出入国管理及び難民認定法 第76条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
- 一第二十三条第一項の規定に違反した者
- 二第二十三条第三項の規定に違反して旅券の提示を拒んだ者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第76条は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第76条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第76条は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第76条の前の条は出入国管理及び難民認定法第75条の3です。
- 出入国管理及び難民認定法第76条の次の条は出入国管理及び難民認定法第76条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法76条は、旅券等を携帯しない外国人と、警察官等に求められた旅券の提示を拒んだ者を十万円以下の罰金に処する。在留カードの不携帯は75条の3が別途規律する。
Q · 日本にいる外国人がパスポートを持ち歩いていないと罰金になるの?
短期滞在者などは旅券不携帯で十万円以下の罰金の対象
入管法76条により、在留カードを持たない外国人(短期滞在者など)が旅券を携帯していない場合や、警察官・入国審査官などから求められた旅券の提示を拒んだ場合は、十万円以下の罰金に処されます。罰金は刑罰なので、科されれば前科になります。なお、中長期在留者の在留カード不携帯には75条の3(二十万円以下の罰金)、在留カードの提示拒否には75条の2(一年以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金)という別の罪が適用されます。
解説
在留カードを家に置いたまま出かけた日、職務質問に遭う。これだけで罰金十万円以下の刑事罰の対象になりうる、それが出入国管理及び難民認定法76条の正体だ。この条文が罰しているのは二つ。第一に23条1項の携帯義務違反、外国人は旅券または在留カードを常に携帯しなければならない(在留カード交付済みの中長期在留者は在留カードの携帯で足りる)。第二に23条3項に違反して、入国審査官・入国警備官・警察官・海上保安官などから旅券の提示を求められたのに拒んだ場合。注意すべきは「罰金」であって「過料」ではないという点。罰金は刑罰であり、科されれば前科になる。そして前科は在留資格の更新・変更審査における「素行が善良であること」の判断材料になり、永住許可申請でも不利に働く。財布に十万円を入れて済む話ではなく、あなたの日本での将来設計に直結する。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法76条は、旅券等の携帯・提示義務を刑罰で担保する規定である。対象は、23条1項の旅券等携帯義務に違反した者と、23条3項に違反して権限ある職員への旅券の提示を拒んだ者であり、法定刑は十万円以下の罰金に限られる。在留カードに関する同種の違反は、75条の2・75条の3が別に規律する。
よくある質問 AI による整理
Q1旅券不携帯罪とは?
入管法23条1項で義務付けられた旅券等を携帯していない外国人を、76条1号により十万円以下の罰金に処する罪です。罰金は刑罰です。
Q2観光客もパスポートの携帯義務はある?
あります。短期滞在者には在留カードが交付されないため、入管法23条1項により旅券を常に携帯する必要があり、違反すれば76条の対象になります。
Q3在留カード不携帯の罰金はいくら?
中長期在留者の在留カード不携帯は入管法75条の3が適用され、二十万円以下の罰金です。旅券不携帯(76条、十万円以下)とは別の罪です。
Q4パスポートをホテルに置いて外出するのは違法?
在留カードを持たない短期滞在者の場合、形式的には23条1項違反となり、76条の罰金の対象になりえます。原本を携帯するのが原則です。
Q5入管法76条違反の時効は?
罰金のみの罪なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。時効は違反行為の時から進行します。
Q6旅券の提示を求められるのは誰から?
入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官、その他法務省令で定める国や地方公共団体の職員が、職務の執行として求める場合です(入管法23条3項)。
Q7日本人にもパスポートの携帯義務はある?
ありません。入管法23条の携帯・提示義務は外国人に課されるもので、日本国民が国内で旅券を持ち歩く法的義務はありません。
Q8特別永住者も入管法76条の対象?
特別永住者は入管特例法が別に規律し、特別永住者証明書には携帯義務がありません。提示義務とその違反の罰則は、特例法側に定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1在留カードのコピーや写真じゃダメなんですか?
