の避難および解放を定める規定である。施設内に避難の方法がない場合の護送義務、護送不能時における入国者収容所長等の裁量による解放、ならびに解放された者の出頭義務という三段階の構造により、被収容者の生命保全と身柄確保の要請を調整する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.平時に施設の避難計画を入手する 面会・支援を続けているうちに、出入国在留管理庁へ行政機関情報公開法に基づく開示請求を行い、収容施設の消防計画・避難計画を取得しておく。収容人数と避難経路を把握しておけば、災害後の検証材料になる
- 2.災害発生直後に安否照会を行う 施設へ電話・書面で安否を照会し、照会した日時、応対者名、回答内容を自分の側で記録する。解放されたかどうか、出頭先がどこかを確認する
- 3.出頭できない事情を客観資料で固める 交通遮断の報道、避難所の受入記録、医療機関の受診記録、連絡を試みた発信履歴を保存する。「速やかに」の評価は努力の記録で左右される
- 4.第三者同行で出頭し記録を残す 出頭が物理的に可能になった時点で直ちに出頭する。支援者または弁護士が同行し、出頭時刻と場所を記録し、可能なら受領確認を書面で求める。経緯書を先に提出しておく
よくある質問 AI による整理
Q1入管法55条の54とは?
地震や火災などの災害時に、入管の収容施設にいる人を護送・解放する手順と、解放された人の出頭義務を定めた条文です。
Q2入管施設で地震が起きたら被収容者はどうなる?
施設内で避難できなければ、所長等が安全な場所へ護送する義務を負います。護送できない場合に限り、施設から解放されることがあります。
Q3災害で解放された人が出頭しないとどうなる?
3項の出頭義務違反となり、逃亡として扱われるおそれがあります。その後の仮放免や監理措置の審査で大きく不利になります。
Q4出頭義務の「速やかに」は何日以内?
条文に日数の定めはありません。避難を必要とする状況がなくなった時点から起算し、遅れに合理的な理由があるかは個別に判断されます。
Q5災害時に解放するかどうかは誰が決める?
入国者収容所長等が判断します。裁判所が事前に関与する仕組みはなく、判断の当否は事後の国家賠償請求などで争うことになります。
Q6入国者収容所長等とは誰のこと?
入国者収容所(大村・東日本)の所長と、収容場を置く地方出入国在留管理局の局長を指します。施設ごとに判断権者が異なります。
Q7入管法55条の54はいつから施行?
令和5年(2023年)の入管法改正で新設され、令和6年(2024年)6月10日に施行されました。被収容者の処遇規定の整備の一環です。
Q8災害時の解放は家族や支援者に知らされる?
本条には家族への通知規定がありません。支援者の側から施設へ安否照会を行い、照会日時と応対者を記録しておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害で解放されたら、そのまま日本で暮らせるんですか?
暮らせない。解放は避難のための一時措置であり、収容の根拠となる収容令書や退去強制令書が失効するわけではない。3項が出頭義務を定めていること自体がその証拠で、戻らなければ逃亡として扱われる。実務のポイント:出頭したという事実を第三者の記録で残しておくと、後の仮放免・監理措置の審査で「逃亡のおそれ」を否定する具体的事実として使える。弁護人はまさにこの種の事実を探している
Q2施設の外にいるときに被災したら、どうなるんですか?
2項後段がカバーする。病院への移送中、空港への護送中、他施設への移動中でも、適当な場所へ護送できない場合は解放でき、出頭義務は同じく3項で発生する。実務のポイント:外にいるときの判断は同行職員が行う。誰がいつ解放を告げたかの記録がないと、後で「逃げた」と「解放された」の水掛け論になる。職員の氏名と時刻をメモに残すだけで、立場が変わる
Q3所長が護送しないと決めたら、もう争えないんですか?
