出入国管理及び難民認定法 第55条の74(出入国在留管理庁長官に対する事実の申告)
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- 被収容者は、自己に対する入国者収容所等の職員による行為であつて、次に掲げるものがあつたときは、政令で定めるところにより、書面で、出入国在留管理庁長官に対し、その事実を申告することができる。
- 一身体に対する違法な有形力の行使
- 二違法又は不当な捕縄又は手錠の使用
- 三違法又は不当な保護室等への収容
- 2.前項の規定による申告は、その申告に係る事実があつた日の翌日から起算して三十日以内にしなければならない。
- 3.第五十五条の六十八第二項、第五十五条の六十九第二項及び第三項並びに第五十五条の七十一並びに行政不服審査法第十八条第三項、第二十二条第一項及び第五項、第二十三条、第二十七条並びに第三十九条の規定は、第一項の規定による申告について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
出入国在留管理庁長官に対する事実の申告とは何ですか?
定義出入国在留管理庁長官に対する事実の申告とは、出入国管理及び難民認定法第55条の74に定められた規定で、「被収容者は、自己に対する入国者収容所等の職員による行為であつて、次に掲げるものがあつたときは、政令で定めるところにより、書面で、出入国在留管理庁長官に対し、その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74(出入国在留管理庁長官に対する事実の申告)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74の条文原文は「被収容者は、自己に対する入国者収容所等の職員による行為であつて、次に掲げるものがあつたときは、政令で定めるところにより、書面で、出入国在留管理庁長官に対し、その…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74は第七節 不服申立てに置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74の前の条は出入国管理及び難民認定法第55条の73です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74の次の条は出入国管理及び難民認定法第55条の75です。
- 出入国管理及び難民認定法第55条の74には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の74 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第55条の74(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/55_74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法55条の74は、被収容者が職員の違法な有形力行使・捕縄手錠の使用・保護室収容について、書面で出入国在留管理庁長官に事実を申告できると定める。期限は翌日から30日。
Q · 入管施設で職員に押さえつけられたら、どこに訴えればいいの?
30日以内に書面で出入国在留管理庁長官へ申告できる
出入国管理及び難民認定法55条の74により、被収容者は職員による①身体への違法な有形力の行使、②違法・不当な捕縄・手錠の使用、③違法・不当な保護室等への収容について、書面で出入国在留管理庁長官に事実を申告できます。期限は事実があった日の翌日から30日以内です。期限を過ぎても、期間制限のない苦情の申出(55条の76)や国家賠償請求という別の経路は残ります。
解説
収容施設の中で職員に殴られた、必要もないのに手錠をかけられ続けた、懲罰的に保護室へ放り込まれた。そのとき、あなたが握れる最初の紙がこの条文である。被収容者は、入国者収容所等の職員による三類型の行為、つまり身体に対する違法な有形力の行使、違法または不当な捕縄・手錠の使用、違法または不当な保護室等への収容について、書面で出入国在留管理庁長官に直接「事実の申告」ができる。施設長を飛び越して、庁のトップへ届く。ここで決定的なのは、判断が施設内部で完結せず、外部の上級機関が事実を認定する構造になっている点だ。そして期限は、その事実があった日の翌日から三十日。この三十日を過ぎると、同じ事実を訴える通常の手段(第五十五条の七十六の苦情申出)は残るが、長官が事実認定して所要の措置をとるこの強い経路は閉じる。収容という、外部から最も見えにくい空間で、記録を残す権利が制度として開かれている。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法55条の74は、被収容者が入国者収容所等の職員による身体への違法な有形力の行使、違法または不当な捕縄・手錠の使用、違法または不当な保護室等への収容について、書面により出入国在留管理庁長官へ事実を申告できる旨、およびその申告期間を事実があった日の翌日から30日以内とする旨を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.事実があった日を特定する 有形力の行使、手錠・捕縄の使用、保護室等への収容があった日を確定する。翌日が1日目で、30日目が期限となる。継続的な収容の場合は早い日付を基準に動く
- 2.三類型のどれに当たるかを整理する 身体への違法な有形力の行使、違法・不当な捕縄・手錠の使用、違法・不当な保護室等への収容のいずれに当たるかを明示する。三類型外の処遇への不満は苦情の申出(55条の76)の経路になる
- 3.日時・場所・態様・職員・身体状況を書き出す 日時、場所、関与した職員の識別情報、行為の態様と継続時間、傷や痛みの状態を具体的に記す。傷があれば診察を求め、診療記録を残す
- 4.書面で出入国在留管理庁長官宛に提出する 政令で定める方式に従い、書面で長官宛に提出する。様式や提出方法は施設の担当者または弁護士に確認する。期限が迫る場合は完成度より提出を優先し、不備は補正で補う
- 5.外部に同じ記録を分散して残す 弁護士・支援団体・家族へ、日付入りで同じ内容を共有する。申告の前後で処遇が変わった場合の記録となり、後の国家賠償請求でも同時期の証拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1入管の事実の申告とは何ですか?