法律上の携帯義務は原本の携帯を指し、コピーや画像では義務を満たしません(入管法23条1項、2項)。ただし現場での身元確認が迅速に済むため、実務上の処理は軽くなる方向に働きます。実務のポイント:入管業務を扱う専門家は、在留カード両面とパスポート顔写真ページの画像をスマホに保存しておくよう助言します。原本の代わりにはなりませんが、発覚時の事案処理が厳重注意で終わるか略式起訴まで行くかの分かれ目に、実際に影響する場面がある
Q2罰金を払ったら、それで終わりですよね?
刑事手続としては終わりますが、前科として記録が残ります。在留期間更新許可・在留資格変更許可の審査では法務大臣の裁量判断に影響し(入管法21条、20条)、永住許可では素行善良要件(同22条2項1号)の直接の審査対象になります。実務のポイント:行政書士・弁護士は永住申請の相談で必ず過去の罰金歴を聞きます。軽微な不携帯の罰金であっても、申請時期を数年ずらすという戦略を取ることがある。「払ったから終わり」と思って翌年に永住申請を出す人と、時期を調整する人とで、結果が変わることがある
Q3職務質問で在留カードを見せるの、拒否できませんか?
入管法23条3項に基づく提示要求を拒むと、本条により十万円以下の罰金の対象になります。不携帯(同1項)とは別個の違反類型なので、持っているのに見せないという選択は、忘れた場合より状況を悪化させます。実務のポイント:提示を求められたとき、相手が権限ある職員かどうかを確認するのは正当な行為です。警察官には職務執行時の身分証提示義務があり(警察官職務執行法の運用)、確認を求めること自体は拒否に当たりません。拒否と確認は別物、この線引きを知っているかどうかで現場での立ち回りが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「不携帯は罰金だと知っている」という人は多いが、その深刻度を知らない。罰金は行政上の過料ではなく刑罰であり、科されれば前科となる。前科は在留期間更新許可・在留資格変更許可の「相当性」判断、そして永住許可の素行善良要件の審査で参照される。十万円を払って終わる話ではなく、記録が残り続ける話である
- 「在留カードとパスポート、両方持ち歩かないといけない」と思い込んでいる人が多いが、問いの立て方が違う。在留カードの交付を受けている中長期在留者は在留カードを携帯していれば足り、旅券の携帯義務は課されない(入管法23条2項)。逆に短期滞在者など在留カードが交付されない者は旅券を携帯する。自分がどちらの類型かを確定させるのが先である
- あなたから見れば「うっかり家に忘れただけ」だが、法律から見れば構成要件は「携帯していなかったこと」だけで完成している。忘れた理由、距離、時間の長短は構成要件に影響しない。この落差を知らないまま「すぐそこだったので」と弁解を重ねると、反省の態度がないと受け取られ、かえって不利に転ぶ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 76条:旅券等の不携帯(23条1項)、旅券の提示拒否(23条3項) | 75条の3:中長期在留者の在留カード不携帯(23条2項) 75条の2:在留カードの受領拒否・提示拒否など |
| 主な対象者 | 在留カードを持たない外国人(短期滞在者など) | 在留カードの交付を受けた中長期在留者 在留カードの交付を受けた中長期在留者 |
| 法定刑 | 十万円以下の罰金 | 二十万円以下の罰金 一年以下の拘禁刑または二十万円以下の罰金 |
| 在留審査への波及 | 罰金は前科となり、素行善良要件(22条2項1号)の審査材料になりうる | 同左 拘禁刑の可能性がある分、影響はより重くなりうる |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も外国人に護照・居留証の携帯を義務付けるが、違反は行政罰(罰鍰)で処理され、日本のように刑罰(罰金)にはならない点が大きく異なる
韓国も外国人に旅券・外国人登録証の携帯と提示を義務付け、違反には罰則がある。日本と構造が近い
中国は外国人に証件の携帯と公安機関による査験への協力を義務付け、違反は警告・罰款などの行政処罰で処理する
ドイツは旅券・在留許可証の提示義務を定め、違反は主に秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料で処理する