1項は「しなければならない」という義務規定なので、履行しないこと自体が違法評価の対象になる。ただし避難方法の有無や護送可能性の判断は現場の第一次判断に委ねられ、事前の司法的チェックはない。争うのは事後の国家賠償請求(国家賠償法1条)が中心になる。実務のポイント:事後の国賠で勝つには平時の記録が要る。情報公開請求で消防計画・避難計画を取っておけば、災害後に「計画どおりに動いたか」を一行ずつ突き合わせられる。災害が起きてから請求しても遅い
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害で解放されたら自由の身になれるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。解放は収容の終了ではなく、避難のために扉を開ける一時措置にすぎない。3項が出頭義務を定めていること自体が、収容の法的根拠が生きたままである証拠だ。問うべきは「自由になれるか」ではなく「いつ、どこへ、誰の立会いで戻るか」である
- 1項が「護送しなければならない」という義務規定であることは、条文を読めば誰でも分かる。だがその義務が発動する前提、つまり「施設内に避難の方法がない」かどうかを誰が判断するのかまで読んでいる人は少ない。判断するのは現場の所長であり、事前に裁判所が介入する仕組みはない。義務であることと、義務の発動時期を他人が決めることは両立する
- あなたから見れば「命が危なかったから動けなかった」。当局から見れば「速やかに出頭しなかった」。同じ数日間が、片方では生存の記録、もう片方では逃亡のおそれを基礎づける事実になる。この落差を埋められるのは、出頭できなかった理由を示す客観資料だけである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 身柄解放の性質 | 入管法55条の54:災害時の避難のための一時的な解放 | 入管法54条:仮放免(申請または職権による正規の解放手続) 刑事収容施設法83条:刑事施設における災害時の解放 |
| 判断権者 | 入国者収容所長等(現場の裁量) | 入国者収容所長または主任審査官 刑事施設の長 |
| 解放後の義務 | 避難の必要がなくなった後、速やかに指定場所へ出頭 | 住居・行動範囲の制限、出頭義務、保証金等の条件の遵守 避難の必要がなくなった後、速やかに指定場所へ出頭 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾の行刑法制にも、天災事変時に受刑者を護送し、護送できないときは一時釈放する同旨の規定がある。外国人収容施設への直接の同旨規定の有無は要確認
韓国の行刑法は災害時の護送と一時釈放、釈放後の出頭義務を定める。出入国管理法上の外国人保護施設への適用関係は要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜二時、収容施設のある地域が震度6強。建物にひびが入り、外は停電。もし所長が「護送先がない」と判断したら、フロアにいる数十人はどうなる? 答えは2項にある。解放できる、だがそれは「できる」であって「しなければならない」ではない。この助動詞一つの差の上に、数十人の夜が乗っている
- あなたが夜勤の入管職員だとする。避難対象は40名、使える車両は2台、三往復が必要で道路状況は不明。1項の護送義務と2項の解放、どちらのスイッチを押すかをその場で決める立場に立たされる。後から国家賠償で検証されるのは、この数分間の判断だ
- 病院への移送中、車内で大きな揺れ。道路が寸断され、施設にも病院にも戻れない。2項後段が動くのはこの瞬間である
- 解放されたが、指定された出頭場所は浸水で立入禁止。施設の電話はつながらない。「速やかに」という言葉に日数は書かれていないが、時間が経つほど「逃亡」の色が濃くなる。今日動いた記録を残せるかどうかで、そのあとの数か月が変わる
- 面会に通っていた友人と、災害の翌日から連絡が取れない。施設に残っているのか、解放されたのか、家族にすら知らされない。あなたが最初にすべきは施設への安否照会と、その照会をした時刻・応対者名を自分の側で記録することだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 平時のうちに施設の避難計画・消防計画を情報公開請求で入手、収容人数と避難経路を把握しておく2. 災害発生後はすぐ施設へ安否照会、照会した日時と応対者名を自分の側で記録する3. 本人が解放されたら、出頭先と出頭時刻を第三者同席で記録、可能なら書面で受領の確認を求める4. 護送も解放もされず危険な状態に置かれた事実があれば、負傷記録と時系列メモを残す。国家賠償請求の成否はこの記録の厚みで決まる
訴えられた側:1. 出頭できなかった理由を客観資料で固める。交通遮断の報道、避難所の受入記録、医療機関の受診記録2. 連絡を試みた事実(発信履歴、メール、支援者への相談記録)を全部保存する。「速やかに」の評価は努力の記録で動く3. 出頭が物理的に可能になった時点で直ちに出頭、遅れるほど逃亡のおそれの推認が強まる4. 弁護士を通じて経緯書を先に提出し、仮放免・監理措置の判断材料として差し出す。聞かれてから説明するのと、先に出すのとでは重みが違う
時効(請求できる期限):3項の出頭期限は「速やかに」とのみ定められ、日数の明示はない。避難を必要とする状況が消滅した時点が起算点となり、遅れの合理性は個別判断になる。本条自体に消滅時効の定めはないが、護送義務違反等を理由とする国家賠償請求は、国家賠償法4条により民法724条・724条の2が準用され、損害および加害者を知った時から3年(人の生命または身体を害する場合は5年)、行為時から20年で消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)改正、令和6年(2024年)6月10日施行 被収容者の処遇に関する規定群が法律レベルで整備された際に新設された条文。刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律83条と同旨の、災害時の護送義務・解放の裁量・解放者の出頭義務という三段構造を、入管収容についても明文化した
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:入管法改正により被収容者の処遇規定が法律レベルで整備された際に新設。刑事収容施設法83条と同旨の護送義務・解放・出頭義務の三段構造を明文化。令和6年(2024年)6月10日施行
- 出入国管理及び難民認定法 第39条収容令書による収容、本条が前提とする拘束の発生
- 出入国管理及び難民認定法 第52条退去強制令書の執行と収容、解放後も存続する根拠
- 出入国管理及び難民認定法 第54条仮放免、本条の解放と異なる正規の身柄解放手続
- 出入国管理及び難民認定法 第44条の2監理措置決定、出頭義務違反が判断に影響する場面
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第83条刑事施設における同旨の災害時解放規定、立法上の母型
- 刑法 第97条逃走罪、出頭義務違反への適用は解釈が分かれる
- 国家賠償法 第1条護送義務違反に対する事後的な救済経路
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