入管施設の被収容者が、職員による違法な有形力の行使、捕縄・手錠の使用、保護室等への収容について、書面で出入国在留管理庁長官に事実を知らせる手続です。
Q2事実の申告はいつまでにできますか?
申告に係る事実があった日の翌日から起算して30日以内です(入管法55条の74第2項)。当日は算入せず、翌日を1日目として数えます。
Q3入管の事実の申告は誰に宛てて出しますか?
出入国在留管理庁長官です。施設長ではなく庁のトップが宛先になるため、施設内部だけで判断が完結しない構造になっています。
Q4事実の申告は口頭でもできますか?
できません。条文は「書面で」と定めています。日本語が書けない場合でも、弁護士や面会者の助けを借りて書面を作成して提出する必要があります。
Q5入管で手錠をかけられ続けたら違法ですか?
手錠の使用そのものは制度上認められていますが、必要性や相当性を欠く「違法又は不当な」使用であれば、本条の申告の対象になります。
Q6事実の申告を郵送した場合、期限はどう数えますか?
行政不服審査法18条3項が準用されるため、郵便等で提出した場合、送付に要した日数は30日の期間に算入されないと解されます。
Q7申告書に不備があったら却下されますか?
行政不服審査法23条(補正)が準用されるため、不備があっても直ちに却下されず、補正を求められる機会が予定されています。
Q8事実の申告を取り下げることはできますか?
できます。行政不服審査法27条(取下げ)が準用されているため、申告後に取り下げる手続が制度上予定されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1申告したことが職員にバレて、施設の中で報復されたりしませんか?
報復を防ぐため、この種の申告・苦情の制度では、申告したことを理由とする不利益取扱いが禁じられているのが制度の建前である。実務のポイント:それでも実務で効くのは、外部に同じ情報を同時に置くことである。弁護士や支援団体への面会記録、家族への手紙に日付入りで残しておけば、申告の前後で処遇が変わった場合にその変化自体が記録として残る。密室性が一番の武器を奪うので、記録を外に分散させる
Q2日本語が書けない場合はどうすればいいですか?
書面であることは第一項が求めているが、誰が代筆するかまでは条文は限定していない。実務では弁護士、支援団体、面会者が聴き取って作成を助けることが多く、通訳を介した聴取も行われる。実務のポイント:三十日の期限は、通訳や弁護士の手配を待っている間に容赦なく減る。まず日付と出来事だけを記した簡潔な書面を期限内に出し、詳細は後から補うほうが、完璧な書面を期限後に出すより圧倒的に強い
Q3三十日を過ぎてしまったら、もう何もできないんですか?