米国は18歳以上の外国人に登録証明書の常時携帯を義務付け、違反は軽罪(misdemeanor)として刑事罰の対象になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 留学生が近所のコンビニへ3分の買い物に出た。在留カードは部屋の机の上。帰り道で自転車の職務質問に遭い、携帯していないことが判明する。「すぐそこだから」は法律上の免責事由にならない。ただし実務では初犯かつ悪質性が低ければ厳重注意で終わることも多く、そこに運と態度が絡む
- エンジニアとして技術・人文知識・国際業務の在留資格で働くあなたが、警察官から旅券の提示を求められた。むっとして「令状は?」と返した。この場面で提示を拒むと、携帯義務違反とは別に23条3項違反として同じく罰金の対象になる。拒否の一言が、単なる不携帯より重い評価を招く
- もし警察官から在留カードの提示を求められ、実は紛失していてまだ再交付申請をしていなかったら、どうなる? 紛失に気付いた日から14日以内の再交付申請義務(入管法 施行の手続上)を怠っていること自体も別の問題になり、不携帯と重なって心証が悪化する
- 永住許可を申請しようと10年の居住歴を積んできた。過去に一度だけ在留カード不携帯で略式命令の罰金を受けたことがある。申請窓口ではその一件が「素行善良要件」の審査対象になる。三年前の小さな罰金が、今日の永住審査の机の上に載っている
- 特別永住者であるあなたは、この76条の射程外だ。特別永住者証明書の携帯義務は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法が別途規定しており、そちらでは提示拒否のみが罰則対象で不携帯そのものは刑事罰にならない。同じ「外国人」でも適用される条文が違う
取るべき行動
被害を受けた側:この条文は個人を被害者とする犯罪ではなく、国の出入国管理秩序に対する違反を罰するもの。強いて言えば、提示を求める権限のない者から提示を強要された場合は、求めた側の身分(入国審査官・入国警備官・警察官・海上保安官等の権限ある職員か)を確認する。権限者は身分証の提示義務を負う。権限のない民間の求めに応じる法的義務はない。
訴えられた側:1. 事実関係を正確に確認する。携帯していなかったのか、所持していたが提示が遅れただけか、この区別が罪名を分ける2. 即座に在留カードまたは旅券の所在を明らかにし、取得可能であればその旨を申し出る3. 紛失していた場合は速やかに紛失届と再交付申請の手続に入り、その記録を残す4. 略式命令の通知が来たら、その場で署名する前に入管業務に強い弁護士または行政書士に相談する。罰金前科が在留資格更新・永住許可に与える影響は、十万円の何倍もの重さを持つ
時効(請求できる期限):罰金のみに当たる罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は違反行為の時。ただし刑事手続とは別に、在留資格の更新申請は在留期間満了の3か月前から満了日まで、在留カードの紛失に気付いた場合は14日以内の再交付申請が必要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は、旅券等の携帯・提示という行政上の義務を刑罰で担保する行政刑罰規定である。法定刑を罰金のみとすることで、日常生活に課す負担との比例を図っていると理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)として制定。翌年、昭和27年法律第126号により法律としての効力を与えられた。
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約への加入に伴い難民認定制度を導入し、題名を「出入国管理及び難民認定法」に改めた(1982年1月施行)。
- 3.平成21年(2009年) 改正:外国人登録制度を廃止し在留カード制度を導入(2012年7月施行)。在留カードの不携帯・提示拒否は、本条ではなく75条の2・75条の3の罰則として整理された。
- 出入国管理及び難民認定法 第23条旅券等の携帯義務および提示義務の本体規定
- 出入国管理及び難民認定法 第19条在留資格に伴う活動範囲の制限
- 出入国管理及び難民認定法 第22条永住許可の素行善良要件、罰金前科が影響する場面
- 出入国管理及び難民認定法 第21条在留期間更新許可の裁量判断への影響
- 出入国管理及び難民認定法 第19条の7在留カードの記載事項変更届出義務
- 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法 第17条特別永住者証明書の提示義務の特則
- 刑事訴訟法 第250条罰金のみの罪の公訴時効3年
- 国籍法 第5条帰化の素行善良要件への波及
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