本条の申告はできなくなるが、第五十五条の七十六の苦情の申出には期間制限がなく、こちらは処遇全般を対象にできる。また国家賠償法第一条に基づく損害賠償請求は別軌道で、消滅時効は本条の三十日とは無関係である。実務のポイント:申告期限を逃した事案でも、同時期の診療記録や面会記録が残っていれば、後の国家賠償訴訟で中心的な証拠になる。期限が切れたからと記録を捨てるのが一番損をする
間違えやすい点 AI による整理
- 「申告できる」と書いてあるから何でも訴えられると読むのは、前提から違っている。本条が開く経路は三類型(有形力の行使、捕縄・手錠、保護室等への収容)に限定された事実の申告である。食事・医療・処遇一般への不満は、この条文ではなく苦情の申出(第五十五条の七十六)の領域であり、経路を間違えると門前で止まる
- 三十日という期限を「まあ余裕がある」と受け取る人が多いが、被収容者にとっての三十日は外の三十日と質が違う。筆記具・用紙の入手、通訳の確保、弁護士への連絡、そのすべてに施設の手続が挟まる。期限の存在は知っていても、その中で実際に動ける日数がどれだけ削られるかを知らない人が圧倒的に多い
- あなたから見れば「職員に手荒に扱われた」という一つの出来事だが、法律から見れば「有形力の行使が違法だったか」という要件判断である。痛かった、怖かったという体験は、日時・場所・態様・関与した職員・傷の状態という要素に分解されて初めて審査対象になる。この落差を埋めないまま書いた書面は、事実があっても認定に届かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 55条の74:有形力の行使・捕縄手錠の使用・保護室等収容の三類型に限定 | 55条の76:処遇全般に関する苦情 |
| 期間制限 | 事実があった日の翌日から30日以内 | 期間制限なし |
| 方式と宛先 | 書面で出入国在留管理庁長官に申告 | 苦情の申出として処理(方式・宛先は同条の定めに従う) |
| 手続の性格 | 行政不服審査法の一部準用(補正・取下げ等)を伴う事実認定型の手続 | 期限切れ後も残る受け皿的な経路 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は外国人の暫予収容を法律で規律し、収容の適否について裁判所の関与を組み込む。施設内の実力行使に特化した長官宛申告と同型の条文は確認できない
ドイツは送還拘禁の執行方法を連邦法で定め、細目と苦情手続は州法に委ねる
米国は拘禁基準の中に苦情処理(Grievance)手続を置くが、法律ではなく運用基準である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 入管施設で職員に取り押さえられ、腕を強くひねられて痣が残った。診察を求めたが「様子を見ましょう」で終わった。この時点で時計は動き出している。翌日から三十日、その間に書面を出せるかどうかで、事実が公的に記録されるか、なかったことになるかが分かれる
- あなたが職員の側だったらどうか。制止のためにやむを得ず有形力を行使したが、後日申告された。ここで問われるのは「暴行したか」ではなく「違法な有形力だったか」である。制止の必要性、態様の相当性、継続時間。記録と報告書の精度が、あなた自身を守る
- 保護室に入れられて五日。出たときには日付の感覚も曖昧になっていた。いつの行為について、いつから三十日なのか。継続した収容の場合、起算点をどう捉えるかは実務上も争いうる論点であり、迷ったら早い日付を基準に動くのが安全である
- 友人が入管施設に収容されていて、面会で「手錠が痛い、ずっと外してもらえない」と言われた。あなたは外にいる。面会記録に日時と内容を書き留め、弁護士や支援団体につなぐ。申告書を書くのは本人だが、三十日を数えて背中を押せるのは外にいるあなただ
- あと十日。事実があった日から既に二十日が過ぎ、日本語で書面を書く自信がない。それでも出せる。様式や手続の細目は政令に委ねられているが、期限内に提出する行為そのものが最優先で、内容の精緻さは二の次である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事実があった日を特定する。ここが起算点であり、翌日から三十日である2. 日時・場所・職員の識別情報・行為の態様・身体の状態を、記憶が新しいうちに書き留める。傷があれば診察を求め、記録を残す3. 三類型のどれに当たるかを明示して、書面で出入国在留管理庁長官宛に申告する。様式や提出方法の細目は政令で定められているため、施設の担当者または弁護士に確認する4. 期限が迫っているなら、完成度より提出を優先する。補正の機会は準用規定により予定されている5. 弁護士・支援団体への連絡を並行させ、面会記録という外部の証拠も同時に積む
訴えられた側:1. 当該時点の勤務記録、使用した戒具の種類と使用時間、保護室収容の決定過程を時系列で確認する2. 争点は暴行の有無ではなく、有形力・戒具・保護室収容が「違法または不当」だったかである。必要性と相当性を基礎づける具体的事情(抵抗の態様、危険の切迫度、他に手段がなかったこと)を記録から拾う3. 行為時に作成された報告書の記載と、事後の説明が食い違わないよう整合を確認する。事後に作られた説明ほど信用されにくい4. 申告手続には行政不服審査法の一部が準用されるため、手続の進行に応じた意見提出の機会を把握しておく
時効(請求できる期限):申告に係る事実があつた日の翌日から起算して三十日以内(本条第二項)。この期間を過ぎた場合、本条の申告はできなくなるが、苦情の申出(第五十五条の七十六)には期間制限がないため、そちらの経路は残る。なお本条の手続には行政不服審査法第十八条第三項等が準用されるため、期間計算や補正の取扱いは同法の枠組みに従う
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:被収容者の処遇に関する規律を法律に定める改正の中で、職員による三類型の行為について出入国在留管理庁長官への事実の申告制度が設けられた
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